【濃厚】カニの殻と向き合う




昔も記事に書きましたが、蟹の殻を使っての独自ノウハウによるカニだしの取り方です。

というか、カニの殻に残った細かな身をどこまで回収できるかが命題であります。


カニ愛好家の自慢の食べ方は種々あるでしょうが、量を沢山食べられる、などといった自慢は噴飯もの。

僕としては如何に身ひとつ残さず味わい尽くすかの愛情にこそ、カニ好きの本懐があると考えます。


普段食べ終わった殻に、普段どれだけお楽しみを残したまま捨てているか。これを是非とも出汁を取っていただき、カニ飯にでもして召し上がっていただけたらと思います。


先ずはカニ。今回は非加熱冷凍のものを7肩取り寄せました。13,000円もしたよ。





年末年始を乗り切る先行投資です。秋のカニ祭りは毎年秋の行事と化しております。

これを茹でる。茹でた側から色が変わります。うーん、いい色だこと。





茹で上がり。4肩茹でたのですが、結構な量です。









こちらを全て、剥いて殻から外していきます。剥いた身は少しは食べつつも、タッパーに取っておいて明日のお楽しみにします。(結局食べちゃって、写真撮り忘れ)



そうとうゲンナリする位の量があります。カニをフルで二杯食べて、普通なら「世は満足じゃ!」となる所です、、。


僕のカニ祭り、主役はこの剥き終わった殻にあります。





先ほどの茹でた汁を取っておいて、もう一度煮かえします。そして、よく揺すってカニの細かな身を剥がす。剥がれない身は少し冷ました茹で汁の中で割箸や指を使ってこそぎ落とす。


イライラしたら負け。砂の中の砂金を取り出すような気持ちで、根気よくこそぎ落とします。

出汁を静かに置いておき、身が沈殿したところで網で掬い取り、またカニ殻を茹でて、さっきと同じ事を繰り返す。

三回くらいやった所で今度は汁を切って、殻を木べらにてよく炒める。鍋肌に旨味がくっ付いて焦げる手前、そこへ日本酒とさっきの上澄み出汁を戻し、また煮る。そうするとカニの風味がまた出てきて、出汁に移る。


またもカニの身がユラユラと出てくるので、心を静かに保って、繰り返し沈殿させて網で掬う。



そんな事を2時間くらい繰り返し、こちらが最終的な上澄み液となります、、、





そして、捨てるはずの殻からこんなにも身が!!





カニ缶で言うところの、小さめのだったら5から6缶分はあります。


これをカニご飯にします。先ほどのペットボトルの煮汁に鰹、昆布の出汁と醤油、味醂を加えて炊き込みご飯に致します。


まあ、カニのエキスがこれでもか!というくらいに溶け出して、濃厚なカニ飯が出来上がるのですが、、。


この出汁は味噌汁にしても美味しいのです。西洋風ならブイヤベースか。それにパスタ。オイルベースで、白ワインと共に乳化させるとあっという間に魚介のパスタ。

乳化したパスタソース愛を語り出すとまた長いので、また今度にします。ああ、幸せ。




つい、カニの身を外すときに口でチュパチュパやりたくなるんだけど、それはいけません。自分は汚いのは割と平気なのですが、此ればかりは流石に食欲が無くなります。

そして何より、痛むのが早くなるので避けた方が良い。

むしろ、カニのを豪快に大きなところだけ食べ、細かな身を残す位の気持ちで取り組むのが良し。


これだけ濯ぐと、殻には少しの身も残っていません。これでカニも成仏できるかと。そうです、細かな身からエキスから、食べ尽くす事が何より供養ですわな。


カニさん、僕がこの後目覚めたら、炊きたてのカニご飯の姿で再会しましょう。




早く逢いたいよ、、、。





マトンに立ち向かう





食い物カテゴリーのタイトルは大抵「向かい合う」なのですが、今回は違います。

マトンという大きな大きなトラウマに立ち向かう回なのです。



北海道にお邪魔して、早1週間。どうしてもあのサッポロビール園で頂いたラムの味が忘れられないのです。






豚肉と牛肉の間のような、それでいて濃い独特の風味。牛肉豚肉が満たしてくれなかった奥行きが、ラムにはありました。

今まで届かなかった味覚の奥の方を優しく撫でられたような、半端ない充実感。


もう一度あの充実感を味わいたい。

これが、もしもマトンならどうなんだろうか。味覚の奥をグリグリやられたら、それこそ今まで知らなかった幸せが待っているんじゃないか。


元々癖のある食べ物が大好きで、チーズやくさや、発酵食品の類は普段から好んで食べております。

食品で嫌いなものは今のところマトンとホヤくらい。ホヤも新鮮ならまあ、全然行ける位の所なんだけど、登場回数からして低いのでこれは無視してもいいレベル。

北海道出身の人に話を聞くと、大抵の人が抵抗なく食べてるジンギスカン。つまりはマトンなんだけど、どうして臭いモノに目がない僕だけが苦手なんだろうか。


人生を損してるような気がして、段々腹が立ってくる。

小さい頃から母は僕に繰り返し言いました。

「ジンギスカン(主にマトンを指す)なんて臭くて食べられへんよ。あんなん食べる位なら、、、」と、羊の話になるたびに。


親の言葉ってのは不思議なもので、離れてからもどんどん成長していく。

へー、そんなものかな、位から段々とそうに違いない、遂には確信へとなる。



差別思想なんかもきっと同じだと思うのです。本人がいくら自立した思想を持ってしても、例えば「保毛尾田保毛男って気持ち悪いわねぇ」とか、「あの橋の向こう行ったらあかんで」なんて100万回くらい繰り返し言われたら、大人になっても中々抜けないと思う。

(幸いに、うちの親はその類の言葉は一切言わなかった)



母よ、僕は遂にマトンに立ち向かいます。




用意したのはなるべく大人向けな顔色の冷凍マトン1キロ。





わー、かなり匂いがあります。ドキドキしてきました。


タッパーに移して、暫し眺めます。





何でか、心臓がバクバクしてきました。

凄く変な例えなんだけど、僕にとってマトンを克服することは、女性と性行為を出来るようになるのと似ている気がする。



今まで長年に渡り、強く否定してきたものが壊れる恐怖感。人は急な変化が一番怖いのです。


今から女性に関心を持ったら、、生物学的にはいい事なんだろうけど、なんさ色々ややこしくなる。いや、ややこしいのが嫌なのではなく、自分のアイデンティティが崩壊することが怖くて仕方ないんだろう。


嫌いなものの1つくらいあっても、それはそれでカッコいいのかも、なんて思い始める。

そんな事をモヤモヤ考えてるとフライパンから煙が上がってきた。ヤバイ、明らかに考えすぎ。でもなんでこんなに緊張するんだろう。



匂い対策として窓全開で換気扇は強スイッチ、そして僕は短パン一枚です。


とにかく焼いてみよう。






くっさ!!!


確実にアカンやつや、これ。中東の本格的なワキガの方のような匂い、、。


でも、嗅覚と味覚は違うって言うし、、


一口食べてみよう。死にはしない。





えいっ!



ヒー、臭い。どうやっても臭い。大嫌いな匂い。


でも、、ここまで来たらもう同じなのだから、10口連続で食ったらどうなるのか。大雨で傘がなくて全身ズブ濡れで、段々どうでも良くなって、逆に楽しくなってくるのとちょっと似てる。

10口食べても臭かった。


よし、次はニンニク作戦。巻いて食べよう。





にんにくを巻くと、臭さのベクトルが少し変わってきた。ワキガ には違いないんだけど、人間由来ではなくハーブの類の香りのような気がしてくる。

まるで、トルコの後宮のハーレムに集まるダンサー達の汗の匂いが、お香と混ざったみたいだ。うむ、これなら耐えられる。


いざトプカプのハーレムへ!!




段々、ニンニクを食べてるのかマトンを食べてるのか分からなくなってきた。





と、ここで休憩。



お風呂を沸かしてあるので飛び込む。


湯上りには牛乳。臭い消しといえばこれ。





調べてみると、基本的なお店で出されるマトンは一人前150グラムらしい。僕が食べたのは300グラム、致死量の2倍も食べてしまった!!



マトンはまだ僕には早かったかも、です。でも、今回の件を踏まえて確実にラム(一歳未満)はオッケー、マトンの高級なやつも高確率で行けそうです。


でも、いくら美味しくても東京じゃあの興奮は得られないと、、、。旅先の、それも初めての北海道の空気がより美味しく感じさせたんでしょうね。



あの鍋も造形的に好きかも。






ラムは東京で美味しいお店を探して行ってみるとして、マトンに関してはまたいつか北海道に行った時に試してみよう。



それまで待っててな!







トラウマに挑戦するのは人生の節目の答え合わせにも似ています。何せ、自分の内なる神秘ほど近くて遠い存在は他に思い付きません。


僕の他のトラウマは、と。



新鮮でないホヤを食べる

生卵の白いカラザを単独で食べる

黒板を勢いよく爪で引っ掻く

小学校の球技大会に出場する
ゴキブリを素手で触る

オタク口調の声優さんの詰まんなそうなアニメを一話丸々鑑賞する

友達の飼い犬に顔を舐めまわされても、一切拭かずに動じないフリをして話を続ける

伊勢丹メンズ館の三階奥の長身の気取った店員さんと軽やかに世間話をする

確定申告を全部自分でやる
カラオケでラップ主体の曲を唄う
女体の神秘に挑む



まだまだ沢山ありました(笑)





鍋焼きうどんと向き合う


まずはお知らせ。



この5日ほど、どこにもミントが売っておりません、、。

伊勢丹ですら少しあるかないか、いつま20パックからい並べていた信濃屋さんですら、ゼロです!

モヒートはミントが入荷しだいの再開とさせて頂きます。申し訳ありません。





今日も朝からお役所周りで、遂に銀行1つを残して、手続きが終わりました。

落とした財布の復旧完了まで、後一歩となりました。


一番面倒なマイナンバーカードの証明写真を撮りに、近所の証明写真機コーナーに。



暑い、、、暑いよぉ。今日に限って36度くらいある。汗まみれで機械に入るが、中はもっと暑い。溶鉱炉の如く熱せられた鉄の箱に入り、何やらボタンを押す。


今のは技術が凄く進んでいて、肌モードとかある。美白なんて気味が悪いので、もちろん日焼けモードに。






あー、見慣れた顔だなぁ。いつも見る、どーって事ない普通の顔。年々眉毛が垂れ下がって来ている。昔は10:10を指していたのに。


昨日が進化してるなら、もっとイケメンに加工してくれたら良いのに、、なんて真剣に考えてしまう。大谷何とか君みたいに。





むしろ、この機械から出た瞬間、彼になってたらどうしよう、、。



大谷何とか君みたいな見た目だったら、普通に生きるの大変そうだなぁ、、。電車でもジロジロ見られるだろうし、人の目が気になるだろうし、CoCo壱番屋で福神漬けをバリバリ食べたり、蕎麦屋で蕎麦湯を4回もお替りすることもままならないだろう。

いや、蕎麦湯を4回もお替りするからこそ、今の僕のようなふっくらした写真映りになるんだろうか。卵が先か鶏が先か。それなら鴨の方がいい。鴨南蛮で締めは蕎麦湯で、今日は3杯だけにしようか。


暑くて脳が溶けそうなのか、変な妄想しながらクソ暑い機械を出る。


こうなると、涼しいモノを食いたくなる。


ご褒美に店の途中にある、いきつけの蕎麦屋に!!



某お蕎麦屋さんなんだけれど、ちょい老舗、くらいの古くもなく、気取らないごく普通のお蕎麦屋さん。


もっと雰囲気があったり、凝った数寄屋造みたいな店も沢山あるんだけど、ここは僕の中で数段飛び抜けてるんです。


何がかっというと、信じてもらえないかも知れませんが、店の中に蕎麦屋の酵母?みたいなのが繁殖してるんですよ(笑)


お店に入った時から、各所から独特の香りがします。例えが難しいんだけど、古い木造の家の台所のカビと脂が混ざったような匂い。

古い木製の濡れたまな板で毎日ぬか漬けを切っていて、それを40年くらい繰り返した末の芳香とでも言うか、、。


うちの田舎の婆さんの台所にもこんな匂いがしていましたが、当然こちらはプロの商店。

生醤油や鰹の濃厚な香りと合間って、とにかくその香りが堪らなく懐かしく、美味しそうなのであります。



ひまわりの花をそのまま人間にしたような丸顔の陽気なおばちゃんが出て来て、いつも暑いねー、寒いねー、と声を掛けてくれる。まあ、大抵は暑いか寒いかのどちらかなんだけど。


店内には漫画や雑誌が積んであり、奥には出前用のスーパーカブがどーんと止まっている。


正しい佇まいの鄙びた店内。柴又に帰る途中の寅さんがふらっと入って来てもおかしくないような、、。


暑かったので、鴨南蛮ではなく、ついざる蕎麦を頼むと見せかけ、実は鍋焼きうどん、を注文です。

この見事な裏切り。




実は証明写真機の辺りから、「最終的にはきっと鍋焼きを頼んでしまうだろうな、、」という心の奥の予感が消えなかったんだけど。


僕はいつも、お店の方をお呼びしてから急にメニューをババッと3度ほど変えます。ざる蕎麦を頼むと思いきや、0.3秒位で鍋焼きうどんに変えるのです。


1人でやってて何の意味もないんだけど、意外なものを降って湧いたの如く食べられる喜びを1人で演出する、というか、、、。


虚しい癖です(笑)



と言うわけで、沸騰した鍋焼きうどんを頼みます。


待つ間に瓶ビールと、マグロの山かけを注文。


鍋焼きは15分くらい見ておかねばならない、余裕のある人にしか食べられない選ばれた逸品なのです。しかも、酷暑の日に食べるなんて贅沢を!!


待ちに待った鍋焼きうどん様。





グラグラ沸騰するこの出汁にも、さっきの酵母?の香りが生きております。他所とはコクが違う!


懐かしく落ち着く、気だるい真夏の午後にピッタリなご褒美。



エビ天を中心に、麩に蒲鉾二種、ほうれん草に冬子椎茸、ウズラに鶏卵、ネギも二種。


これに、エクストラで揚げ玉を頼んでおいたのを入れて、ヒタヒタにして食べます。

ああ、何て濃厚なんだろう。こんなに幸せで美味しい950円の食べ物は世の中にそうそう無いんじゃないか。

後半のうどんが無くなった後のお出汁。揚げ玉の油が溶け出して出汁と乳化し、これまた滋味溢れる味となっております。


フランス料理のソースの仕上げにバターを入れて乳化させる、つまりバターモンテと同じではないか。エマルションにより得られる世界共通の幸せ、濃厚な口当たり。


鍋焼きうどんの醍醐味は、この残った濃厚なスープといっても過言ではない。






酵母が生きてるなんて失礼な褒め言葉を書いてしまっているので、ご店主に嫌な思いをさせてはいけないと思い店名を伏せております。

大久保の大きななドンキホーテから見て、南西方向向きの斜め向かいにあります、何でもない街の蕎麦屋さん。




ピンと来た方は是非ともどーぞ。




鍋焼きうどんのご褒美を心に抱いて、明日からも頑張ろう。






ビシソワーズと向き合う



僕は基本的に乳製品の入った食べ物が大好物であります。

ホワイトシチュー、グラタン、ドリアの類には目がありません。


生クリームで煮込んで仕上げる、というリッチな調理法。僕の中でピンは、以前ご紹介した東京會舘の舌平目のボンファムになります。






4800円なり。死ぬ前に食べたい、いや、食べながら死にたい。むしろ墓石に塗り込んで欲しい逸品です。


で、キリの最も身近なクリーム系のお料理と言いますと、、、



ドドン!!





セブンイレブンのビシソワーズです!


1つ140円。カロリーは70キロカロリー。


これを、お腹が空いたら吸います。端っこを切って、チューッとやる。





これを食すると、口の中に濃厚なクリームとジャガイモの豊かな滋味が広がります。

まるで、西日の差す教会の片隅で聖母マリアに抱かれるような充足感に包まれます。




70キロカロリーというと、小さな卵1つ分くらい。


ご飯一膳だと、このスープが4個分。そう思うとご飯ってカロリーありますよね。


そして、僕の大好きなペヤング超大盛りと比較すると、何とスープ15.5個分になります。





夜中にお腹が空いて、ペヤングやらラーメンやらお茶漬けやらをを食べるのをやめてビシソワーズ1つにしたら、少し体重が減って来ました。



当たり前だ。


5月くらいから買い始め、もう80個ほどになります。(汗)


店員さんにも覚えられています。パキスタン人のイケメンの子に「ソンナニ美味しいデスカ?」と聞かれる始末。


美味しいんだ、それが。




そのセブンイレブンのビシソワーズコーナーが、前は一列だったのに、今は2列になっています、、、。


あー、何をやってるんだろか。


濃厚な癖にローカロリーなこのスープ。まだ飽きる気配がありません。いっそのこと嫌いになれたら良いなと思い、4つ一気に吸った後、また1つ食べてしまいました。



それでもカロリーはご飯大盛りの一膳ちょっと。



ビシソワーズよ、僕を細い頃の日々へ連れて行っておくれ。夏までに。




*25歳の頃


(肉や野菜など、栄養バランスの良い食事を心がけましょう)




早起きは三文の何とか




早く眠ってしまい、目が覚めたのが6:00頃。

お腹が空いて起きてしまったので、何かないかと冷蔵庫を漁る。



取って置きの大きな辛子明太子を発見!!


冷凍ご飯を丼に移してチンして、と。



では、頂きまーす!!




ブヒーーーっ!!!!










思い出した。伴侶がこれから仕事で一週間、家を空けるのだ。朝10時に出るとか言ってたっけ。


なのに僕は、、、丼飯をブヒブヒとかっ喰らおうとしてる。


ふた口ほど食べたところで、箸を置く。この食べかけのご飯でお弁当作ろう。汚いかな?僕はあまり気にしないです。



オニギリを2個。明太子のと、アオサをまぶしたやつ。後は卵焼き。

急いで作ったから綺麗ではないけど。






ポケットの中にはビスケットが2つ〜と口ずさみながら蓋をする。



彼の用意した荷物の山の頂上にそっと置く。ちゃんと見つけてくれるかな。喜んでくれるかな。







さて、週末に控えてもう一度寝ましょう。




皆さん、お仕事頑張ってくださいませ!





キャベツさえあれば。



Xmas、いかがお過ごしでしょうか?


僕は、今は二つの事柄、つまりはお店と自転車事故の保険関係だけの毎日を過ごしております。


クリスマスと年末の華やいだ雰囲気はお店のみで、家に帰ったらとにかく何かを胃に入れて、穴蔵みたいな自分の寝床に倒れこむ。

今年はそれでいいんです。季節を慈しむという心の余裕がありません。


来年こそは、ね。



眠れて、何かを食べられればとりあえず生きられます。それにまつわる余裕とか雰囲気とか、そういう贅沢なモノは今はどうでもいい。



しかし、ズボラの神様は僕を見捨てませんでした。また新たなメニューを開発してしまいました。


ペヤングの焼きそばに刻んだパックのキャベツを半分投入、残りを生のサラダとして食べるというこのメニュー。



生のキャベツをペヤングにぶち込み、お湯を投入します。





これが、美味いのなんの!!サラダとしてのキャベツと、お湯を通したキャベツは全く別物で、不思議と胃がもたれない気がします。

これを3日くらい頂いておりまして、、、。全く飽きる気配がありません。






怒涛のクリスマス連勤も今日で終わりました。明日お休みを頂いたら、年末までノンストップです。


秋から始まった平日1人体制の週6回勤務はかなりキツい。でもやると決めたんだから。



ともあれ、毎晩働ける喜びを噛み締めながら、キャベツをかきこんで今夜も寝床に向かいます。




ねえ、神様。


起こる出来事は僕の身から出たサビということもあります。だけど、年末までこんなに辛いことが起こる事って、今まで有りませんでした。

なんだか悪い夢を見ているようですよ。




事故のおばあちゃんは幸運にも先日退院なさり、自宅療養には入られました。

しかし、まだまだ保険屋さんとの手続きは続きます。つまりは金銭的なやり取りです。保険屋さんも付いていますが、かなり長くかかりそうです。


このやり取りを、早く終えられたらどんなに楽か。とても長く耐えられるものではありません。



おばあちゃんには申し訳ないけど、僕は普通に運転していただけなのに、凄いスピードで坂道を下っていらして、勝手に倒れられて、、。


あんまり書きたくないけど、僕は普通に道を走ってただけなんですよ。

お怪我の有る無しはあるにせよ、何だか凄く謝りに行ってる現状に少しだけ違和感があります。



でも、それは言ってはいけないのか。僕がいなければおばあちゃんは怪我をしていなかった訳だし。



そんなツイていない年末の毎日の中で、お店をやらせてもらい、ふらりといらして下さったお客様が何気ない会話やピアノに喜んで下さる事は、僕にとって収入以上の生き甲斐なんですよね。


少しでも誰かの役に立ててるという実感を得られています。



もしも、何もない年末だったらこんな事思わなかったかも知れない。

そして、有難いことに毎日忙しくてしょうがないのです。

ASKAの心配なんてしてる場合じゃないよ。


本当にお店をやってて良かったと思います。


必要とされる存在であれるという事、そして喜びにあふれた毎日。お店がなかったら今年の僕は持たなかったと思います。その位、支えられています。



地味で結構、少しでも長く。これからも変わらず続けさせて下さい。


来年は、僕にとっても皆さんにとっても、新たないい年になりますよう。



でも、キャベツ添えペヤングは間違いなく美味しいのです。


胃にも心にもお財布にも有難い。何もかもが面倒になられましたら、どうぞお試しください。







牡蠣と向き合う



僕は牡蠣が大好きなのです。もう、いつ用意されても幾らでも食べられます。

20歳の昔、ロンドンに行った折に年上の友人に連れられて行った高級レストランにて、3段重ねの銀のお盆に乗って出てきた牡蠣の輝きが、今も鮮明に僕の記憶を彩っております。あんなに美味しい牡蠣はなかった。



要するに、憧れなのです。


伴侶の誕生日に牡蠣を、というリクエストだったので、いつもの新宿三丁目のオイスターバーにでも、と思っていたのだけれど、友人が六本木のオイスターバーにて4人で240個平らげた、という情報を聞きました。

食べ放題なのです。


伴侶は酷く食べ放題を嫌っておりまして、食べ放題と聞くとしゃぶしゃぶやらカニでも、悉く浮かない顔をします。(僕は大好きなのに、、、)


今回は何とか説き伏せて、いざ六本木へ。


着席すると何やら説明が始まります。メニューは生牡蠣、焼きと蒸し。食べ終わったらひとテーブル全員が同じ調理方法のみの追加、残したら罰金、など。


なるほど。色んなトラブルを経てこういうルールになったのか。とても興味深い。


そして、一皿目。




こりゃ美味い!!

こんなの幾らでもいけちゃうじゃないか!!


レモンとタバスコでツルッと、あっという間に平らげる。もはや、一皿にかかる時間は30秒程。


次は焼き牡蠣と蒸し牡蠣。(写真なし)

美味しいのだけれど、殻を自分で剥かないといけないのでこれ以降頼まない事にした。この時点で2人で30個を平らげる。


ここからがリピートタイム。

40個目。




段々と、、、飽きてきた。だって味が同じなんだもん。

やはり、単一のメニューって飽きるんですよね、どんなに好きでも。

寿司とか、本当によく考えられていると思います。色んな味が少しずつ、見た目の彩もいい。

50個、60個目あたり。





もちろん同じ見た目の牡蠣の大群。

こうなると最早、最初の感動なんて吹き飛んでしまっています。どうやって大量に喰らうか、原価はいくらくらい回収出来ているかの暗算とともにひたすら流し込む。



気付くと店内が異常な暑さ。邪推だけど、食べ放題が続かないようになのか、ドリンクを出したいのか、炭火グリルが盛大に火を上げて焼き牡蠣を焼いているところに暖房がかなりの強さでかかっている。

僕たち以外のほぼ女性客は暑いとクレームを入れまくっているけど、どうやら温度を下げる気配はなし。


僕はすかざずTシャツになるけど、こういう時男子って得だな、っと。


ラストの90個目のお皿。


不思議な事に、牡蠣がここへきて凄く良いものに変わったようです。

きっと前の在庫がはけたとか、たまたまだと思うんだけど、これには驚く。さらに新鮮で香り高くて、プリプリしています。


というか、もうどうやっても食べられない所まできてストップ。


僕1人で60個近く食べてると思われます。新宿某店で同じ北海道のセンポウシを食べると一つ420円。90個だと37,800円。これはお得だなぁ、、。


その間にビールと白ワインを一本半。


あんなに苦しいのに締めのリゾット。

早く牡蠣を胃の奥に押しこみたいのです。カニのリゾット。




どうしてこんなに美味いんだろう、という位の美味しさ。きっと何でも美味しく感じるんだろうか、牡蠣以外だと何でも。


そしてパンナコッタまで、、。


今回、アラカルトだと55,000円位のところをほぼ半額にて支払いを終えました。


完全勝利!!と喜んでいると突然腹痛が、、。全身の毛が総毛立つ。

僕にはハッキリ分かりました。体が驚いて悲鳴を上げているんですね。勘弁してくれ!!と。


トイレに入って事なきを得ましたが、とにかく恐ろしいスピードで身体を駆け抜けた無数の牡蠣たち。店内の温度も関係あると思うんだけど、かなり過酷なディナーとなりました。


牡蠣はもう暫く要らないです(笑)


やはり、牡蠣なんてのは割烹辺りで落ち着いて二つ位頂いて、お刺身とかフグの白子とか頂いて、もしも足りなかったら後半にまた一つ追加、なんてのがちょうど良いと思います。

白目むいて飲み込むと、体がビックリするんですねぇ、、。いやはや。



年末の暴飲暴食にはお気をつけ下さい。




鰻パラダイス「カブト」



西新宿ガード下食い物ネタが続きます。

今日はお客さまのYさんとカーテン生地を探しに待ち合わせ。買い物だけでなく、わざわざ縫って下さるのです!!


この10日程の植木やら楽器を置いたり、ソファやピアノをズラしたりしているのは、狭くする事と、「お店に死角が少ない」事の解決なのですよね。


死角、つまりは隅っこ。僕は隅っこの席が好きです。落ち着くから。


全席を隅っこにするのは不可能だけど、それぞれのコーナーが、まるでシェルターのように包まれているような仕掛けを探っています。

その一つがカーテン。オープン時から欲しかったのですが、ベランダを少し隠したい時に使います。


色は深いグリーンの生地にしました。ソファの反対色です。どうぞお楽しみに!




そして、カウンター上のボックスにステッカーを貼りました。パリとニューヨークの古いホテルのシールです。ちょっとアイデアがあり、エイジングします。




三丁目の店舗の頃のように、ステッカーは今後も増えます。お酒のラベルも貼ります。今までも少しづつ壁に貼ってきましたが、古いヨーロッパの酒場みたいで好きなのです。






さて、生地を買った後に鰻を食べましょう、という事になりました。


ただ、知っているうなぎ屋さんは少し遠い。ならば、と近くの行ってみたかった思い出横丁にある、カブトさんへ。






勇気を出して暖簾をくぐってみる。


もの凄く年季の入った店内は脂でドロドロ。僕はこういうのが大好きなんだけど、苦手な人は無理かも。

チャキチャキの店員さん3名が立つ、コントのセットのような店内にはお客さんが満員。





座るとお酒の種類を訊かれて、そして「一通りでいい?」との事。

一通り、とは串を7本のお任せで1,400円くらいのセットの事らしい。


はい!と答える。単品で頼むと怒られそうだから、迷う暇はない(泣)



お通しに物凄くシンプルなキャベツ。写真左下です。



何を取っても全く無駄が無い。メニュー構成、オーダーの取り方、このキャベツにしてもすぐに出てくる。



目の前にはタレ。68年継ぎ足して使っているらしい。




Yさんとビールを酌み交わしながら、目の前にあるド迫力のタレ壺を眺める。地獄の底なし沼みたいな色をしている。

串を載せて汁気を切る滑り台みたいのが好きで、見ていて落ち着く。一滴残らず回収され、何と無駄が無いんだろうか。


鰻の脂や肉汁がタレに落ちてはまた鰻にまぶされ、濃度を上げながらグルグル循環している。それが68年も続いているとのこと。

この壺の中に68年前のタレは一体どのくらい残っているんだろうか?なんて考える。


ふと、クレオパトラのワイングラスの話を思い出しました。ご存知ですかね?

クレオパトラがグラス一杯のワインを飲む。それは排泄され、やがて地にしみて海に注ぎ、循環して世界に拡散されます。

現代、一杯の水をグラスに汲んだとして、クレオパトラの分子がそのグラスに何個入っているか、という水の分子量を示すエピソード。



グラス一杯の水の分子量は10の24乗とかで、そもそもピンと来ないんだけど。

グラス一杯に、分子が10個入っているそうなのです。計算上。多いんだか少ないんだか。 壺に浮かんだど迫力の泡を眺めながら、ふとそんな事を思い出す。

68年前の原液どころか、色んな予想外の物質が相当入っているんではないかと、、。






10の24乗くらいの鰻の霊が溶け込んでそう。



途方も無い事を考えていると、鰻の串焼き、一便が来たよ。あっという間です。



お待たせでーす、と部位をシンプルに説明して小皿に置かれる。置くというよりは優しめに投げるようなワイルドな力加減。

昨日の寿司屋の生意気な小娘だったら間違いなく泣き出すに違いない。これぞ大人のグルメ!



香ばしくて本当に美味しい。小骨もあれば焦げ目もあるし、かなりワイルドだけれど鰻の脂を考えるとこのくらいが丁度いい。それに、タレの濃厚な事!


部位は頭とヒレ、肝に蒲焼き。これが確か7本位付いて1,400円くらい。あまり美味しいので追加して12本くらい頂きました。

(写真は全部似ているので割愛します)

暖簾から振り返ると、陽気な通行人の声が聞こえる。



映画のセットの中そのもののこのお店。昼の2時からやってるらしいです。


ここで一通りを頼んで一杯引っ掛けてから、向かいの回転寿司屋で寿司を摘むってのもいいな。



皆様是非一度ご利用下さいませ。




思い出横丁とはこんな感じ。拾い物の写真ですみません。

汚さを通り越して、寧ろ整然として美しい。


















ちょっと違いはあるにせよ、僕の目指すキヌギヌもこんな感じなのかも。

ごちゃ混ぜで、決してスッキリはしていないのに懐かしく落ち着く感じ。

魅せる為のインテリアではなく、働く僕自身そのものであったり、人を楽しませるひとつの装置としてだったり。




ああ、僕はどうしても、使い込まれたものが溢れる、ゴミゴミした所が大好きなのです。整然とした所はあまり落ち着かないw



Yさま、素敵なカーテンをどうぞよろしくお願い致します!




回転寿司ファミリー



今日はお休み。残念ながら雨模様で、スーパームーンだかモーニングムーンだかも見られませんでしたね。


実はコソコソと、また別件の内装のお仕事をしていまして(キチンとオープンしましたらお知らせ致しますね)打ち合わせが終わっていつものオアシス、大ガード下の回転寿司に。




熱燗二合を頼みながら食い散らかします。

僕の好きなネタは、こう見えて淡白なもの。イカやアジ、偽物アワビに、白魚。

間にウニを挟みますw



かなり混み合っており、半分位の方が観光客と思しきお客さんでごった返しておりました。

今日もモリモリ食べて飲んでいましたら日本人のご家族がお隣の席に着席。

ご両親と可愛らしいお嬢さんの3人連れ。


小学校低学年くらいの見た目は可愛らしいお嬢さんなんだけど、やたら子役のようなハキハキした話し方が僕のカンに触ります。

「すみませーん、イカください、サビ抜きで〜」

と、妙に通るやたら大きな声で。ちょっとアニメの声真似でもしてるかのような、変な話し方。

ご両親は「うちの子可愛いでしょ?」といった笑顔で、漫然としていらっしゃる。

サビとか言うなよ、子供の癖に、、。


まあええわ。こっちはサッパリしたネタの二週目を頼む。そうなのです。同じのばっかり食べるのです。


隣の小娘のキンキン声が依然として耳障りです。小娘がいじり回しているカッパ巻きのキュウリを引き抜いて耳栓にしたくなるのを我慢しながら、小さなチリアワビに集中する。

ワサビを大量に貰ってチリアワビに山盛り載せて食べるのが好きなのです。辛さと歯応えが爽やかに鼻を抜けます。



、、ってか、チリアワビって何だろか。チリアワビって単語を聞くたびに、どうしてもいつかの秋田横領事件のチリ人妻が頭をよぎります、、。





アニータさんだったっけ、、。チリアワビ、、、うわわ。


話を続けます。


隣のガキが満を辞して手を上げて、「すみませーん!!」と叫んだ。

うるせーな、もうわかったっつーの。


「ガレージ、、じゃないや、シャコひとつください!ツメ多めで!」




静まり返る店員と日本人客。これは寒いぞ!!
(;´д`)

わー、、小娘の癖に寿司屋定番の親父ギャグ、、それも滑ってるし、、。親が仕込んだんだろう。ウフフ、とか笑って誤魔化してるけど、オタクの一家、今スベってるのよ。


白髪の、このタイプの寿司屋には珍しく上品そうな板前さんが、

「あのね、うちはシャコ置いてないの。」

と、ゆっくりと冷ための口調で小娘に答えた。ちょっと呆れてるようにも見えた。



日本人客的には満場一致で、僕と同じ意見だったと思います。


あんまり子供がツメとかムラサキとかナミダとかって使うの、変じゃないかな?


オムライス半熟で、とかハンバーグの人参は要らないです、だったら何となく解るの。

とりわけ寿司は大人の食べ物な気がします。ワサビだって入ってるし、単に食事とはいえ、何か超えてはならない一線があるような気がしてならないのです。



小娘よ、いつかアニータさんのような大人の女性に成長してから、小声で「ツメ多めでお願い出来ますか?」って言ってみようね。







シャコ食べたくなったじゃんか!もう。





まあいいや、13皿食べたし。





おしまい。




頑張れ、近所のイタリアン!



何とか1週間乗り切りました。日曜日もキチンとオープンして、2時にクローズして4時まで片付けして、チャリを漕いで帰宅、部屋の寝床に倒れこむ。

まあ、何だかんだ言っても結局のところ、何とかなるものです。(ずっとは無理だよ)



さて、家の近所にある小さなイタリアンのお話。

こちらは家から徒歩50秒のところにある、川沿いの小さな静かなレストランです。一品ずつ手作りのこだわりメニューの詰まった、とても気持ちのいいお店であります。

褒めすぎだけど、どこかヨーロッパの古い街にありそうな、静謐といった趣のある雰囲気。
出窓からはお向かいの茂みが見えて、漆喰の壁にマッチした木の家具が心地良い。店内は明らかに外とは空気が違い、都会の喧騒から隔絶された言い表せない静けさがあります。





この「シェルター感」は、僕の良い店だと思う条件でもあります。匿われたい。

お値段は普通というか良心的。あまり磨り減らさないよう、適度な間を空けて、たまのご褒美として来ておりました。




またご褒美がてらにお邪魔したところ、何かが違う。


まず、店内が雑然としている。積み上げられた段ボールやら取り寄せた食材が床に積み上げられ、引っ越しの最中みたいだ。そして明らかに掃除もされていない。

こんなことは一度も無かったんだけど。僕の秘密の西洋料理店、、。




そして何よりも感じる、ザワザワ落ち着かなそうなお客さんの空気。端的に言うと「おいおい、早くしてよ」感。



食器の山の隙間に着席したところ、、どうやらお一人でやってらっしゃるご様子。昔はもうお一人ピザ釜係のお兄さんがいらして、お二人でテキパキやられていた。いや、その前はレジにお姉さんがいたのを思い出した。三角巾をした山田花子似のお姉さんだ。

どんどん人が減って、遂にお一人になられたのか。




男の一人暮らし。この通り雑然としている。



(盗み撮りすみません)

いつものおじさんが、1人でたくさんのメニューをこなしてました。こりゃ大変だ。


僕はというと、一番定番なパスタを1つ注文する。きっとかなり時間がかかるんだろう。僕は何の予定もないので、ここはひとつ気長に。


サラダはいつの間にかセルフになっている。冷蔵庫から自分で取り出す方式になってる。これは嫌いじゃ無いw




冷蔵庫にあるドレッシングを自分でかける。パスタはまだまだ出てくる様子はない。もう、こうなりゃ腹をくくってひたすら待とう。




同じ冷蔵庫から自分で瓶ビールを取り出す。



ふと見回すと、他のテーブルのお客さん、誰1人としてお料理が出ていない。みんなサラダまで。



まあ、仕方ないといえばそれで終わるのだけれど、お勤めの方は堪らないだろうな。

僕は、、何も焦らないのでひたすら飲む。というか、自分で冷蔵庫から瓶ビールを出して注ぐ喜び。

子供の頃の風呂屋のフルーツ牛乳のようなあの感じと、昼間から労働中のサラリーマンを眺めつつ飲む退廃感と、少なからず他の方よりも売り上げに貢献している自負に(笑)中々悪くない飲み心地。






依然、料理が出てくる気配が無いので、少しだけ残ったサラダの葉っぱに岩塩とオリーブオイルをかけて、少しずつ食べる。


あー、佗しい。でもこういうの好きなんですよね。


葉っぱも無くなり、流石にひもじい。お忙しいのに申し訳ないんだけど、単品のサラミをタイミングを見計らって素早く注文する。


飲んでいる僕に気を遣ってか、他の方のオーダーより先に出して下さる。有難いような、邪魔して申し訳ないような、、、。まいっか。






ヴェントリチーナサラミというこの一皿。またこれがとんでもなく旨い。日本に大量に流通しているサラミとは味が違う。元気というか荒々しいというか、正しいイタリアの味なんですね。こちらのお店、本当に味は間違い無いのであります。

そして、やっとのこと周りのテーブルにお料理が運ばれる。

皆さんかなり非情なオーダーで(笑)、別々のパスタやらピザやらを頼まれていた様子。見た限り、全員が全種類の違う料理を頼まれていた。こりゃ大変だな。そして堰を切ったようにパンのお代わりも大量追加。


僕なんかはこの仕事が長いので、こういうワンオペレーションのお店だと「お任せで!」とかオーダーしちゃうのです。
そうするとシェフは大抵、前後のオーダーと同じものを合わせて作る筈なので直ぐに出てくる。まあ、何を頼むもお客さんの自由なんだけどね。


お勤めの方は、それはもう早く会社に戻らねばなりません。お客さんは食べつつもまだまだイラついている。そりゃ仕方ないか。


そうなんだけどさ。おじさん1人なのよ。



その感にもどんどんお客さんを断る店主。詰めれば入れるのだが、キャパオーバーなのか。盛大に、気持ちの良いくらい沢山の人を断っている。


こちらは、というとさらに飲む。もう、呑んだくれキャラが定着していると勝手に思い込み、引っ込みが付かないのだ。

何だったら冷蔵庫の瓶ビール全部行ってやろうかという気持ちにさえなる。体調もすこぶる良いので、頑張ったらビール程度なら行けるんじゃないか、と。

昼間から近所で泥酔するのも悪く無い。そもそも、料理が出てこないこの店が悪いのだ。


なんて考えていると、待望のパスタが運ばれて来た!


プリプリの大きな海老が載っていて、トマトソースと水菜が鮮やかに寄り添う。たった今茹で上げられたその一皿は、盛大に湯気を放ちながら僕を誘惑する。

見事なイタリアンカラーの大盛りパスタは、以前お邪魔した時と全く違わない味で、完璧に美味しかった。




待たされたせいか、本当に美味しい。塩分といい、オイルが乳化した熱々のソースといい、パスタの硬さといい、全てが網の目のように助け合い、作用しあっている。

そしてパスタという、ありふれた食材の偉大さに暫し呆然とする。もしかして世の中にある数多の食べ物の中で最も完成度が高いのではないか、と。焼きそばも焼うどんもラーメンもそりゃ美味しいけれど、ここまで緻密な味わいとはいかないだろう、、。


酔っているのです。

無心で頬張り、気がつくと店内には誰もいなくなっていた。

そして、食器の山と共に、謎のハウスミュージックが流れ出した。古めの、かなり野暮ったいハウス。

何のサービスだっけ、これ。昔は古めのジャズだかシャンソンなんかが小さめに流れていたんだけど。







お父さん、奥で座って休憩タイムでした。ハウスミュージックは、休憩タイムの音楽なんだろう。そうに違いない。

お料理が遅いのも店の空気が微妙なのも僕としては全然平気なのです。セルフなんてもはや楽チンで有難い。


その辺は仕方ないとしても、店が片付いてないのと突然ハウスが流れるのは僕の優先順位として残念だなぁ。


あの隔絶された童話に出てくるレストランは、もう無いのか。





あんなにこだわっていらしたのに、疲れ果てたのかな。でも、負けずに頑張って下さいよ(笑)




お疲れなんだろうな。でも、また行きますよ。







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