話に聞いた「変な店」





世の中には沢山の変な店があります。想像を絶するユニークなお店に、こだわり過ぎてお店の程をなさない店など、話では沢山聞いた事があります。


聞くたびに、ウチは普通だなーって痛感します。まあ、凡人がやる事だからそれが自然なのだけれど。


聞くのは良いんだけど、どんどん忘れていってしまうので、今後覚え書きとして書いてみます。

実際に行ってないので、(既にない店多数)細かいソースなどはお許しください。



***


オネエが入店管理する謎の美容室バー


芦屋の高級住宅地の山の奥に佇む閉ざされた美容室。オーナーは明らかに公家の出身と判るご苗字の男性で、元モデル。死ぬほど格好いいらしい。

お昼は美容室をなさり、夜は友人が屯してバーのようになったのを機に、超会員制バーとなった。


夜な夜な集まるお客さんは皆さん個性的で、底抜けにセンスの良い人達が毎晩集っていたそうです。


噂が噂を呼び、お金持ちや芸能界まで、その店や彼を一目見たくて目指すんだけど、名家出身の美しいオネエはお金に困ってなく、意地悪なので、ミーハーな人たちを一切受け入れない。



時はバブル期。裕福そうなOLさんと思しき女性3人組が「入れますかね、、?」とドア越しに尋ねる。

「じゃ、何か面白い事やって。」


えー、何それー、出来ないしー、ダメですかー?と言った瞬間、ドアが閉まる。それ以降ニ度と開かない。(笑)



ある日、ハーレーにて乗りつけたカップルがご来店。

大きなバイクの横にはサイドカーが付いていて、飛び切り美しい女性が澄まし顔で座っていた。







オーナーはいつも通り「じゃ、あんた面白い事やって。」と女性を指名。


その女性は立ち上がり、履いていた網タイツを手で破り、その千切れた両端を固く結ぶ。

女性はそのまま店の前を全力疾走し、タイツが絡まって転ぶ。また立ち上がり、また転ぶ。サングラスが外れ、シャネルスーツが泥だらけになる。

また立ち上がる。黙って見つめる彼氏。



「はい、中へどーぞ。」







***


意地悪ババァのうどん屋



讃岐のあるうどん屋さん。婆さんがご亭主と2人でやっているんだけど、厨房に居るのはご亭主のみ。婆さんは店の前に椅子を置いて何やらお客に指示をしている。


店に来た客は丼を手に取り、セルフで麺を受け取る。ここまでは街によくある「はなまるうどん」なんかと同じなんだけど、ここからが少し違う。


店の隣は広大なネギ畑になっていて、ババァの指示でネギを刈り取り、付属の流し台のまな板にて自分でカットするんだそう。


しかもババァが「あんた早くして」とか「もういい、早く次に譲れ」とか口うるさく指示を出す。


グズりながら食べる子供を慰める家族や、呆然とするカップル。

食べ終わったら隣には流し台があって、自分で使った丼を洗わされる。洗い方が悪いとまた叱られる。


ババァはその間、一度も立ち上がる事がない。




***


六本木にあった華道家のバー


六本木の中心地、あるビルの地下にあったバー。完全会員制。


こちらも時はバブル絶頂期。天井には二億円のエミールガレのシャンデリアが下がり、壁という壁に蘭やバラや百合など、百花繚乱の花が活けてあり、花のむせ返るような香りが店内に充満している。


お店を経営するのは今もご存命の華道家の御仁。やんごとなき方にお花を活けたりなさる傍ら、バーを経営なさっていた。


店のスタッフは紋付袴を来た若い美しい男性達。お客さんは超富裕層に俳優、世界的なデザイナーやアーティスト、銀座でもトップのホステスさんなど。


店主は時に、連れて来られた若い客を試す。

大相撲で優勝したときに使う、タライのような朱塗りの盃に日本酒を一升注ぎ、飲み干せと指示する。






飲み干したら、認めて貰えるんだそう(汗)

人に飲ませるだけではなく、自分でも飲まれる。時に酔った店主は全裸になり、能装束のような透けた衣を一枚羽織って、能面を被り、巨大盃を掲げて音も立てず静かに踊り出す。







カウンターには女優の杉村春子さんやデザイナーのピエールカルダン。


ある時はやんごとなき方面の男性が店を貸切になさり、当時高価なドンペリのヴィンテージを開けられた。この時の器は朱塗りの盃でもバカラのグラスでもない。

紋付袴を来たスタッフの1人が体操選手で、逆立ちをさせて彼の玉袋を引っ張り、そこにドンペリを注いで召し上がったという。


眉目秀麗なスタッフの面接はハワイ旅行。そこで生活を共にして、採用の判断をするらしい(汗)





***

祇園にある某店



こちらもオネエの経営するバー。


いわゆる祇園の花柳界の位置にあり、高額なお会計で有名な某バー。


カウンターに座ったお客さんが会話の中で「誕生日なんですよ」なんて口走ったらそりゃもう大変なことになる。


夜中の2時にもかかわらず、5分くらいしたら巨大な丸いバースデーケーキに、自分の名前入りのプレートが乗っていて、盛大に蝋燭が灯っている。

「お兄さん御目出度うさんどす!これは店からどす!!!」


タダで食べるわけには行かないので、言われるままにシャンパンを開けると、お会計は大変な額に膨れ上がる。


実は馴染みのケーキ屋を毎晩開けさせ、裏の電話で指示して配達させているのだそう。


ここのお会計が高いかどうかは別の価値判断にあるそうです。急にお客さんのリクエストで「明日、歌舞伎見たいんだけど、何とかならんか」みたいなオーダーに答えられ、最前列を並びで確保出来るらしい。


その際にもお金はとらず、再訪した時にシャンパンが開くという仕組み。




世の中には恐ろしいお店がたくさんありますねぇ、、。ウチはそんな事しようなんて想像も出来ないけど。



って、ババァとオカマの店ばっかりじゃん、、、、。





他にも沢山あるのですが、また思い出したら書きます。バーに立ってて面白いのは、トンでもない店の思い出話を聞かせてもらえる事もその1つです(笑)





あなたならどうする?





更新遅れましてごめんなさい。生きてますよ。

なんやかんや忙しいです。有難いです(笑)






アメリカ、ABCの番組のコーナーに「あなたならどうする?」というコーナーがあります。

what will you do?ですね。


この番組は、沢山の差別の現場をドッキリ形式にて俳優が演じ、周りがどう反応するかを見るスタイルなんです。僕の大お気に入りYouTubeの1つ。


ダウン症のスーパーマーケット店員を罵る客や、イスラム教徒の服装を差別する若者、ホームレスに暴力を振るう若いチームなど、ショッキングな映像が続きます。



俳優が演じる差別や暴力に対して、腹を立てて立ち向かう一般市民もいれば、逆に差別をした事にハイタッチをして「よく言った」と激励するシーンも。様々です。


多民族国家アメリカならではの問題が浮き彫りになっております。


見所は沢山あるのですが、個人的に気になったのがテキサスのレストランでのレズビアンカップルと子供の設定の映像。


映像はこちら。リンク切れの際は御免なさい、、。




ありふれたレストランにて、手を握って親密なレズビアンカップルと子供が着席。こちらは俳優さん。





これまた俳優さんのウェイトレスさんが、喧嘩を売ります。





かなり激しく罵ります。(汗)





更に激しく!!




沈黙の店内。







やがてお客さんが立ち上がります。ウェイトレスさんに注意をする人続出。


他の方も同様に。ある男性は出て行ったかと思いきや、手紙を書いていたようで、そっと手渡します。





「初めまして、友よ。こんな手紙が大したことないのはわかっている。君たちは素敵な家族だと言うことを伝えたかった。そして、ただ1人の他人の偏見と不寛容が君たちの心が折れないよう祈ります」といった内容。



これには俳優のレズビアン役の方も涙してしまいます。

実はこの俳優さんも私生活ではレズビアン。


思わず手紙の主とハグします。






この映像の見所は、今もゲイに対してかなり偏見の強いテキサスでの実験。

そんな中で約半数の人がウェイトレスに批判をしたのが驚きです。つまり、レズビアンカップルの肩を持った、ということ。


数年前に同じシチュエーションにてニューヨークで実験をした時には、何と10パーセントの人しか立ち上がらなかったらしいのです。





うむむ、、、深い結果だなぁ、、。都会の人は関わりたくないのかな。


日本でも是非やって欲しい。



宗教、人種、貧困、セクシャリティ、階級にマナー。


僕はこれを順番に見ては「なるほど」と頷いたり、自分もこうするべきだ、なんて啓蒙されたり、アメリカってややこしい国だな、と驚いたりしています。





こういう美しい、自由の国アメリカらしい映像は見ていて羨ましくすら思います。


僕も部分的に欧米人気質なところがあるので、うっかり街中で迷惑な人に注意したりしてしまうのですが、こういう部分では早く日本もモノが言えるようになって欲しいな、なんて思っています。







***




話は変わるのですが、最近どこかのサイトに店名が載っているらしく(どなたかのリコメンドとか何とか)それを見て関心を持たれ、強行突破なさったノンケの方がいらっしゃいました。


そういうのね、すごく困るのですよ、、。入り口にも一見さんお断り、会員制と書いていますし、、。


(良識あるゲイの方なら初めてでもどーぞ)




貴方さえ満足しても、居合わせた他のお客さんも僕も困ります、、。


ブログ読まれているとの事で、この辺りの事は何度も書いているはずですが、、、。よしんば読み落とされていたとしても入り口に大きな注意書きがありまして、、全く謎に包まれた方でした。


他のお客さんのささやかな時間を奪うことになります。ご興味があっても、どうかそっとしておいて下さい。



上のYouTubeに話は戻りますが、こんな映像を見ていると自分のお店はストレートを拒絶し、まるで差別主義者なんじゃないかな、なんて思う時があるんですよね。(笑)


それは冗談ですけど、僕には持論があります。繰り返しになりますが。

ゲイが社会に対して権利を得るのと同じくらい、ゲイの集まる閉じたサロンのような存在は大切だ、というもの。



つまり、僕がゲイの為の秘密基地を作りたいっていう理由そのものなんですけど。

もう何度も書いていますが、社会や職場でゲイである事を隠して生きている方が今現在もどれだけ多いか、その仕事の帰り道に少し息を抜ける場所があるのは、ある一部の人においてはとても存在意義があると思っています。


僕は高校生からゲイを隠してなかったのですが、その必要性は肌で感じています。

一見さんのノンケが増えると、いずれカウンターに混ぜこぜになってゲイとノンケが座ることになる。そうなると、どうしてもセクシャリティの話になってしまうし、そこでお客さんのパーソナリティを切り売りするような営業はしたくないのです。

僕も、初対面の方に毎回1から説明するの苦手です。(汗)他にそういう店は沢山ありますし、生意気ですが他に譲らせて頂きたいです。


仮に、女子会が開かれるとして。その中の1人が突然彼氏を連れて来たら、その為に他の女子が話したかった事を話せなくなるかも知れない。

安くて良い化粧品の情報や小さな愚痴、生理不順に纏わる話とか、男性がいると難しい話題も沢山あるのです。

そんなら、彼氏は「非女子会」の時に行くべきではないか。そう考えて頂けると助かります。



とはいえ現在も全く禁止ではないし、現にご同伴にていらしている方もいますが、ご縁を大切に厳選させて貰ってます。

本音で言えば今以上増やしたく有りません。


結果的にストレートの方を排除する方向に向かっているのですが、現状にて両立できない以上、いつの日かミックスの二号店を出しますのでその日までお待ちくださいね。


その時は夢のようなお店をやります!



まあ、その辺りを察して頂けたら嬉しいなぁ、くらいでこちらも進めて行きたい所なんです。


あまり沢山、張り紙貼りたくないのね。

そして、ゲイの皆さんにはそんな小さな店を支えて頂けたら嬉しいです。老後のためにも(笑)




撮影の例のやつ、オンエアされたらまたこんな悩みが増えるのかしら、、。


店内のロゴとか、外の景色は全て隠して貰ったけど、ネット社会の今、どこで漏れるか全然わからない。想像するだけで疲れてきた、、。




本当は人を分けたくないのです。誰だってそんな事したくないよ。 本音は毎日、少しザワザワした気分です。

だけど、自分で選んだ道です。ブレずにしっかり進みたいと思います。


相変わらず頑固ですが、ご理解賜りますようどうぞよろしくお願い致します。







5/21 一夜限りの三丁目営業!




目前の12周年の事に集中すればいいのに、ご縁というのはそうもさせてくれません、、。


キヌギヌ旧店舗のあった3丁目の場所で現在お店を営まれている、マーキーのお店に飲みに行った折に、、




「一晩貸してよ!」


「イイよ!」





というわけで。一夜限りの復活営業を致します。



5/21(日)20:00〜適当に


場所:新宿3-1-32 4階(キヌギヌ旧店舗)


この日ばかりは狭いので会員制に戻させて頂きます。


メニュー 赤ワイン、烏龍茶のみ



楽器は、電子ピアノを持ち込みまして、初心に帰り、僕1人でお迎えします。



往年のお客様は昔を懐かしむもよし、新店舗からのお客様は「ふーん、こんな感じだったんだ」など。

それぞれの楽しみ方でどうぞ。



別に昔の店に未練があるわけじゃないですよ。今の店が大好きですし。

ちょっとしたイタズラ心というか、、、。


僕は、ケヤキの並木を眺めながら1人、答え合わせをします。(笑)



現在のテナント、カオスさん。













懐かしいなぁ。全く変わってないように見えるのは僕だけだろうけど。
















キヌギヌ自体はこの日曜日、12周年パーティーとなります。

4/23 14:00〜26:00まで。
いずれもご興味のある方はどうぞ。




オムライス悲喜交々




1990年頃、京都の実家で両親と姉と暮らしていた高校生の頃。






まだ携帯もパソコンもない時代。今思えば毎晩、帰路で友達と立ち話をしていました。家に帰れば長電話かテレビ、ラジオ、そして読書。

その頃は高校の吹奏楽に熱中しており、練習が終わるとまたそこから部の友達と話しこんで家に帰るのが11時くらい。

その後は飯を掻き込んで風呂に飛び込み、すぐに部屋に篭り、夜中に腹が減ると台所へ出て夜食を作るという、親のスネをかじりながら一人暮らし気分を味わうという世にも生意気な生活を送っていました。



親と接する時間を減らしたかったのか。そりゃもう、思春期真っ盛りですもの。15歳とかですから。


僕の実家は割と都会なんだけど、夜中にコンビニで弁当を買うという習慣なんて全くなく、、、というかコンビニ自体がそう沢山ある訳でもなく、仕方なく夜食を自分で作って食べるのが癖になり、そのうちライフワークと化していました。

若い方には分からないかもだけれど、昔は夜中や正月三が日はお店が閉まるので、みんな家にあるものを食べていたんですよ。



最初は夜食らしいお茶漬けや焼きそばなんかだったのだけど、段々凝り出してキッシュを焼いたり、手捏ねピザとか、終いには土鍋で炊き込みパエリアを作ったりしてました。

その頃よく作っていたのがオムライス。伊丹十三の映画「タンポポ」に出てくるオムレツが乗っている、卵で包まないタイプのオムライスでした。



オムレツ部分にナイフを入れるとパラっと開き、中から半熟卵が流れ落ちます。





その頃僕は思春期真っ盛りで、特に父親と上手くコミュニケーションが取れなくなっておりました。

自分がゲイである事への引け目や、何かと頑固で怒りっぽく口煩い親父に対して距離を置いていました。



とはいえ、家にはテレビが一台しかないので、自ずと皆集まるのはリビング。

静かな部屋に父と二人きりです。



僕は、今思えば本当に恥ずかしいんだけど、親父に対して意地悪をしていました。夜中に豪華に盛り付けた料理を、親父の前でこれ見よがしに食べるっていう(汗)



親父は気にしないような態度で、黙って新聞なんか読んでいました。





そんな事が長く続いたある夜。


オムライスを作って食べようとしたら、親父が「旨そうやな」と声を掛けてきた。


僕はなんだか、とても複雑な気分になった。


料理を褒められて嬉しかったのと、我ながらバカな意地悪をしたもんだっていう恥ずかしさと、親父は親父で随分と長い間話しかけなかったなってのと。


僕は「うん」とだけ答えて、オムライスを掻き込んだ。



次の日の夜、オムライスを2つ作ってラップしておいた。親父の為に。

恥ずかしいので部屋に篭って、夜中に様子を見てみると食べ終えたお皿がキチンと洗って水切りかごにあった。


翌朝、お互いに特にオムライスの事は話題に出ないんだけど、何となく気持ちが楽になった。


それから、3回に1回くらいは二食作るようになった。毎回だと押し付けがましいし、全く作らないのも変だ、という事で。



ラップを掛けて置いておくだけ。



その後の親父との関係は、特に仲良くなるわけでもないし、話が弾む訳でもなきんだけど、メシを作る側、食う側という役割が与えられただけで、途端に気持ちが楽になった。


僕は、人間関係なんてそんなものだと思う。口を利かなくても通じていると思えればそれは立派な信頼関係だし、何も演じてまで会話が弾む必要なんて無いんじゃないかな。


カミングアウトに対しても、そういうスタンスです。言わなくても、通じ合っている何かが本人同士にあれば、言葉にする必要なんてない家庭もあるんじゃないか、と。


僕は20歳の時に全て話しましたけどね(*´-`)







親子や恋人、友人に同僚。一度冷めてしまった関係は中々戻らないと思う。

僕は、そんな風にコミュニケーションを取るのが難しくなったら、食べ物を作って食べてもらう事がたまにあります。

この時のオムライスのように。



「ゴメンね」とか「許すよ」とか、言葉は要らない。ただ食べてくれたらそれでいいのだ。


そんな親父は今日が誕生日。






親父に誕生日おめでとうのメールをして、その後に思い出して自分のためにオムライスを作ってみた。





そして、まだ関係の冷めていない、仲良しの伴侶にそれを食わせる。美味しいと何度も言いながら、バクバク食べてくれました。



当時の親父もまだ大人になりきれなくてモガいていたのかも知れない。僕には高校生の息子なんて居ないから、想像もつかないけど。



夜中に親の買った食材で飯を作り、淡々と食らう。

家の固定電話で毎夜長電話を繰り返す。

親父が大切にしていた8ミリ映写機のレンズが欲しくて、バラバラに分解して取り出したりもした。

駄々をこねてはクラリネットを買ってもらったのに、卒業後にあっさり売り払ったりもした。





今思い返すと、親父はそんな事には何も小言を言わなかった。



そして、僕が高校一年生の時の親父は42歳。


奇しくも今の僕と同じ歳になります。(汗)




色々な思いを巡らせる、春の雨の夜でした。





1/37000の大当たり



駄菓子屋タクシーってご存知ですか?

ニュースなんかで取り上げられております。駄菓子を積んだタクシー。


東京のタクシーの中で一台のみ、何と37000/1の確率なんだそうです。


ついに、今朝当たりました!




運転席のシートには駄菓子がいっぱい。食べ放題。(食えなかったけど)
お兄さんも頑張って下さい、僕も頑張ります!と言い残して降りました。

なんかいい気分。






宝塚歌劇という曼荼羅




宝塚歌劇、友人の関係で行って参りました。


正直いうと少し苦手でありました。

女性ばかりという違和感。中には少数だけれど、男役として完成度の低い人も混じっている。そして独特のセリフの抑揚。

初回に見た時に好きになれなかった、閉鎖的な内輪ギャグ。それにやたらと爆笑するコアなファンのおばはん達。

今回はどうだろうか。(汗)




一部のお芝居、18世紀のスウェーデンの独立への歩みを描いた作品。

女性ばかりの閉鎖的な甘ったるさや、内輪ノリの不思議なギャグもなく、今回はなんとも男性的(笑)でテンポが良く切れ味もいい。

盆に載せたセットが周りながら色々な表情を見せ、景色が変わって飽きさせない。

演出によるのかな、、。全然違う。


個々のキャラクターもよく描かれており、心の動きがバランス良く頭に入る。

主人公の平和への願いはとても深く、現在の政治情勢を考えさせるような風刺も感じる。

ラストの舞踏会のシーンでは、それまでの派手な色とりどりのドレスとは打って変わり、イエローとベージュのみ。一番盛り上がるべきシーンでの敢えて抑えた色目は、とても効果的で心に残りました。

全編に疾走感があり、メロドラマに陥らない、とても後味のいい素晴らしい作品でした。


お芝居を語る資質が僕にはないのでこの辺りでやめておきますが、後半は女性劇団という事を忘れていました。


そして、レビュー。(大階段、羽根の付いた例のやつ)



参考画像


実はまだ3回目なのです。一度目は8年位前にベルサイユのバラ、そして一昨年。いずれもレビューが無かったのです。


今回は初のレビュー。あれは、一体どんなものなんだろうか。



幕が開くと、大階段に布を纏った男役が独り。



それが剥ぎ取られると、階段が現れて、めくるめく色の洪水。

まー、これが凄い。洪水というより鉄砲水。これが延々と一時間以上続く。

流しそうめんのレールにお節料理をありったけ流し続けるような感じ、とでも言えばいいか、、。

味わう前に、こちらはひたすら余韻もなく飲み込むだけ。咽がつまりそう。

何だこりゃ!!僕は軽くショック状態に、、。


と、周りを見渡すと妙齢の女達が恍惚とした表情で見つめている。


そう、それはパチンコのフィーバーを眺める顔と同じであった。

打ち上げ花火のラストのバンバン畳み掛けるアレとも似ている。曼荼羅のようでもある。


とにかく、女性の脳からアドレナリンを出させる何か装置の類いに間違いない。


そんな事を考えながら見ていると、演者の表情に気づく。作り笑いではない、気持ち良さそうな笑顔をして踊っているのだ。

こんなにも人を楽しませようと、畳み掛ける笑顔の女たち。何と美しいのか。無邪気なまでに無垢な笑顔と、何かに打ち込むひたむきな横顔。

アドリブで手を振る、投げキッスにウィンク。
運悪く、客席に降りてきた端の方の男役の方のウィンクが僕のど真ん中に命中してしまった。

!(◎_◎;)



そして、最後まで目を剥いて夢中で見てしまった。




昔から僕の人生の中で、陥るまいと心に誓っていた三つのものがあります。

その三つとは、レース編みと女装と宝塚の追っかけであります。それらは僕の主義ではないのです。

しかし、裏を返せば興味があるっちゅー事かもしれませんね。(うーん)



あのパチンコフィーバー、いや、花火の乱発は現実だったのか。いつかもう一度確かめてみたい、、。


とりあえず落ち着こう。日比谷を後にして、新宿のいつものスーパーに行く。

ここには現実がある。

鯛のアラが二匹分、半額になり400円で売っていたので牛蒡と大根と炊くことにしてみた。もちろん生姜も入れよう。




正月に飲み残した菊正宗がかなりあるのでそれもブチ込む。




部屋がアルコールで充満する。頭がクラクラしてきた。


うーん、さっき僕が見たものは一体何だんだろうか。


バンジョーのお兄さん


僕が小学校低学年の頃の話。

京都のあるお寺に今では当たり前のフリーマーケットの先駆けのような市がありました。


そこはいわゆるヤクザの露天商のような専業の店は一軒もなくて、主に素人さんの作品の発表の場になっていました。


その場で散髪屋さんをする人、編み物を編んできて売る人、自分の山からミカンを摘んできてジャムを煮て売る人、流木で何か作品を作る人、漬物を漬けて売る人、洋服やバッグ、アクセサリー、コーヒー豆の焙煎したのから、ありとあらゆるモノが売られていた。

素人臭いと言えばそれまでなんだけれど、個性のある人達が集まり、毎回楽しそうに物々交換が始まる。帰り際は決まってみんな互いに別れを惜しむ。

そう、そこは夢のようなマーケットなのです。


そんな中にクッキーを売りに来るお兄さんが居ました。

大きな丸いゴツゴツした素朴そのもののクッキー。

お兄さんは今の僕より若い、30代中頃くらいか。物静かで少し影があり、ムーミン谷のスナフキンのような見た目だった。悪いけどおおよそ対面販売を職として選ぶ、しかもクッキーなどを売る人には見えなかった。

更に当時の僕は、クッキーなんて女の人が好きな男にプレゼントするために作るようなものだという固定概念があったので、余計に不思議に見えた。



お兄さんはとても美味しいクッキーを作るのだけれど、見た目からか(失礼)あまり人が寄り付かない事がままあった。


そんな時はトラックからかなり年季の入ったバンジョーを取り出し、徐に構えて弾くのであった。





その曲がまた凄い。よくロデオのシーンなんかに流れるアレを世にも盛大に、それも大音量で演奏するのです。


もちろん、毎回みんなビックリする。

僕は前から知っていたので、お兄さんのそばに寄り、お世辞の一つも言って割れたクッキーを頂きつつ、その時を待った。


そして、相変わらず爆音での演奏が始まるとクッキーを齧りながら驚く通行人を見物するという寸法。


暗い男の弾く、底抜けに明るいバンジョーの音色。

ギャップに笑いながらも誇らしげな気分になる。


いつも短い曲を超特急で弾き終わると照れ臭そうに楽器を仕舞い、頭をポリポリ掻くのでした。

彼が何故、クッキー屋さんになろうと思ったんだろう。そしてバンジョーは素朴なクッキーとそこまで相性が良いのかという疑問。


、、、まあ、自分もそのお兄さんの年を越え、何の因果かお兄さんより少しだけややこしい店をやっている。今日も雅楽をバックに鈴を振り回して日本酒を振舞った。それも20回はやった。



お兄さんが見たら何て言うだろうか。

(´・_・`)


どうしてお兄さんを思い出したかと言うと、ホットワインのフランス語がヴァンショーでね、という話になったとき、急にバンジョー、、、と脳の回路が繋がった、それだけなのですが。


にしてもあのクッキー、演奏聴きながらもう一回食べたい。





遅刻しないキャンペーン


当たり前過ぎて鼻で笑われるかも知れませんが、今年の1月から遅刻をしないキャンペーンをコソコソ始めました。

そうしてしょうじくんがレギュラー入りしたのが5月から。色々変化はありましたが早いものでキャンペーン開始から7ヶ月経ちました。

お陰様でまだ一度も遅刻してません!!
σ(^_^;)


遅刻しないなんて当たり前の事なんですけど、昔はよく遅刻したりサボったりしてました。営業がやっと終わってからの洗い物も発注も掃除も一人、正直一人は辛かった。目覚めても疲れが全く抜けておらず、夕方うたた寝して遅刻を繰り返したあの頃。

言い訳しても仕方ないんですけと。

けど、ユーザー側から見て、時間通りにやってない店ってのはあり得ない。ってか使いづらい。待ち合わせ出来ないし、雨の日や暑い時や寒い時は尚更、腹が立つ。

ただでさえ狭いからお断りする事もあるのに。思い出すと何てことだと今更思う。あの頃はごめんなさいね。


これからも定休日のない、きちんと八時に空いている当たり前のお店を目指して、ひっそり頑張ります。

定休日や遅く空く日には前もって必ずこちらに書きますので、併せてご覧下さいませ。


将来の僕の姿?!



僕が常日頃、店の物件を探してるなんて口にしているのを聞いた方が情報を下さいました。

色々口に出してみるもんですねぇ。

場所は六本木、まあ新宿っ子の僕としては有り得ないんですけど、まあ見てみるだけならということで。


今日のお昼に連絡を頂き、夜に一緒に見に行こうとお誘い頂き、お休みだったので直行しました。

六本木の一等地の地下一階、ミッドタウンのま向かいで駅近という便利な場所なのに、10坪10万でいいというお話。こりゃ見てみたい。


気になるのは安い理由。何でも40年ほど続けられたピアノBARなんだけれど、疲れたからそろそろ辞めるんだそう。それも今週いっぱい。だからすぐに借りるか決めてくれないかという、気の抜けない条件。

どんな方がやってるのか見当も付かない。ワクワクする。


雨が上がったので、早速自転車で向かいました!






ほう、白いドアか。




ギャッ!!蔦がお出迎え、、



ちょっとウチと似てる、、、、。モノだらけ。






アンティークというか、何と言うか、、。五月人形風の兜とか、気味の悪い人形とか絵とか、銀食器や本が乱雑に置いてある。


センスは、んー、って感じ。統一感がない。


マスターとご挨拶。中高年とお見受けする男性でした。

何と言うか、、、キツ、、いやいや、かなり個性的な方です。ゴールドカラーで豹柄のシースルーのシャツにスカーフ。

髪型はというと、金髪のかまやつひろしさんと言えば何となく伝わるでしょうか、、。そう、お帽子風なアレ。完全に浮いてる。

そこに自作っぽいチェーンで出来たヘアーバンド。

「私アンティークが好きでね、ほら、シャンソンやジャズなんか流すでしょう、だからバカラも好きなの。これ全部お店に付けるからね。このコンソールはイギリスの、、」


わわ、キツい話し方だなぁ。(汗)


店の中央には木目のピアノと薔薇の花。

「ワタシも弾けるのよ、ウフフフ!」


ガーン!!他人とは思えない、、。40年経ったら僕も、、、。えー、困るかも。怖いよ。


「ドリンク何にする?あ、ワイン?赤ね、25000円のボトルになっちゃうけど、、え、辞めておくの?はいはい、、」




何だか考えさせられるBARでした。
(´・_・`)



しかし六本木は無いにしても、この値段で駅からすぐの10坪は有り得ない出物物件。しかも僕の探してるちょうどいい大きさ。ゆったりカウンターを取って、ソファーも置いて、グランドピアノも置いて、一体感もある。タバコやトイレに行く時もシートが支えず、無理なく行き違える。


やっぱ、良いなぁ。適度な広さは居心地の良さ。快適さは何者にも代え難い。



無理せず気長に探しますっと。

アートネ〇チャー、からのクーリングオフ

 
先にお知らせ。


モヒート、始めました。例年ながら大人気です。

夏の定番です。1300円。


DSC00838.JPG



未来予想図、まだ書いていますが終わりません。先に小ネタを・・・。



***


そして本題。


薄毛に悩みだしたのは2008年頃。無理なダイエットをして、2か月で18キロを落としたあたりから、後頭部が気になりだした。

ちなみに前髪のM字は生まれつき。お父さん、お母さん、ありがとう。


もうね、後ろに関しては明らかに薄いのですよ。でも、無かったことにしていた。


三日前くらい、近所のスーパーのレジを並んでいたんです。そこの壁は合わせ鏡になっていて、並んでいる人が映って見える。

僕は客を眺めながら「あ、ハゲてるなぁ、あいつ」なんて観察しながらレジの順番を待っていたの。

あれ、似たシャツ着てるな、、



自分だった。



最近、帽子も被っていない。特に週末の麻のジャケット制服が定められてから、被ることが出来なくなった。

これを毎日見られていたのか・・・。

昨日。勢いで夜中じゅうネット検索して、一番近いアートネ〇チャーに行ってしまった。増毛体験。

ポリエチレンで出来た輪っかのついた毛を、地毛に結んで毛を増やす、というもの。だけど、地毛が伸びたらまたやり直さなきゃいけない。要は施術を始めたらずっと通わないといけないシステム。

まあ、月換算で15000だから、と自分を納得させながら体験を受けた。

これは本当に凄い。


結び目なんて見えないんですよ。もう、毛穴くらいしかない。古い、安いタイプのだと結び目が見えるらしいのだけれど、毎年進化しているらしいそうで。

女性のウィッグはOKで、男のハゲの増毛はなんでダメなのか?!そんなもっともらしい説明を受けながら、どんどん自分を見失ってゆく。

この技術に参ってしまい、即決。35万円。


何で高いかって、先に5000本くらいまとめ買いさせるのがこの業界大手のやり方らしい。これにもいろんな理由を聞かされ、ふーん、まあ、そんなもんかな、くらいの感想。


次にシャンプーやヘアケア、櫛までも勧められて。流石に17万とかなのでそれは断ったけど、

まったくもって洗脳された自覚はないんだけれど、月換算とか、飲み代を月に何回我慢、とか、買う方向に自分を誘導している時点で、かなり冷静さを欠いていた事が後になって判る。

某フランスのメーカーのバックを買ったあの日も、謎のロングコートを買ったあの日も、同じだった。

好材料ばかり並べて、冷静さを排除してしまうその癖は本当に気を付けないといけない、です。

かといってこの業者さんが悪徳で、とかそういうお話ではないのですよ。答えは自分にありますから。



***

そんなこんなで家に帰り、またサイトを見てたの。契約に後悔はしていない。
いつもの悪い癖なんだけれど、買った後に熱中のあまり、他の業者のサイトを見まくる。調べまくる。


スヴェンソン、というドイツの会社がありまして。


そこの製品はまあともかく、各会社いろんなタレントさんが宣伝をしていて、大体装着して笑顔、自信が戻りました」みたいな体なんだけれど、この会社の宣伝はとても面白かった。

諸橋なんとかさんという方。増毛施術後。

imagesCA7NEUDK.jpg




プロレスラーに附けさせて、実際に試合をして髪の毛を掴んで引きずりまわす、というもの。レフェリーが髪をチェックして3カウント、ゴングが鳴ると歓声が起こるも、もっと禿げたヒール役のレスラーが出てきて、「俺のがもっと禿げてるぞ」と乱闘、みたいな滅茶苦茶なストーリーなんだけど、ちょっと笑ってしまった。

imagesCABP8RTP.jpg







コメントに「若返りました。若ハゲの頃は髭を生やして悪役に徹していたのですが、今では完全に好青年」みたいな感じの内容。


気になったので画像検索を。

確かにM字ハゲだな。

imagesCAA83X4A.jpg

imagesCAJZLIME.jpg

でも、こっちのが恰好いいやんけ!


んー、ってかハゲが恰好悪いんじゃなくて、禿げてて恰好悪いと思っている自信のない雰囲気が、輪をかけて恰好悪くさせてるんじゃないの?と。


堂々としていたら、ハゲよりその堂々とした様に目が行くはず。根拠はないけどなんか、そうだと思った。



朝起きてもう一度よく考え、近所のイタリアンで伴侶と友達とランチしながら、話をしてクーリングオフをすることに決めました。


人生初のクーリングオフ。

定型の書式で書いたものを郵便局から書留で送る。担当さんごめんなさい、という気持ちと35万が還ってくるという喜び。


何よりも、


ハゲをセクシーに見せるような男にならねば



と思うのでした。


でも、また安い所があったら増毛しに行くかもw

その時はそっと見守ってね。(謎)




ここまで何でも書いたら余計に、ハゲが恥ずかしく無くなってしまった。

良いような、それも問題のような。




おしまい


calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

  • 並木、ドアその後。
    yukie
  • 風立ちぬ、を観てきました
    店主
  • 風立ちぬ、を観てきました
    takepon
  • 秋からの制服を考える
    店主
  • 秋からの制服を考える
    yukie
  • 昭和レトロ探訪〜新宿三丁目「千鳥街」
    三橋 順子
  • うーん、調子がよくないのです。
    シンスケ
  • うーん、調子がよくないのです。
    ゆう
  • うーん、調子がよくないのです。
    YASUO
  • マンハッタン旅行記(その1 街並み編)
    Sige

recent trackback

recommend

南の島に雪が降る (知恵の森文庫)
南の島に雪が降る (知恵の森文庫) (JUGEMレビュー »)
加東 大介
太平洋戦争末期、赤道直下の戦地ニューギニアで慰問団を結成し、7000人の兵士を楽しませた元歌舞伎役者の実話。ジャングルの中に歌舞伎座を建て、馬の尻尾や棕櫚の繊維で結いあげた鬘、パラシュートの打ち掛けや緞帳、ガーゼの糸を間引いた紗幕、そして紙吹雪を用いての雪景色に、遠い故郷を思い出し、兵隊たちは声を上げて泣く。究極の状況下での知恵と優しさの詰まった人々の心の触れ合いを描いた温かい作品。

recommend

伽羅の香 (中公文庫)
伽羅の香 (中公文庫) (JUGEMレビュー »)
宮尾 登美子
何不自由なく育った主人公は、何気なく始めた香道の奥深さに知らぬ間に溺れてしまう。免許皆伝の暁には、と始めた会合。気がつけば彼女の自宅は時のサロンに変貌し、有力者が訪ねて来るまでになる。しかし少数の仲間はそれをよく思わず、時を同じくして太平洋戦争の足音が忍び寄る、・・・・。
蘭奢待を始めとする平安から連なる奥深くも豪華な数多くのエピソードが、読み人を香りの世界へと誘う。
安いもので構いません、お好みの香木を焚き締めながらの拝読をお勧め致します。グッと気分が出ます。

recommend

グロテスク〈上〉 (文春文庫)
グロテスク〈上〉 (文春文庫) (JUGEMレビュー »)
桐野 夏生
悪気もなく、ただ人の不幸を喜びに生きる「私」と、類い稀な美貌を持ち、出会う人々を皆驚嘆させてしまう実の「妹」、人に勝利する事でしか自分の存在意義を見いだせない、容姿に恵まれない和恵。その三人を中心に描かれるQ女子高(私立慶應女子高校がモデルになっている)の超閉鎖的階級社会を舞台に、途中入学組に対しての、富裕層からなる内部進学者からの壮絶ないじめを軸とした数々のエピソードは圧巻。物語全体は東電OL事件を主軸にして描かれており、後半は生生しい売春婦の日常が詳細に描かれている。店主がここ最近の著書で、久々に気骨を感じた作品。

recommend

一の糸 (新潮文庫)
一の糸 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
何不自由ない造り酒屋の娘茜は幼き日に目を患い、その時連れられて聞いた文楽、露澤清太郎が奏でる三味線の音に恋をしてしまう。大正から太平洋戦争後にかけた女の一大抒情詩。乗馬を好む娘、宝石や宿屋を惜しげもなく買い与えるおおらかな母、その後の茜の命を賭けた壮絶な苛めとの戦い、本物の芸に賭ける壮絶なエンディングと、読みどころが随所に散りばめられた文句なしの女流文芸娯楽作品。

recommend

悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))
悪女について (新潮文庫 (あ-5-19)) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
公子という一人の貧しい女が中華屋の仲居からスタートして何百、何千という嘘を重ねて戦後の混乱期にのし上がる様を描いた作品。嘘を重ねると言っても、無論、それだけでは決して成功はしない。夜学に通って簿記の試験をパスし、自らの美貌を磨いて出会う男を翻弄し、汗まみれになり生き抜くさまは寧ろ潔い。とある事件後の週刊誌記者による聞き取り調査と云う一風変わった文体で綴られる全編は、時を忘れ、あっという間に読めてしまう。中でも、登場スr数々の大粒の宝石の描写は秀逸。「取材魔」の異名を取る有吉文学の中でも比較的軽めな現代もの。特に初心者にお勧めの一品。

recommend

女系家族〈上〉 (新潮文庫)
女系家族〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
山崎 豊子
船場に続く大商家の物語。入り婿の父が突然亡くなり、残された三姉妹が遺産相続を期に豹変を始める。狡猾な大番頭、突然現れる妾の存在に、三姉妹は関係を結んだ男の入れ知恵や様々な駆け引きを繰り返し、遺産を減らさぬよう奔走する。団結した三姉妹と叔母が妊娠したと思しき妾を抑えつけ、懇意の医師が器具を用いて検査を始める妾宅での描写は、昭和女流文芸史に残る陰惨な情景と云えるだろう。

recommend

 (JUGEMレビュー »)

昭和初期の船場に三代続く女系の老舗足袋屋に生まれた男の半生を描く。女親に反発するかのように愛人を4人も囲いながらも商売に精を出す主人公。迎え入れた新妻の妊娠を探るために肥溜めを棒で掻き回す姑と大姑の陰惨な嫌がらせ、襲名披露の配り物がたった足袋一足だと聞いてケチだと馬鹿にする参加者を尻目に、実は踵の留め金具が純金製で帰宅した一同を仰天させるエピソードなど、船場の粋と意地が詰まった珠玉の作品。

recommend

針女 (新潮文庫)
針女 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
出征した帝大出の弘一が残した青春の遺書を胸に、パンパンや闇成金の持ち込む針仕事に打ち込む孤児の清子。彼女は過去に踏んだ針が体を周り運悪く跛(びっこ)になるというハンディキャップを持つ。復員した夫は戦争のせいで性格が豹変しており・・。パンパンや気違いといった現代では禁止用語の登場人物が行き交い、戦後の混乱期をそのまま原稿用紙の上に広げたような生々しい作品となっている。

recommend

連舞 (集英社文庫)
連舞 (集英社文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
昭和初期の日本舞踏の一大流派、梶川流の栄枯盛衰を描く。先代家元の妾の子に生まれながらも伸び悩む自分の踊りの才能、踊りの天才と謳われる性格の悪い妹、妹しか愛さない母に悩まされる青春時代。しかし、GHQ接収後のアーニーパイル劇場での歌舞伎ショーにてストリップを強要され、大逆転の末成功となり、家元夫人にまで上り詰めてしまう。忌わしい過去と出自に翻弄されつつも、過去をねじ伏せるかのように踊りに邁進し、遂に芸の道に境地を見出す主人公、月の直向な横顔が涙を誘う。

recommend

明治のお嬢さま (角川選書)
明治のお嬢さま (角川選書) (JUGEMレビュー »)
黒岩 比佐子
明治期の令嬢の実態を探る。たしなみ、学力、美醜の葛藤、結婚生活まで多岐にわたる。面白いのは多くの令嬢は今と変わらず贅沢品に執着したらしく、友人の持ち物を嫉む生々しい手紙なども解説入りで紹介されている。その他、当時の流行の髪型や美人術、痩せる薬などの広告資料も収録。

recommend

宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして
宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして (JUGEMレビュー »)
高谷 朝子,明石 伸子,太田 さとし
千代田の森の奥深く、宮中賢所に57年お住まいの神職の女性の半生を描いた作品。下界と分断された森の中で祈りを捧げる日々。厳格な穢れの区別(下界のものに触れると潔斎しなければいけない)、四足のものは食べてはならない、毎朝数時間かけて髪おすべらかしに結うなど驚愕の生活と共に、日本古来の自然に寄り添った質素な習慣を紹介する。

recommend

朝香宮家に生まれて
朝香宮家に生まれて (JUGEMレビュー »)
北風 倚子
渋谷・松濤の鍋島公園一帯は戦前、広大な鍋島侯爵邸であり、著者の住まいであった。大空襲で火の海になった屋敷を逃れ、昭和という時代を生き抜いた、旧華族のお姫様の生涯。

recommend

社長 島耕作(8) (モーニングKC)
社長 島耕作(8) (モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
弘兼 憲史
言わずと知れた島耕作シリーズ単行本。長い経緯はさておき、弊店が表紙になっております。店主もタキシードでモデルを致しました。
是非お買い求めくださいw

recommend

梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
小田部 雄次
佐賀藩主鍋島家令嬢伊都子。彼女はのちに梨本宮に嫁ぐが、明治から昭和に渡って77年間日記を残していて、その様相は「書き魔」と言わんばかり。初の洋行先のパリで買い物の様子や婚礼、即位式などの華やかな思い出を経て、戦中戦後の倹約の様子や時代に対する落胆ぶりなど。往時の匂いが漂ってくるかのような生々しさ。著者、小田部雄次の解説が当時の世情をわかりやすく補ってくれる。

recommend

写真集 酒井美意子 華族の肖像
写真集 酒井美意子 華族の肖像 (JUGEMレビュー »)
酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

recommend

極楽商売―聞き書き戦後性相史
極楽商売―聞き書き戦後性相史 (JUGEMレビュー »)
下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

recommend

 (JUGEMレビュー »)

京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

recommend

芝桜〈上〉 (新潮文庫)
芝桜〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

links

profile

書いた記事数:843 最後に更新した日:2017/10/17

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM