ワクワクホテル選び(欧州編)



某ホテルのルームサービスの高さに落ち込みつつも、次なるレトロホテルを予約しないといけません。


やっぱり古臭いホテルが好きなんですよ。どうしようもなく好きなんです。


いつか自分の原風景みたいなセピア色の場所に辿り着き、小さく「ただいま」と呟きたい。


なるべくボロくて古くて懐かしく、且つ手入れがされていて清潔な所を探しては尋ね歩く、まるで巡礼者の気分です。



レトロと言えば本場ヨーロッパ。8年ぶりの渡欧となりますが、古都ローマとウィーンに絞って尋ねる予定です。旅程はマイル乞食の性で、乗り換えが多めです。


羽田

フランクフルト1泊

ローマ4泊

ウィーン3泊

フランクフルト〜羽田


5回も飛行機乗らなきゃいけない。自腹を切ればウィーン直行、余計なフランクフルト乗り換えをカット出来たのに、と今頃後悔しています。



ローマは年末に書いた通り、サンルーム付きの古いホテルを予約したので、残るフランクフルトとウィーンのホテル選び。旅なんてのは行っちゃったら割とあっけないもんで、もしかすると今この瞬間が旅のクライマックスかも知れません。



***



フランクフルトでは地獄の17時間乗り継ぎがあります。トムハンクス張りに空港で過ごそうかと思ってたんですが、風邪でも引いたら後がヤバいってんで最寄りのホテルを取りました。


ホリディインフランクフルト空港

(14,000円)




なんで15時間フライトの後でホテルに17時間も居ないといけないんだろう、、。それな余計な出費。かなり変な旅程ですよ。


マイル消費もいいけど、次からはコンパクトに計画立てよう。


フランクフルト市内はビジネス街な上に治安が悪い、夜だから観るところもないよと聞きました。



が、割とアクセス良い所にゲイバーがあるらしいのです!




あらっ!楽しそう!




顔の薄いアジア人が隅っこで一人、温いビールを啜りながら、自分の非力さを噛み締める、、、。


それが1人旅の醍醐味ですから、、面白そう!行きたい!!



てな訳でちょっと計画してみようかな。ホリディインなんかで寝てたら勿体無いよ。


詳しい方いらしたら情報下さいませ。





***




残るはウィーンのホテル。まあ、高くてびっくりしますね。


例のインペリアルホテル、一泊7万オーバーは流石に勿体無いです。



(Imperial Hotel 1973〜)


3泊で21万払うんだったら、どっかのホテルのルームサービスで天丼が21杯も食べられちゃうじゃないか。


部屋で3日ともモヤモヤするに決まってます。ならば似ていてコスパのいい所を探そう。きっとあるはず。



割とすぐに見つかった!!


(ambassador Hotel  1898〜)



建物も年代も似てるしここでいいや、と。

国立歌劇場から歩いて3分。お値段は一泊26,000円と、1/3に下がりましたよ。



吹き抜けにはピアノもあるし



屋上にはサンルームもあります。




ここで充分ですって。浮いたお金で美味しいもの食べて、ガラクタ買ってオペラでも観ようじゃないか。


と、年末に予約しておいたウィーン国立歌劇場からお返事が来ました。演目はシュトラウスの喜歌劇「こうもり」です。これぞウィーンという、大好きな演目。


(建物が全部似てますよね)



チケットはが、ここは旅のポイント。出すところはきっちり出しましょう。




そんなこんなで旅の予定も固まってきました。


後はウィーン市内の泥棒市か合羽橋みたいなところを探して、まずはカフェのお盆。

角が丸い長方形で、銀メッキのキュッと小さいの。これを5枚くらい。




見つかったらカップホルダーも。ホットワインやアイリッシュコーヒーまとめて買えたらな、と。



何て素敵なデザインなんだろう。


お盆にナッツとお冷、ドリンクまで全部乗せてソファ席にサーブしたいのです。


中学の頃に下京図書館で見た大型図録「世界の文化」ウィーンのページ。その中の薄暗いカフェのコーヒーの写真そのままなんです。


重厚でレトロな店内はピントがボケていて、その手間の焦点の合ったコーヒー。


銀のお盆に載せられたカップからは湯気が立っていて、大袈裟ではなく、ページの向こうからコーヒーの香りがしましたもんね。


48歳にして、自分のお店で叶うといいなぁ。



若き日に見た夢の回収だけで生きているようなこの頃ですが、今の年齢だと中々衝撃的な出会いがある訳でもなし、やはり子供の頃に受けたインパクトには敵わないですもんね。


さっさと回収して大人になり、次なるステージに進めますよう(笑)








ぶらり湯河原(2023)



僕が複数回リピートしている安宿というのが、主に4箇所ほどあります。


いずれも安くてレトロでそこそこ清潔に保たれていて、気後れせずに楽しめてお財布に優しく、割と空いているので予約が取りやすいのが利点なのですが。


鬼怒川温泉の例の所、伊豆稲取のボロ旅館、熱海の来宮神社側、お婆ちゃま2人が切り盛りしてたあそこ(数年前に廃業)そして湯河原のボロいこちら。




今回はそのうち湯河原の宿。部屋で寝転がりなから書いております。





いやー、今回のこちら。このエリアで最安値の旅館なのですが、丁度良いレトロ感があり気に入っていたのですが、、



この所、どこぞのコンサルが入ったのか大幅にリニューアルされていました(汗)


高度成長期の大旅館の面影は影を潜めています。


全コース漏れなく部屋食だった夕食は殆どが「ビュッフェ形式」に変更されていて(予約時点で見逃していた僕のミス)かつての畳の大広間はリニューアルされ、葬儀会場のようなエントランスへ変更されていた。



榎本家 告別式 19:00〜 と書いてあっても気付かなそうなデザイン(汗)


中はピカピカに。このピカピカのベクトルがどうも安手で、好きじゃないんですよね。


アクリル、プラスティック、LED多用の内装に100円ショップの食器を並べてそうな感じ。





おかずは業務用お惣菜を多用した給食のようなメニュー。冷凍シュウマイやら乾いたお刺身やら。


ボロいのは好きだけど、とかく安手なのは嫌です。







もー!前の古臭いチープな昭和なままのが良かったのに(´・_・`)





2日目から追加料金3,100円を余計に払い、お部屋食に変えてもらいました。そう。これ、これなのよ。





今時はビュッフェ主流なのかしら。アレルギーやらある中で、好きなものを好きな量取って食べるほうが合理的だもんな、などとブツブツ考えながらレトロ飯を食う。ああ、僕はこっちでいいよ。



お風呂は聖域なのか手付かずで、相変わらず良かったですよ。橋を渡った先の滝の下に沸く露天風呂という、現実離れしたのがあります。


お風呂に関しては相当コスパ良いんですけどね、、。







僕なんかは古臭くて清潔に保たれてるのが堪らなく好きで、わざわざ楽しみに行ってるけど、そんな人は数字的に稀なわけですよ。


多くの人のニーズは新しくて明るく清潔な方が好きで、僕が推すレトロ宿は、軒並みリニューアルの波に押されつつあります。




また新たなレトロ、心の原風景を開拓せねば!




***



宿を出て、海方向へ散歩することにしました。 


出発10分後に物凄い落ち着いた旅館を発見します。





よく歩くエリアなのに、こんな古めかしい所あったっけ?



世の中はまだまだ広いようです。

(後で調べると、エロい男女がここの露天風呂を貸し切って混浴オフ会やってるという情報が 汗)




***




川のほとりを歩いていると、沢山の柿が実っています。




柿、昔は好きでも嫌いでもなかったんだけど、今はかなり好きな果物になりました。こういう味覚の変化も年齢を重ねた結果の一つなのかも。か柿でも買って帰ろうか。みかんもいいな。



途中、僕にとって懐かしい建物が無数に立ち並ぶエリアがあります。


商店一階の立地で、こーいうガラスの引き戸の中で畳屋さんとか板金屋さんとかが作業してたの昔はよくあったんだけど。


今はあんまり見ませんよね。




横のブロックには、藤棚に侵食された改装業者の作業場。モジャモジャで、無骨で、なんて素敵なんだろう!





懐かしエリアを過ぎて市街地にやってくると、ポスターから五月みどりが微笑みかけます。



手製のティッシュボックスをテレビで披露してから、手作りアイテムがアイコンとなった彼女。


ラインストーンやお花を多用したアクセサリーや、刺繍やデコパージュを散りばめた小物たち。


妙齢女性の夢を体現したようなショップは今や熱海を中心に複数展開していますが、まさか湯河原まで来ていたとは!






オッサンが長居する所ではないので、さっさと退散。




***




宿寄り道をしつつ7キロ程散歩し、海までやって来ました。丁度良い距離です。






ゴールは、テトラポットの並んだ味気ない海を眺めます。その上こちらの海、潮の香もしないんです。


海も今日は本気出してないのかもね、などと伴侶と笑いつつ、その場を後にしました(笑)







***




、、今回の風邪、治るまでに1週間もかかってしまいした。その上、体調が悪すぎて遅刻もしてしまいました、すみません。


週末はお陰様で忙しく、治りきらない中でそのまま温泉に来たのですが(先に決まっていた)2泊して入浴と寝まくりで、風邪もきっちり治りました。


テレビを付けっぱなしで寝たので、北朝鮮のミサイルのアラートの


英気を養えた上は、水曜日から再び元気に働きたいと思います。宜しくお願いします。




どうぞ皆さんも風邪など召されませんように。





北のまほろば、札幌市




北海道は人生で2度目、7年振りの訪問となります。ずっと行きたかったのですが中々チャンスに恵まれず。



前回の1度目は小樽と余市と札幌とを行ったり来たりで(NHK朝ドラ「マッさん」の影響)バタバタでしたが、あの時も秋だったな。


今回はお仕事を頂きまして、いざ東京より飛んで参りました!




***





新千歳空港から電車に乗り換え、うとうとして目が覚めると地平線。


これにはビックリ!!


東京のどこにもこんな景色はないですからね。かなり新鮮ですよね。



札幌駅から地下鉄にて中島公園へ。公園に隣接したこちらが今回のお宿。いやいや、レトロで好きな感じですよ。


聞けば札幌では札幌グランドホテルと札幌パークホテルが、格式の高い二大ホテルなんだとか。


高度成長期辺りから、札幌グランドホテルと札幌パークホテルの2軒が行幸啓(両陛下の訪問)を目指して競っていたという話でした。


僕の好みのホテルはですね、例えば80過ぎの良家のお婆さまなんかが「私のお式は⚪︎⚪︎ホテルでね、それはもう立派だったのよ」なんて回想しそうな格式のある(がしかし今は少し元気のない)そんなしなんです。説明するのが難しいんですけど。


しかし今では2軒ともがフジサンケイグループの傘下だそうで、、。競ってこそ華なのにつまんないな。





そんなパークホテルの眺めは抜群でして、隣接する公園の池もよく見えます。



実は頂いたお仕事、この公園内にあります重要文化財での演奏です。豊平館という施設でして、こんな可愛らしい洋館なのです。



予想通り、明治天皇の御休所として建てられた施設であります。



北海道含む地方のインフラ整備は天皇の行啓やオリンピック開催に後押しされて発展するケースが多いですが、さっきのホテルもこの施設も、その最たる例ですね。


中も凄いですよ。





大広間に素晴らしいピアノがありまして、それもヴィルヘルムケンプのサイン入り。ケンプは恐らくキヌギヌで最も再生回数の多い「ゴルトベルグ変奏曲」を演奏した方で、僕の心の拠り所の演奏家の1人でもあります。 


勝手に結びつけ、浅からぬご縁を感じております。


それにしてもよく鳴るピアノです。鳴りすぎて困る位なので左ペダルを効かせながら、坂道発進の要領で音量を見極めます。


なんせ高い天井に加えて漆喰の壁で余計に鳴ってしまい、これ自体が一つの楽器のようです。





これが不思議なことに、お客さんが入りますと残響かピタリと止みました、丁度良くなります。ホント不思議なんだけど。



機材待ちの間は撮影大会です(笑)




素晴らしいヴォーカルとチェロの三重奏の演奏は無事に終わりました。


 異国情緒があって、しかし温かくて落ち着く、、まるで宮沢賢治の絵本の挿絵のような一夜でした。





終了後には二次会まで用意して下さっていて、、。運営の皆さんが集まってお待ち下さったのですが、これがまた不思議な空間なんですよ。

バラの蔦の絡まる煉瓦造りの蔵の中にはグランドピアノが二台ブチ込まれていまして、、。なんなんだ、このレストランは。


(食べログより拝借致しました)




ここでも弾く、飲む、弾くです。ピアノがあるということは「弾け」という事ですから、まさか拒んだりしません(笑)


↓この中央の女性、あっちゃんが今回の呼んでくださった方。キヌギヌはある方に名前を付けて貰ったのですが、その方が名付けたもう一軒の店でありまして(着物のギャラリー)僕らは姉妹店となる訳ですが、今回はその20周年のパーティーでした。


あっちゃん、この度はおめでとうございます!


キヌギヌは今年18年を迎えたばかり。一年半先輩の彼女のようにウチも無事に20年を迎えられますよう。




午前2時近くまで話して飲んでやっていましたが、さすがに電池切れ。この丸2日眠っていなかったので、頭の中で高速で妄想が見えてきました。


ヤバいと感じ、折を見て退出。




***





泥のように14時間ほど眠った後は、札幌の中心地にある大通り公園で開催中のオータムフェスタへ。




この恐ろしく広い公園殆どを使って食べ物マーケットをやっているんですがね、僕みたいな食欲過多の観光客にとっては堪らない、フードイベント。



居ながらにしてウニにいくらに北寄貝、蟹に海老に牛肉にマトンにコーンにじゃがいも、パンにカレー、ラーメン、その数300軒!





ギャー!!早く食いたい!!と思わず小走りになる。


焼きウニに






カニの甲羅焼き





貝三種串焼きとサッポロビール





その為にもツブ貝やら沢山食べましたが、、、ま、屋台の露店のアレと同じ味ですわな。作り置きして時間の過ぎた感じを全体に感じましたが、そんなもんすよ。


しかし会場のどこにもゴミが落ちていないんですよ、凄い事だと思うんですかね。札幌の方は民度が高いのんでしょうね、、。





***





腹ごなしにいつものお散歩。大通りの一本北を歩いていますと、あれ、何だか見たことのあるような建物が、、





これが時計台なの?!


はーん、これなクラーク博士のやつ、、。初めて見ましたが、こんなにコンパクトなんですね。




それでも当時の街並みの中では相当背が高かった筈。


クラーク博士の教えに大志を抱いた北の若者は新渡戸稲造に内村鑑三、、と、枚挙にいとまがありません。


思いがけず目にすることが出来ました。




***





ホテルの部屋に戻ると、窓から素晴らしい夕日です。






東京住まいってのは便利なようで、沢山のものを失っていると思うのですが何ね、その一つが夕日や朝日だったりなのだと思います。


ビルが高過ぎて夕日なんてまともに見えないんですよ。スカイラインが相当見切れているので見える空が狭いんですね。


タワマンでもすまない限り、夕日なんで見えないですよ。


台風来ないし、梅雨ないし、ゴキブリ殆どいないし(-5℃で死滅)街に緑は多いし、ゴミ落ちてないし、ちょっと惹かれるなぁ、札幌。




***




てなことを想いつつ、ホテルを後にします。


散々食べ散らかしたのに、これから更にジンギスカンを食らいますよ。北海道に来たなら何よりジンギスカン。



実家で母が毛嫌いしていたせいで一度も食べた事がなく、7年前まで食べてはいけないモノの一つだと思い込んでいました。


その7年前、前回の北海道訪問時に、偶然生ラムの店にご招待頂いたんですよ。まさか大の苦手だとも言えずに一口食べたら、目から鱗がポロリですよ。


それ以来、大の生ラム好きに変わってしまいました。今では1人で夜中に歌舞伎町に向かい、7人前くらい食べちゃう始末です。あんなに嫌いだったのに。



今日は共演したチェリスト某氏のお勧め、一軒家のジンギスカン屋さんです。




ジンギスカンといえばあのカブトみたいな網なんだろうけど、ここは普通の網。ちゃんとした七輪ってのが泣かせますよ。


網焼きなんて初めてなんだけど、どうだろうか。



生ラム来ましたが、こりゃ旨そうですよ。




はい、網焼き最高です!!




唐辛子タップリのタレをご飯にかけまして、、。ああ、これなんですよ。


北海道さん、こんばんは。お邪魔してますよぉ。





ご飯でキチンと締まったところでジンギスカンの宴はお開き。ホテルに帰り、また眠るとします。


食っては眠り、眠っては食うを繰り返し。そう、明日は早起きして朝からウニ丼を食べないといけないのです。



その後は昼過ぎの便で東京に戻りまして、火曜日月一度の特別営業となります。


何かお土産買って帰りますので、どうぞお楽しみに。











9月の営業(今更)



何かを忘れていると思ったら、9月の営業予定を書いていませんでした、、。ジャニーズとか書いてる場合ではなかった(汗)


もう半分過ぎてしまいましたが、一応掲載しておきます。ごめんなさい。



2023年9月の営業日です
⭕️→定休日
○青色→誰でも入れる営業日
【営業時間】
水/木曜日 20:00〜26:00
金土/祝前 20:00〜27:00頃
日曜/祝日 20:00〜24:00
お一組4名さま迄となります。

*9/24は札幌にピアノ出張の為、お休みとさせて頂きます。

*お手数ですが、ご来店の少し前にお電話にて空席確認をお願いしております。お名前と人数をお伝え下さい。03-3358-0899
僕の携帯、LINE、Instagramメッセージ等は繋がりません。

*普段は近しい方向けのお店ですが、最終火曜日は月に一度の最終火曜日は月に一度の「どなたでも入れるDAY」です。20:00〜24:00 一組2名さま迄となります。どなた様もお気軽にお越し下さい。こちらも来店前のお電話をお願いします。



***




過ぎましたが9/13に誕生日を迎えまして、48歳になりました。


誕生日を事前に伝えると気を遣わせるだけでなく、それで儲けようとする手法が美意識に合わないので毎年予告めいたものはしませんが、それでも歳を食ったんだなぁ、という感慨は毎年変わりません。50代も目前ですもの、色々考えないといけない時期に入ってきました。


とはいえ、いつもと変わらない1日。


母親に「ありがとう」と伝えて、シンプルに終わりました。


今後も、ますます現状維持にて参りますのでどうぞ宜しくお願いします!












鬼怒川よりレジを考える

 

毎度の鬼怒川温泉にやって参りました。

もう20回目くらいになりますでしょうか。

今回は2泊3日の旅でございます。



最近、旅館ばかり行ってますがたまたま重なっただけで、実はドキドキしています。普段は月に2回も旅行なんてしません!



崖っぷちの廃屋と自然のコントラスト、失礼だけど鬼怒川の魅力はここに尽きると思ってます。ただの大自然よりも、何となく落ち着くんですよね。


、、静かな中でひぐらしの声がするとより静かさを感じる、僕にとっての存在が廃屋なのです。


今日は生憎の大雨の空模様ですが、それでも変わらずいつもの廃屋とが見えます。ああ、ただいま。



とご挨拶していると大雨!





雨なら尚いいじゃんか。今回は、はるばる何にもしない、をしにやって来たのです。


掘り炬燵で本を読んだり調べ物をしたりしつつ、とにかくダラダラ過ごしています。

鬼怒川は僕にとって「何もしない」を充分にさせてもらえる街なんです。



だって、周りに何もないからw



もしも、やれ湯畑だ、見頃の梅園だ、南アルプスだとなると落ち着きませんよ。鬼怒川ほどの缶詰感は逆に言えば希少です。


上げ膳、据え膳で飯を食らい、



中居さんに好かれるよう配慮を怠らず、



また風呂に入っては廃屋と緑を眺める。(画像は公式サイトより)




二日目になり、雨も上がって流石に動きたくなってきたので長大なお散歩ついでに鬼怒川ライン下りに乗船することにしました。


レセプションで貰えるこの手ご案内のチラシ、今までは反応した事なかったんだけど。





川下り、40分の道のり3,300円。

1日12便の最終回は1,000円引きの2,200円にてサービスとのこと。

割引大好きですもんねー、敢えて最終回まで時間を潰しての乗船です。


これがね、最高なんですよ。思ってたより3倍は楽しかった。



とにかく涼しくて、上着が欲しいくらいの気温。外は猛暑の本日、まさに別世界ですね。


色んなエピソード、例えば岩や滝や植物の解説を織り交ぜながらの船頭さんのお話を聞きつつ、ドンブラコという音がピッタリ。



ご機嫌にグルーズを終えてバスター乗り場に案内されると、そこにはつまみとビールとお土産屋さんを、混ぜたようなお店に誘導されます。ありがちな展開。


尚魂逞しい売店のレジで玉こんにゃくと生ビールのお会計をしていた時、思わず「あっ!」と声を上げてしまいました。



どーして今まで気付かなかったんだろう。キヌギヌのレジのスマート化。





iPadを載せた、シンプル極まりないPOSレジ。よく見るタイプですが、まさか鬼怒川の山の中でこれにビビっと来るとは。ど田舎の中でのスマートなレジ打ちの姿に僕が悔しかったのでしょうか。


だとしたら失礼な話ですけど。


いやね、うちのレジ。物理ボタン式なので登録商品を4つしか反映させられないんですよ。この写真の機種なんですが、やはり限界があります。





例えば


チャージ・600円

ハイボール・800円

スパークリングワイン・900円

舶来ウィスキー・1400円


この四つだけが単独キーで入力できるんですが、残りの一つはカスタム用ボタンに割り当てていて、金額と単価を手入力しないといけない。つまり、他の商品は金額を全て手打ちなんですよ。


タッチパネルなら、無限にボタン増やせるもんな。ちょっと仮にボタン作ってみよっと。


こんなふうに画像を違えて乗っけてやれば、主だった商品は1ページあればカバー出来ちゃう。データが欲しい商品は個別ボタンにしておけば数字取れますしね。




これならスタッフさん達、喜んでくれるだろうなぁ。僕も楽だし、モヒートが1週間に何回出たとかもすぐ呼び出せる。つまりは今後の仕入れに活かせる訳です。


今までの実績はお酒の発注量から割り出していたんだけど、それだとモヒートで兼用するホワイトラムなんかの量が干渉してブレるので、正確な数までは分からなかったんですよ。


んー、便利。これは導入するしかないな。



そこからはもう止まらない。温泉なんか浸かってなんてられない(笑)


スマレジという大手の会社が良さそうでした。


導入している企業名に、和菓子の「とらや」フルーツの「千疋屋」の名前があったのが決め手です。こーいう時、老舗に弱いんですよね。パートの妙齢の奥さまでさえ操作できる、直感的なインターフェースなら僕にだって、、。



早速ユーザー登録してやり取りしてみると、僕のやりたい事はほとんどは無料プランで賄えるみたいでした。

店にはiPadもあるし、ドロワーもメルカリで買えば半額だし、これは早く進めたい!


早速サーバーにメニューをアップ。明日店に戻れば使えるまでに準備しておきました。




うーん、隣にいる伴侶には申し訳ないけど(というか長時間作詞なさっている)捗ったなぁ、今回は。



やはり鬼怒川温泉は素晴らしい!また来てこーいう作業を1日半くらい続けたい。





さて、よく働いたのでもう一度お風呂に入って来るとしよう。











帰省四日目!



八阪神社前のアパに戻り、心から寛いで眠った翌朝。目覚めるとチェックアウト15分前!


アパホテルは上手くできたもんで、そのタイミングでテレビ画面に「延長料金1時間1,000円」「2時間2,000円」と表示されます。


こりゃ、、2時間かな。ポチッと。


お風呂に湯なんか張りつつ、再び全力でグズグスします。



***



目が覚めると時計は12:00少し前。いい加減動きたくなるのでこれ以上の延長はやめにして(再び延長案内が表示されています)チェックアウトを済ませ、街に繰り出す事に。



大阪は天王寺の例のお通夜料亭、閉店していたので次を探さないといけません。



やはり、消えてなくなる気配のお店は早めにお邪魔しないとダメだな、、。コロナ中に何度も経験したのが全く生かされていない。



仕方なく鴨川に向かって歩くと右手には昨日の菊水さんが見え、それを過ぎると鴨川に差し掛かります。


四条大橋の向こうに見えるのはウォーリーズ建築のビルジング。





元々は八尾政というフレンチの為に建てられたのですが、「東華菜館」という中華料理のレストランになっています。


ここは4回目くらい。毎度来ていますが、ここでいいや、と。


京都でも大好物のレトロスポットであります。





日本最古と言われる手動エレベーターが、僕を階上へと誘います。




上海租界の頃そのままのような建築。


あー、シモちゃん。ここでモノクロ映画を撮って僕をバンドマンの役で出させて!!



まあ先ずは心を落ち着けて注文。ここは「ランチセット」のような気の利いたセットなどは皆無。2、3人前の料理か、重めのコースのみです。


なので毎回僕は単品のとうもろこしとカニのスープと、五目チャーハンを注文。




これで2,250円、まあまあですね。


スープったって3人前はあるのですが、僕は軽くいけます。なんせこの古臭い中華風コーンスープが好物でして。




大満足の後はエレベーターでなく、歩いてビルを降ります。


だってね、、建物を見なきゃ損だもの。



トイレから




エレベーターを通り過ぎて





階段へと向かいます。





2階のトイレもこの通り。





個室があり、




消防栓があり、、




もうね、ため息しか出ませんよ。眺めるだけじゃなく、現役のレストランとして食事を摂る事ができる。


素晴らしいの一言です。そしていつも同時に考えるのがですね、もし大阪や東京の大空襲がなければ、今もこういうレストランが残っていたのか、という事。


東京會舘や帝国劇場、資生堂パーラーに水交社に、、。


いやいや、交詢社も三信ビルも帝国ホテルも空襲に遭ってないけどキッチリ建て替えしてますよ。

やはり地価や取り巻く環境が大きいのかな、と。そこへきて京都は経済規模が小さいから、壊されずに済んだのかも。


そんな事をモヤモヤ考えながら京阪電車に乗り込みます。


利便性の阪急、沿線の景色は京阪と勝手に分けています(笑)



もうね、淀屋橋とか今橋とか、高麗橋とか聞くとワクワクするんですよ。いわゆる戦前の空前の好景気時代に呼ばれた大大阪(ダイオオサカ)、あの頃の空気が残っている気がする。


そんな訳で、淀屋橋から梅田に抜けて環状線沿いにぐるっと歩き、難波を通過して高麗橋、今橋の辺りを抜けてみました。



我ながらよく歩きました。左側が見切れているのはアプリの限界ですが、きちんと歩きましたよ。


綿業會舘は初めて見られたので胸が熱くなりましたね。





今度はタイミングを合わせて見学会に行ってみたいです。



いとしの商都、大大阪。

今回もありがとうございました!





京都帰省 夜の街編



古き良き偉大なる宿を後にしたお次は、喫茶室フランソワへ移動。最近は築地さんよりこちらが多いですね。





京都の街はこーいう映画のセットみたいなお店を普段使いに指定できて、毎度心にグッときます。



すっかり整いました後は東寺、弘法市を覗きに移動します。四条から九条、近いのか遠いのか。




昔はがらくた、特にジャンクな楽器やら沢山出ていたんですが、、今回は皆無でした。


残念ですが引き上げて、新たな宿へと移動します。八阪神社が見えるアパホテル。7,900円です!




どうしてこうも落ち着くのか。身も心も溶けそうです(笑)


これは宿の良い悪いなどではなく、単に別物、別ジャンルと考えた方が良さそうですね。


部屋で散々ゴロゴロした後は近所で診療所を開いている友人のところで鍼治療を受けます。

人生初の鍼治療を旅先で受けるのはどうなんだろ、と思いつつも、こーいうのも勢いなのかもとバンバン刺してもらいます。(写真なし)


背中のギックリを改善するためが主なのですが、ついでに顔にも沢山打ってもらいました。少しスッキリしたかな?




その後はいつものレストラン、菊水さんへ移動。


大正時代創業の石造りのレストランはレトロ探訪にも書きましたがコスパ最強の上にお安く、雰囲気が抜群です!


今日も5,500円のコースです。たくさんの料理から選ぶプリフィクス形式。


ホタテとキャビア


エスカルゴ


写真撮り忘れましたが白インゲンのポタージュがここに入りまして、


ハモのフラット


ビーフシチュー


大量のパンとバターを頂き、お後はデザート。


そこへ社長さんが登場。しばし世間話にお付き合い下さいました。



19歳の時に初めてお伺いさせて頂いた事、その頃、こちらと所縁のある仏蘭西料理店で働いていたこと、2階レストランのとびきりのファンであり毎回帰省するたびお邪魔している旨を伝えると、じゃ、デザート作ってみろ、という流れになり(謎)



クレープシュゼットを教えて頂きました。



「熱いっ!!」




無事に完成です。



こういう体験は世界ウルルン滞在記みたいで本当に楽しい。こ社長さんに感謝です。


ビールとワイン一本ずつ開けて、1人7,000円少し。

僕はこのレストランの「おあつらえコース」が大好きです。誰が何と言おうと永遠にファンでいます!



***



その後は祇園花見小路下がった所にある「いちえ」さん。憧れのひかるさんのお店です。


船場吉兆から昨日の俵屋旅館を経て島原の輪違屋さんへとお勤めになり、その後は祇園で永くお店をなさっていますが、その存在はよくよく噂に聞いておりました。


先日、ご縁がありご来店下さいまして、帰京の際には寄らせてくださいと無理にお願いをしておりました。


お店の写真は撮るのを憚られましたのでありませんが、そっと一枚だけ天井を撮らせて頂きました。



金屏風に対して銀屏風というのがあるんだそうで、そのアンティークを日本中から集めて細く切り、網代に組んだという恐ろしい設え。店内の純和風の佇まいにモダンで抑えた華やかな雰囲気を与えています。


店の奥には素晴らしい坪庭がありました。


何というセンス、、、。



美しくて知性があり、人を集める華があるこの方、僕の思う夜の蝶そのままの理想の方です。



僕なんかが許されるなら、またお邪魔して隅の方で飲ませていただけたら幸せだなぁ。




お次は古い友人のお店、かさいさんへ。こちらも花見小路のいちえさんの近くにあります。




こちらも京都バリバリのお店なんですが、舞妓ちゃんがフラッと顔を出して下さったりする、客にしてはお得この上ないお店なのです(笑)


柚子葉さん姐さん、初めまして^ ^


ここにも巨大な坪庭があります。雨に濡れる紫陽花を眺めながら、ここの主であるまことさんの話を聞く。


この方も僕と同じくらいのDIYがお好きで、何でも作ってしまいます。雛人形の道具なんかをバラして、有職風の飾りなんかをサッと作り、お店の季節の飾りにしてしまう。


「その方が安おすし、愛着湧きますやん」


すっごい分かるわ、、。素敵やなぁ。



三人で写っていますが、フレンチからずっとお付き合い頂いたのは旧友の石井くん(ストレート)。今では芸大の講師をしています。


古い友人と昔話をしながら、芸術についてとか、京都についてとかを語りながら雨の夜が耽る。


数々の帰省の中で、今回は最も京都らしい時間となりました。



この後は大阪へ移動してこれまた古い友人と会い、色んな答え合わせをしてから明日の昼過ぎに東京へと戻ります!




つづく。







京都 俵屋旅館



サルトルにスティーブジョブス、ヒッチコックにスピルバーグ、トムクルーズからリチャードギア


各国の元首に日本の歴代総理、宮様までが愛する創業300年を超える京都の老舗旅館、俵屋さん。



言ってしまえばたった18部屋のこの木造の(一部鉄筋コンクリート造)旅館が、なぜそんなに愛されるのか。


昔から折りに触れて会話に登場する「俵屋」という言葉。好きそうとも何度も言われたし、何かを検索すると高確率でこちらの断片的な画像がヒットする。生意気だけど、年数を重ねるにつれ、僕の好みに合うのかな?と思うようになっておりました。


麩屋町御池下ルというこの場所は京都のど真ん中であり、洋服屋やカフェが沢山軒を連ねるエリアでもあります。前は何度も通るんだけど中を窺い知ることすら叶わない。


47歳の初夏に、やっと叶いましたので泊まって参りました!(書いている今も現在進行形です)




***



梅雨の晴れ間の太陽が眩しい6月下旬のある日。不審者のように俵屋旅館の前をウロウロ歩いた後に、えいっ、と敷居を跨ぎました。




オーバーかも知れませんが、松田聖子さんのファンが松田聖子の楽屋のドアを開ける時くらい、緊張しました。


この宿を知って25年、その時間の重みも加わっていますし、僕固有の「入ったら終わりが始まっちゃう!」という貧乏くさい悩みも加わっております。


そんなモヤモヤは、美しいファサードと笑顔の下足のおじさんによって打ち砕かれました。水を打った三和土はこの暑い中、世にもひんやりと僕を迎え入れてくれます。




そしてその先に、夢にまで見たあの坪庭が奥に見える。大きな庭や立派な庭は沢山あるけれど、僕にはこの坪庭が世界一なのです。






キャー!!僕のベスト坪庭っ!!



お部屋は案内頂くので、坪庭の前でグズグスする訳にはいかない。



「待っててね、すぐ戻るからね」




庭を正面に左は折れ、僕のお部屋へご案内いただく。


もう、、ため息が止まらない。明日の11時までこの庭は僕だけのもの。


柔らかな光が差し込んでいます。






わらび餅を頂きつつ、手短で洗練されたお部屋の説明をお聞きしました。きっとこの宿の良さは沢山あるんだろうけど、ベタベタしない簡潔さもあるんだろう、と感じました。






またこのわらび餅がですね、食べた事ないくらいに絶品でした。わらび餅というよりも、黒蜜の入った芳醇な液体に少しのわらび粉を入れて固めたフルッフルの食べ物、という感じです。


温泉宿に置いてある一年位持ちそうな最中とや饅頭には手をつけた事ないんだけど(口の水分奪われるだけなので)その対極とも言える繊細なこちらに、早くもノックアウトです。


お庭をボーッと眺める。部屋の向こうには掘り炬燵までついているじゃないか。



掘り炬燵の向こうにはお昼寝セット!

どうしてこうも至れり尽くせりなのか。





もう、、お風呂もトイレも観たいところだけど坪庭に戻らないと。


帰郷前の僕の脳内シミュレーションにより、狭い坪庭に当たる日の角度は、日が落ちるにつれ暗くなるのではないか、と。急がねば。


吸い寄せられるように入り口付近の坪庭エリアへ戻ります。



上が空になっていて、雨も降りゃ雪も積もる野晒しの庭がどれだけ建物を痛めるか。


15:00で少し日が傾いていても、この明るさです。正午辺りだと完全にスポットライトですな。 一度見てみたいけれど、それは連泊した者だけに与えられる特権です。


右には今の季節だけの茅の輪潜りの輪が見えます。




藤の枝が株ごと一本飾られた坪庭の地面には砂利が敷かれ、手水鉢のような中には澄んだ水が張られ、紫陽花が活けてありました。



うーん、、どうしよう。素敵すぎます。何だかこういうのに目がありません。


都会にいながら自然、屋内に居ながらお庭、みたいな安全地帯を眺める喜びとでも言うのか、それとも単なるノスタルジーなのか。


坪庭に対して、それもこのような狭い正方形の坪庭が建物の真ん中にあるシチュエーションに対して、異常な執着があります。


それに呼応するように、飴色に磨かれた木の床!!



年季の入った飴色に輝く木の床もこの上なく大好物なので、世界一の坪庭とのセットで僕は大変な事になっています。いろんな角度から眺めたり、写真を撮ったり、、。




キリッ!



この宿の素敵なところはですね、こんな事していても放ってくれているところです。聞いてもないのに長い説明を始める女将風のオバハンとか中居さんはおらず、会釈で通り過ぎてゆかれる。


はぁ、そういうところも大好きです。



と、坪庭を舐め回しすように眺めていたら目的の半分が終わってしまった(笑)



いやいや、お風呂に冷蔵庫のビールに食事に、、、お楽しみは図書室にまだまだあります。


こじんまりしたお風呂場はモダンで、清潔そのもの。  



レトロ好きだから木張りの方が好みなんじゃないの?と思われるかもですが、前に行った強羅の某カンスイロウさんは浴室がオール木造で、それはそれで情緒があって良いんだけど、強烈なタンパク質の腐敗臭のような臭いがしました。


やはり水回りは痛みやすいですものね、、。難しい所です。


浴槽は高野槙で、既に満々とお湯が張られていました。





浴槽そばにはサッシを排したガラス窓が。開けますとまるで庭にいるみたいです。




サッシのない窓ガラスが特注でいかにお金が掛かるか、、。本当に毎度、心に刺さります。


お風呂にある湯桶なんかも割れそうなくらいに薄く、まるで楽茶碗のように軽い。添えられた温度計も割れないような工夫がされていて、洗練されたという形容詞がピッタリのチョイス。



お湯に浸かり、全身の毛穴まで脱力します。目を上げればお庭の緑、、



ああ、悔しい。僕もこんな空間作って人を楽しませたい。



1時間くらいお風呂で遊んだ後は縁側でビールです。牛乳瓶のように腰に手を当てて飲む。





あー、どんどん楽しみが終わってしまう。過ぎゆく時間はまるで、指の間をこぼれ落ちる砂粒のようであります。人は非力であり、逆らうことは出来ません。

(と言いつつ、人の3倍くらい楽しんでますが)


部屋でゴロゴロしつつ、置いてある雑誌眺める。本当にセンスの良い、少し斜め上からのアプローチなセレクト。


また起きてお茶を頂き、氷水を頂き、また風呂に入り、としているうちにドアのノック音。


わー、もう晩御飯の時間ですか。




あんまり沢山ご飯の写真を貼るのは好まないんですが、備忘録としてお許しください。


先付け 

海老やら芋やら万願寺やら



玉蜀黍の擦り流し



向付け 

鱸とあぶらめ




椀物

牡丹ハモ




焼物

鮎の笹焼(中に焼け石が入っていて煙が出ていました)




鮎に付随して

野菜の取り合わせ

蓼酢



温物

甘鯛の湯葉包み餡掛け



強肴

ハモの湯引き(一個食っちゃいました)



そしてご飯、香の物、味噌汁から水菓子へと至ります。



足りない!!(笑)




普通の方なら大丈夫な量なんですが、僕には少なかったようです。

いえ、僕が悪いんです。期待と同じくらいに胃袋を拡げて待ち構えていたのでは、そりゃ足りませんって。(笑)



余り欲張らずに明日の朝に備えよう、っと。


お給仕して下さった妙齢のお姐さん、聞けば西陣のご出身だそうで本当に美しい京言葉の使い手。


「ほなら若い頃は京都においやしたんどすか?」

「そら、えらいすんまへん事で」



そよ風のような美しい抑揚に、耳から、目から、舌から京都を味わいました。


(明日、許可をいただけたらお写真挿入します)



祇園町の知り合いの店に少し出掛けるつもりをしていましたが、辞めてしまいました。 

予定を曲げてでももう少しこの宿に居たい、そう思わせる宿であります。









メイン坪庭の裏手にはこのような空間がありまして、



奥には座椅子やソファがあります。




その奥が図書室になっていましてですね、



これがまあ、素晴らしい蔵書の数々。





美術書にエッセイ、芸術系の図録に着物や建築に関するものつくりの本に作庭、能楽、別冊太陽に小説まで。どれも大好物。



喫煙所もこんなに小さくてカワイイ上に、きちんと庭に面している。


ここでピンときました。


ここはですね、凝った秘密基地なんですよ。


こんなブースが各所にあり、それぞれが狭く美しく整えられていて、タバコを吸う部屋だったり、お庭を眺める目的だったり、いろんな仕掛けに分かれていて各個人が好きな基地で思い思いの時間を過ごせる。


それを特に押し付ける訳でもなく(更に言えば特に説明もない)サラリと用意だけしてある訳です。



当然、ベースとなるのは純和風建築の説得力です。


幕末以来、飴色になるまで磨かれた無数の和風建築を繋ぐように複数の坪庭が点在していて、 どこまでが庭なのか 建物なのか分からないような恐ろしく贅沢な作り。

建築やお庭だけでも充分に重厚なのに、そこへきて伝統的な京料理があり、各所に秘密基地があり、花が生けられ、美術館クラスの骨董が飾られ、、。



まるで、恐ろしく知的で裕福で、イタズラ好きのお婆ちゃんのお家に遊びに来たような...。

つまりは最高の宿です!





***




部屋に戻ると、フカフカのお布団が敷かれております。





このお布団、凄いお布団らしいのです。


敷布団には一万個の繭が使われた真綿のふとんでして、掛け布団は最上級のフェザーを使っているのだそう。お値段は、、。まあいいや。


僕の感想はと言うとですね、すぐに寝落ちしてしまった上にかなりの暑がりなのですぐにめくってしまい、有り難みを感じるには至りませんでした。すみません。



7時半にお願いした朝ごはん。和食か洋食かを選べます。


湯豆腐に魚がつきます。かれい、鯵、鮭から選べました。




湯豆腐は炭火が入っています、、。朝から凄いな。




全て残さず平らげまして一風呂浴びますと、また眠くなります。どうして毎回こうなんだろう。


掘り炬燵の狭い隙間に挟まってうとうと、、。


ノックの音が聞こえまして、時計を見るとチェックアウトの11:00まであと2分。




寝過ごしたっ!!


飛び起きて慌てて支度をし、(もう荷造りしてありました)宿を飛び出しました。


もー、何とか良いお客さん風で保てたのに、ラストでしくじってしまった、、。フロントも中居さんもお忙しそうな時間帯なのに、申し訳なかったな、、。


ぜひまたもう一度泊まりたい。次は別のお部屋で、出来ればもっと古いお部屋がいいな。


そして、贅沢だけどまた1人がいいな。


気の向くままに本を読んだり風呂に入ったり、ネットで調べ物したりしてじっくり宿と向かい合いたい。





石鹸の香りと共に、次の宿へと向かいます。






長々とお読み下さり、ありがとうございました。












来年4月はヨーロッパへ

 


もうすぐゴールデンウイークですね。マスクも任意になりましたし、大手を振って遠くへ旅行に行かれる方も多いのではないでしょうか。


いいですねー、旅行は。僕も大好きですよ。国内はもちろんですが、海外旅行も大好物です。更には一人旅だと国内では得難いスリルも味わえますしね。


知らない土地で美味しく無い食い物を食べ、寂しげな宿で1人過ごす夜のあの孤独感。お金を払って遠くまで来て、何故こんなに落ち込まなきゃいけないんだろう、と無性に寂しくなります。しかし後日振り返ると、そういう事こそ良く覚えてたりして、また行きたくなります。


単なるマゾですわな(笑)



特に、10年前に1人でイタリアに行った時の強烈な孤独感が忘れられません。


ヴェネツィアの街は飛び切り素敵で、絵葉書みたいな建物の間を行き交う人の笑顔の中、なぜか僕は上手く馴染めずは孤独感に襲われました。


海外では自分の非力さに調子が狂います。楽しくもどこか不安げな中でストレスが溜まってたんでしょうかね。遂には ホテルのレセプションでイタリア訛りの英語でコケにされた事で急に落ち込み、3日目には丸一日寝込んでしまいました(笑)(http://lequineguine.jugem.jp/?eid=287#gsc.tab=0


4日目からは何とか立て直し、その後順調に観光したあと最終日には順応が進みすぎて、逆に日本へ帰りたくなくなる、という身勝手な展開。これぞ一人旅の醍醐味ですよ。


東京にいると24時間美味い飯が食べられ、手を挙げればタクシーに乗れて、安全で清潔な人々が暮らす居心地のいい街。普段は意識すらしてないんだけど。


それが海外に行くと突然スマホのキャリアが変わり、自分で繋ぐ所からやらないといけない。タクシーは怖いし言葉はイマイチ分からないし、トイレの作りは違うし、ちょっとした飯にありつくのでさえ東京の10倍くらいの労力が要る。


「敢えて自分を無力化する」一人旅は、怠けた自分を叩き直す最高の方法なんじゃないだろうか。


ああ、行きたい。また僕を叩きのめして欲しい。次に行くならば、まだ行ったことのないオーストリアのウィーンと、10年前に戻ってくると約束したローマに行きたい。(スペイン広場を見ないように顔を背けて素通りし、また来るからね!と広場に向けて誓った)


そうなるとチケットを取るべく立ち上がるしかない。完全放置していた自分のANAのマイレージ口座を見てみると26万マイルほどに増えています。3年のコロナで飛行機に乗るでもなく交換するでもなく、そりゃ貯まる一方ですわな。良く見ると失効直前なので尚更急いで使わないと。面倒だけどひとつ頑張ってみるか。




***




マイレージと言うものを知ったのが15年位前だったかな?色んな人の会話の中に登場するソレについて「格安航空券がこんなにある時代に、わざわざ面倒くせーな」と、特に興味も湧きませんでした。


もっと言うと、どんな方法でビジネスクラスを取っただとかって事を話す人があまり好きではなかった。


「旅人の興味は旅先にあるべきであって、飛行機のクラスや空港ラウンジの話ばかりするような人は(以下略)」とバカにしていました。


それがですね、よく調べてみるとただ買い物でクレジットカードを使っただけで自動でマイルが貰える、そのまま飛行機の切符へ交換できるものだ、と。


それまではマイルは飛行機に乗らないと貰えないものだと思っていました。買い物でも貯まるのなら出張のない僕にだってチャンスはある。


私生活に加えて店の経費が割と沢山発生するので、全ての支払いを一枚のANAカードに集約してみたら、それが結構貯まるのです。


現金払いなら存在しなかった謎のポイントが僕を世界中に運んでくれる、早くやれば良かったなー、と、そう言う訳でございます。


今ではマイレージ乞食と化しています。でもあまり人に言うことではない気もするので店では進んで話たりしませんが、ここは別人格なのでいつも通りに書き散らかしておきますw



オリンピック期間にも国外逃亡しようと旅行を計画していたんだけど、コロナでキャンセルになり(ホテルは半分の宿で返金なし)長らくほぞを噛んでおりましたが、欧州旅行計画、再び進めることとなりました。以下、長々と失礼致します。





***




独自の方法なので鵜呑みになさらず、軽く読み飛ばしてください!



(もっと効率的な方法がネットに溢れているので、参考になさりたい方はそちらをご参考になさって下さい)






3/26。今回もパソコンの前に座り、国際線の特典航空券予約が始まる朝9時を待ちます。


ANAは355日前の朝9時に予約受付を開始するので、誰よりも早く目的のページにアクセスし、滑り込んで奪い取らないといけないのです。(バカみたいでしょ)


飛行機一機辺りの特典航空券の割り当て数は非公開です。独自検証した某サイトでは、僕のようなド底辺の平会員向けビジネスクラスは1日3席前後だと書いていました(クラス別にそれぞれあるらしい)


そりゃそうですよね、売れば儲けになる席を沢山提供するはずがないです。それをですね、僕なんかが到底及ばないような全国の凄腕が朝9時に一斉に狙う訳ですから、一年先と言えども簡単に取れる筈がないんですよ。


なので殆どの座席が「空席待ち」と表示されます。僕が出来ることは「待ちが少なそうな列に並んで、黙って待つ」それのみです。


どうして順番か回ってくるのか。それは多くのケースで仮押さえをしておいて、後でより良い日程へと変更なさる時に捨てちゃうから、という事らしいのです。


ハイシーズンの大人気路線でない限りは粘れば勝てる!と信じ、作戦を立てます。



羽田からローマに行くのに、確実に切符が取れる不人気路線はどこだろうか。人気がある路線では単なる並び損になってしまいます。しかも、搭乗回数の多い上位クラスの方々が列に並ぶと全てにおいて優先されます。そうなると僕なんかが取れる可能性はまず無くなります。



ANAはローマに直行便を飛ばしていないので、どこかのハブ空港まで行って乗り継がないといけない。仁川でもバンコクでも良いんだけど、せっかくならビジネスクラスに乗り、起こされずに長く眠りたい。ロシア情勢の影響で、往路は15時間近くかかるらしいので尚更です。



ではハブ空港はヨーロッパにしようかね。ではどの空港にするかが問題です。


ANAはロンドン、パリ、アントワープ、ウィーン、ミュンヘン、デュッセルドルフ、フランクフルト辺りに直行便を出しています。



ロンドン、パリ、ウィーンなんかはハブ以前に人気の目的地でもあるので、常に混んでいます。コロナで流れちゃったけど、前回取れたウィーン便でも相当待ちましたから。ならばフランクフルト辺りはどうだろう。


これは僕のオリジナルな推測なんですけど、フランクフルトは欧州屈指の金融都市なのに、観光資源が少ない、というかほぼ皆無らしいのです(笑)


ビジネスクラスは利用者は主に経費利用の出張族で、もちろん観光客もいらっしゃるだろうけど、年度始めの4/1の忙しい時期の、それも月曜に出発する方はそんなに多くはないのでは?と推察してフランクフルトを経由地にしてみました。


ここは自営業の強みである、スケジュールの自由さを最大限に活かしましょう。僕の商売にとって、年度初めの期間は寧ろヒマなのです。


往路は2024年の4/1を羽田発フランクフルト、翌4/2フランクフルト発羽田の復路便と、いずれもビジネスクラスで希望しました。


1泊2日でドイツ往復だなんて有り得ないんだけど、皆さんと同じく仮押さえです。少し経ってから復路を4/2から本命の4/9へと変更して並びなおします。


その後は「空席待ち」表示が「OK」に変更されるまで、つまりは行列の先頭に辿り着けるまで、辛抱強く待ちます。自分の番か来るとお知らせメールを頂けるので、パソコンを閉じる。





正午くらいまで画面を眺めていましたが、まだ僕の画面に変化はありません。待ち人数はデスクに電話すると教えてくれるらしいですが、常に回線が死ぬほど混んでいて繋がるまで2時間待ちのアナウンスがあり、早々に諦めました。



2日後辺りだったかな。往路のみ誰かが手放した権利が僕の方へと回ってきました!!


きゃー!嬉しい!でもまだ片道切符だけだけどね。



そしてまたしばらくすると、また誰かが復路を手放し、僕のところへと落ちてきた。最後にもう一度確認してから発券依頼、という流れです。


お次はまた同じ方法でEU内の移動便を取っていきます。


面倒臭いマイレージ作業、と思っていたのにアラ不思議!ここまでくると楽しくなっちゃう。ラストまであと少しです。


フランクフルトの次の本命の目的地。ローマから入るかウィーンから攻めるか?と悩む所です。

飛行機の乗り継ぎ時間を比べつつ「ローマの泥棒市は火、木、金、土曜日開催」「ウィーンの骨董市は日曜日が休み」など、現時点で分かっている条件を入れて組んでいきます。


残念ながら来年シーズンのローマ歌劇場もウィーン歌劇場もオペラの公演情報もまだ発表されておりませんで、、ここはマイレージ乞食の泣き所。あとは現地での運次第ですかね。


欧州内移動はANAと同じスターアライアンス加盟の飛行機会社の便なら割高ながら特典航空券で取れますので、ルフトハンザやオーストリア航空もマイレージからお支払い。


こちらは空席待ちなどと言うことはなく、かなり空いておりまして、即時発券しました。




後は現地にて必要あらば高速鉄道なりを使って移動すればOKです。今回はローマ近郊の海辺の街なんかにも行ってみたいです。



そんな訳で、貯めたうち12万マイルを使って5回のフライトが確定。


4/1 羽田発フランクフルト

4/2 フランクフルト発ローマ

4/6 ローマ発ウィーン

4/9 ウィーン発フランクフルト

同日 フランクフルト発羽田



さてさて、どうなることやら、、。




***




美味いモノ食って良い音楽聴いて、沢山散歩してお店用の骨董品を買う。久しぶりだから少し良い宿にも泊まってみたり。 


こういう素敵な空間で本でも読みつつ、冷えたビール飲んだら美味いだろうな、、。


鳥の鳴き声やら教会の鐘の音、弦楽四重奏なんかが聞こえてきてたりして。ああ、堪りません。







前回のヨーロッパが2014年で、来年の旅行が2024年、このペースだとその次は2034年?!その頃の僕は59歳、、。


嫌だ嫌だ!!せめて2年に一度は海外に行きたい。長いようで短い人生ですもの。楽しまないとですよ。



この後はお楽しみのホテル選びです。



つづく。







湯河原町 伊藤屋旅館



もう最近は旅行といっても近場の温泉の和風旅館に行くだけで、飛行機にも新幹線にも乗らなくなりました。しかしそれでもかなり満足しています。


和食をつつきながら酒を飲み、いいお湯に入って布団で寝る。慰安旅館の爺さんのような趣向になってしまいました。


熱海、鬼怒川、伊香保に草津、、。首都圏も温泉には恵まれていますが、都心から近いとなると、もっぱら箱根と湯河原となります。


湯河原町には細川元首相や五月みどり、小林幸子がお住まいらしく、木村拓哉やダウンタウン浜ちゃんの別荘もあるらしい。


そこそこ近くて旅の情緒があって、となるとこの辺りがちょうど良く、山側の気分なら箱根、海側なら湯河原、というチョイスが増えました。


そんでもって過去に数回尋ねた湯河原の激安旅館(恥ずかしくて書けないw)の帰りに、いつも車で通りかかる、とある立派な旅館がありました。


いつかここに泊まりたいねぇ、、なんて言いながら眺めていましたが、調べると明治時代からあるそうじゃないか。昭和には226事件の舞台にもなったらしい。


今はGOTOキャンペーンも使えるし、行ってみよう!という事で慌てて予約いたしました。


鎌倉から車で1時間弱、真鶴を超えるとすぐ湯河原です。いや、近くていいよね。






緑に囲まれた鬱蒼とした玄関。敷地内には竹林やお庭もあるそうですよ。 中に入りますと、玄関のまあ、綺麗なこと!


(公式サイトより)


綺麗過ぎて、、僕としてはレトロ感が足りない。


お部屋もまあ、とにかく綺麗。ご家族連れならば「綺麗〜!」と声が上がるレベルだと思う。掃除され尽くされた感というか、僕にはもったいないお部屋です。





予約する時に大正建築の旧館と選べるようなのですが、GOTOの影響が既に満室近くでして、新館しか空いていなかったのです。


旧館はこんな感じ。ああ、レトロでいいなぁ。





確かに新館ロビーの脇には、魅力あふれる飴色の階段が幾つも伸びていました、、。あー、この先に行きたい。でも、アクセス権が無い今回の私。






いつからこんな古いのばかりが好きになっちゃったんだろう。もう、口コミ欄の「新築」「全室リノベ済み」のような単語には全く興奮しなく、逆に「趣のある」「隙間風が寒い」「古くて懐かしい」フレーズに萌えます。何だったら「ボロい」なんてのにもアガる始末。


誰も居ないのを確かめて、旧館の階段を撫でる。


「また会いに来るからね...」




空いてないモノは仕方がないので、さっさと綺麗な部屋に戻って次のお楽しみに。


お食事にはいつも別注料理を追加するのが決まりです。山間ならば湯葉の刺身、海側なら刺身やら煮魚なんぞを追加してます。


今回はサザエの壺焼きを頼んだのですが、「小さかったので3個にしておきました」との事で、僕は大きさより数を頂くのが好みなので、これには狂喜乱舞。




まあ、食べきれないくらい出てくるわ出てくるわ。ご老人なら多くて困られるのでは?と心配するくらいの量。しっかりお出汁の効いた関西系の味付けにお酒も進みます。


締めには持ち込んだイクラの醤油漬けをイクラ丼にしてさらに3膳。




お櫃がすっかり空っぽになりました。(汗)





米がですね、本当に美味しいんですよ。正しいご飯の見本のようなと言うか、とにかく驚くほど旨い。


学生じゃあるまいし、そんなに掻き混まなくてもと自分で思いつつも食べるのを我慢できません。


中居の奥さんに凄く美味しいと伝えると、「沢山炊くので美味くなるそうですよ。皆さんからご好評を頂いてます」と。


贅沢だなぁ、こればかりは家で出来ないもんな。



食事の後に少し横になり、ピークが過ぎた辺りからお風呂。四つの貸切風呂の空いている所ならご自由に!というシステムらしいですが、全13室のこの旅館、皆さんお入りになった後なのか、かなり空いていました。




そんなこんなで、今ここでブログを書いている訳ですが、、。



ここ最近、定休日の月曜に貸切が入る事が多く、昨日も何だかんだで3時まで働いていましたが、疲れてても出掛けたくなるのは温泉ならではですね。



一泊二日だけですが、すっかり整いそうです。これから眠って、明日からまた陽気に働きます。


温泉最高!








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社長 島耕作(8) (モーニングKC)
社長 島耕作(8) (モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
弘兼 憲史
言わずと知れた島耕作シリーズ単行本。長い経緯はさておき、弊店が表紙になっております。店主もタキシードでモデルを致しました。
是非お買い求めくださいw

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梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
小田部 雄次
佐賀藩主鍋島家令嬢伊都子。彼女はのちに梨本宮に嫁ぐが、明治から昭和に渡って77年間日記を残していて、その様相は「書き魔」と言わんばかり。初の洋行先のパリで買い物の様子や婚礼、即位式などの華やかな思い出を経て、戦中戦後の倹約の様子や時代に対する落胆ぶりなど。往時の匂いが漂ってくるかのような生々しさ。著者、小田部雄次の解説が当時の世情をわかりやすく補ってくれる。

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写真集 酒井美意子 華族の肖像
写真集 酒井美意子 華族の肖像 (JUGEMレビュー »)
酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

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極楽商売―聞き書き戦後性相史
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下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

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京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

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芝桜〈上〉 (新潮文庫)
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有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

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書いた記事数:1517 最後に更新した日:2024/03/25

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