人のフリみて我がフリ、、
少し前なんですけど、或るおしゃれなレストランにフラッとお邪魔しました。
店内は空いてて「ラッキー!」とばかりに窓側の席に座ろうとした。
誰にも話しかけられずに、窓から景色を眺めながらポーっとするのがたまの贅沢なのです。
そうしたら店内の奥まった席に旧知の仲のオーナーさんがいらっしゃった。普段、店ではたまにしか合わないんだけど、珍しくいらしたのです。
ご挨拶がてら、お隣に失礼する。こんばんは、と彼女に声をかけた僕の声を最後まで聞かずに
「もー、何だか暇なのよ、いつもは忙しいんだけど!最近はあれをこーして、こんな工夫をして、その効果でこんな取材があって、何とかって有名人が来てね、、それでね、、」
この方、割と人懐っこい方ではあるんだけど、ちょっとビックリした。こんなに話したっけかな。
「まあ、横に座りなよ」と、一番恐れていた言葉を掛けられた。あーあ。
やっと一息つかれたようで、「最近はどう?」と僕に聞いてきた。
「あ、僕ですか?まあ変わらず、、そういえばこの間某さん(共通の知人)と道で会ったんですよ!」
と、当たり障りのない話をした。こう言う場合、あんまり踏み込んだ近況報告するのも何だか嫌なので、大抵そうするんだけど。
女性オーナーは自分の話の方が優先らしく、
「ふーん、私はね、この間ある有名なパーティーに行って来たの。日本を動かしてるような人が一堂に会しててね、」
おい、話聞く気全くねーだろ!!
そこからは彼女、1時間話しっぱなし。華麗な人脈、新たに浮かんだアイディア、自分が努力しても中々報われない辺りとをうろうろ。
何かを言おうとすると「違うのよ!」と遮る。もう、その相槌が癖になってるんだと思う。
しまいにゃ共感していて、僕が「分かりますよ、それ!」と相槌を打っても「違うの!」と言う。
(`_´)ゞ
失礼だけど、心の病気か、そうじゃなきゃ少しバカなんじゃないかと思った。これじゃまるで僕はゴミ箱じゃないか。
クソみたいな時間を返して欲しい。
流石にうんざりしたので、急に予定が入ったので出ないと、と伝えた。
そうしたら彼女、「君と話すと楽しいわね。またいっぱい話そうね!」と。
話すって、、、一方的に1人で撒き散らしてただけじゃん。。
昔は素敵な人だったんだけどなぁ。2人で話をする時って、半分は我慢だと思うのです。2人で話すんだから50パーセントずつの配分。
もちろん、盛り上がる時はそんなのどうでも良いんだけどさ。
普段よっぽど理解されてないストレスなのか、これじゃ誰も寄り付かないよな。
僕も同じ傾向があるので気を付けないといけないのだけれど、(お店が静かな日が続くと自信喪失してつい泣き言を言ってしまう)それも今ではグッと飲み込めるようになった。相手から聞かれたら、加熱しないよう慎重に答えるようにしている。
本当に気を付けないといけないのです。
***
少し経って僕の店。同じような傾向の会話をする人がいらした。半円となったカウンターの一体感の中、彼の破壊力は半端なかった。
例えば、みんなで北海道と沖縄、どっちがいいか、みたいなこれまた他愛もない話をしているとする。ある一定の決着に辿り着くその直前に「僕は台湾が好き。だってね、、」と説明を始める。
そんな事が毎回10回位続くので、皆んな呆気にとられる。
流石に僕も、「その話、今関係なくない?」と指摘するとお茶を濁され、、。
そんなこんなで終始、不穏な空気がカウンターを包んでいた。
そんな時間を切り裂くようにゴールデン街でバーを営む、僕の心の師匠が入って来た。
彼女は竹を弾道弾迎撃ミサイルでカチ割ったようなサッパリした性格なのです。
話を遮る彼の隣に迎撃ミサイル、じゃないや、師匠が座られる。こりゃ危ないなぁと思いつつも、何となく静観する。
お二人は前からお知り合いのご様子なのです。
3分くらいして、カウンターの端から師匠の叫ぶ声が聞こえた。
「テメーよ、さっきから人の話の腰ばっか折ってんじゃねーよ!!!」
わわ、もうミサイル発射(笑)
余りにも話を聞かない人には、直球投げる位が丁度いいかもですね。その後その技を盗んでいます(笑)
心の優しい聞き上手な人の時間を奪う事は僕には耐えられません。
先ずは僕がそれをしないように、気を付けないといけないんだけど。
特に難しい話ではないのですよ。少し相手の気持ちになって耳を傾ければいいだけの話なのです。
- 2017.10.12 Thursday
- 雑記
- 12:05
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- by シンスケ