ベトナム、ホイアン1日目
旅行で週末に店を開けるのは2014年ぶり、かなりの罪悪感に包まれながら、ホテルの二階のベランダよりブログを書いております。
南国でリゾートがあり、独自の文化があって飯が美味くて物価が安い国、ということでベトナムにやって来ました。三年越しくらいの計画となります。
過去にはタイやバリ島などちょこちょことは行ったことのある東南アジアですが、7日も過ごすのは初めて。
ベトナム第二の都市ハノイから飛行機で2時間、ホイアンという古都に参りました。
乗り換えた飛行機は2時間遅れ。東京じゃ考えられないけど、こっちだとこんなもんらしいです。
まずダナンという街に入るんですが、LEDだらけのなんの情緒もない、好き勝手に照明を取り付けてます。言葉が悪くて申し訳ないけど民度の低い歓楽街ってこういう感じだよね。
あーあ、と先が思いやられつつタクシーを30分乗ると、何とも穏やかで懐かしい街並みに入る。
例えるなら懐かしき昭和の繁華街、てなところでしょうか。
18世紀の中国人街ってことで、あらゆる建物が中華風かフランス風にまとめられています。特徴的なのは殆どの建物に見られる黄みの強いクリーム色の外壁。
中には素晴らしい出来のもあれば、
ハリボテみたいな、すごく雑なのもあります。(笑)
でもきっと、街の人が協力し合って保存しようとしてるんでしょうね。一件だけ目立とうなんていう看板やLEDもない。みなさん枠の中で趣向を凝らしている感じ。意識高いな〜って唸ります。
ヴェネツィアやチェコの旧市街、金沢の茶屋街のような高貴で奥ゆかしい精神性、好きです。
僕が泊まったのは、クリーム色の外壁に、更に中国の伝統的な建築がミックスされたのこのホテル。
この辺りの大多数の建築には、贅沢にも中庭があり、常に風が吹き込んでいますがこのホテルは特に贅沢に作られていました。
暑い地域ならではの工夫なんでしょうかね。坪庭だわな。
二階に上がると、中庭を見下ろせるようになってます。
どこの壁もこの貫禄。舐めまわしたくなるようなこっくりとしたツヤ。
ボロくて色んな仕掛けがあり、所々フランス的だったりベトナム的だったりする、磨き込まれたこのホテルについてだけでも、書きたいことが沢山あるくらいなんですが、そうもしてられないのでこの辺りで、、。
街は提灯の洪水。そう、この街はランタンが有名なのだそう。 どこもかしこもランタンだらけです。
ランタンを眺めながら、晩飯の場所を探す。ホテルに紹介されたフランス風の建物に入ります。街一番のオシャレさと味だとのこと。
中には馬蹄型のカウンターがあり、中でも調理をしています。炒めたり盛りつけたり、ライブキッチンみたいになってます。街でも比較的垢抜けたご様子のオバハンが誇り高くテキパキ料理を作っていて、これが格好いいの!
奥に続く廊下。タイルなんか市松模様で、キュンキュンします。
生春巻きから、海老のなんとかに鯛の丸揚げやらなんやかんや食べて飲んで、だったの2000円。呆然とします。
余計なお世話なんですけど、ベトナムの平均給与は、あるサイトによると4〜5万円程だとか。単純に比較はできないけど、少なく見積もって東京で5倍の一人1万円のベトナム料理だとしたらこのクオリティかなぁという感じ。
そりゃなんでも安い訳です。とはいえ、百円ライターが50円だったり、逆にビーチサンダルは180円だったりする。一概に物価指数はあてにならない。
翌日は朝から行動です。レンタル自転車を借りて街をグルグル回る。どこを見ても絵はがきみたいなこの街、情報量が多すぎるので、自転車くらいのスピードがちょうどいいかもです。
チャリであるテーラーに向かいまして、シャツをオーダーしてみました。比較的高級店の雰囲気。
iPadにある候補から欲しい形を選ぶ。モデルは僕と全然違うけど良いのです。着ればこうなるはず。多分。
お姉さん、笑顔で採寸するもかなり雑。笑顔は素敵なんだけど、、。
明日の11時に出来上がります。どんななるかな、、。、
採寸が終わったら腹ごしらえ。観光地の中心から少し離れた市場に行きました。少しですが、地元の方の数が増えたような気がします。
実はこーいうところ、初めて来たのです。今までタイでもインドネシアでも、観光地から出たこと無かったのです。
フルーツに野菜に、魚もある。凄い量の食材が並んでます。オバハンの熱気もすごいし、飛んでるハエも凄い。
これぞアジアのキッチン!!
大興奮でそのまま市場の真ん中にある食堂街に行く。天井が高くて、教会の中みたい。
この中に整然とキッチンが並んでいて、それぞれの料理を各店舗で作って売っているんですが、ここにはやられた。
小さなキッチンに詰め込まれた調理道具で、もの凄いスピードで料理が出てくる。オーダー受けながらバンバンテイクアウトも受ける。
狭い何にもないキッチンから、まるでドラえもんのポケットの道具のように、スルスルと飛び出す料理の数々。
小さなこのキッチン、使い込まれててとにかく可愛いのです。
旅の基本、指差しオーダー。
ショーケースにも食材が並んでます。
使いやすいキッチンとショーケース好きの私。いつかこんな店がしたい。呆然と眺めるしかない。
使いやすそうなブリキの箸立てとか。なんだろか、このポケットみたいなの、小さなスプーンが入ったりするのかな。欲しい!
お料理は抜群に美味しかった。中でも海老の蒸し餃子と、お好み焼き風の料理、最高だったなぁ。
ライスペーパーに巻いて食べるんだけど、野菜がこれでもかと入っています。野菜嫌いの僕、今回はほとんど野菜の献立ばかりです。
そしてハマグリの酒蒸し。ハマグリが60個くらい入ってるよ。
残り汁にフォーを突っ込んでくれるお母さん。昔美人だったんだろうその容姿は、働きづめで少しお母ちゃん感が強くなってるけど、とても美しい。
愛想よくガッツポーズをしてくれる。
美味しい料理にビールをがぶ飲みして、一人500円。
驚きつつもトホホ、、。となる。
この飾り気のないお店は高いものなんて置いていない。質素ながらパワフルでハッピー。
たった500円のお会計なのに笑顔で全力サービスしてくれるお母さん、経済格差もあるし単純に比較はできないけど、僕の店が急にフェイクっぽく見えてしまった。
つい3日前に、トルコ製だかのナッツの容器に7万も払おうとしていた僕。(その後2万で済みましたが、危なかった)
僕はブランドモノとか高級な食事などにこそ興味はないけど、店に置くアイテムとなると人格が変わってしまう。 欲しいものは高くても絶対に手に入れたい、変なモードに入ってしまうのです。
きっと見栄を張ってるんですよね。モノの力に頼ろうとし過ぎてるのです。そりゃね、まだ自信ないんですよ、バーなんて。
それにひきかえ、素っ気ないキッチンスタジアムの飾らないお母さんを見て、なんだか恥ずかしい気持ちになってしまいました、、。
帰り道、金物屋さんを通ると、さっきのカウンターにあった箸立てを発見。
140円、、。これまた質素。
キヌギヌに置くんだけど、もう場所も決まってます。大切に使いますね、お母さん。
旅は良いですね。たまに丸裸にされたような気分になると、特に来てよかったと思います。
そして、思い出すのは遥か新宿の小さなバーの事ばかり。サービスってなんだろう。そもそも、心の豊かさってなんだろうなんて、考えております。(考え過ぎ?)
早く戻って飾らずチャキチャキ働きたい。
明日もちょろっと旅日記、書きます。
- 2018.06.16 Saturday
- 旅行記
- 18:11
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- by シンスケ