電気街にて大先輩に会う、の巻



分かってもらえる一部の人にしかわからない話ですが、、。






古い電車とかバスに付いてるこーいうやつ。電車の放出サイトなんか探したけど見つからず、でもやっぱり諦められなかった。












それを探しに、秋葉原の某パーツ街を訪ねました。
この駅は独特です。東京に住んでいても今でも違和感があります。電気にアニメに、独自の進化を遂げる街。未来都市みたいだ。





駅近くに間口の狭いお店が並んだパーツ屋街が駅のそばにあります。数十件の小さな店が軒を連ねて、まるで戦後の闇市のよう。

ここは本当に素晴らしい。「こんな風で、こんな用途の部品探してます」とどこかで聞くと、その専門店まで連れていってくれます。しかも、それぞれの店は競合しないように少しずつ品揃えが違うらしいのです。


今回も、行きつけのブザー屋さんの感じのいいおじさんの所に行く。


ブザー専門パーツの店は、こんな風にボタンが付いていて全て視聴?出来るようになっています。




中にはとんでもない爆音で鳴るやつとかあって、「ブビビビビ!!」と街に鳴り響いたりして中々面白い。


小さなブザーを1つだけ買って、お尋ねする。


「操作盤なんかに付いてるサインランプ探してまして、ダイヤみたいにカットされてるプラスチックが付いてて、赤とか緑とか、バスの運転席に付いてるような、、」

と聞くと、「あー、表示灯ね、1つ裏の角だよ。」と。


歩いて40秒の店は、ジイさんがちょこんと座っている。サイズは全て同じ、両手を広げた位の小さなお店。




フィリピンのスモーキーマウンテンみたいに、恐ろしい数の部品が並んでます。




お爺さんに表示灯を探してまして、、と聞くと、

「あら、あるよ。何に使うのかしら?直流?交流?」とすかさず聞いてくる。


「はい、実はバーを営んでいて、ショーの演出で使うブザーや照明のスイッチパネルをアンティーク風に作っていてます。電源は100ボルトで、、」と正直に。


写真をお見せする。この方が早い。





ここで、照れくさかったりして変な嘘をつくと後々ややこしくなる。


例えば、車を改造していて、運転席に付ける表示灯を探してます、なんて言うと、見た目は同じでも24ボルト直流のパーツを出されたりして、家庭用電源には使えないのです。

前にもソケットパーツを買うのに嘘をつき、無駄な支出をしてしまいました、、。



お爺さんは白髪で、柔らかい話し方をなさる。目つきが独特で、お顔は東郷健さんに似ている。






「あら、面白いお店ねぇ。ふうん、ショーとかやるのね?ショーパブかしら?どこにあるの?」





(あ、この人オネエだ、、、。汗)





そういやこのお店だけ、うっすら香水の香りがする。それも昔流行ったような主張の強いムスク系の香りで、なんとも言えない退廃的な昭和のマダム感がする。電気屋なのに、、。


「じゃお兄さん、オーナーさん?ボーイさんかしらね、踊りも踊るの?場所は新宿かしら?」




(話がどんどんズレていくよ)



普段沢山のゲイの人に会ってるのに、突然街でバレると何故か恐怖を感じる。それがご高齢のオネエさんだと尚更な訳で。


街中でゲイ同士が発してる電波みたいなものがハウリングした時の、とても残念な時バージョンとでもいうか。(笑)

過去に同じような体験として、一人旅で行った旅館の布団係の人が同じ感じで、一晩中怖い思いをした経験がある。


謎の電気街で、明らかに動揺している僕を、ジイさんはお歳にも関わらず、力強く射抜くように僕の目を見つめる。

まるでライオンがウサギを睨みつけるようなその目に、ウサギは硬直してしまって目が反らせない。


その時、ジイさんは「ははーん」という目つきをして(多分僕がゲイだと確信したんだろうな)よりオネエな話し方になった。


「アタシもさぁ、稼業継いでこの商売やってんだけど、昔はよくマチに繰り出したもんよぉ。お兄さんのお店のカードとか無いの?」



(わー、電球買いに来ただけなのに、、、)



「お店は東京?」




『お、お店は京都なんですっ!!』




あー、また変な嘘ついちゃった。(´・_・`)




ジイさんは少し悲しそうにため息を吐くと、すぐパーツを取り出した。


「これね、1つ700円。電球は100ボルト5ワットが良いわねぇ、、」







おー、探してたモノがあった。さすがは某巨大電気街。にしても、早く立ち去りたい。


ジイさんはさらに悲しそうに


「京都、遠いわねぇ、、」




いやいや、そうじゃ無いでしょう。きっとこのジイさんは僕みたいな髭もじゃの、どちらかというと汚れ専なのかと。(笑)

いやはや、有難いんですけど、いきなりだと調子狂うなぁ。




お会計を済ませると、帰り際に


「電球切れたらまた買いに来るのよ」


と、柔らかく手を振った。









店に戻って取り付け作業。またパネルを開いてドリルでガリガリやる。





後は電源を取るだけ。内側から光ると、暗い店内からどう見えるのかな。楽しみだな。





作業しながら、チラチラとジイさんの顔が浮かんだ。僕も、間違いなく歳を重ねるわけで、その時僕はどんなだろうか。


あの方の年齢になっても仕事はしてるんだろうか。ゲイ特有のレーダーは作動してるんだろうか。香水の香りはするんだろうか。



感慨深い春の宵でございました。



追記


電灯、灯りました。








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