帰省その後 京都から名古屋へ




今回は殆ど家の用事なので、それ以外はホテルでゴロゴロ。何もしません。



何もしないつもりが母と鉄板焼きを待ち合わせる前に、かなり時間が空いてしまいました。僕は、旅先で髪を切るのが凄く好きなので今回も検索してみる。



そうすると、京都タワーの地下にものすごいレトロな理髪店があるらしい。京都タワー自体がもう既にアンティークの部類に入るので、期待大。





それは地下にあった。あるというよりは埋もれるといったほうが正しいかもしれない。




エレベーターが、既にいい味出してます。何年ぶりだろうか、ここに来たのは。





かなり味のあるサインボールが、僕を優しく誘う。かなり恐いんだけど、えいっ!とばかりに入店する。





中にはリーゼント風な髪型の、大川栄策さんそっくりな兄貴が。眉毛は刺青で三角定規みたいにクッキリしてる。平気かしら(涙)





とにかく座る。まな板の鯉とよく言うけど、まさにここではその言葉がピッタリな気がする(笑)





髪型は?と聞かれて、角刈りとかにされたら困るので(過去に2度ほど経験あり)サイドとかの裾だけ切ってほしい、上は伸ばしてるから、といつもの説明。



大川栄策さんは、黙って取り掛かった。


その鮮やかな手つき!!


まるで代表曲「さざんかの宿」サビの伸ばしすコブシのような、抜く手差す手の鮮やかさ。ハサミが自由に踊っている!!



シャンプーをしてもらい、セットに入る。セットしていらないんだけど、、、。



大川栄策さん、僕の不安を的中させるかのように突然僕の前髪の真ん中あたりを摘み、ねじり出した。



ん??と驚いた顔をしていると



「前髪垂らすの、好みじゃない?」



ギャー!!!



やめてください、それだけは、、、。もう少しで片岡鶴太郎みたいに所だった。それは避けたい。







さて、母と待ち合わせてホテル内の鉄板焼きへ。



店内は、こじんまりしていていい感じです。





NHKの朝ドラの、集団就職で出て来たヒロインの友人役のようなおぼこい娘ッ子が一生懸命焼いてくれた。





ファイヤー!!の後にフフフッと微笑む娘ッ子。見た目は穏やかでも心は燃えているのかも知れない。僕も見習おう。





素朴な娘ッ子の存在感を消す技といったら、もう女忍者並みのレベル。ああ、僕の苦手とする技を、この娘はさらりとやってのけてしまう、、。


それをいい事に、僕ら親子の話しは益々ややこしい方向に。



飲む予定ではなかった、ビールを昼間から三杯も飲んでしまう。





何やかんや予定をこなし、一夜を過ごしてから伊勢に向かおうとしてある事に気が付いた。



去年のお札を店に置いて来てしまったのです!!


こりゃ、どうしたものか。そのままお参りしても良いんだけどさ、何となく今日の僕のテンションも、霊験あらたかなところに1日いる感じもしない。



と、思い切って伊勢を延期して、直接名古屋に向かいました。ホテルの前から長距離バスが出ているのでそれにて。新幹線を京都〜名古屋、名古屋〜東京まで乗るのは勿体無い。


第一、朝から名古屋に入ってもやる事ないし、、。




2時間半、爆睡して到着しました。ふと眼を覚ますと、20年振りの名古屋駅前。


名古屋、すぐに行けるといつも先延ばしなしてしまいます。金沢やなんかもそう。


去年の国内旅行は博多、長崎、そして小樽にお邪魔したので、今年は少しずつズラしてみよう。





行くところは決まってまして、名古屋城、徳川美術館、名古屋観光ホテル。途中にちょいとうなぎを摘んだり出来たらそれでいい。


名古屋城、つまり尾張藩は徳川家康の9男が分家をして、御三家筆頭という立場についたのですが、将軍家のような重圧のない中で、名古屋は独自の文化が花開いたようで、とても気になっていました。


日本の近代都市か形成される中でのメンタリティに大きな影響を与えていた江戸時代の幕藩体制。東京、京都はともかくとして仙台や金沢、名古屋、福岡など大都市には大名家の残した気風が今も生きていると思う僕なのですが、名古屋は特に興味深いと思います。




特に、七代藩主の徳川宗春に関心があります。


かなり省略して書くと、彼が藩主となった同時期に同じ分家の紀伊徳川家から将軍になった吉宗が質素倹約の御触れを出したのに、この宗春はそれに従わず、視察の際に歌舞伎の装束で出掛けたり、メチャクチャな事をしていた。


彼は自由主義経済を推し進めようとしていたそうで、祭りや芝居も奨励していたとか。


経済も安定し、繁栄を見せた名古屋市中の人からも人気があったのだけれど、御触れに反すると将軍家から蟄居を命ぜられ、引退した後も死後75年間に渡り墓石に鎖が巻かれていたとか(汗)


今も残るド派手結婚式とかブランド好きなイメージとか、はたまた名古屋巻きとか(関係ないか)今の名古屋の人のメンタルに少なからず影響を与えている、、かも知れない、と思うのであります。



先ずは名古屋城!初めて来たよ!






太平洋戦争で燃えた後に再建された本丸の中はエレベーターと階段。



階段が何気にカッコいいのであります。




そして、個人的に見てみたかったのはこちら。





爆風で近隣の林に吹っ飛んだシャチホコの黄金の鱗です。(即日、回収されたらしい)


中々見所の多い展示でした。



そして、バスにて徳川園に。こちらには徳川美術館があります。





もう、凄いのです!!国宝の源氏物語絵巻とか(寝そべって琵琶弾いてるあれ)




初音の調度(本家、三代家光の娘、千代姫の嫁入り道具)とか。




この婚礼調度は70ほどのアイテムが一括で国宝指定になってるのですが、そのうちの1つの長持が、9億6千万でオランダに落札されたとか。たった1つだけで。




徳川家の圧倒的な財力を見せつけられました。




すっかり名古屋人気分で街を歩く。ふらっとうなぎ屋に入ってみる。





熱燗を頼んでタコのぶつ切りで一杯やる。お向かいはもう今夜のホテルです。



さて、今夜はやっとフリーになりました。



何をして遊ぼうか。名古屋でこれをお読みのお客さん、行きつけのバーでお逢いするかもです。会ったらゴメンなさい。





と、僕のいない間にお店の改装も進んでおります。



ソファの下に足を乗せるステップと、棚が8箇所付きました!







前より席が高くなり、全席で足が載せられるようになりました。前の箱型の構造だと足が載せられなくてブラブラするしかなかったですが、かなり使いやすく考えました。


荷物も取り出しやすい横向きの収納。お楽しみに。



明日金曜日にはカウンターのささくれをパテ埋めして下さるそうです。





明日の夜から営業致します。





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