日々の煩わしい事を少しづつ片づけるキャンペーン。



メールの配信停止手続き、した事ありますか?

僕のメールは開くと、必ず60〜70通位、お知らせメールが来ます。酷い会社だと一日三通来たり。

YAHOOだけでも、トラベル、オークション、グルメ、ショッピング、ブックス、ポイント、BB、コスメ・・

それぞれから凄い勢いできます。もう意味がわかりません。

それが楽天、クレジットカード会社、旅行代理店もたくさん来ますし、とりあえずメールのチェックが出来ない所まで来ていました。もう開くのに凄い時間がかかるの。

さっきまで、二時間かけて全部来ないように配信停止の手続きをしました。数えていないけれど40社位あったと思います。

これで風通しが良くなりました。


ふん、スッキリしたわ。ざまーみろ。


特に九州の楽器屋。ほぼ毎日一日三通のDMとかってあり得ません。昔アマゾンで鳥の鳴き声の笛を一つ買っただけなのに・・。アホでしょ。

あんなもの大量に送りつけて誰が買うと思っているんでしょうか。

自慢じゃないけど僕の営業メールは年に二回までと決めています。それすら送れていませんけど。



***

要らないものといえば体脂肪。これを片づける事は、間違いなく僕の人生の悲願です。



今、肉体改造しています。まだ始めてから一カ月余り。最近はパーソナルトレーナーを迎えて、更に激しく鍛えております。





すでにムチムチしてきました。ネギと自分の肉で豚汁作るのではありません。




まあ、いつものダイエットと違いまして、凄く簡単に説明しますとですね、一度筋肉つけてから痩せると物凄くスムーズにキレイに痩せるらしい、との事。しかもデブスタートだと有利だとかそうでないとか。気分の良い売り文句に完全にハマってしまいました。

一回くらい筋肉マンいにもなってみたかったので、この際思いっきりやってみまーす。











不定期連載〜開店日記その3

 まずは、昨日はクローズしてしまってすいませんでした。お腹を下してしまい、寝ていました。きちんと告知しないといけないんだけれど。

今日はきちんと開けます。

いやー、このお盆は異常な忙しさでした。来て下さった皆さん、どうもありがとうございます。

毎年のお盆は割に閑散としているのだけれど、今年はGW並みでした。毎年より気温は高いのに、いつもの事ながらまったく数字が読めません。本当にありがたい事ですけど。

九月はですね、1日から8日までバリ島に行ってきます。で、なるべく全ての日をアルバイトしていただいて開けようと、今調整中です。お二人ともお仕事なさっている方なので、シフトがランダムになりそうなのです。なのでなるべくお電話いただいてからお越しくださいますよう、勝手ですがそちらもどうぞよろしくお願いいたします。

いつもの守護神ケンちゃんに加えまして、タケくんというアラブ顔の青年です。顔は中東風味だけれど、原理主義思想ではありません。



***

えーっと、開店日記です。三か月もほったらかしですいません。ここから面白くなりますので続けて書きます。

まずは塗装が終わったところまででしたね。重ねて三回は塗りました。まず白を塗ってから、淵は焦げ茶で塗ります。





そうして、木材とピアノをまとめてクレーンで搬入します。朝の6時、誰もいない歩道を勝手に通行止めにして、窓から入れます。

木材はカウンター材、お酒の棚の場所の窓を塞ぐコンパネ材、ベンチ用の板なの。やはりクレーンだとあっという間ですな。









計画では、運び入れたピアノと材木を一旦壁に寄せ、店の南側(入り口側)からカウンター、奥の順に作って最後にピアノをはめ込もうという寸法です。

この頃の事は今でもよく覚えています。すでに塗装が終わって白い店内で工事用のライトを照らして工事の仲間とピアノをカウンターがわりに缶ビールで乾杯したりしていました。

ピアノ弾きながら、夢が叶っていく実感が物凄く込み上げるんですよ。ああ、こうやって毎晩歌ったりおしゃべりしながら収入を得られるんだな、って。

たまに、この工事現場に戻してピアノと赤ワインだけで、ツナギ着て営業しても面白いんじゃないかな、くらい思ったりします。初心に戻るつもりで、そのうちそーしようかしら。

むしろ、その方が受ける気さえしますが・・。

次回はカウンター造作編なんですけど、ますます酒の量が増えます(笑)


次はさっさと書きますね〜



おしまい

念のため、童心に帰ってみました

 夢のお告げでなんとなく小学校のプールに入りたくなったので調べてみると、何と家から一分の小学校のプールが今日から解放されていました!!

調べたら何だかややこしいのです。区役所にチラシを取りに行って、身分証の提示とかカード作って貰ったり。新宿区の住民でないと入れてくれない。(どこかの公共プールの影響か?!)


そうそう、三年前の入院の保険金が今頃下りたのですよ。金額はニューヨーク往復+お小遣いくらいですけど。それがなんで今なのかのほうがよっぽど知りたいくらいなんですけどね。

そんなこんなで印鑑証明とか必要だったので朝のうちに手続きを済まして、プールに乗り込む。

体育館の横の着替え室を使うらしい。ちょっと、懐かしいじゃん、体育館。ちょっろとピアノ弾いてみました。うん、良い感じです。懐かしい。

fkrdjfgj.jpg


更衣室はロッカー室2つにお風呂付の豪華版。えー、子供には必要ないでしょー。まあええわ。


dfhjykj.jpg


空と水が同じくらいブルーです、最高!向こうに常連さん、Dさんのマンションが見えます。

もー、今のガキンチョは可愛い。みんな話しかけてくれるの。「先生ですか?」「僕の発明したペンギン泳ぎ、見てくれませんか」などなど。うん、可愛いね。

(でもね、僕も子供なんですよ、まだ。だから放っておいてちょうだい。)

しばし、子供のように遊んでみる。でも上手くいかない・・・。


水深が100センチしかないのです。。おいおい。


潜水とかしてみました。水面がキラキラきれい。ああ、夏なんですねぇ。僕は夏が大好きです。生命のエネルギーの燃焼を肌で感じます。

子供に見られていると、上手く童心に帰れませんでした。

でも、また行こっと。




sgjfk.jpg


因みに昨日食べたあわびの天婦羅。コース別途・追加で1400円。凄く分厚くくて、柔らかいのが二個付いていた。これは安い!と思った。

スーパーのエシャロット、約6本で398円は高いと思った。だから58円のおつとめ品のを買った。

ソフトバンクのホワイトプラン、僕は通話はほぼゼロなのに毎月かならず一万円超える。高いと思う。

無印良品のボートネックのボーダーシャツ、1500円でした。激安で即買い。

ipadが58800円だった。店のipodクラシックが壊れたので昨日予約した。僕のはすでに一万曲を超えているので、すぐに曲が見つかる操作性、スペックをipodを比較して考えると凄く安い気がした。




もう、何が高くて安いかなんてよくわかんないよー。


うん、引き続き、わが道を行こう。


不思議な夢をみました。

 
ある日の夕方、夕焼けがキレイでビルの屋上から空を見ていたのです。

そうしたら、突然、ナイフで横一文字に切り目を入れたように空が裂けて、黒い泥のような粘々した塊がニュルッと絞り出されて落ちてきたのです。まるで黒い練り歯磨き粉のようなのが。

その塊の落ちた下は阿鼻叫喚、そして爆発して大火事になっています。

「ひー、何なんだ、これは!!」

と、突然僕の真上の空も裂けて、そのニュルニュルが今にも落ちてきそうになっていた。

僕の頭の上ほんの二メートルくらい、空が切り取られていて、黒い塊が顔を出している。

空の裂け目の向こう側には漆黒の夜空が広がり、それと共に見たこともない凄い数の星がまるで銀河のように光り輝いている。その凄まじいばかりの美しさに一時茫然となる。

本当の夜空をみたような気がした。

気を取られている間に、横で見ていた僕の伴侶に巨大なニュルニュルが落ちてきて「ジューッ!!」と凄い音と水蒸気の水煙が上がる。彼は真っ黒焦げになっている。

「しまった、遅かった」と彼を安全な方向へと突き飛ばす。僕は慌ててニュルニュルを踏んでしまう。音を立てて溶けるサンダル。僕も肩と右足を火傷してしまう。

彼はまだ息があったので、家に抱きかかえて運ぶ。ありったけの氷をバスタブに突っ込んで水を張り、彼をそっと横たえる。

彼は何か大丈夫な言葉を発していたので、ベッドに移して消毒を施して水分を与え、彼はうとうと眠りに就く。

「くそっ、あれは一体何だったんだろう・・」ともう一度冷静になって考えた。切れ間から垣間見えた真っ黒の空は今までに見たことがないくらい不気味だった。しかし、恐怖感と同じくらい美しかった。

「あれは本当に現実だったんだろうか、もう一度見てみたい。」


そう思うと僕はさっきのビルに向かって駆け出していた。



そこには、塊を出し切った空の切れ目が忽然と浮かんでいた。よく見ると新宿全体に切れ目が、まるで海を飛ぶカモメの群れのようにぽっかりと無数に浮かんでいた。日没間近の空だから、目を凝らさないとよく見えないが。

街の人は火事の後片付けで追われている。口々に「空襲だ、また来るから気をつけろ」と叫んでいる人もいる。僕の見たものは彼らは気付いていないらしい。

空の裂け目はジャンプすれば届きそうだ。ちょうど学校のバスケットゴールくらいの高さしかない。
僕は屋上の階段室の隅に立てかけてある梯子の事を思い出した。大家さんが台風の後、アンテナを調整するときにつかっていたあれがあったはずだ。


僕はその梯子を空の裂け目にたて掛けて登れないか試してみることにした。梯子が立てかけられるかなんて想像もつかないけれど、今起こっている事すらすでに想像の域を超えているのだから。


そっと梯子を空の切れ目にたて掛けてみる。なんと、梯子がもたれ掛かった。僕はそっと登ってみる。
ぶよぶよ、いやな揺れ方がする。空って柔らかいのか。そんな事を考えながら登ると切れ目が口をあけている場所まで来た。中を覗いてみる。


こんなに美しいものは見たことがない。プラネタリウムの星とはわけが違う。崇高で偉大で、畏れおおい、近寄りがたい美しさ。

いつまでも見ていたいと思った瞬間、梯子が外れて僕は空の切れ目にぶら下がってしまた。そうすると柔らかい裂け目がビビーッと鈍い音を出して裂け、僕はその中に落ちてしまった!



***



気が付いたら学校にいる。見慣れた制服、床の板に塗らされるコールタールとオイルの独特の臭い。
よく見ると僕の卒業した中学じゃん!!いやいや、俺34歳だし・・。と鏡を探してトイレに辿り着く。

「ヒゲがない・・・。若いし・・。」愕然とする僕。これがタイムスリップなのか。まずは冷静にならないといけない。誰もいないので今度はダメ押し、自分のパンツの中を覗く。

「!!!」

なるほど、中学生に戻っている。なんせ色が違う・・。少なくとも14歳以下、ということは20年遡ったわけか。


映画だと、大抵こういう場合は工夫して14歳になり済まして、帰りの出口を探す一方で凄い運動能力を発揮したりして、好みの子を射止めたりしてるもんだけど・・。

ちょっくら合唱コンクールでジャズの前奏でも弾いちゃおうかしら。なーんて俗な事を考えていると、先生が探しに来た。今は体育の授業中だったみたい。

力を半分で上手くこなしてお昼休み。なんせみんな若い。みんなでファミコンの話してるし!懐かしいすぎ。


いやいや、出口を探さないと。今夜もお店があるし。と思いきって中学校を出てしばらく歩く。

待てよ、考えてみたら中学校は京都市内で、僕の戻りたいのは新宿区。あー、こりゃダメだ。と頭を抱える。こればっかりはどうにもならない。

しばらく働くか、親に会おうか、いやいや、一人で解決しないといけない。「西木屋町のあの売り專の店はまだあったっけ・・?新幹線の運賃だけ・・」なんて考えても埒があかない。

気付くと無性に喉が渇いていた。考えれば八月。体育の授業の後、何にも口にしていない。

と、そばにいかにも昔からある喫茶店があったので思わず飛び込む。


白髪のおじいさんが営む喫茶店は、いかにもSFっぽい展開だな、と思った。そういこの爺さん、ちょっと松本零士に似ている。

その爺さん、こっちを見もせずに「珈琲でいいかい?」と聞く。僕はとにかく冷たいものが飲みたかったので「お願いします」と答える。残念ながらこの店にはお冷やはなさそうだが。

爺さん、カウンター越しにこちらを見ながら、「どうだい、久しぶりの中学校は。」と聞く。やっぱSFじゃん、と思いながらも、もしかしたら喫茶店に来るような中学生だから、まともに学校行っていないと思われているのではあるまいか。そうも見える。

僕は「いや、楽しいですよ。それより喉がカラカラなんで、何か下さいよ」と答える。その時爺さんがこちらを見て、サイフォンから珈琲を注ぐ。


「!!」


あの空の切れ目からひねり出された溶岩と同じモノが、サイフォンからコーヒーカップに注がれる。熱で割れるコーヒーカップ。カウンターに煙が上がる。

驚きのあまりに声にならない僕を見ながら爺さんはニヤリと笑い、そしれておもむろに話し出した。


爺さん:「若いころに戻りたいって思うていただろう。戻してやったんだ、しっかり勉強して京大でも同志社でもいくがよいわ。」

僕:「僕、キヌギヌに戻りたいんです!!もう一回人生やり直せてもあの店がいい。ねえ、お爺さん、いま本当にそう思っています」

爺さん:「なら、もう一回勉強でも旅行でもして、もう一度出せばよいじゃろう。このままいくと15年したらまたあの物件が空く事になっておる」とお爺さんは分厚い辞書のような年表らしきものをパラパラめくる。ちょうど真ん中あたりだ。

僕:「あの、それ見せてもらえませんか・・。もしかして未来まで乗っているんじゃ・・」
(そう、最近株とか為替に興味があったりするのだ。)


爺さん:「バカモン!お前が切り開かんでどうするんじゃ!」


その瞬間、爺さんと僕の間の空気が裂けて広がり、再び漆黒の夜空と星が見えたと思うとまたそこに落っこちた。

そうして、氷水のバスタブに落っこちた。

***


そうして眼が覚めた。

ああ、戻ってきてよかった。お店頑張ろう。爺さん、偉大な夢をありがとう!



(でも、あのとき覗きこんだ自分の股間は夢ながらにリアルだったと思う。)


















8/15はゆかた祭り

 また御無沙汰してしまいました。スイマセン。

・・・久しぶりで何なんですけど、宣伝です。


毎年恒例、キヌギヌゆかた祭りです。神社の露店風に、年に一度だけのインチキ営業です。

どうぞ、皆様お誘い合わせの上、お越しください!


今年のメニュー

フランクフルト       300円
冷やしトマトを荒塩で   300円
串刺し胡瓜の一夜漬け 300円

サントリーモルツ缶ビール・KIRIN氷結などこの日独自のドリンクメニュー  ALL500円

金魚すくい 50万円

※椅子撤去にて営業の為、席料500円はなしです。全て、キャッシュオンデリバリーとなります。


となっております。



去年は綿菓子やったんですけど、詰まっちゃってコゲちゃってアレなんで、やめます・・・。



因みにソーセージはこんな感じ。

P1050194.JPG


毎年、決まってみんな酔っぱらってぐちゃぐちゃになります。楽しみ(笑)


体力あったらもう一回やりたいですが、まずは8/15。是非宣伝してくらはい。 


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