またしても更新が遅くなりました。ちょっとバタバタしております。
おすすめ商品リストも更新しています。PC表示以外ですとどうやって見るのか判りません。キツいですが併せてお読みくださいw
この9月は一年を通して忙しい月であります。通常のピークはGWなどなんですが、今年の九月は連休が二回、プラス週末が5回もあり、同時に夜中にパーティーの準備もしてました。
そして、蛇足なんですけど僕の誕生日もありましたので、盆と正月がいっぺんに来たような忙しさでありました。
早いもので37回目・・・。
まずは誕生日関連の写真を3連発。
自分の御褒美に、と、マルタンマルジェラというブランドのライダースを買いました。
ここのは皮の素材と加工を毎年替えるので、「僕は茶色のウォッシュが欲しい!」となっても、「今年の生産は黒のみです」ということになるんです。
で、探しまくって2004年のを見つけて即買い。
マルジェラがエルメスのデザイナーだったのが2004年までなので、この年までのレザーは格別だそうです。
勿体ないけど丸洗いして、干してオイルを塗り込みました。
予想通り1930年台、イタリアの飛行艇乗りのような雰囲気。(早速、紅の豚呼ばわりされた)
お花も頂きました。今年も紫のバラの方が。この時期1週間は毎年バラ園状態になります。
Tくん、そして皆さん、本当にありがとうございます。
有楽町のアピシウスという仏蘭西料理店でウミガメのスープを頂きました。
連れて行ってくださったのは先輩経営者のイケメン兄貴。お料理を頂きながら商売のコツと心意気をみっちり教わりました。
お話の中で頂いたヒントは沢山あったんだけれど、やはり小さい店でしかできない温もりや人情をもっと追究した方がよい、という事。
つい広い店(といっても今の倍くらいでいいんだけれど)に移りたがる経営者は、失敗も多いとのこと。
広さより、場所の持つ温もりや華が大切なのであって、広い店に移る事によって失うものが多ければ無意味だと。
便利さ、収益率だけでは測れない、むしろ真逆の要素である不便さやアナログ感が結果的にお客さんの落ち着ける環境であり、それが一番大事なのだよ、と。
うーん、納得。
そしてウミガメ。
日本では小笠原の母島で年間130頭あまりの捕獲制限で、このレストランでは年間11頭を確保して居るそう。
スッポンより上品で、コンソメよりも癖がない飲んだ事がない味でした。んー、こんな食い物あったのか。。
一つ感じた事。
「超高級で繊細な味のお料理は、人にご馳走になるに限る」
・・・イヤらしい話ですけど。
無理すれば自分で払って食べられなくもないけど、まだまだ使えるお小遣いの都合もあって苦しい。しかも商売人のはしくれだから原価計算とかいろいろ考えてしまう。そうすると味に集中できない。
ご馳走していただくと味がよくわかる。それを証拠に今でも味が思い出せる。
何度も食べる料理ではないので、人にご馳走になった方が記憶に残るのかもしれませんね。
将来的にお料理代金以上のお返しを出来るように頑張ろうっと。更に若い人の誕生日に連れて行ってあげるのべきなのかも。
恩返し。あ、だからウミガメなのか・・・。
と言う事は竜宮城を作れという意味なんでしょうか・・。
鶴の料理じゃなくてよかった・・・。(ブツブツ)
さてさて、本題。
逗子の駅を降りて少し歩くと、毎回気になっていた床屋さんがあります。
とっても温かい匂い、というか、気持ちの良い雰囲気が道路にまでダダ漏れしています。善なるパワーとでもいうのか。
意を決して入る事に。
とーってもいい御夫婦に迎えられる。ああ、予想通り素晴らしい空気感。
どうしても、と帰りに撮らせてもらった写真と共にお送りします。
僕の座った席。スピーカーからは柔らかいジャズ。若いころのアームストロングか。
さっそく髪を切って貰う。とっても正確でやさしいカット。僕の髪を切って下さるのは奥様の方。
よく砥がれたハサミの軽快なリズム。
しばし目を閉じてみよう。
スチームタオルの香りが懐かしすぎて死んでしまいそう。柑橘系だろうか、不思議な落ち着きがある。
トニックの薄荷の香り。
誠に心地いい温度と湿度。
柔らかい丁度いいボリュームのジャズ。
昭和の華やかな頃の紳士の気分に浸れる。
そしてそれらの香りを力強くまとめあげる、板張りの床のコールタールオイルの香り。
小学校の頃、大正時代に竣工した後者で授業を受けていたんですが、月に一回このオイルを床に塗らされた。思えば最初の洋館への憧れだったのかも。
農家の古い納屋も同じ匂い。
また一段、意識を落とせば小学校一年生の春にもタイムスリップ出来る。
ああ、ここは天国でしょうか。
そしてシャンプー。
おお、神様!!!
タイル張りのシャンプー台。
この、お湯の柔らかい事。ミネラルウォーターかと思ったw
温度も、これ以上ない適温。
使い込まれたシャンプーボトル。この後、中央水色のミント系シャンプーでまた幸せを味わうことになる。
そしてお会計。60年代のセミオートのレジですな。フムフム。素敵。
ボディーの保存状態もすこぶる良い。奥のスネアドラムが気になる。
僕の席からドアにかけての外壁が緩やかに、内側に向かってアールになっている。曲がりこんだ幅に玄関、道路に対して垂直にドアが取り付けられている。
こういう意匠はささやかで大好き。
待合室。冷たいお水、気が利きすぎ。漫画に加え、サライも太陽もある。
別れ際に、おしぼりのコロンの事を聞いてみた。
「ああ、タオルコロンというのがあるんですよ」と。
そんなものがあるのか!!!
うちの店でもおしぼり出そうかなぁ。
このコロンがあればいつでも懐かしく清々しい気分になれるのに。
カウンターに使い終わりのタオルが散乱するのが好きじゃないんでやらないんだけれど。
ノスタルジーって、内装だけじゃないんですよね。匂いと音、味覚、照明、温度、湿度、全てが混ざり合って時間の経過によってある程度、角が取れてのものなんでしょうね。
その上にオーナーのお人柄。
いや、参りました。
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三度、写真撮影とカットのお礼を述べて店を出ます。
このドアときたら!
はあ、やられた。
時間がある限りここに通おう。そして自分をチューニングするんだ。
気がつけば腹が減った。
これまた、香ばしいお向かいの食堂に入ります。
これこそザ・昭和!!!
懐かしい味のカレーを頂きました。どうしてこうも古い食堂のかれーは美味しいのか。まるでタイムカプセルを食っているような気分です。
ここも独特の雰囲気で、強烈です。駅から逗子銀座を入って左手すぐにあります。右側には例の床屋さんと珠屋さんというケーキ屋さんが並びます。
こういう商店街は僕にとって宝ですね。
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バスで目的地の葉山に。
まだまだ緑の色が濃いですね。
それでは、また。