やっと更新できました、旅行記。(もうかなり忘れてるんですけど、、汗)
NY音楽、文化編ということで書いて参ります。
お先に音楽編。
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まずは、今回の旅の最大の目的。同業他社の視察なのです。これを理由に渡航費の5/7が経費で落ちるというこれでも法人経営者。
経費の名に恥じぬよう、しっかり見てこなきゃ。
まず最初に知ったのは、NYCでピアノバーというと、いわゆる「キャバクラ」の意味を指すらしいということ。
向こうで、少し知った人に「まずNYCではどこに行きたいの?シンスケ」と尋ねられた時に、
胸を張って「ピアノバーに行けるだけ行きたいんです。だって、そのために来たんだから!」
と答えて、物凄く困惑された覚えがありますw
日本と違って女性を侍らすお店が少ないこちらのお国、相当な好き物日本人に思われたんでしょうか・・・。
で、お邪魔したのがメリーズクライシス。ここのお噂は僕の店でもよく聞きました。
ブロードウェイで出演終了後のキャストもいらっしゃるとか。
店内にはピアノがあり、みんなでミュージカルやジャズを歌いまくるんだとか。これは見ないといけない。
判りやすい交差点の角の、判りにくいビルの地下にそこはあった。
はい、店内。
だだっ広い店内の壁沿いにコの字型のカウンターがあり、中に僕の店と同じくらいの背の低いピアノが備えられている。
周りには「歌自慢」と一目でわかる常連さんが陣取る比較的個性的な人が多いようですw
そして始まった。ピアノのお兄さん(お姐さん?)は物凄い声量でお客さんを巻きこんでグイグイ乗せていく。どっちかって言うと、リーダー兼司会者的な存在で、彼が曲も決めて、ツッコミもする。(当然お酒は作らない)
ミュージカルナンバーが多かったように思います。文化財的に古いフレッドアステアのからジーンケリー、、、最近のまでもう歴史も順番もごちゃ混ぜ。
しかし素晴らしいサウンド。みなさんハモリが上手い上手い!
特にレントのseasons of loveに関してはソロの取り合いが起こる。
このちょっとふっくらしたミミ、隣の女の歌いだしを手で制してのソロ。
張り切り過ぎて高温の伸ばしの所でちょっとムセていた。残念。
確かに上手だし面白いんだけれど。。。。何だか。
もう何年も前から型が決まっているような練り上げられた感じ。僕に言わせればそこが面白くない。
なんかこう、もっと偶然が作用しあって生まれる予想できない展開、みたいなものが一切なく、ストーリーが予測できる映画みたいだ。
まあ、逆にいえば安定感が「俺あの曲来週練習してこよう」というのもアリなのか。
飛び入りのグループが自分たちだけで何か一曲、というのもなさそうだ。あくまで専属ピアニストを中心とした世界。だからこそなのか、ここのピアニストはかなりの敬意をもって接せられているようだ。
当たり前だけれどここもチップチップ。ピアノを弾くたびに瓶がチップで埋まる。
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かたや日本。昨日も、小僧みたいな若いのに「あれもこれも」弾いてと当たり前のように言われたんだけど、弾かなかった。別に弾くのが嫌なんじゃないんですよ。
特に昨日のガキは、僕を試すような事を言いやがったので相手にしませんでしたが。(誰も知らないような若者の曲をリクエストするなど)
一旦店に入ったらあらゆるサービスをタダだと思っている若い人には、僕はリクエストに答えない事にしています。僕はカラオケじゃない、生身の人間なんだから。
喫茶店のお冷一杯、角砂糖ひとつだってタダじゃない。敬意をもってお願いするべきで、けっして軽んじたりおろそかにしてはいけない。
音楽に関しては少なくとも無料の付属サービスなわけで、気が向いたら弾きます、って体にしています。だから、御客さんも僕が弾きたくなるようにちょっと乗せてくれないと、ぼくだって人間だから気分悪いわけです。
・・・「お互い持ち寄りましょ」というわけです。
チップも料金もかからない日本的な難解なシステム。突然怒り出す店主(笑)。アメリカさんにはない文化ですなぁ。
色々考えさせられてしまいました。
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さて、宿泊先ハーレムの宿主がジャズシンガーなのですが、素敵なご提案を。日曜の教会のミサにゴスペルクワイヤーで参加しませんか?というもの!!
もー。本当に嬉しい。ウルルン滞在記みたいだ。
日曜日朝八時。教会に集合して着替え。
これは楽しい。本当に旅の思い出、って感じです。後ろの女性は同じ宿主の友人。
モーガンフリーマンそっくりのお爺さんが歌の先生。この先生、ギャグの応酬が半端ない。もうね、ずっとボケまくりなんです。また、ピアノが上手い上手い!
僕は伴侶と緊張しながら、言われたとおりに讃美歌のページを開く。
かなり判りやすい英語と、耳馴染みの旋律。いつも通り思い切りハモろう!と伴侶と全開で歌うとモーガン爺さんが椅子から落ちる仕草。
「これはドッキリカメラか?!」と激しく反応。エンターテイナーだなぁ・・・。勉強なります。
その後も、ちょっとハモリが上手いと、「モータウンに電話する。コミッションは50%でいいか?」が定番ギャグ。
本番は和気あいあいとしたものでした。黒人のお婆さんがピンクのスーツを着てきていて、鞄からタンバリンを出して叩いたり、とにかく映画「ブルースブラザーズ」や天使にラヴソングを」で見たのと同じ。
人々は日曜の朝に、厳粛に祈りを捧げ、歌い、信者同士が触れ合う。このささやかな営みに触れられたのは凄く意味深い時間となりました。だって、ほとんど観光地を周っているもんですから。
映画のセットに迷い込んだような違和感と、そこで歌うという高揚感。
調子に乗ってパイプオルガン弾かせて貰いました。バッハの「主よ人の望みの喜びよ」
ハーレムのみなさん、また是非参加させて下さいね。
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お次はタイムズスクエア。ここは一度も通らないように調整して、最終日に乗りつけました。
一番マンハッタンっぽい広場なんでしょうか。僕でもテレビでよく見るあの広場。
観光客しかいない・・・。まあ、僕らもですけど。
しっかし変な人ばっか。みんな写真撮ってる。僕らもですけど。
打ち合わせ中かしら。深刻そうでした。
ちょっと古いけど、「シカゴ」を観てきました。
しょうがないじゃん、好きなんだから。
劇場が素晴らしくアンティーク。なんだか有名な演目の初演もここだったとか。(何かは忘れた)
舞台上に階段状の演奏席が組まれていて、楽器ごとにそれぞれ部屋があり、通路でつながっています。(立体迷路みたいな感じ)
役者は演奏者の間をすり抜けて演奏します。かなり狭い舞台割りに、色も抑えた演出(全員黒)で、往年のキャバレーの華やかさはなく、がっかり、、、
と思いきや斬新な演出!
制約のある環境が想像力を掻き立て、むしろ広さを感じさせられました。狭い環境で、狭さを感じさせない演出。勉強なります。素晴らしかったです。
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続いてはリンカーンセンター、メトロポリタン歌劇場。
今回はカルメン。これも素晴らしかった!巨大セットが三連の輪っかになっていて、それぞれが独立して上がったり下がったりグルグル周ります。
そこには人がギッシリいたりして半周回ったら満場の闘牛場になったり、軍のキャンプになったり、とにかくテキストでは説明できないんですけど、エライ事になっています。
バカでかい箱なのに、ソリストの音がしっかり聞こえる。近くで鳴っているような感覚。
人海戦術とアイディアでここまでできるのか、という世界一資金豊富なオペラ劇場、圧巻でした。
残念なのはお客さんの服装。一張羅にネクタイして行ったのに、周りはダウンジャケット着たままの人や作業着?!みたいな人もいて。
折角だからドレスアップしていい気分でロビーを闊歩したかったなぁ・・。ボソッ
カーネギーホール。残念ながら予定が合わず、中には入りませんでした。外装も工事中。トホホ。
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お次はMOMA。フ〇テレビの現地記者の友人に強引にタダ券を貰って、いざ。
ここって写真とって良いんですよね・・。凄い感覚。
ピカソもマティスもウォーホールもキースヘリングも総ざらえ。
中でもマティスとモディリアーニ、好きなんです。
貴婦人が美しく微笑んでいました。
ここももっとゆっくり来たかったななぁ。
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ETC跡地にも行ってきました。アメリカ同時多発テロ事件は、若いころのボクにとって本当にショックだった。そのお話は長くなるのでまたいずれかの機会に。
かなりのセキュリティー強化、でも、絶対行っておいた方がいいという事で、なんとかチケットを取る。
チケットというよりは予約なんですけど、ネットから。
で、グラウンドゼロ近くのビルで発券っするんだけれど、とにかく凄い人、人、人。
一時間くらい並んで入る。深いプールに滝が注がれていまして、その縁に犠牲者の名前が彫られています。
厳粛な気分でありました。心より犠牲者の御冥福をお祈り申し上げます。
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アンティークマーケット。
正直、あんまり良いものはなかった。高くても良くない。たまたまこの場所が良くなかったんだと思うけど・・。イギリスやフランスは安くていいものが沢山あったんだけどな。
今回4か所行ったんだけれど、今度来た時はもっと調べて来よう。
何かの銘木をくりぬいた小箱と、巨大なホッチキス、銀の小皿を5枚買ってきました。
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駆け足で振り返ってみましたが、かなり忘れた部分もあったのでイマイチ筆が進みませんでした。今後加筆という形で書き込みたいと思いますので、また覗いてみてくださいね。
帰りの飛行機の中で見えたマンハッタン全景。
あんなに沢山の事が、この小さな半島の中で起こっていたって、凄いなと。
また来たい、と心から思えた街でした。(次回はイタリア行きたいからもうちょっと待っててね)
ありがとう、マンハッタン!
年内、もう一回くらい更新出来るかな。出来なかったらすいません、よいお年を!