秋からの制服を考える

 
まずはお休みをいただきまして、すっかりではないにしろ、かなり元気になりました!

ありがとうございます。(前回の日記はなかったことにしてください)



さて、もうすぐ八月。そして衣替えの九月。本当に早いですね。

今はご存じの通り、週末は麻のジャケットを着ているのですがこれも8月中まで。某紅茶店のように年中通して着ようとも思ったんだけれど、冬に麻もちょっとなぁ、というわけで。

結構気に入っているんだけれど。



IMG_4607.JPG


冬場に備えてここはもう一枚、作って遊ばなきゃ!というわけで、いろいろ試案をめぐらせてみたもの、あんまりネタがない。


ウィーンかヴェニスのホテルマンみたいなのがよかったんだけれど、あんまりやり過ぎるとまた頭がおかしいと思われるので、(その前に自分が飽きそう)多少控えめでないと。

そうなると、ベスト、ジャケット、ネクタイかボウタイになってるくる。色は黒か濃紺か。

やっぱカフェのギャルソンのような制服に落ち着きます。ラボエームの冒頭二幕、カフェモミュス。僕の憧れのお店のひとつです。

うーん、かなり決まってくるなぁ。


現在のカフェの在り来りなギャルソンスタイルに落ち着いたとしても、もう一味懐古趣味なテイストを入れられたらウチらしくて嬉しい。



いつもながらに本場の画像を検索してみました。



これは正統派。まあ、ありきたりか。

IMG_4500.JPG

これは金ボタンが両側に付いている。このボタン、カワイイ。採用です!

IMG_4498.JPG


ちょっと艶めかしいお兄さん、、、(汗)

このU字の形は好きです。これも採用!(これは深すぎるけど)

IMG_4494.PNG

9月中はまだまだ気温も上がるので、袖を捲るのもアリかと。


IMG_4613.JPG


ジャケット付ならこうなるのか。上着はまたいずれ。白の長いギャルソンエプロンも採用。


IMG_4612.JPG



結果、僕の好きなデザインをまとめると、、、


黒のベスト、シングル。動きやすくて洗いやすい
前あきはU字、ちょい深め、襟なし
シルエットは若干タイトな仕上がり
金ボタン、丸っこい艶ありの真鍮無垢
ボタン間隔は詰まっていて5個、クラシックな感じ
(ここが最も重要)
敢えて、よくある背中のサテン地切り返しはなし
エプロンするので丈は短めジャスト
中細の黒いネクタイ、クリスマスは黒の蝶タイ



・・・ってか、売ってねーし。




なので、別注で作ることにしました。色々調べ上げて今回は何と社交ダンスの衣装を作る香川県の会社に決定。


ベースはこれ。ここに散々難癖をつけてアレンジしました。かなり印象が変わるはずです。どうぞお楽しみに。


IMG_4493.JPG

僕はなぜか、居並ぶ金ボタンに惹かれます。高校のころの制服がブレザーだったからでしょうか。暁星高校の制服くらい間隔が詰まっていると、嫉妬さえ覚えます。


この写真とか、もう、、


this-is-me-in-1954-in-the-uniform-of-a-gwr-hotel-pageboy-bellhop-my-first-job-o.jpg


ハァァァ、、、


ホテルの御用聞き、ページボーイというのだそうです。ホテルリッツの記事によると、館内の暗めの照明に映えるように敢えて、キラキラしたボタンを使ったんだそう。


なーんだ、やっぱ理に適ってるじゃん。どこも同じこと考えんだな。




9月の一週目から登場します。どうぞご贔屓に。






鎌倉三日目

鎌倉に逃げて来て(笑)三日目の夜です。

ブラブラ歩いて江ノ島に行ったり、観音様や八幡宮、アンティーク屋さんを巡ったりしながら、気の向くまま過ごしております。


泊めて貰っている伴侶の実家は海に近い、森に囲まれた木造の一軒家。
みんなで料理を作って、毎晩夜になると片っ端から食べながらワイワイお話します。
今日は鎌倉の花火大会だったので、大屋根にみんなで梯子で登って花火を観たりしましたよ。トトロに出てくる家族みたいな質素で豊かな家です。


伴侶の兄弟の子供を保育園に迎えに行ったり、晩ご飯の食材を買いに行って洗濯をしてと、まるで主婦のよう。

新宿のシャンデリアが、世界の果てにあるかのように、遥か遠くに感じます、、。



毎晩、きっちり12時間くらい眠れます。東京じゃすぐに目が覚めて、昼寝をしないと上手くバランス取れなくて苦労していたのに。やっぱ疲れてたんだと実感。

そろそろ働きたい病が、、と言いたい所なんだけれど、まだそこまでホームシックにはならず(汗)

朝から鶯やヒバリ、トンビが一日鳴いていて、はるか遠くに電車の走る音が聞こえます。昼には蝉が、夕方にはヒグラシ、夜にはカエルも鳴いています。月も綺麗。

普段、店のBGMか自分のピアノの音に囲まれて相当なエネルギーを割いて暮らしていたのですかね、なるほどよく眠れる。

脳に刺激が多過ぎると頭が温まっていらない事も考えてしまうんでしょうか。

この三日はほぼ頭を使わず、何にも考えず、最低限のエネルギーでダラダラ生活してます。


またヤバくなったらここに来ればいい、保険に入ったつもりで明日東京に戻ります。

それでもやっぱり。僕は店が好きなんだな、と痛感します。

毎日好きな人と音楽に囲まれてドキドキして、それはそれは贅沢なご馳走のようなフルコースなんです。
フォアグラも大トロも、蟹もウニもイクラも松茸もフカヒレも、って感じのフルコース。


しかし、思ったより胃が荒れていたのかもしれない。

久しぶりに山で塩だけの握り飯を食べて、尚且つご馳走の味の有難さも判りました。胃もスッキリ治ったみたい。

これからはご馳走を、嫌いにならない程度にゆっくりよく噛んで、味わっていただく事にしましょう!


今のところ、間違ってない気がする。





木曜から開けます。しれっと普通に開けますので宜しくお願いします。w



***



Kさん、コメント有難うございました。またお返事は追ってお送りします。


一人で大騒ぎしてすみません、、、。の続き。

 

結局、ちょっと疲れているんだという結論に至りました。

何だかんだいってお店とお客さんが好きすぎるのです。好きすぎて気が付いたら
起きている殆どの時間、お店のことを考えていることに気づきました。


まあ、幸せモンです。



今回の悩みの原因を考えたところ、すごく簡単に言うと「混み過ぎて店を上手く仕切れない」という部分に集約されます。




これまた、幸せ者です。こんな幸せな悩みはあんまりないと思う。嬉しい悲鳴です。




でも、悲鳴は悲鳴。何か考えないといけない。

今のところ自分の出勤日数を減らしたり、慣れない場所への急な移転・拡張や(向かいの部屋が空いたら別だけど)、まして不当な値上げなんかは考えていません。やっぱ、それは違うと思うの。

そもそも、「団体のお客さん」より、「孤独を愛する一匹狼」の側に立った飲み屋がしたいという気持ち。そこにブレはない。

それには僕がしっかりかじ取りをしないといけない。

その作戦を考えてきます。きっと、エレガントで頓智がきいていて、しかも説得力があるようなアプローチがある筈。


でも、敢えて、少し距離を取ろうと思います。離れたところから少し、俯瞰して見てみようというわけ。




明日から4日間、僕はお休みを取ることにしました。のんびりいつもの鎌倉にいます。多分。


日曜日と月曜日はケンちゃんがお店に立ってくれます。日曜は午後九時開店の午前二時まで、月曜は午後11時半までとなります。

火曜と水曜は完全にお休みします。


前にも同じようなことがありました。とにかく、お薬を飲むつもりで嫌々休んだら、すっかり治ったんですけど。


何度、同じことを繰り返すんだろうか・・・。



月並みですが、充電してパワーアップして戻ってきます!





***

おまけ。



ビルの昔の写真を探すのがもはやライフワークになっているのですが、また見つけました!!!

なんと、新宿歴史博物館にパネル展示されていました。


ご興味がある方は観に行ってみてください!


ダイコクドラッグ前辺りから南側をみた風景です。うちの真上のお部屋に、新堀ギター教室が入っていた模様です。


IMG_4421.JPG


アップ。ケヤキの並木がまだ成長していませんね。

IMG_4423.JPG


今度は逆に、ビル前の横断歩道から北を望む
(千鳥街立ち退きの頃と一致するので、憶測ですけれど立ち退き後の地面でしょうか)



IMG_4389.JPG

同じ景色をストリートビューで


IMG_4395.JPG


うーん、中々感慨深いです。


やっぱ、古いものに触れていると気持ちが和みます。何でだろう。





・・・それでは、夏休みを楽しんできます。





正直、苦しいのです。



凄い贅沢な悩み、というのは事前にお断りしておきます。

あと、酔っているのも先に断って置きます。今現在、信じられないくらい酔っています。

どうにもこうにも、後ろから蹴られても仕方のないような内容です。




***




僕は、かねがね都会の谷間に咲く隠花植物の園のようなバーをやりたかった。混んでいなくとも、思いやりのある人々の集う、上品にも下品にも高品質な会話のある、お互いが気兼ねなく話せるような秘密基地のようなバー。

そこで僕はお客さんにピアノを弾いたり、割れそうな薄いグラスでお酒を供したり、内緒話を飲み込んであげたり、とにかく信頼関係の塊のような隠れたバーをやりたかった。

でも、人の口には戸が立てられない。


平たく言ってしまえば、評判を聞いて、どんどん人が押し寄せる。その噂を聞いた次のお客さんもジャンジャン来てしまう。


こんな筈じゃなかった。


もっとのんびりやろうと思っていたのに。




じゃあ、休めばいいじゃん?

と、そこで僕の弱さ。来店者を断りたくない。もっと言うと嫌われたくない、いつもそんな心理。

だから混んでいても断らず入れてしまう。もちろん、居合わせたお客さんに断りを入れるんだけれど、ご迷惑をかけているのは承知で。


でも、そんなことを続けているせいか。最近、かなり苦しい。体も、心もキツイ。



本当に贅沢な悩みなのはわかっています。でも、もうガンジガラメになっています。ブログも特に書きたくないし、レトロな場所にも行っていない。

正直言って人と会いたくない、のかも。

加えて、ストレスで喧嘩っ早くなっているのがわかります。毎日かなりイライラしています。


かといって旅行にも行きたくない。逃げたら、もっと辛くなるから。


僕の理念として、仕事のストレスは仕事で返さないといけないと思うのです。

迷惑をかけたお客さんにお店で謝る。そうするとお店が楽しくなる。けど、旅行でも行って忘れたつもりなら、いつまでも地雷を抱えていることになる。

だから、なるべく休みたくないんだけれど、それだと余計にフン詰まりになってしまう。

ここがまず一番のポイント。


次に。もう、最近、行動が自分らしくないのです。言動がおかしい。かなりネガティブになっている。思ったことも違って伝えているし、一々悪意に満ちているような気もする。

あと、人の話が覚えられない。反応しても心ここにあらず、といった指摘を受ける。

時に、喧嘩を売られているような錯覚に陥る。

褒められても、バカにされているのか?と思ったりもする。

素晴らしい会話や音楽に対して、全く感動出来なくなっている。

時間の感覚が薄い。疲れもあまり感じなくなっている。(時間の経過より、むしろ終わったあとの曖昧な虚脱感のほうが大きい)



ちとヤバい兆候。


このままだと、2008年の総スカン営業の悪夢が再び訪れそうです(詳細は割愛します)


判っているけどやめられない。どーしたらいいのだろう。



話が繰り返しだけど、それでも休む勇気がない。


このままじゃパンクしそうです。



今は人と会うのが怖い。特に始めてのお客さん。






どーしたらいいんだろう。





やっぱ休んだほうがいのかな。




休む時はここに書きますので。



とりあえず、今週末は大丈夫です。ショウジくんが来てくれるから。



また報告します。



おやすみなさい。

マナー再考。



いやぁ、本気で暑いですね。お元気でお過ごしでしょうか?


***


先にお知らせがあります!

店主、毎水曜日に絡めて夏休みを頂きます。

7月23〜24日(火〜水)
8月27〜29日(火〜木)


因みに、行先は神奈川県の丹沢湖のキャンプと、どっか海辺の民宿です。フン。
お手洗いにカレンダーを張っておきますのでご確認くださいませ。




本年も浴衣営業を開催します!!

7月27日(土曜・隅田川花火大会の日)
8月17日(土曜・神宮外苑花火大会の日)


お会計はキャッシュオンデリバリー、椅子もチャージもありません。

いずれも午後8時から、フランクフルト、冷やしきゅうり、金魚すくい(一回50万円)缶ビールと缶酎ハイ(たぶん500円)など、雑多なメニューでお待ちしております・・・。


***




ちょっと僕もへこたれ気味です。疲れるとどんどん怒りっぽくなるのがわかる。


いや、正確にはね、怒ってるんじゃないんだけど。


昨日も書いた日記を消しましたが、その手の内容を書いているとキリがなくなるからです。(内容は主に不遜なお客さんに対して思った愚痴なんか)。

そんなことはいつも、むしろ永遠に起こるわけで、書き続ければそればっかりになってしまう。もっとすごい事件が起こったら、また書かなきゃいけなくなる。

僕自身が頓智で、どう上手くすり抜けるかがポイントなんでしょう。



とはいいつつもまた書きます。汗

携帯に絡んで。


僕は日頃から、こいつを曲者だと睨んでおります。こいつの出現で、マナーの常識が変わってしまったといっても過言ではありません。

呼び出し音やカメラ機能、音楽聴きながら操作しながら自転車で爆走する人もいたり、かなり危なっかしい人も一杯います。





昨日、初めていらした若いお客さんが、携帯を思い切りイジりながらオーダー。僕が飲み物をお出ししても一瞥もない。完全に無視。


・・・そんな事で腹立てちゃいけないんでしょうけど、僕は凄く気になる。


僕は、牛丼屋さんでもタクシーの運転手さんにも、最初と最後、つまり「こんにちは」と「ありがとうorご馳走様」は手を止めてするようにしている。どんなに疲れていても。

携帯を見ながらものを言わない。なんか失礼だから。


後々、話しながら携帯いじるのはいいのですよ。そんなの今更止められないですし、もはや僕も気にならない。


最初っから、しかも初対面で目も合わせず肘ついたまま、は無理。そういうスタンスの人は経験上、後半で仲良くなれることもないと思う。

あまりにも敬意がないので「お兄さん、ちらっと携帯置いてくれないかな。寂しいじゃん」とさわやかな笑顔で伝えました。


その後はかなりご機嫌斜めで微妙な空気だったけど。気にしない。


何度でも注意します。キリッ


最初と最後だけは、きちんとすればなんとなく気持ちいいじゃん、という提案なんだけどな。武道の試合の時の挨拶のような。



僕も気分的に嫌だし、彼も他所で恥かかなくて済むでしょ。僕も昔、ホトホト怒られましたけど、今じゃ感謝してますし。



携帯だから許される、という風潮がすごく嫌。写真取られるのも、いまどき誰も声かけない。
僕がピアノ弾いたら断りもなくフラッシュ焚いて、ムービーで撮影、顔にカメラを近づけてアップで撮られたりする。

あまりに露骨な場合、あっさり弾くのやめます。

飲み物代払ったら、無断で何をしてもいいのか。そんなことされたら誰だって悲しむと思う。





相対的に、連休期間は初めてお越しの方が増える一方で、正比例して無礼な方が増えるようです。

はやく説教バーの名物ジジィになりたい。(キャラが確立すれば楽という問題だろうか)



***



人に進言、指図するのって凄く嫌です。そりゃ黙っていれば40分くらいでお帰りになるし、待てばいいだけの話。

お金を頂いている上に僕は人格者でもないし、僕のほうが若い場合もある。事を荒立てて言いたいわけがない。


でも、すべてを棚に上げても言わなきゃいけない時がある。

なんでって、理由はよくわかんないんですよ。間違っても僕のストレス解消だとか、ましてや世直しの大義名分なんてあるわけもないけれど。

ただ、守らなきゃいけないマナー、思いやりのある関係性は大切だと思うの。


かといって、僕もかなりルーズな人格です。間違っていたらすぐに直しますから忌憚なく教えてくださいね。指摘されなくなったら終わりですからね(汗)。





では、また。







笹の葉サラサラ

 
もうすぐ七夕でございますね。

まあ、蒸し暑いこと。

当店も恒例、リサイクル笹でお送りしています。これが中々上手くできていて、暗いとまあまあの雰囲気が出ます。

昨夜から設置して、短冊にお願いを書いてもらっています。

IMG_4466.JPG


扇風機の風に揺れて、風流というよりお化けが出そうです・・。

そうそう、扇風機といえば、蝋燭に直撃して30分くらいで一本丸ごと溶けてしまうので、不経済この上なかったの。

なので、フランス製のランプを取り寄せました。めちゃくちゃ明るいです。しかも燃料のオイルが1000円で一か月持つ。蝋燭は一本350円で一晩。

んー、ちょっと考えてしまう。


でも、蝋燭のほうが好きなんだけどな。



IMG_4380.JPG



開店まであと八分しかないのに、まだ家にいます。そう、忘れ物を取りに来て、ちょっと書かなきゃってPC開いたらこの始末。


なので今日はこの辺りで。



皆さん、素敵な週末を!






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