重要ではないが、心に引っかかる何か

眠れないので駄ネタ。


取り立ててどーでもいいのに、何故か心が落ち着く風景、モノ、人がたまにあります。

それをフォルダに貯めては、後で見直そうと思います。とはいえ、見返すこもと少ないのだけれど。


頼まれてませんがここで発表させて頂きます!脈略はありません。




街を歩いていて、忽然と現れる古いビルヂング。もー。ビルディングではなく、ヂング、なんです。

舐め回したい。壁剥がして持って帰りたい。住みたい。







悪い人なのに、(日本赤軍)罪を犯した人なのに、なぜか憎めないような犯人。悪い人なんだけど、(本当はいい人なんじゃないの?)って思ってしまう。





桜が散った後。桜の絨毯から香りが漂い、まさに芽吹きの瞬間。生命の躍動を静かに感じます。花見時期より変な人が少ないのもいい。








自分の好みで作るオムライス。これだけは自分のためだけにアレンジするから負けない。やはりバターと生クリーム。オムライス、好きっす。







ちょっとケナゲな広告。「いやいや、狙ってるでしょ?」と突っ込みたくなるくらいでもご愛嬌。入隊したら途端に厳しいのに、勧誘時のこの優しさ。





銭湯の漫画、週刊誌コーナー。自分では買わないような低俗なもの、美容室や銀行の待合室には置いていない下世話なものまであったりします。いわば勉強の場です。しかし、全裸で読む場所にエロトピアとか置いて平気なのか?!









海で浮き輪でプカプカ。夏も終わりましたねぇ。こうやってみると、もっと海に入れば良かったな。と、毎年秋になって思う。







新幹線から見える富士山。やっぱ日本人なんでしょうか、清々しく、嬉しくなります。





蔦の絡まるボロ家。もう、堪りません。何がツボなのかもよくわかりません。中からホットケーキの焼ける匂いがしたら、間違いなくノックアウトです。






オリエント急行。こんな美しい乗り物で旅行に行くなんてきっと素敵なんだろーな。生きている間にいつか乗りたいです。




今年の「東をどり」のオープニング。平均年齢80歳、かなりスローなロボットダンス。
ビビりながらも目が離せなかった。なんだろう、この、後を引く感じは。






今の時代に許されないネーミングのお店の看板。ちょっと心配でもあり、クスッと笑えるような、これは熱海だったような。まあ、どーでもいいや。




海に続く坂道の街。これは何処だろうか。ポルトガルなのかイタリアなのか。こんな街に住みたい。実は新潟辺りにもありそうなんだけど。




回転ドア。もう、なんでたが大好きです。風圧で耳が「ブン」ってなるのも好き。過去に痛ましい事件がありましたが、安全面は最優先でお願いします。






ロシアの寺院。何をどうしたらこんなデザインになるんだろうか。祈る気持ちよりも、可愛いと思う気持ちが勝ってしまってしまう。中の内装も同一テイストなのか、気になるところではある。






女がいびり合う末の決闘シーン。こちらは映画、陽暉楼より。決戦もですが、その際の啖呵も見逃せません。そういやこういうの、生では見たことないな。






通信博物館とかにある電話機の仕組みの説明。大人の癖にずっとやってたくなる。ってかやってる。音がいいんだよ、これが。






タラップ。飛行機と言えばタラップでしょう。なんであのトンネル状のばかりなのか。やっぱ、目的地に着いたら先ず空気を吸って、大地を踏みしめたい。






女装家の方の力強いお写真。説明不要、元気が貰えます。この御仁のお写真に比べたら、僕の小さな羞恥心なんて、、、。






古い薬屋さんの画像。はぁ、このブログでは定番のネタですけれど。やはり好き。この時代に生まれていたら全てかこうだったかと思うと、もう。






こういう悪意のある二枚の写真。シャツの襟の形もふくめて、狙っているとしか思えません。ってか、こちらの女性は過去にご来店下さってい、、、。






歯医者で口をゆすぐ機械。もっと水を汲んだり、散々遊びたいけど出来ない。どうして丁度いい所でお水が止まるのか不可思議。このお茶が出るバージョンを作って、家のソファの横に置きたい。





屋台全般。ドリフのコントさながら、苦労話なんて語られるともう、嬉しくなります。ラーメンの味は二の次でいい、どうか続けて欲しい(写真は東中野駅前)







今時、このご時世に電気屋の前に群がる情景。ワンセグとかなんとかストリームもいいけど、やっぱりこうでないと。皆で応援しましょうよ。肝心の何の応援かは忘れた。




落とし紙。若い子は知らないでしょうが、昔はトイレットペーパーなどなく、全てこれでした。大抵、お菓子の缶とか、謎の木のトレーみたいなのに入っていました。エンボスが効いていて柔らかくてね、わかんねーだろーな。





こういう気丈な奥さんと馬鹿っぽい旦那の新婚カップル。見ていて清々しく微笑ましい。僕はデレデレ、ベタベタした新郎新婦が好きではありません。理由はありません。





バス停でバスを待っている時、ふと屋根を見上げたら葉っぱが生えていたの。それだけなんだけどさ、なんか愛おしいよね。もじゃもじゃに繁ったバス停なんて素敵じゃないか。




続きはまた今度。

松茸献上の儀

僕は人にモノを贈るのが好きな方なのですが、いつも迷った挙句に決まっていつものパターンに陥ってしまいます。

いわゆる「お使いもの」の場合、特に昔っぽい大層なラッピングに目がなく、吉兆の佃煮やら虎屋の羊羹やら、加島屋のイクラの詰め合わせとか、年寄りが好むようなものにしか手が伸びません。
本当はラデュレのマカロンなぞ、差し入れたいのだけれど、どうしても「次には」と見送ってしまいます。

そんな中で僕にとって最上級の贈答品があります。デパートの青果コーナーで竹の籠に詰めてもらう松茸は特別中の特別です。
竹籠の香り、熨斗紙の古風な松茸のイラスト、クッションとして入れられている色鮮やかな歯朶の葉が、ちょっとそこらのギフトとは違うぞ、と爽やかな芳香を放っております。


秋口のサザエさんのメインテーマに登場するような正しい贈答品。ぶどうや梨では揉めこそすれ、事件にはならない。メロンでも些かパンチがない。

頂き物の松茸が忽然と消える、ネタが出尽くした感のあるいつもの事件。

真犯人はタマなのに、冤罪のカツオがきっちりお仕置きされるには、やはり重みのある松茸が相応しいと思うのです。

波平が、「母さん、カツオに悪いことしたなぁ。八百屋に一本届けさせて食べさせてやりなさい」

フネ「あら、いいんですか?お父さん。喜びますよ、カツオ」

サザエ「んまっ、お父さんてばいつも甘いんだから!」

カツオ「もう、松茸には懲り懲りだよぉ」

一同笑い声。屋根の上で松茸をもて遊ぶタマの姿


※※※



伴侶のおばあさまが今年で92歳になります。誕生日が僕と一日違いなので、毎年一緒にお祝いすることになっています。もう11年目なんですけれど。

因みにおばあちゃまには、僕は「地方から出てきて親との縁が薄い、家庭の温かさに飢えて可哀想な子」という設定になっています。(笑)

でもこれ、本当なんですよ。最初の頃、ご飯をたらふくご馳走になりながら、本当の事情が言えるはずもなく、言い訳紛れに何かの話から口をついて出た話が、今も生きています。


「家庭の愛情に飢えたタダ飯喰らいの子」が、年に一度、唯一お返しするのがこの、松茸の奉納です。伊勢丹に行き、色んな産地のを混ぜてもらい(嵩増し)スダチをたくさん入れてもらいます。


内容はその年の景気に敏感で、ある年は国産の綺麗なのが三本も入ったこともありましたし、ある年は色が白くて開き切ったアメリカ産に、半分シメジだったりして。

シメジの年は、開けた瞬間みんなで大爆笑(笑)薄くスライスしたのをご飯に混ぜ込んで、貧乏一家みたいに奪い合って頂きました。

松茸ってなんて素敵な存在なんだろうか。。「季節の贈答品」「貰った先の団欒」にこれ以上ピッタリな食い物があるだろうか。

いつもの伊勢丹で籠に詰めてもらいました。下の段が空いているのは、僕が買い占めたからです(汗)




今年は国産か、それともカナダ、北朝鮮、、、シメジだったりして




って、実はアメリカ産の安いのをなるべくふんわりと詰めてもらいました。(笑)




これで五千円!黙って渡したら2万円くらいには見える。

五千円あったら何が買えるかなぁ。寿司屋で軽く飲んで摘まんで一人分。タクシーなら新宿〜浅草間くらい?酒屋で買うシャンパーニュのいいものもこのくらいか。

なら、松茸はかなりインパクトあると思います。


ご両親に、恩師に、店のママに、元彼にお勧めです。

善き行いに拍手!

お店の前の並木の伐採問題ですが、終止符が打たれた模様です。

アスファルトを舗装し直し、盛り上がった根っこは部分的にカットされて、平坦になっています!




これが出来たならなんで斬るとか言い出したのよ!?

めでたしめでたし、です。良かったね。

昔読んだ有吉佐和子の小説に、芸者の半玉が二人で夜店に行き、金魚掬いををするんだけれど、冷酷なほうの芸者が、「不細工な金魚はこの先の人生が可哀想だから土に埋めておいたわ。上には芝桜を植えておいたのよ」、と優しい方の芸者に伝え、怒りに震える彼女を尻目に、芝桜を眺めながら「本当に綺麗ね」と呟くシーンが有りました。


小説だからいいけど、現実の世界で、しかも行政がそんなことやっちゃいけません。今回も黙ってたら切られていたところ。

東京にオリンピックが来ると共に公共事業が加熱すると報道されていますが、こういった理不尽な手が入ることも増えるんだろうな。前回の五輪を鑑みても、ゆりかもめや首都高、東海道新幹線なんか凄い勢いで完成してる。小さな森の一つや二つ、赤子の手を捻るように消されかねない。

森林好きの僕としては看過できない事です。
森を残して、いや、どうせならもっと木を植えまくって醜悪な雑居ビルをブチ壊し、日本橋高島や日本生命館、三井本館のような美しい、少し日本的な要素も盛り込まれた建物に立て替えて、昭和初頭の街並みに戻すくらいにして欲しいです。

ってか、そんな都市計画が決まったらうちのビルは最初に壊されるな。それは困る。(汗)


※※※


10月7日(月)から10/10(木)まで実家に帰らせて頂きます。お店は11日(金)より再開します。どうぞ宜しくお願いします。

レトロ探訪関西編としまして、今まで行きたかったボロうどん屋や洋食屋を徹底的に回ってきます。

写真は神戸にある、日本一のボロうどん屋と名高い「伊勢屋」さん。




京阪神にお住まいの方、どこぞで泥酔している僕を見かけたら優しく声をかけてみてください(笑)






心の中の庭のその後。


ブログを読んだお客さんから人づてに、面白い話を聞いた。

マルセル・プルーストの長編小説「失われた時を求めて」の中に同じような記述というかテーマが出てくるらしい。

僕はこの小説は読んだことないのでわかんないんだけれど(全七巻、400字詰め原稿で1万枚あるらしい。無理)ネットで調べた結果、「無意志的記憶」というテーマをきっかけに物語が始まるらしい。



語り手はある日、紅茶に浸したマドレーヌの味をきっかけに、コンブレーという街に滞在したときに同じ経験をしたことをふいに思い出して、強烈な多幸感とともに鮮明な印象と記憶が蘇ってくる

と、あります。


このような「無意識的記憶」の現象は最終巻「見いだされた時」において、マドレーヌの時と同じような経験を再びすることによって、その幸福感の秘密が解明される。
それは、同じ感覚を「現在の瞬間に感じるとともに、遠い過去においても感じていた結果」「過去を現在に食い込ませることになり、自分のいるのが過去なのか現在なのか判然としなくなった」ためであった。

この瞬間、「私」は超時間的な存在となり、将来の不安からも死の不安からも逃れることができた。


と続きます。


なるほど。この解説にあることを自分に当てはめるとするとなるほどよくわかる。キンダーブックの挿絵も100円ローソンの行列もタンゴの音楽も、さらに古い過去に経験した「何か」の片鱗であって、何かのショックによって過去の記憶を呼び覚まされた、ということだろう。

「死の不安からも逃れられた」、もよくわかる気がする。僕にとって庭に飛び込むという行動は、その謎のシステムを理解することの象徴であり、僕は常々「死の不安から逃れたい」なんて大それたこと望んでいないので、庭に飛び込むことが素直に怖いんだろうか。それは納得。



ただ、相違点を述べると、マドレーヌを食べて昔の情景を思い出すくらいは日常茶飯事じゃないか。電車に乗ってて香水の香りで昔の恋人との思い出が蘇った、なんて経験だれしもありません?僕はよくあります。

それどころかショパンのピアノの曲のある部分に差し掛かると、練習していた中学生の頃に観ていたアニメ「パーマン」のOPテーマがきっちり毎度、未だに頭の中に二曲同時に流れたりして、まるでNHKの二か国語放送かよ、かなりややこしいことになっています。そんなことはしょっちゅう。

プルーストにとってのマドレーヌだけが特別では、決してないと思います。


まあ、そこは100歩譲るとして。

初回のキンダーブック以前の記憶となると保育園の年少組以前だから、お屋敷の断面図のような記憶をを5歳くらいまでに見ていたことになる。ちょっと僕の周りにそんなものあったか、怪しいなぁ。TVとかならわかるが。

それに、プルーストの蘇った記憶には一貫性があり(時間軸や土地など)、僕の回想はまるで一貫性がない。多幸感とともに、情報の断片がデタラメな順番で降り注ぐのです。


こういう仮説を立ててみました


1.過去に、ある美的体験をし、意識下で記憶する

2.何かのキッカケで記憶の倉庫が開き、「一つの」ある記憶を思い出す
(ここまでは通常の「何かをきっかけに過去を思い出す」だとする。)

3.僕の場合に限って、同時に脳の中のある何らかの作用で、別の倉庫からも「複数の」多幸感を伴う記憶が出てくる


4.あまりの多幸感にうろたえる。同時に「俺って特別な人間?と勘違いする」


5.このところ、若干コントロールできる気もする
(現在このあたり)


問題は3です。なんでほかの記憶も、しかも大量に降り注ぐのか。

・・・ちょっと考えてみると僕は普段からかなり気が散っています。頭が悪い癖に同時にものすごく沢山のことを考えています。軽い多動性障害なのかもしれません。


だから、あり得ます。

例えば今日、たまたまジムでダンベルを上げるとき、やはり同じことを考えました。
トレーナーさんに「集中して!」と言われたので自分が何を考えていたか分析してみたのです。

ダンベルはかなり重いので細心の注意が必要でかなり集中している筈なのですが・・

ダンベルをコントロールする事(メイン)
自分が鏡に映っている見え方(視覚に由来)
この後何食べようかしら(空腹に由来)
しんどいなぁ(疲労感)
トイレ行きたいかも、喉が渇いたかも(危機回避)
Kさんのメール早めに返信しなきゃ(雑念)
売上げどうかしら(我欲)
変なブログ書いたから読んでいる人引いてないかな(心配事)
今日も爪切るの忘れた

慎重に後で振り返ると、数秒でこのくらい考えていました。無駄なイメージが邪魔して、これじゃ中々マッチョにはなれんわ。

とにかく小さいころから気が散って止まらないのです。

一つの多幸感が引き金に、お友達の記憶を連れて来ても何の不思議はありません。




なんだか、面倒になってきたので考えすぎないことにしました。

「脳の記憶って凄いなあ」、それでいいじゃないか。

今のところ僕にはドラッグも催眠術も必要なさそうです。


また今度、お庭が出てきたらせいぜい楽しんでみようと思います。次はちょっと散歩くらいしてみたい。


(また庭のイメージです)
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・・・それより、作家プルーストに興味が出てきました。


彼は偉大な作家となるにつれ、平民から才能で社交界に這い上がり、作家としての才能がありながらも人物の物真似が得意で、その部分でより貴族たちに好まれていたそう。

とりわけ芸術に関心が強い。ワーグナー、ヴェートーベンが好み。弦楽四重奏を真夜中に自室で演奏させる、など。

極度の浪費家で派手好き。1919年当時の5000フランを一晩で使い切る、極度の寒がりで夏にもコートを着ていた、など。

若い男好き。友人のこれまた同性愛者が男娼館を開く時に多額の融資をして、後年自分も通い詰めています。




なんだか天才でで俗っぽい、変態なこういう人、僕は好きだな。









昭和レトロ探訪〜桃〇舎(明治22年創業)

 
ハゲ日記、妄想日記に続いては久しぶりのレトロ探訪です。

これがバーのブログかよ・・・と情けなくなったりもしますが、素直が一番。

メッセージ性のないブログを書くことのほうが読んでいる人に失礼だろ、というのが僕の考え方です。



例えばこんな感じ。(暇なので真似してみた)

***

今日は友人のMご夫妻とランチ。ご主人は某有名外資系企業の社長なんですって。
しかも今日はお呼ばれでご馳走なんですぅ。('◇')ゞ

何とっ!一人9千円だとか・・あたしもセレブの仲間入りかすら・・(@_@)

今日は銀座の○×の予約をM社長様の裏技で取って頂きました(*^_^*)
ずーっと来たかったのー。ここ、予約で2年先までいっぱいなんですとよ。

ギャルソンさんが今井翼似でドキドキ(*´ω`)



お魚のムニエル美味しいっ( ..)φメモメモ

ご馳走様でしたぁ(≧▽≦)

今日も頑張るぞぉ(*'▽')


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***

何が言いたいのかわからん。

こーいうブログを読むと何だか悲しくなる。ランキングってなんだよ。汗

ま、人のことはいいんだけどねっ。









そうそう、レトロ探訪です。相変わらず小汚い、古い、懐かしいスポットを巡ります。

今日は日本橋小網町。東京証券取引所の脇を流れる運河?の少し奥にあります。細い道をくねくね入るのですが、僕の生活圏から考えて、絶対行かない場所です。

時間は昼時なので周りは証券マン、というのかシャツの袖を腕まくりして二、三人でランチに繰り出すサラリーマン風の方がほとんど。

いつも思うのですが、僕もスーツ姿で先輩や後輩とランチに行ってみたいと思うのです。




ガラガラ

「いらっしゃーい」

『こんちわ、おばさん!俺いつものA定ね!』
「いらっしゃい!あなたいつもそれねw 飽きないの?」

『んー、万年ヒラっすからね(笑)それに来年子供産まれるんスよ。いつか連れてきたいな』
「まー、そうなの!おめでとう!その頃まで店やってるかしら・・おばさん今年92歳よ」

『そうなんすか?!へえ、全然見えないって!30代かと思った!』
「バカねぇ、ウフフフ。はい、なめこおろしオマケね!」

『やった!』



・・・ていうのがしたい。

誰かサラリーマンの方、お昼に待ち合わせて僕を連れていって下さい。





今日の〇乳舎はもっと渋い感じなのです。かといって高級というのでもない。ただ、ひたすらレトロであります。

そういう活気のあるやり取りはとうの昔に済ませたという、寡黙な大人のような感のある、洋食屋さんです。BGMも過剰な装飾もない、全く無駄のない桃〇舎。

(検索に引っかからないよう、伏字にしています)

ひょっとすると時間が止まっているかもしれません。


明治22年創業。

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元々牛乳屋さんだったのですが、飲みに来るお客に椅子を置いたところミルクホールとなり、今の喫茶、軽食になったとのことです。

桃のレリーフ。素敵すぎます。


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ウインドウ。ああ、正しいスタイル。

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そして店内。この建物によくある、ヒンヤリ冷たい店内。

内装はいたって普通。明治時代のが残っていたら嬉しいんだけれどな。


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ここのお姉さん、というかお母さん、とっても短いホットパンツで営業なさっている。
それは何でか、とお店の動きを見てよく考えてみたんだけれど、結局判らないままだった。


メニューは所謂洋食。

カツカレー、スパゲティ、エビフライ、ハンバーグ、オムレツライス、フライエッグ、野菜サラダライス・・・


野菜サラダライスって何だろう・・・。


まあ、いいんです。僕はこういう場合、カレーの一択なのです。



で、カツカレー!!(530円)


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お味は以前の昭和探訪で訪れたミルクホール(そういやここもミルクホールだったな)と同じ、小麦粉を炒めたルウにカレー粉、形の残る玉葱、豚スライス。

その奥に、何だか謎の出汁が効いている。ダシとしか表現できないんだけれど、この奥行き。
なんだろう、判別不可。

それに、ラードで揚げたカツの風味。

旨いなぁ。心に沁みるぜ。


あくまで僕の主観、懐かしい旨い味です。で、大切なことだけれどきちんと熱々であるということ。
老舗のお店、殊にご老人の調理担当の方は、美味しくとも味がぬるい傾向があります。
(当然、コールドドリンクは冷えていない場合が多い)

ちゃんと熱いものは熱く、頂きたいですね。


あー、癒されるなぁ。




因みに普通のカレーは450円、ハンバーグ定食は480円です。


桃〇舎さん、あと200年は続きますように。



店を出て、お隣い塀があるんですけれど、中を覗き見るとガラスの温室が。こんな家一軒建つ場所に温室だなんて、どういうお店なんでしょうか(汗)

謎が多くて素敵だな。

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次回のレトロ探訪は新橋のレトロ喫茶店です。

何とも言えない地下にある、泥臭い、ド昭和な喫茶店。


上手く隠し撮りできるかしら。




それでは失礼します。

心の中の小さな庭(ちょっと精神世界系な内容です)


レトロ探訪を書こうと思っていたんだけれど、そんなことが色褪せる位の事があったのでそちらを先に書きます。

上手く言語化できないですし、何だか解りづらいのでは、とは思いますが(自分でもよくわかっていない)ダラダラ書いてみようというわけです。


本気で書くとちょっと痛い奴みたいなんですが、まあ、ハゲ日記の後だし別にいいだろう、と(涙)




何から書こうかな。


自分が人生において追いかけるものとは何か。



それは割と明確に、昔から決まっています。

お金でも名誉でもなく(そりゃ必要だけどさ)、厳密には音楽の演奏でもお店の成功でもないんです。綺麗ごとではなく、本当にそうなのです。


じゃあ何を追いかけているのか?

それは、「心の中のモヤッとした記憶の断片」なんです。過去に経験した幸せの集合体のようなもの。姿を替え、明確な形がない「何か」なのです。


もっと踏み込んで言えば、その「何か」に触れていると僕はご機嫌で働けるし、現実生活とうまく作用させればほんの少しだけ、お客さんを幸せにしてあげられるかもしれない。



仮に、今日は「心の中の小さな庭」と呼ぶ事にします。

その「庭」、残念ながらいつもは隠れているんです。きっかけも糸口もない、なんの証拠もない秘密のお庭。


しかし、たまに予期せず庭の入口が開くんですよね、僕。


庭のイメージ(いつもの拾い物)


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庭の実態は、未だによくわかりません。

ただ、何となく懐かしいような、見たことないような沢山の何かの情報の集まりとでも言いますか。

年長のお姉さんの結婚式の日曜の朝、見上げる日本晴れの空
待ちに待った新車が納車され、特注レザーのシートに初めて体をうずめる瞬間
初恋の頃の狂わんばかりの歓喜に眠れなかった夜
去年買った超お気に入りのコートを、翌年の初めての寒い休みの日に袖を通す時
懐かしいグラスに注がれた、この上なく冷えた麦茶
読み古した小説の気に入ったページ
葦簀越しに海の家で見るこの夏最後の夕焼け
毎年恒例のクリスマスツリーの飾りの入った古びたボール紙の箱の匂い
朝目覚めて、隣に「あの」憧れの人が眠る安心と高揚
ごはんの炊ける匂い、子供の頃に使っていた「あらいぐまラスカル」の白いマグカップ
ヨハンシュトラウスの「美しく青きドナウ」のLPレコードのデザイン
初めて外国に行った飛行機の肘掛の張地の色あせた感じ
天気の良い日に天日で干した布団に潜り込む幸せ



そういう、ありとあらゆる「僕にとっての」幸せな感情が数百数千と、シャワーになって降り注ぎます。


その間は歯を食いしばり、耐えつつも味わうんです・・・(謎)




けれども、デジャヴとはちょっと違う。僕のはもうちょっとだけ、精神世界に一歩踏み込んでいる。

「デジャヴ」と「善なるヒラメキ」と「大いなる何か?に承認される感じ」を足すと丁度いいのか。

その「庭」は、僕の感情とは関係なく、突然心の中にチラチラ現れては消え去ります。眠りから目覚めて、見た夢を思い出せないのとかなり似ている。

似ている、ばっかりでしか表現できないのが悔しい。



お店で働いているときも、ゴロゴロ昼寝しているときでも、知らない街を出鱈目に歩いているときでもそれはやって来ます。


最初に庭に来たのは忘れもしない保育園の頃。キンダーブックって絵本。参考までに、こんなの。
中々お洒落ですわ。

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ヨーロッパのとあるお金持ちのお屋敷の断面図の挿絵。モミの木の生える庭には雪が積もり、豪華な部屋の中でチキンを食べている家族の絵を見た時、時空がねじれました。そして妙な浮遊感。

後でもう一回試そうと思って同じ条件で絵本を開いてみたけれど、ダメだった。何も起こらない。

その後、必ず年に3から4回、確実にやってきます。

レゴブロックに集中しまくっている時にも起こりました。どうしても弾けないピアノのワンフレーズを7時間くらい繰り返しているときにもなりました。かといって、ボーっとしているときにもなりますし、夢でってのも多い。

電車の中でもあったな。

受けるイメージは前に書いた通り、懐かしい甘酸っぱい、回顧的な印象のものが多いようです。いわゆる前世的な過去の風景だったりを感じることがあります。

。逆に、僕の好きそうな条件下では意外と起こらないのです。洋館とかレトロ喫茶店とかに居ても、古い時代設定の映画なんて見ていてもダメ。


知らない街とか歩いていて迷って、ある温度と気温と心境が揃うと、バチッとピントが合う。



来るときはわかるのです。きまって首筋がザワザワして、胸がキュッと高鳴る。


この扉が完全に開いたら、どうなってしまうんだろう。自分でも何がどうなっているのかよくわからないんだけれど。

でも、何なのかは知りたいと昔から思っています。





何が言いたいかと申しますと・・・。


今日も来てしまいました。しかも近所の100円ローソンで。出現時間は今までで一番長かった。


元々、youtubeでお気に入りのタンゴを見つけたのが始まり。

海外の音楽大学の演奏らしく、音源が売っていないのでyoutubeで家で聴きまくっていたのですが、今日、違法ダウンロードを覚えてしまい、さっそくこの曲を携帯に入れて聴きながらローソンに買い物に行ったわけです。(まあ、このストリングアレンジが相当好みで、そもそも狂いそうになっていたのだが)

http://www.youtube.com/watch?v=ndKi5z-FHsQ&list=FLD3rNqAbr69yM0Oi3CP0JWw&index=9

爆音で聴きながらレジでお会計を待っていたら、3:35辺りの転調するところで完全に例の「お庭」が見えてしまった。

かなり明確に、しかも長かった。30秒位は見えたでしょうか。


お庭の先に明るい光が満ちていて、その先に情報の滝がある。ちょっと頑張って手を伸ばせば滝の水に届きそうになった。

けど、怖いので中断したんです。(この先にはまだ行ってはいけない世界があるやもしれぬ)


でも、何だか納得いかないのでもう一回曲を再生して(更に爆音)聴きながらレジに並んだんです。そうしたら前回より薄らいではいたけれど、もう一回お庭が始まったの。


ちょっとこれは怖いと思い、また振り払ってその場を後にしたんですけど。


満月だからか、缶ビールを三本飲んでいたからか、昨日飲み始めたハゲ薬のせいか、タンゴのせいか、疲れているのか・・。

もし、光の中に飛び込んだら確実に何かが変わるような気がする。狂う可能性もあるし、無感覚になるかもしれない。いや、何も変わらないかもしれない。

ってか、まだ狂いたくない・・・。

これが霊的体験だとか、僕の前世とかいうと話が終わってしまうので、「神秘的啓発へと続く庭」と名づけることにする。

結局、何が言いたいのかわからなくなってしまったけど、これからも向き合っていこうと思います。解る方にだけ、わかって頂ければ、今日のブログは良しとします。

なので、今日はコメント欄は閉じました。

そうそう、こういう経験を普段している、という方、僕にこっそり教えてください。


僕はもう30数年、向き合っています(汗)

悟りとか(修業もしてないのに)インスピレーションの源だったらいいんですけれど、誤解を恐れずに言うと、脳の障害とか癲癇の一種なのかな、などと悩んだ時期もあったのですが、全く健康なので違うんだと片づけました。





僕ももれなく思春期をこじらせているので、大人になってもややこしい性格なんだな、とつくづく実感しています。これってネットでいう中二病ってやつですかね。

なんなんでしょうね。考えすぎならいいんですけれど。

あ、とっても元気ですw  誤解しないでくださいね。病んでませんから・・。



あー、お金があったら例のお庭を再現してタンゴ流して映画撮りたい。

おやすみなさい。




ハゲ治療その1

前にアートネイチャーに行き、勢いで契約して翌日クーリングオフしたのが二ヶ月程前。

友人から凄い病院がある、との事で新橋へ。

はい、懲りてません。ヤレるものなら何だってトライします。やっぱハゲは嫌だ。

所謂AGAという治療なんですが、男性ホルモンテストステロンが分泌され、頭皮に辿り着くとハゲ要因の酵素がホルモンをハゲ因子に変換させ、髪が抜けるらしい。

この酵素をブロックするのがその治療法だそうで。

満員の待合室から個室に通され、カウンセリングを受けて、写真を6カットくらい撮られて、早速お薬を貰う。

だったこれだけの事。月に18000円ちょっと。


貴方の状態なら半年後には必ず生えます、との事。ほんまかいな。


治療経過例。ほんまかいな。



この人より、俺の方が毛はある。負けてない。

最後に質問をしたんです。待合室の人は皆フサフサで、僕のが薄いんだけど、皆さん予防の為に早めに通うのですか?と聞いた。

「今日の方は皆さん通院歴が長いので治療の結果、生えてきた方なんですよ。」と。

ふーん。

週末はご新規が多いのでまた雰囲気が違うかも知れません、とも。


ふむむ、中々希望が持てるじゃないか。


ちょっと続けてみます。効いてきたかは僕の後頭部を見て判断して下さい(汗)

ハゲ日記は今後も続きます。


明日はレトロ探訪、兜町のミルクホール、桃乳舎です。なかなかシブかった!











ベスト完結編



例のベスト。

某お直し屋さんに事のあらましを伝えました。そしてお直しが可能か確認。

U字の切れ込みの具合、古風で普遍的、決して奇をてらわず、同時に男性的なデザインであること。

金ボタンを付けたことのよって女性的な、喩えて悪いけれどAKBなんとかみたいなコスプレっぽい仕上がりは一番困る。



僕が伝わっているか不安な様子を汲み取ってか、

「はいはい、わかるわよ。素敵だと思うわ。本当素敵な、ウフフフ・・・」

と、何とも頼もしいお言葉。


いや、もっと言うとこのお母さん、僕が何をしたいかを、すべて見透かしてるっぽい。

僕を見る目が、僕を生まれた頃から知る親戚の叔母さんのような優しい目つきなのだ。もはや許しに近い、その眼差し。

数年に一回、街中である種、達観した方にお会いするんだけれど、この女性もそうに違いないと思った。



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で、二週間かかって仕上がりました。


「完成じゃ!!!」


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はい、満足です。一応。

本当に、洋服のことはよくわかんないけれど、コーディネートってば難しい。

ベストが派手なボタンの、しかも妙な形なので全体を地味に合わせるとしても白シャツだと負ける。普通の襟でも負ける。ネクタイも細いと負ける。

負ける、というより、寝ぼけた感じになる。

家にあるのもほぼ全てで試した結果、黄金律が確実にあるな、と思いました。

まずベストありきでシャツとネクタイを考えました。普通のカラーだと、どうしても全体的に負けてしまう。なので襟はウイングカラー、生地も白より個性のあるごく細いブルーのストライプ。ネクタイも織のしっかりとした、半艶に若干太めのネクタイで。

細雪(1983年版)、で説明すると、、、

ベスト→岸恵子(異論あり)だとすると

ネクタイ→佐久間良子
シャツ→吉永小百合
ソムリエエプロン→古手川祐子
見えないけどズボン→白石佳代子

だとすると、

ここには決して佳那晃子さん、根岸李衣さん、西川峰子さんなんかはキャスティングされないのであります。好き嫌いではなく負けてしまうので。



まあ、しばらく試してみます。


***


お店のヴァイオリンが二台、入れ替わりました。弓も毛替え済みピカピカのが合計、五本あります。

震災以来、クラリネットやら順番にメンテナンスに出しています。誰も気づかないようにローテーションでやってます。うふふ。


一番左からヴィオラで、その次が震災で壊れたチェコの楽器ですが、右の四台は完全に調整されてよく鳴ります。

中でも、一番右のドイツ製のは今回かなり良い状態の出物があったのである方にお願いして安く購入させてもらったのですが、弾き込むたびに本当に良く鳴ります。

ヴァイオリン自慢の方はどうぞ、お試しください!



IMG_4976.JPG


クリスマスに階段踊り場で弦楽四重奏で古いワルツやクリスマスソング、なんて考えています。その頃には引き戸を全開にして、階段の蛍光灯には薄いオレンジのセロハンを貼って雰囲気出してね。酔った誰か踊ったりして。

「踊り場」だからいいのか。いや、ダメだろうな。

・・・ってか、踊り場ってなんだよ!?



そうそう、引き戸の工事の件も、業者さんが月曜日、さっそく採寸にいらしてくださいました。これからデザインを考えて設計図を書いてもらい、ドア業者に発注をかけ、施工という流れになります。早くて一か月、もうすぐですね。

目隠しのブラインドはやめて別の方式にします。より自分の思う、古き良き空間に近づければいいんだけれど。



自分の思う環境により自分を近づける作業。



自己実現ってなんだろう、商売と両立するんだろうか。そもそも人生ってなんなんだろう、というテーマで昨日も朝七時まで語ってしまいました。

僕が前から存じ上げるその方は誰もが知る素敵な男性歌手の伴奏も長くなさっている。(僕はもともとその方のファンだったのだが)長い間お話してまたかったのですが、予想に違わずやっぱ素敵な方だった。


異業種の方も同じく葛藤をし、日々決断を迫られている。その濃く熱い話を聞き、自分なりに考え、意見し、共感する時間。

こういう時間は心から僕の糧となります。Sさん、遅くまでありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。


人と語るのは栄養のシャワーを浴びるみたいなものですね。


毎晩、その機会を与えてくれるこの職業に感謝します。




並木、ドアその後。

 
さて、例の並木伐採問題。

直接電話してみたんです、伐採業者に。

そうしたら、「複数の方から反対意見を頂いており、移植か伐採中止の方向を模索している」との回答でした。


やるじゃん!


移植となると季節が関係するようで、冬に行うんですって。まあ、並木は残るに越したことはないけれど、斬られるよりよっぽどマシ。どうか生き続けてほしいと願います。


また何かわかったらここでご報告申し上げます。



***


そして入り口ドア問題。

エドワード鈴木氏の肝入り、ともいうべきご紹介で、とても丁寧な業者さんをご紹介頂きました。今まで見積もりを取ってもらって、そのまま逃げられた4社とは大違い・・。
(きっとレトロな意匠に音をあげられたと想像しています)


さっそく週明けにお会いすることになりました。具体的に進めて参ろうと思います。


今回わかったのは「吊り引き戸」なるものがあるということ。

公共施設などにある「多目的トイレ」に多用されるあのスタイルです。

引き戸なんて・・・ギャグでしか考えていなかったんですけれど、意外と有りです。大家さんにも、階段通行人にも優しい、なにより工期も短く費用も安く済むし、原状回復も楽、工期も意匠も凝れる。

願ったりかなったりの工法です。その分、意匠には凝りまくりたいと思います。

こんな感じで上から吊るそうです。



o0640048012611248947.jpg

1930年代の秘密クラブの入り口のような、重厚なドアをデザインできたらいいなぁ。
それがよこにガラガラッとスライドする。多少変でも、格好悪くたってもいいじゃん。


ドアがお客さんにバコバコ当たるのを見なくて済む営業は、今の僕にとって悲願に近いのです。

今回は逃げないで・・・  業者さん・・。



これはイタリアのハリーズバー。桃とシャンパンのカクテル、「ベリーニ」発祥の老舗バー。
IMG_1175.JPG

こんなのとか。どこかの喫煙室のドアかな。

e4d2394645.jpg


まあ、乞うご期待、というところですな。

お楽しみに!

「おら、あまちゃんになる!」の巻(民宿のススメ)


先日は連休を頂きまして、伊豆の下田は白浜に行って参りました。


もうここ数年毎年お世話になる場所です。砂浜と岩場とが共存し、隣は漁港なので新鮮な魚が獲れる。水が恐ろしく綺麗なこのビーチは、コンパクトながら、僕が海に求める要素が全て詰まった、お気に入りスポットであります。

竜宮島という、江の島の100分の一スケールのおもちゃのような風光明媚な島もあります。


民宿にて。

もうね、こういうボロいのが良いんですよ。これで十分。田舎のお婆ちゃんの二階のような民家のオバハンが経営する民宿。

ここで蚊取り線香をモクモク焚いて、網戸にして眠ります。涼しい上に優しい波の音、眠れるったらありゃしない。

食事つきで一人一泊、たったの6000円。いつか一週間くらい連泊して、でたらめ小説なんて書いて過ごしたいな。

IMG_4846.JPG



遠くに貨物船が見えます。荒井由美さんの昔の歌みたい。


IMG_4847.JPG


さてさて、お楽しみの食事。

6000円とお安い分、食事は追加料理のメニューにあるだけ出して貰いますの。伊勢海老に船盛り、サザエの刺身に壺焼き、、、。だって海辺ですもの、海の幸頂かないと。

そして、一番のお楽しみがこちら。

貝採りです。

雑貝というらしいのですが、商品価値の低い貝を素手で採る、という条件を守れば、密漁には当たらないそうです。狙うは小さな貝類。

伊勢海老やアワビ、トコブシは全くもってNG。わかめやヒジキもダメなんですって。
小さなカニも微妙にダメらしい。難しいな。

各漁協によりルールが若干違うようです。密漁にあたらないよう、宿泊先などにご相談の上、ルールを守って採ってください。



歩いて、竜宮島近くの磯に行きます。採り始めたらあっという間に3時間くらい過ぎる。
元々、日焼けするのが好きなタチなのですが、年齢を重ねるにつれて海にいるのが辛ってきた。しかし、この磯遊びだけは別で時間があっという間に過ぎます。
知らないうちに潮が満ちてきて、ちょっと怖かったです。

捕り方にもコツがあるのです。貝が移動している所を捻じるようにして取ると、スルッと取れちゃいます。逆に止まっていて岩にくっついているのはドライバーがないと取れません。

僕は素手で立ち向かうのが磯遊びの真骨頂と考えております。
貝と知恵比べ、です。


巻貝の癖に恐ろしく早いスピードで移動する。そういうのを狙います。

で、こんなに獲れましたよ

いま流行りのあまちゃん気分、、です。



IMG_4912.PNG

小さな貝ばかり。大きくてもあさりほどもない。これを民宿のおばさんに味噌汁にしてもらいます。

縞模様のが「松葉貝」。この貝はトコブシみたいに片側のみの殻で、大きな吸盤を持ち岩に張り付いています。他に、巻貝めふとイボイボのが「イボニシ」,「イソニナ」や亀の手そっくりなその名も「カメノテ」。

自分で採ったおかずで晩御飯って、素敵です。美味しいのなんの!ダシ汁出まくりです。これじゃ頂き足りない。

IMG_4872.JPG


一人50個ほど頂きました。僕なら150個はイケるわ(笑)

やはりですね、人間の野性というのでしょうか。食い物を採っているときは目の色が変わるようです。特に魚介類が好きなのでかなり血走ってたと思われます。


単純に、楽しいですよね。


奥の巨大サザエはひとつ300円。お値段知っていれば10個はいけたのに。サザエさん大好き。

IMG_4875.JPG


また来年も行きます!!

***


そうそう、今年も葉山の海の家、無事終了しました!


オープンとクローズは海辺でパーティーをしたのですが、各回120人ほど、大盛況でした。

オープニングは僕のアイディア(というかわがまま)で、僕の私物のピアノを砂浜に運ぶ企画にしてもらいました。

男10人くらいで交代で運ぶのですがこれが大変。もう、、、、したくないです。

ピアノを囲むようにBBQ大会。夕日を眺めながら合唱したり輪の真ん中で色んな曲を3時間くらい弾かせていただきました。


写真は午前中のリハーサル。子供が寄って来たり、オッサンが酔って来たり、海は面白いなぁ。

IMG_4345.JPG


クロージングは8月31日。

こちらは海の家を貸し切っての営業。シャンソンのマダムとヴァイオリニストとのクラシック、伴侶のジャズを伴奏して、あとはソロで。暑かったのでかなり息切れしてしまいました。

ビュッフェ形式で、こちらも海を背負ってのピアノ。
僕もいつか同じシチュエーションでパーティーしたいなぁ。

映画「ベニスに死す」みたいに麻のスーツで集まって、ハット被ったままシャンパンのみ、とか。はぁぁ。

一昨日のわたくしは正反対の格好。まあ、気持ちはリド島なんだけれど。

IMG_4904.JPG


普段は県道沿いの海の家で隔週日曜日、演奏をさせて貰いました。

また来年。


ああ、夏が終わる・・・。



夏は僕にとって若さの象徴なんですよね。真夏の太陽がギラギラ輝いていると、毎年童心に帰ってしまいます。

しかし、歳を重ねるごとに段々億劫になってきたのも事実。ここ数年は無理やり予定を入れて、否応なく海に来るように自分を追い込んでたりします。そうでもしないと来られなくなってます。

思い出も、昔のような眩しさはなくなってきています。それだけは、どうやっても止められない気がします。思い出に残るようにするには、やはりアイディア次第なのかと。



来年はもっと、豊かな夏にしたいなぁ。





おしまい


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