久々にラザニアを焼いてみた。



ラザニア、割と好きなんです。

フィレンツェの総菜屋でテイクアウトしたラザニアが、メチャクチャ美味しかったのです。

午後九時、商店が閉まった後のやる気のない総菜屋。刺青だらけのパンク女が嫌々パックしてくれた、あのサビれた店。

期待に反して美味しかった。美味しいなんて陳腐な表現は違う。何というのか、味よりもっと情緒的なもの。



挽肉は、まるで古代の戦士のような無骨で男性的な野性味にして、トマトによって赤く血塗られた勇者の姿さながら。

男に注意深く鼻を効かせると、遥か彼方にナツメグの香りがする。昔、交易で栄えた街に暮らした男の残り香か。これがまたイマジネーションを掻き立てる。

そこへ母性の権化のような美しい純白の生クリームが入ったポタポタのホワイトソースがしっとりと戦士に絡み合う。純白の女性は湯気を纏いつつ、全てを優しく赦し、抱擁する。

いい塩梅の塩加減と固さの平たいパスタが男女を支える。これは小麦そのもの、イタリアの、丘陵地帯に沢山見られる小麦畑ではないか。

こんがり焼けたチーズの表面はまるで情熱的。

黄金に輝く秋の夕焼けの雲が麦畑を覆う。

僕はラザニアに、イタリアの麦畑に慎ましく住まう、男と女の原風景を見た。


要するに旨かったんだ。




最近はイタリアに行くまでラザニアの存在自体、全く忘れていた。

昔はたまに焼いて、バットごと人様に差し上げたりしていたんだけれど、どかく久々に作ってみる。


最近はラザニア用のパスタ、茹でなくていいものが売っているのね。知らんかった。

ホワイトソースとミートソースを作り、順に重ねて上にチーズを載せて焼きます。



んん、うまいっ!



、、、でも、彼の地で食べたそれとは別物。風景が見えない、ただのおかず。

んー、何が違うんだろうね(´・_・`)

食べながら考えてると、だんだん味が分からなくなってきた。ラザニア自体が何なのかもよくわからなくなった。(ある種のゲシュタルト崩壊)そもそも沢山食べる種類のものでもないし、、。


胸焼け。ゲボッ。


なんか違うんだよね。



、、帰ってきて二週間、初めてイタリアが恋しくなった。あの飯の旨い、底抜けに明るい国。

僕の旅はどうだったんだろうか。とくに食文化において。正直、完璧とは程遠かった。

物価の面でもなく、食文化の違いでもない。


僕は何がしたかったのか?を半日くらいボーッと考えると、一つの結果に至る。

それはかなりシンプルな回答だった!!


単純に、イタリアに居ながら日本の鯵の開きと味噌汁、漬物と卵かけご飯が食べたい。

日本にて、向こうの新鮮な手長海老のカルパッチョ、ラザニア、イカ墨パスタが食べたい。


ああ、最高だわ、それ!そして不毛。でも、それが一番しあわせかも。




食い意地とは恐ろしいものですな。



***

部屋が過去最高にモノだらけで足の踏み場もありません。もっと増えたら写真載せます。




今の店舗の使い方。



例えばの話ですよ。

移転出来たとして、今の店舗の使い方が問われます。大家さんに返して手放すことは今のところ考えておりません。

何故かというと、知らずにいらしたお客さんを新店舗に誘導しないといけないからです。張り紙貼るだけでも借りている価値はあります。

あとは勿論、愛着。窓からの景色は我ながら天下一品です。

そこで考えてみました。

飲み屋さんをやってみたい人が何人か(仮に10人くらい)まとまって居るとして。

日替わり一日店長制っての、どうでしょうか。

週末の木曜日から土曜日、夜7時から12時までとか。


客層は問いません。全く好きな人を呼んでください。ただし、本店のキヌギヌとは全く独立した店と位置付けます。(キヌギヌは今まで通り紹介制を貫きます)

ピアノも、シャンデリアも残します。簡単なキッチンもありますので、個人の裁量で簡単なフードも可能。BGMも携帯電話から流せるようになっていますので、各自お任せします。

メニューは注ぐものだけ。赤白ワイン、スパークリングワイン、ソフトドリンクなど。ここも個人の裁量で。

もしかしたら椅子もなしかも。

お客さんの食べ物の持ち込みもOKでもいいです。歌おうが踊ろうがピアノ弾こうが、気ままなBAR。店に立つ人によって毎日メニューも違う、かも。

給料体系は定額の時給でのお支払い、プラス売り上げ**円以上を超えると山分け、とか。

当然、光熱費と家賃、仕入れはこちら持ち、ただし食べ物の売り上げは全てそちらにあげます、仕込みはご自分で負担してね、とか。


おでん屋やってもいいし、ガレットでもいい。シャンパンだけに絞っても結構。

そういう自由なBAR、面白いと思う。毎日、顔が変わるBAR。

自宅開催のホームパーティーとも違うし、かなり個性と客あしらいのテクニックが問われます。

人が呼べるからといって必ずしも成功するとも限りませんし。

普段のお仕事と違い、人や自分と向き合う勉強にもなるかもしれません。(僕も勉強中ですが)

趣味は?と聞かれて「月一度BARをやってます」なんてのもアリかと。

そんな条件で、どの位やって見たい人いますかね?

月一日以上、最低月一度以上が条件となります。


あくまでアイディアですけど。

まずはどの位そういう事に興味のある方がいるのかを知りたいです。

ご興味ある方は直接店主まで。


(ドキドキ)

ガッチリ買いませう



まだまだ準備は続いております。前から目を付けていた商品を、後先考えずにバンバン買う。怖いけど買う。とにかく買う。


しつこいけど、契約まだなんです。色々あるのです。

しかし今から探さないと急では間に合いません。


楽しい筈の買い物、今は薄氷を渡る思いで、ビビりながら買い漁っています。

部屋はピアノに続き、益々ぐちゃぐちゃです。骨董屋で寝泊まりしているようで笑えます。




例の電気の笠。やっと三つ手に入れました。
一つ目。僕の寝室にぶら下がってるの。



二つ目。京都市東山区の洋館の解体に伴う蔵出し(ホンマかいな)



三つ目。東北より通販。




あと一つ、同じものがどうしても見つからない。ネットで検索しようにも商品名がある訳ではないので絞れず、難しい(涙目)


もー、もしも物件決まらなかったら、電気の笠と心中しなきゃいけない。どーすんだよ、こんなもの三つも。


と言いつつ、あと一つを引き続き探すのでした。

椅子は今のカウンタースツールの、同じものの追加の目処もたっています。こういうのは楽だな。

窓側、こちらも既成のもので割と気に入ったロングベンチがありますので、それで宜しい。レザーのみイタリア製の中国製。これを二本繋げると4mの、お客さんの一体感を手助けする雰囲気と同時にお尻の痛くない素敵な座席になります。

このくらいの大きな椅子だと、造作するより買った方が安いとの事。



これは直前に調達する作戦。(今から買うと部屋から出られなくなる)


ベンチが来るとなると今度はローテーブル。ここはアンティークで、違うデザインのものを散らして置きたい、となる訳です。

まず一台。これは今週着予定。オーク材の無垢で、イギリスのものらしいです。足はピアノと同じチッペンデール様式。こちらも京都市より。



これもあと二つは探さないと。

はぁ、何してんのかね。

あと、壁の布も手配しました。赤はやめます。しかしこれが難しい。

紋ビロードというそうです。起毛の紋入りの織物。金華山とも言うらしい。

こちらは大阪より。在庫の反物ごと手配して貰いました。

ちょっと渋すぎるかな。正倉院の古代裂のようにも見えます。間違えると国会議事堂みたいになるかも。

もっと考えすぎると長距離トラックの運転席のヤバい内装みたいになりかねない。

いやいや、怯むな俺。これが一番好きだったから間違いないのさ。



予算的に全面とはいかないので、正面とポイントの壁をこの布で仕上げた後、木製のフレームで囲います。目指すは氷川丸のあの部屋。



床は、小学校の懐かしの木の床。例の懐かしい匂いの油を定期的にひきます。(若造にはわからんだろーな)

これは譲れない、前からの夢でした。

イメージ画像。




、、よく、ロココ趣味のような華奢で豪華なものが好みなんでしょ?と聞かれますが、本当に好きなのはこのローテーブルのような質実剛健で味のあるもの。使い込まれた天板なんかは撫で回したくなります。


お店として個性を打ち出すために、多少濃いめに味付けしたのが今の店の赤い壁とシャンデリア。

本当はキンキンキラキラは苦手です。

次はもっと落ち着いてガッシリした、自分にとって居心地の良い空間にしようと思うのであります。

変に迎合せず、自分本位でいいんじゃないのかな、と最近感じます。




ともあれ、改めて自分の好みを見つめ直してみると、以外と定まってないことに驚く。受けがいいように迎合していたり、嫌われないように遠慮してみたり。人の目が気になるのですかね。


ここは一つ、あえて素直に揃えてみる事にしまします。

ビビりながらも楽しいんですよね。ちょっと変な気持ち。








ホンモノと偽物


先週の終わりに設計士さんと僕の店で始めてお逢いしました。

設計士さんは僕よりお若い、福山雅治似の爽やかな感じの青年という言葉がピッタリの方。
学年に一人は居る、スポーツと勉強がバリバリ出来て、しかも優しくて、何もしなくてもモテるようなタイプの男性。

同性として悔しい(笑)

お店のコンセプトを伝えたいんだけれど、あまり最初から細かくお伝えすると変に思われるかと思い、抑えめのスタート。

にもかかわらず、お店のディティールを詰めるに連れ、嫌でも会話が盛り上がる。それに連れて例のピンポンスイッチや照明、ピアノを弾き語りしたり照明や能管まで全ての手の内を晒してしまった。

ゲラゲラ笑って下さる。おっと、セーフ。


調子に乗ってこちらも、真顔で夜のディズニーランド目指してるとか語ったり。

施工に関する何十という項目を片っ端から潰していく。床、天井、扉、空調、厨房、排水、電気、照明、、、。

壁の仕上げの話になったとき、設計士さんは興味深い事を仰った。


「仕上げにはホンモノと偽物があるんですよ。」

んー、何だろう?

突き板(木を薄くはいだもの)はホンモノ。クロス仕上げも布製はホンモノ。樹脂の印刷シートは偽物。

では塗装仕上げは?

これもホンモノだそう。塗装は立派なホンモノの仕上げなんですって。


偽物は?というと木目シールだったり、そういう安普請な装飾の事だそうで。


「この店にはホンモノしか見当たらないので、なるべくそのラインで行きましょうよ」と。


ガーン!!!

言葉に出来なかった部分が見透かされてる、、。ガラクタ屋敷なりに嬉しい。


僕にはホンモノ偽物という概念はなかったけど、自然と偽物は避けていたのかもしれない。ガラクタばっかりだけど。

あくまで僕の基準だけれど。

電子ピアノは偽物。かといってエレキギターはホンモノだと思う。それでいくとiPadはホンモノかな。

プラスティックパーツのシャンデリアは偽物、プラカップも偽物だと思う。

ガラスのコップでも、割れにくい量販のものはちょい偽物。重くて透明なクリスタルがいい。

でも、プラスティックのピアニカはホンモノ。

アートフラワー、プリザーブドフラワーは偽物、でも動物の剥製はホンモノ。

ビニールレザーは偽物だけど、ポップな色のビニールのレインコートなんかはホンモノだと思う。レザーがあるのにビニールで済ませる安普請な根性が偽物な気がする。



突き詰めて言うと、靴下の穴はナシだけどジーパンの穴は格好いい、そういうことなのか。同じ穴なのにね(´・_・`)

ヒゲはいいけど鼻毛はダメ。これも当たり前で不思議。

森羅万象、無限の事例の上に共通して横たわる美意識。不思議なのと同時に胸が踊ります。


穴の空きそうな靴下捨てようっと。





そんなこんなで語ること三時間半。

かの設計士さん、北京に長くお住まいで、向こうでも長く設計なさっていて、北京語もペラペラらしい。

高回転かつ痒いところに手が届くやり取り、痺れました。


絶対いいお店になるという予感がします。

あとは予算いっぱいで、如何にうまく見せるか。前回は図面も引かず、行き当たりバッタリの工事だったので、全体的な構成が甘かった部分も沢山ありました。

今回は反省を踏まえて、動線が明確に見える動きやすさに加えて、視界の中に黄金律が山盛り詰まった美しいお店にするぞ。


着々と動いております。


気がついたらもうすぐそこまで春が来ていますね。

桜の散る頃には、きっと。















バタバタママ



うー、帰国後もバタバタしてます(汗)


お向かいドトールさん四階の物件、いいニュースを頂いたんですがその後の道のりも平坦ではありません。

事務所用の物件に飲食店が入るのは容易ではなく、日々やり取りをしながらコツコツ進めております。

工程としては

ラフ図面作成
改築プラン打ち合わせ
財務状況の審査
設計士さんに製図依頼
本図面添付にてオーナーさま審査
本契約、支払い
融資審査
施工打ち合わせ
建築資材確保
施工開始
引越し
旧店舗改築
保健所許可審査
法務局、税務署届け出
告知
人を入れて開店シュミレーション
開店

となります。まだ上から4番目くらいなのです。(笑)まだ本契約にさえ至っていません。

またハゲそう。

旧店舗改築、というのは引き戸を持って行ってガラス張りの喫煙室のドアにするのですが、今の物件のドアがなくなるわけです。そこを埋めないといけないわけで。

新店舗もカウンター造作はおろか水周りから防水、防音、二重窓に至るまで一からしなければいけません。


本契約が終わらないと動いた分が無駄になるかもしれないのだけれど、ピアノなんかはすぐ見つかるものではないので先に探して、という訳なのです。今は頭を突っ込んで寝ています。

シャンデリアも子供っぽいので次はやめて、もっと素敵な、大人なのを用意しようとやっと同じのを二つ調達しました。あと二個、、、ドラゴンボールかよ。

全てが組み合わさると、それは素敵な空間になる予定なのですが、、、。

前の密着したコアなノリを失わず、さらにおもちゃ箱をひっくり返したような空間にするつもりです。僕がやるからにはガッカリさせませんよ(笑)







ゆくゆくは新店舗をオッサン熊の(私)内容濃いめのBAR、旧店舗を子鹿のバンビを雇った軽いBARに出来れば、などと画策しております。

軽い、というのは軽薄という意味ではなく、スパークリングとベリーニ、赤ワイン、白ワイン、みたいなライトなメニューのスタンドバーです。内装も軽くします。

夢は広がるんですけどねぇ、なんせお店開けながらなのでバタバタします。


もう一ヶ月半の辛抱。


見ててください。



What's this?







生ハム?






洋服タンス??






あー、やっぱ買ったのね(汗)





はい、五年ローンで買いましたよ。もう金ねーよ。例のいいニュースの為にと死ぬ気で購入を決意。

そう、パーティー前夜にタキシードを探しても良いものは決してすぐには見つからないのです。いつ何かあってもいいように準備しておくべき。




これで悪いニュースだったらどうしようか。


ピアノに赤い番傘付けて、キャスターも付けて新宿でおでんの屋台でもやるかね。

それも悪くないな。


ドイツ製、ベヒシュタインという会社のピアノです。正確には子会社のツィメルマン社。総無垢のウォルナット製(クルミ)です。

気になっていた音はフルメンテナンスで直してもらって、比べものとはならない最高な音色になりました。ハンマー(弦を打つ部分)に硬化剤を注入してもらい、音をよりクリアで硬くしてもらいました。

弦の間にもフェルトを詰めてもらい、余計な残響を残さない処置を施してもらいました。

前とは別物、これはいい買い物です。

後はニュース次第。むむむ。



酔ってます。おやすみなさい。


ただいま帰りました。

帰りはベニスから、気が付けばホテル出てから家に着くまで23時間半もかかってしまいました(´・_・`)

機内食を三回頂きました。って、僕だけリクエストして余ってるの一つ余計に貰いましたw


図々しい。どんだけ腹減ってたんだろ。

予定組む時にわかっていた事なんだけれど、流石にお尻が痛いです。これからは直行便で行こう。

こぼれ話もあるのですが、またいずれ書いてゆこうと思います。


荷物をバラして片付けていたら、アヒルのデキャンタからお水が出てきた。ローマの水道水がまだ残ってた。
ちょっとだけセンチメンタルな気分。地球は広いのか、狭いのか。



とはいえ時差ボケ自体はほぼありません。昼夜逆転生活をしている人がヨーロッパに行くと、マイナス8時間なので、朝七時起きの健康なサイクルに自然となります(体験談)

帰りも、乗り継ぎの合間に仮眠さえ取って調整すれば、また綺麗に夜型人間のまま帰国できます。

逆に僕みたいな生活サイクルでアメリカ方面に行くと見事にグチャグチャになります。面白い。


そして、本日四時からある意味で決戦がスタートです。本日第一回目。はてさてどうなるか、、。

いいニュースをお伝え出来ればいいのですが。なるようになるかな。

少し仮眠してから行ってきます!

今夜も8時からやってます。どうぞご贔屓に。

伊太利亜放浪記その10 フィレンツェ、冷静と情熱のあいだ



酔って余計なこと書いてしまったので一度消しました(汗)フィレンツェまとめ。

10日、昼前にフィレンツェ到着しました。小さな街並みは中世以来の古都の雰囲気が残る、風情のある街。治安もかなりいいらしい。


ドウォーモ、流石の迫力。



街自体は小さく、渋谷の繁華街くらいのスペースに見所が集まってる。

ウフィッツィ美術館へ。ボッティチェリの春、ヴィーナスの誕生が目玉の美術館。

思い切り並んてます。ガイドブックによると、平気で4時間待ちとか、、。みんなネットで時間を予約して、毎時00分と30分に入れる仕組み。(それでも並ぶらしい)


仕方なくダフ屋が売ってる予約券を買う(涙目)
こっちのダフ屋はパスらしきものまでぶら下げて、綺麗なお姉ちゃんが多い。笑顔で堂々としたものだ。

ダフ屋チケットは絶大で、ほんの10分くらいで入れた。



、、、ヴィーナスの誕生、迫力あるなぁ。以外と色がくすんでいるのだけれど、それがまたいい。撮影禁止なので気合を入れて眼に焼き付ける。

その後はまた街歩き。例のポンテベッキオ。

伴侶からリクエストのネックレスを探すも、高すぎ。めっちゃくちゃ高い!!

ちょいと父さん、買ってよ!買ってくんないとアルノ川に飛び込んでやるから。
(これがわかる人はオペラ好き)



川を渡り、うっかり迷う。巨大ななんとか庭園のへりをを延々3時間は歩く。とはいえ迷っても得したような気持ちになるのは何故だろうか。




毎回思うのだけど、こっちの鳥は種類が多くて鳴き声が美しい。聞いていて飽きることがない。




夜、街を彷徨い歩くと、爆音でジャズがかかる店を発見。曲はエラフィッツジェラルドの50年代、ビックバンドジャズ。何故か自分の店が懐かしくなった。



その後もルイアームストロング、エロールガーナー、サラヴォーン、ナットキングコール、、、甘ったるくもエッジの効いた古いサウンドが爆音で流れる。全部持ってる。

音楽は自分を別世界に連れて行ってくれます。まるで家に帰ったような落ち着きと、同時に旅先にいる浮遊感。勿論酒のせいです。

口笛拭いてたらバーテンダーが話しかけてくる。「俺のセレクトが好きなのか?」

好きも何も、自分も日本でジャズの流れるBARをやってる。

そこから意気投合、お互い下手くそな英語で互角に語り出して、僕は彼の機関銃トークを必死に理解する。只今生ビール9杯目。

彼の名前はザノ、26歳。フィレンツェ生まれ。共同出資で、半分は彼の店だそうだ。物乞いが来ても観光客がトイレ借りに来ても友達のように接する。怖いものがないような僕より若い奴。




何で流行りの音楽かけないの?との問いに「うるさいから」

あー、君の気持ちようわかる。


誰も居ない月曜の店で二人で歌い出す。席は離れているけれど、ゲラゲラ笑い出す。歌が詰まれば口笛で会話。

楽しすぎる。もう言葉は要らない。
ビールを消費し、もはやオシッコ製造機と化した僕の体。

冷静と情熱のあいだ。


翌朝起きてまた街歩き。創業800年、行ってみたかった、サンタマリアノヴェッラ薬局。内装がショーケースだらけで、勝手に僕のツボにはまっていたのだ。



わー、写真と同じだ!(そればっか)



蒸留装置やらいろんなものが展示してある。これ真似しようっと。




予想通り、店内は日本人だらけ。こんな事書くと同じ日本人の癖に言えねーだろ!と突っ込まれるのを承知の上で、

旅先で会う日本人観光客が凄く苦手。

皆さん判で押したように同じ抑えめの色の服装にストール巻いてブランド物のショルダーバッグ。きっと地球の歩き方に「温度調節のできるようなストール、盗難防止にショルダーバッグが望ましい」とでも書いてあるのか。

みんな固まって歩き、礼儀正しく、ブランド専門店でお金を沢山使う。

いいんだけどさぁ。

逆に中国の方は、クレパスをばら撒いたような全身原色のオンパレード。赤いスカートに紫のタイツ、黄色いストール。ヒョウ柄のインナーに黄緑のサングラスって人も居た。(謎)声も態度もデカい。

人口が多いからキャラが埋没しないように、そうなるのかな、と、勝手な推測。


ともあれ僕は日本人なのだ。買い物をしなくては。(笑)目指すはリキュール。特にバラのリキュールが美味しくて忘れられなかった。



他にもキニーネ、カプチーノ、チョコレート、サフラン、、、

可愛い!!

えーい、全部下さい!!(日本人)


100ml入りの小瓶を全種類を大人買い。空港で免税手続きをすれば一本あたり2000円少し。これが銀座店で買うと5775円に跳ね上がる。いい商売してますな(´・_・`)

500mlの大瓶のがお得なんだけれど、流石に持って帰れない。すでに古代ローマの兜とアヒルがトランクを占有しているから。


いずれ、店の棚にライトを灯して並べます。商品として売るかどうかはまだ考え中。すいません。


さて、これからフィレンツェを出て再びベニスに向かいます。イタリアはあと一日の滞在。

明日は早朝、3:58の水上バスにて空港へ。トホホ。


もうすぐ帰りますよ!

伊太利亜放浪記その9 アヒルのデキャンタと教皇お出まし編



しつこくアップしてすみません。僅かなやり取り以外、誰とも話してないのでブログ書くのが唯一のアウトプットになっております。

本日ローマ最終日。今日は朝から蚤の市(通称泥棒市)に行ってきました。場所はポルタポルテーゼ界隈。

朝七時に出発、面倒なので初タクシー。大体1200円くらいかな。

あんなにビビりまくってたのに、電車のチケット買うのもタクシー乗るのも、最早なんの躊躇もありません。
座って「ポルタポルテーゼ!ペルファボーレ!!」と叫べばすんなり連れて行ってくれます。強めに抑揚をつけると尚更上手く伝わるようです。

川沿いの道にマーケットが立ち並び、ウンザリするほど長い市場。



蚤の市とはいえ、殆どが衣類や金物、調理器具。ローマっ子の日常生活のマーケットって感じかね。
期待の骨董はポツポツしかなく、ちょい期待はずれ。ほとんどガラクタの類。




中でも、一つだけいい買い物が出来ました。アヒルの形のデキャンタ。ワインのオリを取る為のポットです。

交渉して18ユーロ、2500円。これはいい買い物!ハンドルと口のところがちゃんと銀メッキになってるし、メッキもほぼ浮いてない。まだ長く楽しめそう。



道すがら、オレンジジュースを売る婆さんがウインクしてくる。強烈なダミ声。
この機械、かわええ!欲しい!!!


上からオレンジを入れると勝手にカットされ、絞られるようです。


不思議な機械ですこと。



真っ赤なオレンジジュース、2ユーロ。もの凄く甘くて美味しい。

いつかこの機械を買って店でミモザパーティーしよう。


近所のトラットリアでカルボナーラ。日本のとなにが違うのか、麺がモチモチしてて、よく味が馴染んでいる。しかしもたれない。今回一番旨かったな。



そのまま徒歩で3度目のバチカン。歩きどおしで二時間かけて着く。システィーナ礼拝堂はお休みなんだけど、お目当てはローマ教皇のお出まし。広場の窓からお説教なさるのです。

丸い広場は既に満員、そして興奮状態。



そして正午ちょうど!



ついにお出まし!!広場は大歓声に包まれ、大きな拍手が起こる。そっちの方が凄くて鳥肌が立ってしまった。

限界まで拡大してみた。




僕には解らないが、有難いお言葉の数々。ありがたや。


朝早かったので一旦ホテルに戻る。さっきのアヒルちゃんをよく洗って、ファンタオレンジを入れてみた。

中々いい買い物でした。黙ってたら高そうでしょ?



窓を全開にしてファンタをゴクゴク飲み干す。


イタリアは何を食べても美味しいなぁ。



明日からフィレンツェです。


お店は月曜日もオープンしています。僕は今週金曜日帰国で、その夜から開けてます。

どうぞ両日ともお待ちしております!



追記

楽天市場で検索したら、オレンジ絞り機売っていました!ライムも搾れるそうです。モヒートもガンガンいけますね。

35万円。誰か買って下さい。




デザイン、ローマで見たのより可愛くないですね。コンパクトなんだけどグッと来ない。なんでかな。


伊太利亜放浪記その8 ローマ買い物編



今日は朝早く起きて再びバチカンへ。一応カトリック教徒なのでした、私。

ここは行かないわけにはいかない。ローマ巡礼は歩くと相場が決まってるんだけど、このところ歩き過ぎて足が痛いので周回バスを使うことにした。

何でも、見所を殆ど抑えてるバスが15分に一本出ていて乗り降り自由だそうな。一日券で18ユーロ。市内をぐるっと輪のように走っているので、路線図をチェックする面倒もないし、僕向き。



二階は屋根なし、こりゃ最高だ!!



一路、バチカンへ。今回の目標、サンピエトロ寺院でミサを受けることにしていたのですが、上手く行くかどうか。日頃の不信心が総本山で浄化されることを願って。そして良いニュースのお礼と、それが上手く行きますように。

来たー!!ドゥォーモ。(ドゥォーモと聞くと毎回、芳村真理の顔が浮かぶ)



しかし凄い行列。多分一万人くらい並んでる。もっと早く起きれば良かったが後の祭り。


二時間以上並びました。いつもこんなに混んでるのかね。

中に入って一枚だけ撮影。ごめんなさいね。



奥に向かって左手、ミサやってます。ここは信者だけのコーナーで、入る人は係りの人に何やら聞かれてたんだけれど、正面から挑む。

十字を切って手を組むとさっと入れてくれた。コントみたいなジェスチャーだけど通じたね。


聖体拝領も無事終わり、ミサ終了。久々でした。また日本に帰ったらミサ行こっと。


ひたすら並んでミサを受けたら完全に時間オーバー。走ってバチカン美術館とシスティーナ礼拝堂に向かう。


あれを見なくてはいけないのです。あれ。



しかし、三時間待ちとの事。えー、なんでこんなに混んでんの?!
サンピエトロでも散々並んだし、計5時間も待てないよ、、。


泣く泣くバチカンを後にしました。

その帰り、、。露天の土産物屋でこんなん売ってた。

んー、125ユーロか、高いわ。フン。




欲しいけど帰ろっと。


気を取り直して周回バスでトレビの泉に行こう。ここもお決まりローマコース。

雨降って来たけど、いざ泉へ。



わー、写真と同じだ!(ってかどこもそうなんだけど)
日本人だらけ。みんな背中向きにコイン投げてる。恥ずかしいから早く帰りたい(笑)





その後もバスにてモヤモヤモヤ。

あの古代ギリシャの兜、諦められない。

いつもの欲しいものを迷う時の、天使と悪魔の囁き。

「何に使うの?置く場所あんの?」
「ローマといえば兜でしょ、普通」

「法螺貝の時と同じじゃん!」
「むしろ法螺貝と合うかもよ?」

もはや、どっちが天使かわからない。


、、、、。結局ホテルまで着いてしまった。


ホテルでテレビを見ながら今一度考える。
んー、もう一回行って値切ってみよう。値切れたら買う、に一票。

それがいい!





ふー、ローマって疲れるわ。



バチカンのさっきの店に戻る。「オー、ジャパニーズフレンド!グラディエーター!!」

覚えられてる、、。

思い切り値切ってみる。ノーノー、ニェンテ。いやいや、ディスカウントプリーズ。

80ユーロ(約11000円)で手打ち。




しかしブスだなー、ワシ。顔色悪いし、戦ったら最初に殺されそう。




まあいいや。日本に帰ったら家で古代ギリシャごっこしょう。シーツ巻いて鍋の蓋を盾にして。


「賽は投げられた!!」(38歳・サービス業)




しかし、どっかで見たな、と思ったら、、





ああ、これだった。


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何不自由ない造り酒屋の娘茜は幼き日に目を患い、その時連れられて聞いた文楽、露澤清太郎が奏でる三味線の音に恋をしてしまう。大正から太平洋戦争後にかけた女の一大抒情詩。乗馬を好む娘、宝石や宿屋を惜しげもなく買い与えるおおらかな母、その後の茜の命を賭けた壮絶な苛めとの戦い、本物の芸に賭ける壮絶なエンディングと、読みどころが随所に散りばめられた文句なしの女流文芸娯楽作品。

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悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))
悪女について (新潮文庫 (あ-5-19)) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
公子という一人の貧しい女が中華屋の仲居からスタートして何百、何千という嘘を重ねて戦後の混乱期にのし上がる様を描いた作品。嘘を重ねると言っても、無論、それだけでは決して成功はしない。夜学に通って簿記の試験をパスし、自らの美貌を磨いて出会う男を翻弄し、汗まみれになり生き抜くさまは寧ろ潔い。とある事件後の週刊誌記者による聞き取り調査と云う一風変わった文体で綴られる全編は、時を忘れ、あっという間に読めてしまう。中でも、登場スr数々の大粒の宝石の描写は秀逸。「取材魔」の異名を取る有吉文学の中でも比較的軽めな現代もの。特に初心者にお勧めの一品。

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女系家族〈上〉 (新潮文庫)
女系家族〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
山崎 豊子
船場に続く大商家の物語。入り婿の父が突然亡くなり、残された三姉妹が遺産相続を期に豹変を始める。狡猾な大番頭、突然現れる妾の存在に、三姉妹は関係を結んだ男の入れ知恵や様々な駆け引きを繰り返し、遺産を減らさぬよう奔走する。団結した三姉妹と叔母が妊娠したと思しき妾を抑えつけ、懇意の医師が器具を用いて検査を始める妾宅での描写は、昭和女流文芸史に残る陰惨な情景と云えるだろう。

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昭和初期の船場に三代続く女系の老舗足袋屋に生まれた男の半生を描く。女親に反発するかのように愛人を4人も囲いながらも商売に精を出す主人公。迎え入れた新妻の妊娠を探るために肥溜めを棒で掻き回す姑と大姑の陰惨な嫌がらせ、襲名披露の配り物がたった足袋一足だと聞いてケチだと馬鹿にする参加者を尻目に、実は踵の留め金具が純金製で帰宅した一同を仰天させるエピソードなど、船場の粋と意地が詰まった珠玉の作品。

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針女 (新潮文庫)
針女 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
出征した帝大出の弘一が残した青春の遺書を胸に、パンパンや闇成金の持ち込む針仕事に打ち込む孤児の清子。彼女は過去に踏んだ針が体を周り運悪く跛(びっこ)になるというハンディキャップを持つ。復員した夫は戦争のせいで性格が豹変しており・・。パンパンや気違いといった現代では禁止用語の登場人物が行き交い、戦後の混乱期をそのまま原稿用紙の上に広げたような生々しい作品となっている。

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連舞 (集英社文庫)
連舞 (集英社文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
昭和初期の日本舞踏の一大流派、梶川流の栄枯盛衰を描く。先代家元の妾の子に生まれながらも伸び悩む自分の踊りの才能、踊りの天才と謳われる性格の悪い妹、妹しか愛さない母に悩まされる青春時代。しかし、GHQ接収後のアーニーパイル劇場での歌舞伎ショーにてストリップを強要され、大逆転の末成功となり、家元夫人にまで上り詰めてしまう。忌わしい過去と出自に翻弄されつつも、過去をねじ伏せるかのように踊りに邁進し、遂に芸の道に境地を見出す主人公、月の直向な横顔が涙を誘う。

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明治のお嬢さま (角川選書)
明治のお嬢さま (角川選書) (JUGEMレビュー »)
黒岩 比佐子
明治期の令嬢の実態を探る。たしなみ、学力、美醜の葛藤、結婚生活まで多岐にわたる。面白いのは多くの令嬢は今と変わらず贅沢品に執着したらしく、友人の持ち物を嫉む生々しい手紙なども解説入りで紹介されている。その他、当時の流行の髪型や美人術、痩せる薬などの広告資料も収録。

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宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして
宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして (JUGEMレビュー »)
高谷 朝子,明石 伸子,太田 さとし
千代田の森の奥深く、宮中賢所に57年お住まいの神職の女性の半生を描いた作品。下界と分断された森の中で祈りを捧げる日々。厳格な穢れの区別(下界のものに触れると潔斎しなければいけない)、四足のものは食べてはならない、毎朝数時間かけて髪おすべらかしに結うなど驚愕の生活と共に、日本古来の自然に寄り添った質素な習慣を紹介する。

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朝香宮家に生まれて
朝香宮家に生まれて (JUGEMレビュー »)
北風 倚子
渋谷・松濤の鍋島公園一帯は戦前、広大な鍋島侯爵邸であり、著者の住まいであった。大空襲で火の海になった屋敷を逃れ、昭和という時代を生き抜いた、旧華族のお姫様の生涯。

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社長 島耕作(8) (モーニングKC)
社長 島耕作(8) (モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
弘兼 憲史
言わずと知れた島耕作シリーズ単行本。長い経緯はさておき、弊店が表紙になっております。店主もタキシードでモデルを致しました。
是非お買い求めくださいw

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梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
小田部 雄次
佐賀藩主鍋島家令嬢伊都子。彼女はのちに梨本宮に嫁ぐが、明治から昭和に渡って77年間日記を残していて、その様相は「書き魔」と言わんばかり。初の洋行先のパリで買い物の様子や婚礼、即位式などの華やかな思い出を経て、戦中戦後の倹約の様子や時代に対する落胆ぶりなど。往時の匂いが漂ってくるかのような生々しさ。著者、小田部雄次の解説が当時の世情をわかりやすく補ってくれる。

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写真集 酒井美意子 華族の肖像
写真集 酒井美意子 華族の肖像 (JUGEMレビュー »)
酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

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極楽商売―聞き書き戦後性相史
極楽商売―聞き書き戦後性相史 (JUGEMレビュー »)
下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

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 (JUGEMレビュー »)

京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

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芝桜〈上〉 (新潮文庫)
芝桜〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

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書いた記事数:1517 最後に更新した日:2024/03/25

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