締太鼓着きました



昨日は女子都議会議員のヤジの話を割と頑張って書いたにもかかわらず、朝読んで恥ずかしくなって消してしまいました。

どうして夜中に書いたものを朝読むと恥ずかしくなるのか。ラブレターなんかもそうですけど、永遠の謎です。



さて、屋形船用の締太鼓、到着しました。





思ったより本格的なのが届きました。音も、田舎の村祭りのようなノンビリしたいい音。屋形船にはピッタリですわ!


大切にケアしながら使おうと思い、ネットでメンテナンスを調べたら、、、。


毎回使った後は必ず紐を緩めないといけないらしい!


えー、面倒だよなぁ。皮が伸びるから仕方ないんだとか。



しかしこれが中々難しい。というか素人には無理。紐にかなり摩擦があって、そんなに簡単にキュッとは締められない。順番に送りながらえいっとやるんだけど、3周目くらいにやっと形になってくる。手も痛いし汗だくになる。

それでもテンション的にはまだまだ足りない。お能なんかで「コン!」と痛快に鳴るあの音には程遠い。



店でパッと合奏するのは難しいかもしれません。また浴衣の営業とか、何かのイベントの時にはお三味線を交えて派手にご披露出来ればと思います。



楽器のケアってのは中々手が掛かるもんです。ピアノは4ヶ月に一度くらい調律してますし、管楽器もリードを買い足したり、キーをまめにチェックして、ハープも週に二度くらいチューニングして、たまに弦も切れるし。ヴァイオリンなんかもよく弦が切れます。

でも、アナログってのは良いもんです。心が通う気がします。電子ピアノなんかは弾いてると疲れますけど、生のピアノは狂ってきても何と無く心地が良いもんです。

そんなこんなで締太鼓はハープの下にこっそり収納されました。







屋形船、早くも46名のご参加連絡を頂きました!大きい船ですので人数的にはまだまだいけます。ご参加の方はご連絡お待ちしております。



何度も書いて恐縮ですが、出来ましたら七月頭くらいまでの前払いでお願い致します。(汗)


それでは良い週末をお過ごし下さいませ。




西部劇のあれを食べたい!



昨日家に帰ったらBSで「明日に向かって撃て!」をやってて、ついつい朝まで観てしまいました。

(米・1969年)



ポールニューマンとロバートレッドフォード扮する強盗コンビが、銀行強盗や列車強盗を繰り返す、いわゆる西部劇。

好き放題を繰り返す二人に、遂にある大物が怒り、有名な殺し屋を雇って二人を追跡する。

結果、二日も砂漠を逃げ伸び、最後は決死の勇気で滝壺へ飛び降りて、命からがらアジト(女の家)に逃げ帰る。

「おい、飯はあるか?」と催促して出てくるのが、ボロい鍋に入ってる謎の豆のシチュー。お玉で救ってもモッタリと重く、お玉から離れない。

ブリキだかのお皿をカンカン鳴らしながらガツガツ喰らう二人。


あのモッタリしたやつ。何だろか。



んん、どーしてもこれが食べたくなった。


というわけで起きてからネットで調べる。一番可能性が高いのはポークビーンズという食い物らしい。大豆と塩漬け豚肉のシチュー。その次にチリコンカン
こちらはインゲン豆とチリパウダー、やはり肉。

ネットを探していると西部劇ではもっぱら前者のポークビーンズを食べていたらしい。缶詰を煮ただけなので皆相当ウンザリしたそうな。

確かに大豆は退屈そうなので、チリコンカンと中間の料理を作ってみることに。


材料

何かの肉のミンチ
ヒヨコ豆
インゲン豆
大豆
ジャガイモ
玉ねぎ
ニンニク
ホールトマト
ケチャップ
チリパウダー


ニンニク、玉ねぎを炒めて豆を入れ、トマトの水煮とスパイスで煮込むだけ。



んー、雰囲気出てきた。西部の乾いた地面の匂いがするぜ。





お味は旨いけど、ちょっと上品かな。もっと雑でもいいかも。


っつーか、雰囲気がほぼ全てを決定するんじゃないか、この西部劇メシは。

本当にアメリカの西部で焚き火で料理して、たまに馬の鳴き声や銃声でも聞こえたら雰囲気出るんだろうな。




なかなかこの方のようにワイルドにはなれません。





夏支度その1



屋形船、沢山のお問い合わせを頂戴いたしております。参加希望が既に30名を超えて参りました。船は最大80名程乗れるそうなので、当初50名の所を今回60名さま程度に枠を広げて募集する事にしました。

そして、屋形船という性質上、乗船前にお代金を頂戴する形を取らせて頂いております。出来ましたら7/10辺りまでに現金でお支払いを頂けると助かります。

来られそうにない方には振り込み先をメールさせて頂きます。

尚、お料理の発注など有るため、キャンセルが出来ませんので、そちらも合わせてお願い申し上げます。

面倒ですがご協力の程、宜しくお願いします。



さてさて。



キヌギヌの夏は暑い。本当に暑いのです。

9畳ほどの所に我々を含めて18名程が詰め込まれるのです。そこへ冷蔵庫など、熱を発するモノが4台もあります。

そりゃどんなにエアコンつけても涼しくなる筈もないわけで。

その中で、エアコンを中心に何とか風を回そうと毎年工夫しております。


エアコン前に扇風機を一台、これで客席に向かって風をおくり、その後一番奥の扇風機で僕たち側に風を送る。

その奥の扇風機のパワーがここ数年弱いので、大きいものに替えてみました。





んー、メチャクチャ涼しいんだけど、、、、。にしても勢いで買った白。思い切り周りと合わない。二日過ぎても気持ち悪いので、思い立って買い直し。

白は自宅に下げます。


えっと、何色がいいか。ブラウンか黒あたりか。





かなりイマイチ。アンティークのカッコイイのが良かったんだけど、バカ高い癖に昔使ってて火を吹いたのでこれは却下。





しかも、こーいうのって最低六万くらいするの。もっと現行でいいデザインの、無いかね。


無い物は作る主義。というわけで自分で塗装してみよう!!


世界堂に「メッキ調スプレー 真鍮カラー」というのが売っておりました。




台所でスプレーしてみました。ガス凄いんだけど。オエ。




おお、良いじゃん?


店とも調和します。



去年よりは少し涼しくなると思われます。どうぞご贔屓に!


7/14は店内メンテナンスの為、お休みとさせて頂きます。どうぞよろしくお願い申し上げます。


キヌギヌ初の試み、屋形船遊覧宴会開催!



来る7月27日(日)、キヌギヌ初の屋形船乗船企画を行うことに決まりました!



本職のお三味線、長唄と舞踊の方を3〜4名お招きしまして、賑やかに参ります!!






(写真と当日の模様は異なる場合がございます)





最初はド派手にお三味線3丁と唄、締太鼓(予定)によるお囃子からの乾杯に始まります。


私、勢いで入門用締太鼓を買いました。これから当日まで特訓です。




日本古来の伝統的な接客業の街よりお招きした、お姐さんによる日本舞踊などを観て頂きながら、夏の風情を楽しんで頂きます。


窓を全て開け放ち、生演奏を他の船に見せびらかしながらの遊覧を予定しております。σ(^_^;)



後半はカラオケ大会となりまして、普段店にはないカラオケによる、本性剥き出しの「のど自慢」で盛り上がって頂こうという趣向となっております。


お料理は先付け、刺身、揚げたての天ぷらを予定しております。お酒は飲み放題となります。



他の船では味わえない、キヌギヌならではの豪勢な「江戸の粋」をお楽しみ下さいませ。



7月27日(日)18:00から20:30

船名 第六網さだ丸

料金 12000円

(お料理、お酒、歌舞音曲並びに消費税込み。なるべく多く参加して頂けるよう、諸々キヌギヌで負担します!)

出発地

月島 越中島桟橋(地下鉄月島駅から徒歩7分)リンク

お料理

口取り各種、刺身、サザエの壺焼き、蟹姿盛り、天麩羅、巻き寿司、アサリの味噌汁など

お飲み物

各種飲み放題


乗船時間は2時間30分程度
定員は演者を除く50名程度

現地集合、現地解散となります。





折角の和の雰囲気に合わせて、浴衣でのご参加を推奨致しております。


予めお料理の人数を出さないといけませんので、料金は前払いの上、7月20日締め切りとさせて頂きます。


どうぞお誘い合わせの上、振るってご参加下さいませ!

そうそう、英会話レッスンを始めたのです。



二週間前から、新宿御苑近くの先生に習い始めました。日本人で髭で坊主の優しそうな先生。

最初はしょうじくんが見つけたのですが、僕も横から割り込んでレッスンを受けることにしました。

日本人の先生に習うのは高校以来。ネイティブスピーカーがいい、とか、英語の空気に馴染むため、など外国人の先生を勧める学校が多いですが、この先生はその固定観念を壊してくれました。


話せるのと教えるのは別の能力、だそう。


なるほど納得。


そして既に三回通いました。まずは基礎、、基礎。もうド頭から始めようと思いまして。

当たり前だけれど、予習して行かないと大変な事になります。


「それらは貴方のペンですよね?」などの例文を用いて、単数、複数、付加疑問文やら、一から全部やり直し。

毎日予習、家や店で復習してからレッスンへ。こんなに簡単な例文でも、矢継ぎ早の反復練習は中々大変。

英語を話す人はこんな大変な事をやっていたのか、、、。頭が下がります。


でも、ピアノ弾くのと同んなじで、英語も基礎理論と応用の学問だと思うのです。最初は暗記と反復練習、そして慣れたらアレンジへと。

基礎をしっかりやって身に付ければ応用が効く。そうなるともっと楽しくなると思います。それまでは頑張るか。



今日は朝九時に起きまして銀行関係を済ませた後、高円寺の奇跡の名曲喫茶、ネルケンに来て勉強しております。




今日は店内に会話をしている人がいる。逆にここでは違和感がある。それも老いらくのアベック、ぺちゃぺちゃ話すの。うるさくないけどかなり気になる。

店主である皇后陛下似のマダムは知ってか知らずか、カウンターの奥にいらっしゃる。



何やら70代と思しき男女が、かなり艶っぽくお互いの生き様を聞きだそうとしている。

話の流れによると、これは初デート、初リアルに違いない!ふむふむ。

しかし、話は核心へと導かれず、常に子供の愚痴と病院の愚痴話にそれてしまう。

しかーし、最後にご婦人が意を決して、「ウチにもいらして下さいね」と恥じらいながらのトドメ。

わー、やったね!(笑)しかし2人で何するのかね、ドキドキ、、、。


って、ちっとも集中出来ないじゃんかよ!!!



家帰ってやろっと。






日本語に『愛』という概念が薄い明治の頃、愛という言葉を訳すために坪内逍遥は「死んでもいい」と訳したそうです。

後年、夏目漱石は「今夜の月は綺麗ですね」と、訳したとか。両方真逆ながら、その概念を上手く説明出なさってます。素晴らしい。



古風な喫茶店、可憐なマダムとチャイコフスキー、愛を語る老いらくのアベックの中で、静かに英語を学ぶわたくし。


何とロマンティックな休日の昼下がりではありませんか。


ちといい気分。



あまり店であったことを書くのはよくないんだけれど、特定されない自信があるので書いてみる。


昔仲が良かったんだけれど今は連絡を取っていないお二人が、僕の店でバッタリと再会された。


しばらくは挨拶を交わされませんでしたが、やはりここは、と思い、他のお客さんの乾杯に乗じて「はーい、乾杯ー、ほらほら、乾杯っ!」とお二人に無理やり促した。

しばらくすると、何かが押し流れるようにお二人に会話の火が灯った。


僕はこういう手を『大阪のオバハン作戦』と名付けている。後先や雰囲気一切を無視したオバハンならではのアプローチ。

オバハンは時に役に立つのだ。まるでギリシャ悲劇に登場する、交通整理役の神のように。



お二人と入れ違いに来た某君は、理由があり今日きっかりで会社を辞めた。お祝いに帰り道、博多天神でラーメンをご馳走した。

僕はネギラーメンにニンニクを大匙4杯も入れてガツガツ食べた。二人でいろんな話をしながら、とても美味しく食べた。

そう、ニンニクを食べた翌火曜と水曜日は僕はお休みなのです。


前出のお二人にも、某君にも、そして僕にもそれぞれに人生がある。そしてたまに節目があり、僕はたまたまその前に居る。



ふと、惑星が直列するような錯覚に陥る。

飲み屋の主という仕事は、天体の定点観測の番人のような仕事なのかもしれない。


そして僕という星は、何故だかアルコールの海に浮かぶネギで覆われた大地に、大気は強烈なニンニクガスで包まれている。

奇妙な星だけれど、それは紛れもない僕の星なのだ。


あまりにニンニクが効くので、近くのコンビニで飲むヨーグルトを買って飲んだら驚くほど胃がスッキリした。おお、これがミルキーウェイか。


さて、明日の休みは何しようかね。



三越食堂 舌平目のボンファム


今日はお客さんの出演する舞台を見に三越劇場へ。

舞台自体も素晴らしく充実感した気分の、まま三越大食堂へ。

今日は和食ではなく、二日前から決めていたあのメニュー。まさかカロリーなんか気にしない。


それは、舌平目のボンファム!!!




ボンファムとは貴婦人という意味らしい。

東京会館で、大正11年の婚礼メニューに既に登場していたという、西洋料理界のシーラカンス。


ヒラメの舌平目を白ワインで酒蒸しした挙句に、生クリームとバターたっぷりのホワイトソースで閉じて、さらにグリルしてある。

きっと1900calくらいあります。マッシュルームと細かく刻んだエシャロット、おまけにフランベされたブランデーのそれぞれが香り高いのであります。

同じものを丸の内の本店で食べると、4500円くらいか。こちらは三越、サービス料無しの上、ライスかパンまで選べて、その上本店で食べるより1000円安いのです。

値段よりも何より、人目を気にせずラフに食える。ライスと共にガッつける。これは大きいです。

何が美味しいかって、とにかく濃厚なんですよ。ソースにバターと生クリームがこれでもかって程入っていて、濃厚。滋味とはこの事であります。

ひとたび口にすれば背筋に電流が流れる。二口目には目が眩む。三口目には恍惚の世界が待っております。

とにかく、名曲喫茶ライオンよりも生ウニより、水槽のある舞台よりも早くオルガスムスを迎えられるこの脅威の一皿。

歴史を舌で感じることの出来る、これぞ味覚の歴史絵巻。

死ぬ前に食いたい、いや、願わくは死にながら食いたい。墓石に塗り込めて欲しい、そんな一皿でありました。

是非お試しあれ。

仰天の野外劇、水族館劇場




まずはお知らせ。

定休日なしの営業からひと月余り経ちましたが、お陰様で安定して参りました。

来週より、僕のお休みの日が水曜日に戻り、固定になります。

月曜日はしょうじくんのお休みとなり、火曜は隔週で交代しながら勤めさせて頂きます。

9年間水曜日をお休みしていたこともあり、生活サイクルが決まってしまっていたんでしょうか。水曜日に休むほうが上手く回りそうという理由です。


どうぞ宜しくお願いします。



さて、ある方のお勧めで野外劇を観に、三軒茶屋の太子堂八幡神社までやってきました。

この水族館劇場という劇団、1989年結成でして、団員自らが鉄パイプで基礎を組んで、全国各地で公演しているという、流浪の劇団だそう。

ここからは過去の映像でお送りします。当日は勿論撮影禁止。

去年の映像です、ご参考までに

一番の見ものはその演出で、舞台上手と下手に盆があり、それが回転すると瞬時に舞台転換されるというもの。
去年の映像なんですが、セットがクルリと回ると満席のカフェになる。ヒー!!




その中間には巨大な水槽があり、人が飛び込むは、水は吹き出すわ、、。
最後には天井に溜めた水が数トン、一気に落下してくるそうな。



その後、沈められた船から宙吊りで上がってくるヒロイン。



やりすぎだろ。




期待を膨らませていざ伴侶と。カバンには缶ビール、ワンカップとスルメ、魚肉ソーセージ。僕のアングラ劇団のイメージ。



前狂言があり、サブの舞台が設置されている。ここは客席外なので無料。

生バンドが演奏する中、舞台に灯りが灯される。
宙吊りの女に気によじ登る狩人、ロシアの民族楽器を弾きながらブランコで登場する女、生きたフクロウがいるわ、終いに水が吹き出して滝が出来たり既にここが大スペクタクルになっている。


中は、、、もう凄いことになってる。

パイプを組んで高さ15mという小屋には客席がビッシリ並んでいて、幕が降りている。客を、軽妙な会話で隅にまで詰め込む。通路にも詰め込む。サイドの天井桟敷にも詰める。これだけでも凄い見もの。




そして舞台開始。

幸運にも一列目の下手端。こんなとこ水がかかるじゃないか!(実は嬉しい)


革命迫るロシア、東北の寒村に住む気狂いの兄妹、時代を超えた盗賊の一味とカラフトフクロウの化身という魔物の女。
これらが錯綜しながら、物語が進んで行く。

レトロな映画館のある寂れた東北のシーンから、例の盆が高速回転して、あっという間に雪の降るロシアの風景に転換したりする。手作り感満載!

霧が舞台を覆い、床下からは噴水のように水が吹き出している。

盆が左右に割れると巨大水槽が現れる。


ラストは数トンの水を天井から落としてのクライマックス。

舞台の奥が開くと実際の神社の境内の坂の途中。傾斜に向かって女の乗ったソリが登って行く。

それをよそに、フクロウ女は宙吊りで登場して締めの台詞を言う。


こんなの観たことない!!


本音で言うと、ストーリーは広がりに広がりを見せ、僕の想像力では補いきれなかった。つまり筋書きにはイマイチ付いていけなかった。

途中から、僕は詩を聞いていると思うことにした。美しい言葉の羅列と目まぐるしく変わる大道具に、遠い昔の夢を見る。

なかなかこんな芝居は観れないな、、と興奮しながら拍手していると、主催者から今回で大掛かりなものは一時休業となる旨を伝えられた。

やはり各種の決まりごと、消防法一つとってみても明らかに、、、ですもの。
どんどん規制が厳しくなっているのか。
誠にさみしい時代です。



いつか次の店に移転出来たらカウンターの内側に盆をつけよう。


普通に営業しているその時。
普段のバックバーが180度クルリと回転して、その裏側は舞台になってたりして。

そこに、脇から生音をつける。タンゴとか、オペラもいいな。


あー、何かしたくなってきた。どーしよ。ラフで図面書いてみるか。



昭和レトロ探訪 高円寺ネルケン



またまたやって参りました、レトロ探訪。

今回は新高円寺にあります、名曲喫茶ネルケンさん。

商店街を少し脇に入ったところにあります。



お店は一戸建てで、植え込みがとても可愛らしい。これはもう、素敵な予感。


ドアを開けるとやはり想像通り、いつもの好きな匂い。名曲喫茶ライオンやベニスのホテルでも同じ、50年以上の建物が持つあの香り。


うう、、、まだまだ東京は広いぜ。




奥からマダムが出ていらっしゃる。

高貴というか、形容し難い上品さを持ってらっしゃる女性。

白髪の混じった髪をふんわりと結い上げ、華麗な物腰でオーダーをお尋ねになる。

皇后陛下と草村礼子さんを足して割ったような(不敬ですが)たおやかなマダム。水面に映る月光のようなお声。


まずはコーヒー、そしてお替わりにクリームソーダを注文させて頂きます。

高貴でいらっしゃるのに、動きは実に素早い。


こちらも、もれなく誰も会話などしていない。





ライオンと同じ喫茶店、長い歴史とクラシック音楽、しかし両者は全く違う。

古い録音のアリアを浴びながら何が違うのか考えてみた。

活けた花に例えてみると、渋谷のライオンは、枝振りの良い緑の松をどっさり活けたような重厚で男性的な無骨さ。


こちらはやはり、かのマダムの世界。薄い紫のオールドローズの一輪挿しって所か。



んー、両方好きっ!!別物だわ。


高円寺を訪れらた際にはぜひ一度、いらしてみて下さい。

そこには童話の挿絵のような内装で、これまた物語に出てきそうな可憐なマダムが居られます。

下品な例えだけど、この現代に壮大なギャグのような、本当に信じられない得難い空間。




また心のオアシスが見つかりましたっ、と。


新宿三丁目タンゴ研究会 始動!



タンゴより先にこちら。

普段あんまりポップスは聴かない、というか聴くことは皆無に近いのですが、最近はまっています。というか聴きながら泣いたりしています。

槙原さんがオーケストラと合唱を交えてやるコンサートで、武道館のもの。

どうしようもない僕に天使が降りてきた

二曲目です。2:50あたり。

尚美の学生さんによる合唱のハツラツとした青春の輝きとか、普段は真面目なのにここだけははっちゃけるオーケストラの皆さん。

見えるはずもないのに必死にハンカチを振り回す妙齢のファンの皆さん。

あとは何と言っても!!失礼だけど、美男子ではない顔をより歪めて心から歌い上げる槙原さんの姿、見ていて涙が出ます。

まるて遠い昔の学生時代、学園祭の焚き火の前で合唱をしているような感覚に陥る。また泣ける。

畜生め!歌っていいなぁ。しかも、こーいうとことんアナログで大仕掛けなのはもっとグッと来るぜ。


話は変わりまして。


うちの店でも、今夜の開店前にタンゴの練習をしました。

ヴァイオリン二台とピアノ、バンドネオン替わりの鍵盤ハーモニカ。本当はチェロも入ります。私、楽譜を書いてみました。

メンバーが全員だと、お客さんは5人くらいしか見られない。いわゆるマンツーマン演奏会になります。

あんな犬小屋みたいな小さい店で、一丁前に並んだストリングスパートが濃厚に絡み合う中で鍵盤ハーモニカがアルゼンチンの悲哀を歌い上げる。それに合わせて寄り添う力強いピアノ。

なんてバカバカしくて贅沢なんだろうと思う。

カラオケもいいけど、僕はアナログで大仕掛けな何かを準備して、人をちょこっと驚かせて、尚いい気分にさせられたら幸せだなーと思います。


しょうじくんもその点をとても解って下さっている様子で、弾き終わった後たまにニヤニヤしてるのを見ると、「あー、この野郎め」なんて僕もほくそ笑んでしまいます。

そして、また次のネタを考えます。



このビデオの槙原さんも同じじゃないかな。採算度外視で大仕掛けして、驚かせようなんて思ったんじゃないかしら。

だとしたら嬉しいな。規模は違うけど。


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酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

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極楽商売―聞き書き戦後性相史
極楽商売―聞き書き戦後性相史 (JUGEMレビュー »)
下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

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京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

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芝桜〈上〉 (新潮文庫)
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有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

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書いた記事数:1517 最後に更新した日:2024/03/25

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