自分にとって関心のあるもの、趣を感じるものを連ねて書く新コーナー、その名も「いとをかし」。
以前に、
バスなんかの押しボタンに惹かれるなどと書きましたが、最近になり、もうすこし広く考えると、とりわけ丸い形状のモノに惹かれているんだなと気付かされました。
それも、いくつか共通点がありました。
放射状(同心円状?)にデザインされたもの。
触感があり、それも比較的独特なもの。
色が鮮やかなもの。
要は僕のフェティシズムなんです。理由なんてわかりません(´・_・`)
まあ能書きは後から。
まずはいつも書く、バスなんかの丸い押しボタン。
押される事だけを追求した、受け身且つシンプルな形状は、まるで受粉の為に虫を誘い込む花のよう。
エレベーターなんかのボタンも例外ではなく、たまにレトロなボタンなんかだと、味わいながら柔らかく押しまくってしまいます。気持ち悪いですよね。
花のハス。特に真ん中の丸いのと、そのイボイボのところ。
可憐な花びらの中央に取って付けたような青い台座に蓮の実。まったく不思議な花です。イボイボを指でいじるとスポッと取れたりします。まるでニキビの芯が取れる時のような爽快さ。
小学校低学年の頃、地蔵盆(京都ローカルの夏祭りの類)で、終わった後にそっとお願いして貰って帰り、解剖した思い出があります。
勿論、花が落ちた後も好きです。乾燥させると中の実が抜け落ちずにコロコロ転がります。いとをかし。
花が続きますが、立ち枯れたヒマワリの種。
丸い台座にびっしりと豊かな実り。秋口など、たまーにヒマワリが立ち枯れているとじっと見てしまいます。萎れて首をもたげたりしていると、見ながらニヤニヤしたりもします。
ハス同様に、毎回種を毟り取りたい衝動に駆られる。
同じ理由で海外のホテルなんかの大きいシャワーノズルも好きです。けど、それはヒマワリを思い出しての事なので、あくまでもヒマワリがメインです。(どーでもいい)
ホーン型スピーカー。四角ではなく、丸いのに惹かれます。
保育園の頃、これを見つめているとゲシュタルト崩壊が起き、気がついたら夕暮れ時だった思い出があります。
百合の花のようでもあり、恐ろしい兵器のようにも見えます。
花で言う雄しべのような棒状の部分、あれは何なんでしょうか。しかもよく見ると先が柔らかく凹んでいます。
羽二重餅をそっと指で押したような甘い凹み。音とどんな関係があるのか。多分ない筈。昔からの小さな疑問の一つです。
しかし、これこそがデザインの豊かさではないだろうか。そうだと嬉しい。いつか識者の方にご教授願いたい。
自然との見事な調和。美しいではありませんか。
どこにでもある銀行の朱肉。黒光りした蓋を取ると中からは目にも鮮やかな朱肉。静かにしっとりと濡れております。
丸い蓋と中の朱肉のコンビネーション。たまにうっとりと眺めて見惚れていたりします。変態。
この斜めの配置もスリリング。そそります。
蓋を開けて、うっかり標語や注意喚起がプリントされていると怒りを覚えます。朱肉の美しさが損なわれるじゃないか。こんなもの噴飯ものです。
注意喚起は窓口の人がするべき。
ついでに言うと印鑑の掃除用ブラシも好き。いつも余分にシャカシャカ掃除してしまいます。
空港なんかの喫煙所にあるシガーライター。押すと発熱するタイプ。
僕は人が見ていない隙に、これを全部押したり先を撫でたりします。
黒光りしたのが時間を経て時間差で「カチッ、カチッ」と戻ってくると、とても満足な気分になります。
ヘッドが人の手により磨耗してこなれていると、なお宜しいでしょう。
洋服についている丸いボタン。
たまに手芸店などいくと、買うものそっちのけで一時間ほどボタンを愛でてしまいます。
小学校低学年の頃、ずっと指で触っていました。その頃の癖が抜けないのか。
今でもたまに触ってしまいます。
色や素材は勿論、厚みや幅、表面の淵の高さも気になります。買いもしないのに、自分のベストを触って確かめる。
一番高いのや大きいのを探してみたり。無駄で幸せで不毛な時間。
車のクラクション。僕は運転免許を国家権力に召し上げられたので今後運転することはなさそうですが一度でいいからクラクションを思い切り押してみたい。
丸いハンドルの中央にある大きなスイッチ。簡単に反応しないように取り付けられたコシの強いバネ。そそられます。
、、、フロイト的な解析だと、丸くて感触があるからそれは母親の乳首だとか母性そのものだとか、ひいては女性器なんて言い切られちゃうかもしれませんが、理由なんてどうでもいいのです。
このおおよそどーでもいいカテゴリー、実は僕の中に占めているウェイトはかなり高いと思われます。
音楽とレトロ趣味と、そしてこの変なカテゴリー。来年はついに40代。せめて、あと半分は自分の好きなもので人生を埋め尽くしたい。
金銭欲より物欲。物欲より精神的充足。