大掃除



今日は最終営業翌日、気楽に午後三時にお店に集合して大掃除をしました。

換気扇も天井もピカピカに。



そして、守護神しょうじくんと忘年会。

僕が蟹が食べたいと喚き散らしていたので、強引にカニ料理の店に行く。




写真の毛ガニの後、タラバの炭火焼きとズワイガニ、カニ祭りとなりました。ゲボ。

ついでにウニも!!






これからおせち料理の仕込みです。


本日、年内最終営業となります


年内も今日で最終営業となります。

年の瀬の日曜日ですので、終電を目安にクローズさせて頂きます。どうぞご了承くださいませ。


本年も誠にありがとうございました!

年始は1月1日、年が明けてすぐの午前1時から営業致します。



追記

地獄鍋、楽しみにしていたんですが、実家から戻った伴侶に捨てられていました(汗)

まあ気持ち解りますけど。




年末の風物詩「地獄鍋」



毎年、年末になると食べるものがあります。その名も「地獄鍋」。

一人で食います。

何が地獄なのかと言うとですね、同じスープを使い、数日続けて食べます。しかも同じ具で毎日これだけ。


醤油と味噌で味付けしたスープに、具は輪切りネギと青ニラと豚バラ肉のみ。肉と野菜は最初に、まとめて大量に切っておく。



肉と野菜を食べた後の締めのラーメンはコシのある、生麺を。一タマ辺り84円。




もう4日目になります。だんだん野菜が溶けて、麺の澱粉質と合間ってスープが煮詰まり、ドロドロになってくる。気持ち悪いけどこれが旨いのです。



毎日火を入れていますし、ニラもネギも殺菌作用がありますので不潔ではないはず、、ということにしておこう。

まあ、人と食うもんではない。あくまで一人静かに平らげる。


クリスマス前後の12連勤なんかになると、自炊のメニューを考えるのも億劫。そもそも、毎日二日酔いなので食欲があるのかすら怪しい。


味噌の香ばしい香りと、ニラとネギの爽やかな刺激が食欲をそそる。何の思想もなく、僕はこれをひたすら啜る。

それだけの理由なんだけれど、毎年の行事になってしまいました。


何もかもが面倒になった方は、是非ともお試しください。




ロマン座、銀座デビュー


クリスマスイブの正午、銀座デビューを果たしました!

場所は三越新館の一階のお花屋さん、「ジャルダンマニュエル」さんでの写真の展示の初日。



最初は流石に緊張してしまい、引きつり顔でシャンソンなどを演奏していましたが、、。





そんな僕たちを気遣ってか、オーナーよりシャンパンを頂きハートに火がつきます。

花の香りと、行き交うお洒落なお客さま。6mはある天井の残響が心地いい。


店内での演奏という依頼なんだけど、建物の外に飛び出してしまいました。(笑)



当たり前だけど、通行人にもの凄く注視される(汗)

クルクル回りながら世にも陽気な曲を弾くと、少しだけどクリスマスの銀座の街に溶け込んだような気分になる。

僕にとって、今叶う最も幸せな体験かもしれない。



道行く人に会釈されたり、子供に手を振られたりしながら軽快に弾く喜び。そそ、これがしたかったのだ。

ラストは「聖しこの夜」を丁寧にたっぷりと。

2時間で6回の出番を終えて新橋方向に歩く。和食屋さんに入って打ち上げ兼反省会。

演奏会のようにじっと見つめられるよりは、チンドン屋のような移動型の演奏が僕たち向きだよね、などと確認し合う。


そして、何よりレパートリーを増やしてすぐに取り出せるように備えておかないといけない。

んー、勉強になりました。







本日の開店時間



本日、ロマン座営業のため開店時間を夜9:30前後とさせて頂きます。

けんちゃんがオープンしてくれまして、僕とショウジくんは10:30ごろお店に戻ります。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


500円で何が食えるか?!



まだまだ節約キャンペーンやっております。八月から始めて、このところ有る程度安定してきました。家計簿を付けるアプリがあり、これがかなり有効なのです。

とにかく使ったものをバンバン入力します。その日までの合計が出ます。これでざっくり支出を把握しています。使う分が多ければ翌日から締め付けます。

月末に、経費、交際費、食費、交通費、雑費に項目を分けて手計算で管理してます。

この手計算が僕にとっては大切なのです。手間をかける作業により、一つづつ思い出してしまうので無駄遣いを目の当たりにできます。

毎月、コメントを付けてまた別のメモ帳アプリに清書、保存。いつでも見返せます。


かなりシステム化してきました。



服はそんなに必要ないです。制服あるし、冬はコートとダウンが一枚すつあればそれでいいし、シンプルなニットやシャツがあれば来年もそれでいい。

タクシーも大雨か大量の荷物がないとまず乗りません。これが一番無駄だった。

余計な買い食い、楽天やAmazonの衝動買いも一切しなくなりました。読まない本も買わない。必要かどうかをしっかり見極めて、後日それでも欲しければ家計簿を付けてから買う。


お付き合いやお礼の御馳走だったり、僕の趣味に関するものは、削らないどころか寧ろしっかり使うようになりました。前よりも緩急をつけて楽しめるようになりました。


以外の普段の生活で、一番コストがかかるのがやはり外食。

夜中の一人食いは麻薬みたいなもので、昔はタクシー飛ばして開いてる鰻屋、焼肉屋、天麩羅屋に行って一人で食べてました。

酷い時にはご褒美と言い聞かせて朝から一人でふぐちり、寿司屋で生アワビだけ14カン食べたり、行きつけの居酒屋で刺身を食べまくった挙句に土鍋でウニ飯を炊いてもらって全部一人で食べたり(ウニ飯4000円)とにかくストレスフルな食生活を送っておりました。


そいうの、全て卒業しました。あー、もったいなかった。


結果、支出を過去の1/3近くまで圧縮する事に成功しました!( ´ ▽ ` )ノ


特にミジメな感じはしません。前が異常で、今が当たり前。月に一度か二度は良いもの食べるのですが、それが際立って美味しいのなんの。体にも良いです。



今、起き抜けの一食は野菜中心の自炊、仕事前と寝る前の二食はほぼ外食となります。

普段は一日1500円目安で抑えようとしているので、一食あたり500円位が目安として。

僕は時間がないのと割とジャンクなモノが好きなので(体型で解ると思いますが)500円で何が食べられるのか、そこにかかってきます。

新宿は食べるものが溢れていると思いきや、深夜でリーズナブルなものとなると実はチョイスがない。

吉野家だと並盛りと味噌汁で460円、マックだと一番安いハンバーガーとポテト、ドリンクで480円、やはり同じ位。

まあ、マックだとお腹は膨れませんし、ドリンクとか要らないのでこのチョイスはなし。


強力な味方が日高屋さま!


最近、半ラーメンと半チャーハンの組み合わせというのを覚えたのですが、これが税込で450円!!

これぞ最強です。奥さん、450円で何が買えますか?



体に良くないんだけど、やめられない。時間がなくても10分もあればパパッと食べてすぐに出られるし、サイドメニューの野菜を付けても600円くらい。

今日も食べてしまった、、。相変わらず美味しかった。

家に帰り、買ってきたおでんと作り置きのセロリの和え物、ほうれん草のお浸しを食べます。ちょっとメニューが変だけど、まあいいや。野菜食べないとね。



頑張ってしっかり貯めます。


老後の為?いやいや、使う時は大きく使います。まあ、結局は店の事になるんだけど。

まだ予定はなさそうです、が。








巴里の匂いがする夜


アコーディオンネタが続きます。


昨日は流石に酔いました。普段滅多に飲まないテキーラとウォッカのショットを勧められ、有難くガバガバ頂くと、ほんの小一時間で二人とも壊れてしまいました、、。

そこにモンド君、フレンチカンカンのような女装で登場。派手な色彩に度肝を抜かれる。

負けじと、アコーディオンを弾くと、彼はクルクル回って踊り始めました。

そのままみんなで踊りながら階段を登り、他店に乱入。Aくんごめんなさい。




1930年代の巴里。戦争の足音が忍び寄る街の片隅で、男達のから騒ぎは続く。


「戦争が終わったら、最初の日曜日、いつものカフェで待ち合わせようぜ。席は勿論、シャンゼリゼ側さ」





その後は記憶がなくなり、便器とお友達になってしまいました、、、。




楽器二人だけだと、渋いけれどそこまで華はない。ところが彼が入るとグッと明るくなる。(みんな男だけどw)

戦前のパリやブエノスアイレス辺りにあったような遊園地やキャバレーのような、華やかで退廃的な雰囲気。男性的で子供っぽくて、美しくはなかくバカバカしい何か。

僕の憧れる怪しげなセピア色の光にもう少しで手が届きそうになる。

そこは彼の持つ華と才能。太陽みたいに居るだけで周りを照らす事ができるキャラクター。本当に素敵で、羨ましい。


彼と、男だけの高級チンドン屋が組めないか、目下画策中。こういう渋くて怪しげなの、好きな人多いんじゃないかな(笑)


ああ、年末っぽくなってきました。



いとをかし(丸いモノ編)



自分にとって関心のあるもの、趣を感じるものを連ねて書く新コーナー、その名も「いとをかし」。

以前に、バスなんかの押しボタンに惹かれるなどと書きましたが、最近になり、もうすこし広く考えると、とりわけ丸い形状のモノに惹かれているんだなと気付かされました。

それも、いくつか共通点がありました。

放射状(同心円状?)にデザインされたもの。
触感があり、それも比較的独特なもの。
色が鮮やかなもの。


要は僕のフェティシズムなんです。理由なんてわかりません(´・_・`)



まあ能書きは後から。



まずはいつも書く、バスなんかの丸い押しボタン。

押される事だけを追求した、受け身且つシンプルな形状は、まるで受粉の為に虫を誘い込む花のよう。




エレベーターなんかのボタンも例外ではなく、たまにレトロなボタンなんかだと、味わいながら柔らかく押しまくってしまいます。気持ち悪いですよね。





花のハス。特に真ん中の丸いのと、そのイボイボのところ。

可憐な花びらの中央に取って付けたような青い台座に蓮の実。まったく不思議な花です。イボイボを指でいじるとスポッと取れたりします。まるでニキビの芯が取れる時のような爽快さ。

小学校低学年の頃、地蔵盆(京都ローカルの夏祭りの類)で、終わった後にそっとお願いして貰って帰り、解剖した思い出があります。




勿論、花が落ちた後も好きです。乾燥させると中の実が抜け落ちずにコロコロ転がります。いとをかし。






花が続きますが、立ち枯れたヒマワリの種。




丸い台座にびっしりと豊かな実り。秋口など、たまーにヒマワリが立ち枯れているとじっと見てしまいます。萎れて首をもたげたりしていると、見ながらニヤニヤしたりもします。

ハス同様に、毎回種を毟り取りたい衝動に駆られる。

同じ理由で海外のホテルなんかの大きいシャワーノズルも好きです。けど、それはヒマワリを思い出しての事なので、あくまでもヒマワリがメインです。(どーでもいい)





ホーン型スピーカー。四角ではなく、丸いのに惹かれます。
保育園の頃、これを見つめているとゲシュタルト崩壊が起き、気がついたら夕暮れ時だった思い出があります。

百合の花のようでもあり、恐ろしい兵器のようにも見えます。




花で言う雄しべのような棒状の部分、あれは何なんでしょうか。しかもよく見ると先が柔らかく凹んでいます。

羽二重餅をそっと指で押したような甘い凹み。音とどんな関係があるのか。多分ない筈。昔からの小さな疑問の一つです。

しかし、これこそがデザインの豊かさではないだろうか。そうだと嬉しい。いつか識者の方にご教授願いたい。

自然との見事な調和。美しいではありませんか。








どこにでもある銀行の朱肉。黒光りした蓋を取ると中からは目にも鮮やかな朱肉。静かにしっとりと濡れております。

丸い蓋と中の朱肉のコンビネーション。たまにうっとりと眺めて見惚れていたりします。変態。

この斜めの配置もスリリング。そそります。



蓋を開けて、うっかり標語や注意喚起がプリントされていると怒りを覚えます。朱肉の美しさが損なわれるじゃないか。こんなもの噴飯ものです。

注意喚起は窓口の人がするべき。



ついでに言うと印鑑の掃除用ブラシも好き。いつも余分にシャカシャカ掃除してしまいます。





空港なんかの喫煙所にあるシガーライター。押すと発熱するタイプ。

僕は人が見ていない隙に、これを全部押したり先を撫でたりします。
黒光りしたのが時間を経て時間差で「カチッ、カチッ」と戻ってくると、とても満足な気分になります。



ヘッドが人の手により磨耗してこなれていると、なお宜しいでしょう。





洋服についている丸いボタン。

たまに手芸店などいくと、買うものそっちのけで一時間ほどボタンを愛でてしまいます。



小学校低学年の頃、ずっと指で触っていました。その頃の癖が抜けないのか。
今でもたまに触ってしまいます。

色や素材は勿論、厚みや幅、表面の淵の高さも気になります。買いもしないのに、自分のベストを触って確かめる。



一番高いのや大きいのを探してみたり。無駄で幸せで不毛な時間。



車のクラクション。僕は運転免許を国家権力に召し上げられたので今後運転することはなさそうですが一度でいいからクラクションを思い切り押してみたい。

丸いハンドルの中央にある大きなスイッチ。簡単に反応しないように取り付けられたコシの強いバネ。そそられます。








、、、フロイト的な解析だと、丸くて感触があるからそれは母親の乳首だとか母性そのものだとか、ひいては女性器なんて言い切られちゃうかもしれませんが、理由なんてどうでもいいのです。


このおおよそどーでもいいカテゴリー、実は僕の中に占めているウェイトはかなり高いと思われます。

音楽とレトロ趣味と、そしてこの変なカテゴリー。来年はついに40代。せめて、あと半分は自分の好きなもので人生を埋め尽くしたい。

金銭欲より物欲。物欲より精神的充足。



ウィンターワンダーランド


12月一本目のロマン座。

日曜日、神宮前のレストラン兼オフィスのクリスマスパーティーに呼んでいただきました。

黒光りする国際交通のタクシーを降りると、その瞬間アラレが降り出す。エナメルの靴にアラレが弾かれる。

おお、クリスマスらしい風情。12月の雪なんて、何年ぶりだろうか。



アラレの中、取り敢えずタバコを一服。アラレって何だろか。この雪、まるでお菓子のアラレみたい。って、雪のアラレが最初だったんだっけ。ややこしい。

またも言語のゲシュタルト崩壊。




会場を少し練り歩いたり、少しおどけたような感じで吹いてみました。だってクリスマスだもの。

ウィンターワンダーランドなど、10曲くらい用意してその中からランダムに。



とても喜んで頂けました!うれしい。

練習通り卒のない演奏が出来ました。特訓の甲斐ありですなぁ。

いつも、練習は裏切りません。

お友達の美樹さんと。




だんだん、得意な役割が見えて来た気がします。主役を引き立てるBGMとしての陽気な存在。だけれど、かなり主張が強いセットので、うっかり張り切ったりすると邪魔になってしまう。

演奏内容と同時に、曲の構成やボリューム、引き際をもっと細かに研究して、スムーズな進行に花を添えられるように気遣いをしないといけないですね。

にしても、両方かなりヴォリュームのある楽器なので、小回り利かせるのが難しい。逆に「乾杯」の音頭の直後の曲挿入なんかは、これ以上ないくらい華やかに盛り上げられる。


まだまだ課題は沢山あります、、。




予定が少し押してしまい、BARの営業開始が45分ほど遅くなってしまいました。心よりお詫び致します、、。


25日も、友人経由で、中国のモデルさんから動画の店内ロケーションの依頼を頂きました。どういう絵になるのか楽しみです。


本業は勿論しっかり、そして副業も楽しくっ、と。


年末年始の勤務状況



改めて年末年始の営業日程と、これから二人のシフトも出していきます。

ご参考になさって下さい。



22日はロマン座営業の為、22:30開店となります。


しょうじくんのお休みは12/14.15.21日、僕のお休みは12/16.17日となります。

クリスマスのどこかでヴォーカリストの飛び入りあり、との情報。お楽しみに!

年内最終営業は12/28までとなります。


12/31深夜、紅白歌合戦終了後の25時より朝まで営業いたします。

年始は1/3より営業となります。



どうぞ宜しくお願いします。


calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< December 2014 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recent trackback

recommend

南の島に雪が降る (知恵の森文庫)
南の島に雪が降る (知恵の森文庫) (JUGEMレビュー »)
加東 大介
太平洋戦争末期、赤道直下の戦地ニューギニアで慰問団を結成し、7000人の兵士を楽しませた元歌舞伎役者の実話。ジャングルの中に歌舞伎座を建て、馬の尻尾や棕櫚の繊維で結いあげた鬘、パラシュートの打ち掛けや緞帳、ガーゼの糸を間引いた紗幕、そして紙吹雪を用いての雪景色に、遠い故郷を思い出し、兵隊たちは声を上げて泣く。究極の状況下での知恵と優しさの詰まった人々の心の触れ合いを描いた温かい作品。

recommend

伽羅の香 (中公文庫)
伽羅の香 (中公文庫) (JUGEMレビュー »)
宮尾 登美子
何不自由なく育った主人公は、何気なく始めた香道の奥深さに知らぬ間に溺れてしまう。免許皆伝の暁には、と始めた会合。気がつけば彼女の自宅は時のサロンに変貌し、有力者が訪ねて来るまでになる。しかし少数の仲間はそれをよく思わず、時を同じくして太平洋戦争の足音が忍び寄る、・・・・。
蘭奢待を始めとする平安から連なる奥深くも豪華な数多くのエピソードが、読み人を香りの世界へと誘う。
安いもので構いません、お好みの香木を焚き締めながらの拝読をお勧め致します。グッと気分が出ます。

recommend

グロテスク〈上〉 (文春文庫)
グロテスク〈上〉 (文春文庫) (JUGEMレビュー »)
桐野 夏生
悪気もなく、ただ人の不幸を喜びに生きる「私」と、類い稀な美貌を持ち、出会う人々を皆驚嘆させてしまう実の「妹」、人に勝利する事でしか自分の存在意義を見いだせない、容姿に恵まれない和恵。その三人を中心に描かれるQ女子高(私立慶應女子高校がモデルになっている)の超閉鎖的階級社会を舞台に、途中入学組に対しての、富裕層からなる内部進学者からの壮絶ないじめを軸とした数々のエピソードは圧巻。物語全体は東電OL事件を主軸にして描かれており、後半は生生しい売春婦の日常が詳細に描かれている。店主がここ最近の著書で、久々に気骨を感じた作品。

recommend

一の糸 (新潮文庫)
一の糸 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
何不自由ない造り酒屋の娘茜は幼き日に目を患い、その時連れられて聞いた文楽、露澤清太郎が奏でる三味線の音に恋をしてしまう。大正から太平洋戦争後にかけた女の一大抒情詩。乗馬を好む娘、宝石や宿屋を惜しげもなく買い与えるおおらかな母、その後の茜の命を賭けた壮絶な苛めとの戦い、本物の芸に賭ける壮絶なエンディングと、読みどころが随所に散りばめられた文句なしの女流文芸娯楽作品。

recommend

悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))
悪女について (新潮文庫 (あ-5-19)) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
公子という一人の貧しい女が中華屋の仲居からスタートして何百、何千という嘘を重ねて戦後の混乱期にのし上がる様を描いた作品。嘘を重ねると言っても、無論、それだけでは決して成功はしない。夜学に通って簿記の試験をパスし、自らの美貌を磨いて出会う男を翻弄し、汗まみれになり生き抜くさまは寧ろ潔い。とある事件後の週刊誌記者による聞き取り調査と云う一風変わった文体で綴られる全編は、時を忘れ、あっという間に読めてしまう。中でも、登場スr数々の大粒の宝石の描写は秀逸。「取材魔」の異名を取る有吉文学の中でも比較的軽めな現代もの。特に初心者にお勧めの一品。

recommend

女系家族〈上〉 (新潮文庫)
女系家族〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
山崎 豊子
船場に続く大商家の物語。入り婿の父が突然亡くなり、残された三姉妹が遺産相続を期に豹変を始める。狡猾な大番頭、突然現れる妾の存在に、三姉妹は関係を結んだ男の入れ知恵や様々な駆け引きを繰り返し、遺産を減らさぬよう奔走する。団結した三姉妹と叔母が妊娠したと思しき妾を抑えつけ、懇意の医師が器具を用いて検査を始める妾宅での描写は、昭和女流文芸史に残る陰惨な情景と云えるだろう。

recommend

 (JUGEMレビュー »)

昭和初期の船場に三代続く女系の老舗足袋屋に生まれた男の半生を描く。女親に反発するかのように愛人を4人も囲いながらも商売に精を出す主人公。迎え入れた新妻の妊娠を探るために肥溜めを棒で掻き回す姑と大姑の陰惨な嫌がらせ、襲名披露の配り物がたった足袋一足だと聞いてケチだと馬鹿にする参加者を尻目に、実は踵の留め金具が純金製で帰宅した一同を仰天させるエピソードなど、船場の粋と意地が詰まった珠玉の作品。

recommend

針女 (新潮文庫)
針女 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
出征した帝大出の弘一が残した青春の遺書を胸に、パンパンや闇成金の持ち込む針仕事に打ち込む孤児の清子。彼女は過去に踏んだ針が体を周り運悪く跛(びっこ)になるというハンディキャップを持つ。復員した夫は戦争のせいで性格が豹変しており・・。パンパンや気違いといった現代では禁止用語の登場人物が行き交い、戦後の混乱期をそのまま原稿用紙の上に広げたような生々しい作品となっている。

recommend

連舞 (集英社文庫)
連舞 (集英社文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
昭和初期の日本舞踏の一大流派、梶川流の栄枯盛衰を描く。先代家元の妾の子に生まれながらも伸び悩む自分の踊りの才能、踊りの天才と謳われる性格の悪い妹、妹しか愛さない母に悩まされる青春時代。しかし、GHQ接収後のアーニーパイル劇場での歌舞伎ショーにてストリップを強要され、大逆転の末成功となり、家元夫人にまで上り詰めてしまう。忌わしい過去と出自に翻弄されつつも、過去をねじ伏せるかのように踊りに邁進し、遂に芸の道に境地を見出す主人公、月の直向な横顔が涙を誘う。

recommend

明治のお嬢さま (角川選書)
明治のお嬢さま (角川選書) (JUGEMレビュー »)
黒岩 比佐子
明治期の令嬢の実態を探る。たしなみ、学力、美醜の葛藤、結婚生活まで多岐にわたる。面白いのは多くの令嬢は今と変わらず贅沢品に執着したらしく、友人の持ち物を嫉む生々しい手紙なども解説入りで紹介されている。その他、当時の流行の髪型や美人術、痩せる薬などの広告資料も収録。

recommend

宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして
宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして (JUGEMレビュー »)
高谷 朝子,明石 伸子,太田 さとし
千代田の森の奥深く、宮中賢所に57年お住まいの神職の女性の半生を描いた作品。下界と分断された森の中で祈りを捧げる日々。厳格な穢れの区別(下界のものに触れると潔斎しなければいけない)、四足のものは食べてはならない、毎朝数時間かけて髪おすべらかしに結うなど驚愕の生活と共に、日本古来の自然に寄り添った質素な習慣を紹介する。

recommend

朝香宮家に生まれて
朝香宮家に生まれて (JUGEMレビュー »)
北風 倚子
渋谷・松濤の鍋島公園一帯は戦前、広大な鍋島侯爵邸であり、著者の住まいであった。大空襲で火の海になった屋敷を逃れ、昭和という時代を生き抜いた、旧華族のお姫様の生涯。

recommend

社長 島耕作(8) (モーニングKC)
社長 島耕作(8) (モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
弘兼 憲史
言わずと知れた島耕作シリーズ単行本。長い経緯はさておき、弊店が表紙になっております。店主もタキシードでモデルを致しました。
是非お買い求めくださいw

recommend

梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
小田部 雄次
佐賀藩主鍋島家令嬢伊都子。彼女はのちに梨本宮に嫁ぐが、明治から昭和に渡って77年間日記を残していて、その様相は「書き魔」と言わんばかり。初の洋行先のパリで買い物の様子や婚礼、即位式などの華やかな思い出を経て、戦中戦後の倹約の様子や時代に対する落胆ぶりなど。往時の匂いが漂ってくるかのような生々しさ。著者、小田部雄次の解説が当時の世情をわかりやすく補ってくれる。

recommend

写真集 酒井美意子 華族の肖像
写真集 酒井美意子 華族の肖像 (JUGEMレビュー »)
酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

recommend

極楽商売―聞き書き戦後性相史
極楽商売―聞き書き戦後性相史 (JUGEMレビュー »)
下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

recommend

 (JUGEMレビュー »)

京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

recommend

芝桜〈上〉 (新潮文庫)
芝桜〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

links

profile

書いた記事数:1517 最後に更新した日:2024/03/25

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM