宝塚歌劇、友人の関係で行って参りました。
正直いうと少し苦手でありました。
女性ばかりという違和感。中には少数だけれど、男役として完成度の低い人も混じっている。そして独特のセリフの抑揚。
初回に見た時に好きになれなかった、閉鎖的な内輪ギャグ。それにやたらと爆笑するコアなファンのおばはん達。
今回はどうだろうか。(汗)
一部のお芝居、18世紀のスウェーデンの独立への歩みを描いた作品。
女性ばかりの閉鎖的な甘ったるさや、内輪ノリの不思議なギャグもなく、今回はなんとも男性的(笑)でテンポが良く切れ味もいい。
盆に載せたセットが周りながら色々な表情を見せ、景色が変わって飽きさせない。
演出によるのかな、、。全然違う。
個々のキャラクターもよく描かれており、心の動きがバランス良く頭に入る。
主人公の平和への願いはとても深く、現在の政治情勢を考えさせるような風刺も感じる。
ラストの舞踏会のシーンでは、それまでの派手な色とりどりのドレスとは打って変わり、イエローとベージュのみ。一番盛り上がるべきシーンでの敢えて抑えた色目は、とても効果的で心に残りました。
全編に疾走感があり、メロドラマに陥らない、とても後味のいい素晴らしい作品でした。
お芝居を語る資質が僕にはないのでこの辺りでやめておきますが、後半は女性劇団という事を忘れていました。
そして、レビュー。(大階段、羽根の付いた例のやつ)
参考画像
実はまだ3回目なのです。一度目は8年位前にベルサイユのバラ、そして一昨年。いずれもレビューが無かったのです。
今回は初のレビュー。あれは、一体どんなものなんだろうか。
幕が開くと、大階段に布を纏った男役が独り。
それが剥ぎ取られると、階段が現れて、めくるめく色の洪水。
まー、これが凄い。洪水というより鉄砲水。これが延々と一時間以上続く。
流しそうめんのレールにお節料理をありったけ流し続けるような感じ、とでも言えばいいか、、。
味わう前に、こちらはひたすら余韻もなく飲み込むだけ。咽がつまりそう。
何だこりゃ!!僕は軽くショック状態に、、。
と、周りを見渡すと妙齢の女達が恍惚とした表情で見つめている。
そう、それはパチンコのフィーバーを眺める顔と同じであった。
打ち上げ花火のラストのバンバン畳み掛けるアレとも似ている。曼荼羅のようでもある。
とにかく、女性の脳からアドレナリンを出させる何か装置の類いに間違いない。
そんな事を考えながら見ていると、演者の表情に気づく。作り笑いではない、気持ち良さそうな笑顔をして踊っているのだ。
こんなにも人を楽しませようと、畳み掛ける笑顔の女たち。何と美しいのか。無邪気なまでに無垢な笑顔と、何かに打ち込むひたむきな横顔。
アドリブで手を振る、投げキッスにウィンク。
運悪く、客席に降りてきた端の方の男役の方のウィンクが僕のど真ん中に命中してしまった。
!(◎_◎;)
そして、最後まで目を剥いて夢中で見てしまった。
昔から僕の人生の中で、陥るまいと心に誓っていた三つのものがあります。
その三つとは、レース編みと女装と宝塚の追っかけであります。それらは僕の主義ではないのです。
しかし、裏を返せば興味があるっちゅー事かもしれませんね。(うーん)
あのパチンコフィーバー、いや、花火の乱発は現実だったのか。いつかもう一度確かめてみたい、、。
とりあえず落ち着こう。日比谷を後にして、新宿のいつものスーパーに行く。
ここには現実がある。
鯛のアラが二匹分、半額になり400円で売っていたので牛蒡と大根と炊くことにしてみた。もちろん生姜も入れよう。
正月に飲み残した菊正宗がかなりあるのでそれもブチ込む。
部屋がアルコールで充満する。頭がクラクラしてきた。
うーん、さっき僕が見たものは一体何だんだろうか。