二月の勤務状況


2月の勤務状況です。

2月も定休日はなしですが、ズラしながらそれぞれ五日間ずつお休みを頂きます!

まずは僕から、しかも本日からです(汗)

金曜日には戻ります。

というわけで。

2/1〜5シンスケお休み
2/8.9じょうじくんお休み

2/11 シンスケお休み
2/16じょうじくんお休み

2/17.18シンスケお休み
2/22〜26 しょうじお休み


2/20はロマン座の出張営業の為、午後9:30前後にオープン致します。お手数ではありますが、お電話にてご確認下さいませ。

宜しくお願い申し上げます。



宝塚歌劇という曼荼羅




宝塚歌劇、友人の関係で行って参りました。


正直いうと少し苦手でありました。

女性ばかりという違和感。中には少数だけれど、男役として完成度の低い人も混じっている。そして独特のセリフの抑揚。

初回に見た時に好きになれなかった、閉鎖的な内輪ギャグ。それにやたらと爆笑するコアなファンのおばはん達。

今回はどうだろうか。(汗)




一部のお芝居、18世紀のスウェーデンの独立への歩みを描いた作品。

女性ばかりの閉鎖的な甘ったるさや、内輪ノリの不思議なギャグもなく、今回はなんとも男性的(笑)でテンポが良く切れ味もいい。

盆に載せたセットが周りながら色々な表情を見せ、景色が変わって飽きさせない。

演出によるのかな、、。全然違う。


個々のキャラクターもよく描かれており、心の動きがバランス良く頭に入る。

主人公の平和への願いはとても深く、現在の政治情勢を考えさせるような風刺も感じる。

ラストの舞踏会のシーンでは、それまでの派手な色とりどりのドレスとは打って変わり、イエローとベージュのみ。一番盛り上がるべきシーンでの敢えて抑えた色目は、とても効果的で心に残りました。

全編に疾走感があり、メロドラマに陥らない、とても後味のいい素晴らしい作品でした。


お芝居を語る資質が僕にはないのでこの辺りでやめておきますが、後半は女性劇団という事を忘れていました。


そして、レビュー。(大階段、羽根の付いた例のやつ)



参考画像


実はまだ3回目なのです。一度目は8年位前にベルサイユのバラ、そして一昨年。いずれもレビューが無かったのです。


今回は初のレビュー。あれは、一体どんなものなんだろうか。



幕が開くと、大階段に布を纏った男役が独り。



それが剥ぎ取られると、階段が現れて、めくるめく色の洪水。

まー、これが凄い。洪水というより鉄砲水。これが延々と一時間以上続く。

流しそうめんのレールにお節料理をありったけ流し続けるような感じ、とでも言えばいいか、、。

味わう前に、こちらはひたすら余韻もなく飲み込むだけ。咽がつまりそう。

何だこりゃ!!僕は軽くショック状態に、、。


と、周りを見渡すと妙齢の女達が恍惚とした表情で見つめている。


そう、それはパチンコのフィーバーを眺める顔と同じであった。

打ち上げ花火のラストのバンバン畳み掛けるアレとも似ている。曼荼羅のようでもある。


とにかく、女性の脳からアドレナリンを出させる何か装置の類いに間違いない。


そんな事を考えながら見ていると、演者の表情に気づく。作り笑いではない、気持ち良さそうな笑顔をして踊っているのだ。

こんなにも人を楽しませようと、畳み掛ける笑顔の女たち。何と美しいのか。無邪気なまでに無垢な笑顔と、何かに打ち込むひたむきな横顔。

アドリブで手を振る、投げキッスにウィンク。
運悪く、客席に降りてきた端の方の男役の方のウィンクが僕のど真ん中に命中してしまった。

!(◎_◎;)



そして、最後まで目を剥いて夢中で見てしまった。




昔から僕の人生の中で、陥るまいと心に誓っていた三つのものがあります。

その三つとは、レース編みと女装と宝塚の追っかけであります。それらは僕の主義ではないのです。

しかし、裏を返せば興味があるっちゅー事かもしれませんね。(うーん)



あのパチンコフィーバー、いや、花火の乱発は現実だったのか。いつかもう一度確かめてみたい、、。


とりあえず落ち着こう。日比谷を後にして、新宿のいつものスーパーに行く。

ここには現実がある。

鯛のアラが二匹分、半額になり400円で売っていたので牛蒡と大根と炊くことにしてみた。もちろん生姜も入れよう。




正月に飲み残した菊正宗がかなりあるのでそれもブチ込む。




部屋がアルコールで充満する。頭がクラクラしてきた。


うーん、さっき僕が見たものは一体何だんだろうか。


マツコさん、よく言った!(五輪考)




ニュースより転載。


26日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)で、2020年東京オリンピックに向けAKBグループ選抜が組まれるという記事を紹介した際、マツコ・デラックスが苦言を呈する一幕があった。

番組では、新潟の新しい48グループ「NGT48」の話題を取り上げた。結成の背景には2020年東京オリンピックで各グループ選抜の「JAPAN48」を結成し、アイドル文化を世界に発信する狙いがあると番組では紹介していた。

マツコはJAPAN48について、「絶対、開会式でやってほしくない」と切り込んだ。さらに「開会式と閉会式に出ないんだったら何やってくれてもいいけど、開会式と閉会式だけは恥ずかしくない物にして」と、本音をぶっちゃけた。

また、マツコはオリンピックの開会式・閉会式は規模が拡大しているが、壮大なもので太刀打ちしようとするのは日本のやり方として相応しくないと持論を展開。開会式は「静寂のなかでやる方が日本ぽい気がする」「(拡大路線は)どこかがやめないと」と提案し、「なんかイヤな予感がする」と締めくくった。





いやいや、同感。よく仰いました。流石です。

最近のマツコさん、露出が増えすぎて発言がソツの無いものばかりになってきたな?という危惧を見事に吹き飛ばしてくれました。




オリンピックだけが世界への窓口ではないにせよ、オリンピックの開会式、僕もAKBだけは絶対に勘弁して欲しいと思っていた。

アイドルより以前に、日本には普遍の文化が沢山ある。雅楽、能や歌舞伎や日本舞踊、郷土文化。それに大相撲や柔道を始めとする武術もあるじゃん。

それらを育んだ、変化に富んだ地形と四季が織りなす美しい風景。

凄くたくさんのコンテンツがあるじゃないですか!

古いものだけでなく、ハイテク技術やアニメもありだと思う。凄いアニメの映像作品作って流せばそれは素晴らしいと思う。


アイドルの否定はしません。けれど、それぞれに弁えないといけない「分」というものがある。歌えも踊れもしない素人の集団が釣り合わない場合もある。


そもそも身体、自己表現を生業とする人と、可愛いから露出している人とを一緒くたにするべきではないと思うのです。

千歩譲って、AKBさんはメダルを運ぶお姉さん位に留めて貰いたい。



【僕の開会式アイディア】


第一部は日本の歩み。大草原のセットに煙が立ち、縄文時代。時は弥生に移り、稲作の水田が出現する。

卑弥呼(伊藤みどりではない)が出て来て日本統一。ここで千人規模の卑弥呼を讃える群舞。(東宝ミュージカル、劇団四季混合チーム)ここはたっぷりと。

奈良時代、ラクダの列が続くシルクロードの行列で文化の伝来を表現しつつ、近隣アジアへ日頃の感謝をアピール。

スタジアムの客席が割れて巨大な大仏登場。大仏開眼のオペラ合唱。(二期会、藤原歌劇団混合チーム)

平安に入ると、大編成の雅楽バンドと舞楽。(宮内庁楽部合同)ここは海外に分かってもらなくてもいいので眈々とやる。

源氏物語の紹介へと続く。寝殿造りの乗った巨大な盆が回り、光源氏と、それを取り巻く十二単の女房の群舞(日本舞踊界総出演)

そのまま室町、安土桃山。能の謡いの中、最新技術で地面が割れ、セリから金閣寺やら聚楽第、大阪城がニョキニョキ出てきては引っ込んでを繰り返す。関ヶ原の合戦の再現。(日本映画界総出演)

江戸時代、群舞による大名行列、エキストラ一万人。セットは江戸城天守閣と江戸の街並み。

そして桜吹雪の中、花魁道中(歌舞伎界全員出演)、雷電の土俵入り。(日本相撲協会総出演)

明治以降もこんな調子。本水の池から黒船登場、鹿鳴館風文明開化レビュー(宝塚歌劇団総出演)


で、戦争と平和の第二部。不謹慎だけど最新技術で巨大なキノコ雲を二つ上げちゃう。

ここから宮崎監督が最後の力を振り絞り、渾身のアニメーション上映。


第三部は戦後の復興から高度成長と技術革新の現在へと続く。(有りがちな子供達による未来への祈りのダンスとか)

日本の郷土文化を織り交ぜつつ全員参加の大エンディング。祇園祭、浅草三社祭、だんじり、ねぷた、阿波踊り、芸妓も舞妓も全員(各地の保存会の皆様による)

ええい、こうなりゃ花火も1000万発くらい一気に上げちゃおう。大サービス!


そして、両陛下ご登場。開会宣言。




日本にしかないものがこんなに沢山あるのに。

敢えてAKBは要らないと思うんですが。




名刺の図案が上がってきました


しょうじくん専用の名刺をお願いしておりましたところ、デザインが上がってきました。

名刺は既に三代目。

初代は緑のロゴで、蔦が絡んでるもの。気鋭の女性デザイナー(昔の雇い主)にお願いしました。二代目は店のシャンデリアのカラー写真。

いずれも載せようと思ったんだけれど、部屋のどこかに埋まってます、、。また次回。

三代目からは影絵のデザイン、これを気に入って、5年ほど前から変えずに使っています。

今回も関連シリーズということで、影絵です。


オモテ


ウラ面は住所と電話番号が載ってるので内緒です。


アコーディオンのフロントグリル部分に銀箔が入ります。横顔の眉の辺りのゴリラ感もしっかり出ています。

スッキリした素敵なのを作って貰えました。


因みにこちら、僕のです。



鼻を少しだけ高くしてもらった記憶があります。(汗)

僕のはハープのチューニングピンの所に金箔が貼ってあり、弦も赤と青になってます。元々Cの音が赤、Gが青なんですね。小さな自己主張。

新宿ロマン座のも作って貰ってます。こちらは箔なしのアコーディオン二台の影絵。


紙ナプキン、ロゴ、スタンプ、、印刷物作るのって楽しいですね。


余裕あればいずれ、箱のマッチやコースターなんかも作りたいなどと思っています。




白鵬関、おめでとう!


白鵬関が、前人未到の33回の優勝を決めました。

大鵬の32回を超えた大記録。本当にお見事!

僕はこの方の、日本人より謙虚で寡黙な姿勢に日頃より敬服しております。


・・・一部で、白鵬関の撒く塩がティンカーベルのようだ、との記事。


本当だった!!













(しつこい 笑)

彼はモンゴルから来た魔法使いなのか、、、?



それはともかく、おめでとうございました!






寒い夜は、、



先ずは鱈の真子。今日は東京地方はミゾレが降っていたので、スーパーのお魚も半額が多かった。



鱈の真子をGET。わーい、半額になってる!!( ´ ▽ ` )ノ

僕はこれ大好きなんですよ。昆布を効かせた濃い目の下地で20分ほど煮る。

そのままかぶり付く!!




そして、寒いのでポトフ。





人参、ジャガイモ、玉ねぎ、カボチャ、ソーセージ、ロールキャベツ、しめじ、、、。


そこへ唐辛子と生のニンニク、ローリエを入れる。食欲をそそる香り。





ふと、今はクローズしたあの店を思い出した。よく通わせてもらったな、、。







(わかる人少ないかも知れませんが、、)



湯沸かし器、壊れる。



店の湯沸かし器。買って5年弱。





火は点くんだけれど、お湯になる前に消えてしまう。

ガスは怖い。本当に怖い。爆発でもしたら一大事だ。お客さまの丸焼けなんてシャレにもならない。そこでパロマに修理依頼。



修理だと2万、その代わり耐用年数が5年なので、そろそろ他が壊れるかも知れないとのこと。新品購入で4〜5万。


んー、時限装置でも付いてるのかね。ピッタリ5年とは恐れ入ります。

買い換える事にしました。


ダッサい。こんなの嫌だ。漏れなくシール貼ってやるけど。



昔は良かったなー。こんなのとか、




いっそ、この位の渋いの欲しい。(ビルごと吹っ飛びそうw)




自分でシール貼ったの、かなり小汚いけとなぜか愛着あるんですよね。悲しいね。






弦楽四重奏と山口小夜子さん


おかげさまで、弦楽四重奏、四人集まりました!

お仕事を休んでくれた方もおります。本当に有難いです。

「キヌギヌ弦楽四重奏団」と名付けたいと思います。当日は階段の上から、音楽の雨を降らせます。ウシシ。



そして。


2年前くらいに書いた下村一喜さんのブログ。

東京都現代美術館で今度の4月に山口小夜子展が行われるそうなのですが、小夜子マネキンを探していた関係者(キュレーター?)の方がここをご覧になり、下村さんに連絡をお取りになって、貸し出し依頼をなさったそうです(笑)



ご興味のある方は是非とも足をお運びくださいませ。

山口小夜子 未来を着る人(仮称)
2015年4月11日〜6月28日(予定)




こんなブログもたまには役に立つんですね( ´ ▽ ` )ノ


少しだけ、社会に参加しているようでちょっと嬉しいです。


これを励みに、今後も色々書き殴って参りたいと思います。





今回の為に準備された山口小夜子マネキン




(気のせいか、前に見た時より愛着が湧きます 笑)





弦楽器を弾く当店のお客様へ


【ご提案】

わたくし、10周年パーティーに特に演奏したい曲がありますの。

知ってる人も知らない人も楽しんでもらえる短い曲がいいと思いまして。


これなんだけど、どうだろ?


よく響くし、ほろ酔いで階段に並んで弾いたら気持ちいいと思いません?


メンバーのスケジュールが合いそうならすぐに楽譜書きます。


ロマン座プロフィール


新宿ロマン座、重い腰を上げてついにプロフィールを作りました。

2月末に過去最大級の派手で大きな仕事が決まりました。ご尽力下さった関係の皆様、本当にありがとうございます。

そこに載せる用の写真とテキストです。



【2014結成、新宿のバーテンダー2名によるアコーディオンユニット。普遍のノスタルジー、男性的で美しい音楽を探し求めていた所、1930年代の巴里へと辿り着きました。抜群の機動性を活かし都内各所で活動中。】




、、、ついでに名刺も発注しました。

アコーディオンを構えた二人が影絵になっており、中々渋いデザインになりそうです。


今夜も沢山練習して、また新曲が整いそうです。今回はメジャーコードで動きは超早い曲。


もっと練習して、はやくアコーディオンが体の一部になりますよう。


もう、楽しくて仕方ないのです。今年40歳になるというのに。


ああ、神様!新たな糧をありがとう。


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