えー、暫くのあいだ、インスタグラムはお休みにします(笑)
と言いますのも、ずーっと見てしまうのですよ。キャンプの途中も見てしまい、子供達に怒られました。クセって怖いですね。
そして、ブログが疎かになってしまっていました。インスタグラムは反応が早いから小ネタをアップするには楽しいのですが、僕の本来のライフワークである「レトロ探訪」や「独自研究」を書くには文字数が足りない。
断片的にアップしても、変態だと思われてしまいます(もう思われている)
インスタグラムは、また何か大切な情報を告知するときに使わせて頂こうと思います。
そしてこのブログに集中しようと思う次第でありました。
飛田新地、、。この現在も、堂々と売春が行われている、日本最大の街。
かの阿部定も働いたという色街。
おヒマな方は前に書いたブログをお読みください。
最後の色街 飛田飛田 スピンオフ編ブログを書いてからというもの、どうしてもこの街に足を踏み入れてみたかった。本当に存在するのかこの目で確かめてみたかった。
どうしてこの街に興味があるのか、と言われると困るのですが、、。
突き詰めて言うと、人情や仇っぽさ、隠花植物の華やさなんかにとても惹かれるのですが、そう言ったものは日常生活の中では見つけにくい。逆にかなり極端な場所にはゴッソリ花開いているとも言えます。
そういう情緒的なものを通して、自分の職場にも何らかの華を咲かせたいと思っています。(本気)
決して興味本位でお姉さん達をバカにしたり、観察したりしているわけではありません。最高のリスペクトを持って文章を書いています。そこだけはご理解下さい。
かなり乱暴な話ですか、水商売も飛田のお姉さん達も似た部分が沢山あると思います。たくさんの人を接近戦でお相手させてもらい、通り過ぎてゆく。その間に少しでも人を幸せにするという目的は共通なので、、。
***
さて、7月の頭に2日間、アコーディオンの仕事で大阪中之島のフェスティバルホールに出演させて頂きました。
最終公演が終わった後、意を決して飛田新地を歩いてみる事にしました。
大阪に来て、夜がフリータイムなんて、、。
こんな機会ないよ、と提案しましたら、しょうじくんも快諾。彼もまた夜の華に興味があるそうです。洗脳しちゃったかな、嬉しい。
その街は、通天閣から少し離れた所にある、かなりガラの悪い地域にあります。漫画「じゃりン子チエ」のモデルになった場所。
難波から15分くらい、南海線の萩之茶屋駅からは薄暗い商店街のアーケード一本道なんですが、ゴミは多いし街灯は暗いし、かなりご年配の迫力のある見た目の男性が闊歩なさっています。
商店街といっても大部分がクローズされてから時間が経つお店が多い。かろうじて、と言っては失礼だけれど、飲食店やパチンコ屋さん、喫茶店も数件開けてらっしゃるご様子。
その中で目を引くのが、中が明るい照明で照らされた居酒屋スタイルのお店。カウンターの内側にはアジアの女性がズラッと並んでおり、飲食店ともカラオケ屋さんとも言えない妖しげな形態で営業なさっている。それが数十件、ポツポツと軒を連ねます。
二匹目のドジョウと周りから一気に参入したんでしょうか、全ての店が同じ作りで、色味から看板のデザインまで同じ。そういう意味で、物凄く不気味です。
廃墟と化したアーケードの中で活気に満ち、かなりの異彩を放っていました。
こちらも、お酒以外のサービスを提供してるのだろうか。そう思うのが自然だと思う。
飛田新地に着く前に、軽いパンチを食わされた気分です。
僕は毎日歌舞伎町を通って通勤しているのですが、そんなもの比じゃない。よく、歌舞伎町怖いよねぇ〜なんて言われますが、何を仰っているの?と問いたくなる。あそこは安全そのものです。
例えますと、歌舞伎町がパチンコ屋さんなら、この街はマジの博打場、鉄火場。「半丁揃いました」の世界。
キョロキョロしないで、あたかも用事があって目的地に急いで向かうような感じで、そそくさと通り抜ける。これ鉄則です。
写真を撮りたいとか、ガヤガヤ指差しながら歩くとかなら、絶対に来ない方が身のためです。
皆さんにとって生活の場、そこをガヤガヤ通られたら「ゴルァ!!ワレ何しとんねん!!」となる。当たり前だ。
道を通らせてもらう為には「成りすます」のが最大のマナーだと思っています。
後、飛田新地もですけど女性は歩いてはダメです。治安とか身の危険とかそういうのじゃなく、働く女性の名誉の為に、ダメなんです。
この辺りは身を売る女性と、買いに来る男性で構成される街。様々な事情により身を売る「姫」が一番傷つくのは同性である女性に見られたり冷やかされる事らしい。どうしても通りたいのなら変装するか、タクシーに乗って見て、との事でした。
当たり前だ。
似た話だけど、二丁目のビデオ屋さんに男女のカップルが入って冷やかす人が増えているらしい。パッケージを手に取り、
「キモーい!!」「キャハハハ!」なんて光景が増えているらしいです。
この「リアルじゃりン子チエ」の街だと、怖いお兄さんが出てきてその後どうなるかって事ですね。
さてさて。飛田新地に到着しました。とにかく、敬意を持ってお邪魔させて頂きました。
写真は全てネットからの拾い物です。撮影すると怖いお兄さんにキツく注意されるそうなので、絶対に撮ってはいけませんさっきの薄暗い商店街からは想像出来ない明るさ。例えるなら神社の屋台、それもかなり盛況な屋台の露天の照度と同じ、それ以上です。
道はゴミ一つなく、どの軒先も打ち水が打ってあり、清潔に保たれている。
僕は先ず、この清潔さに腰を抜かしました。
今まで通って来た道は、失礼ですがスラム街そのもののゴミだらけの街並みで、一歩道を隔てて現れるこの極彩色の清潔な街並みは、妖しさに満ちています。
人の欲望によって作られたセックスの街。人工的なんだけれど古い歴史からか、落ち着きさえ感じる。
なんせ形容出来ない程の不思議さに包まれています。
胸がドキドキしました。だって、こんな不自然な場所は今まで見た事ない。
江戸の吉原もこんな感じだったんだろうか。情緒に溢れている。
もしも全員が日本髪に仇っぽい着物で居並び、三味線でも聞こえてきたら、僕は気絶してしまうかも知れない。
ああ、いつかこの道でそんなパーティーやらせて貰えないかなぁ、、。お囃子が鳴り響く中で花魁道中やったりして。
簡単に説明しておきますと、ここは売春街ではなく、料亭街なんですね。
お客は「料亭」に入り、仲居さんが持ってきた「料理」(お茶とお菓子)を頂く。そこで起きた自由恋愛の末の行為は法律に引っかからないのです。
ただ、管理売春かどうかをチェックするガサ入れも頻繁にあるらしく、完全に安全とは言えない。
この街は警察とヤクザと、料亭組合との絶妙のバランスで成り立っているんだそうです。
売春防止法の骨子は、管理売春を禁じる法律なんですね。つまり、経営者がいたり、タイムカードやシフト表があるとアウトになる。
吉原でも黄金町でも、ソープの施設の一部屋を個人事業主のお姉さんに貸しているという建前なんですって。
さてさて。
一つ一つのお店は長屋のように連なり、それぞれ通りに面しています。
「かわい子ちゃん通り」「青春通り」「年金通り」「妖怪通り」と名前が付いていて、まるでディズニーシーの街並みのようになっています。(汗)
お店の脇にはミラーが付いていて、僕たちが歩くとお姉さんからはそれが丸見え。心を込めて手を振ってくれる、という訳ですね。
本当に可愛い人ばっかり!!読者モデルとか、キャバでも高級店レベルの可愛いお姉さん達。
悪いけどそこらの居酒屋で固まって飲んでるOLなんて、1人も受かりません(失礼)
彼女らは、美しいという自覚を持ってこの場に座るんだそうです。いやー、驚いた。
しつこいでが拾い物写真です。
お姉さん達が客引きをするとこれまた別の法律に引っかかってしまう。なので登場するのがやり手ババァ、と呼ばれるオバちゃん。
彼女らもかつて、この街で春を鬻いでいたメンバーなのです。この街では終身雇用のシステムも完備された、いわば自治国家の様相を呈しております。
オバちゃんはそれぞれ、決まった文句でお客さんを誘います。
「ここで決めないとダメよ!」
「この通り一の美人だよ!入って!」
「お髭のダンダンダンディーお兄ちゃん二人組っ!!」
もう、凄いです。
ルールがあり、お姉さんは確か7分交代位でしか店先に座れないのです。他のお姉さんの順番もあるんだけど、そういうシステムになっている。
迷って次に来てももう会えないかも知れないのです。オバちゃんはそういう賭博性や猜疑心までも巧みに利用します。
にしても、15分も歩いたらどっと疲れました。りんご飴やヨーヨー、たこ焼きでない生きた人間を売る謎の商店街のパワーに圧倒されました。
あき竹城似の人もいたし、呼び込みのオバちゃんと変わらない「姫」も居た。
この街で働くタフな笑顔の女性達に強い敬意を感じました。犯罪防止や、借金返済や、色んな人の影の部分を一役買っているこの絶妙なシステム。
あるお店では、10年で純利益13億を稼ぎ出したとか。マンションの隣の部屋を借りて札束を積んでいたそうです。(汗)
もちろん、これが強制売春なら許されませんけど。
何れにしろ、僕なら、、、。勤まりませんねぇ。
スラム街に忽然と現れた、文字通りの桃源郷は文章以上の迫力と情緒に満ちていました。
いやはや、勉強になりました。m(__)m
さらにご興味のある方は書籍もございます。
最後の色街 飛田新地