ふと気になり、お葬式の供物について真面目に考えてみました。
ご気分を悪くされた方がいらしたらゴメンなさい。
御供物、色々ありますよね。お花やフルーツの籠盛りだったり、和菓子のようなものが積んであったり。
僕が関心があるのが花輪という習慣。
僕の出身地、京都では葬儀の時の花輪という習慣を見たことがありません。
大抵、一対の生花がスタンドに活けられて並んでいました。
ウチはカトリックだったので祖父や祖母の葬儀の時には百合や白いカーネーションだったのを覚えています。まあベーシックで地味ですよね。
テレビなんかでたまに見る地方の仏教の花輪にとても関心があります。凄いデザインなんですもの。
色味も黒と白、青、紫位までならわかるんだけど、華やかなそれもピンクや赤、ゴールドの組み合わせには驚かされます。
いや、僕が勝手に驚いているだけで、その地方の皆さんにとってみたら当たり前の色彩だったりするんでしょう。
日本は縦に長く、そして広いのです。
南から調べてみました。
福岡県久留米市
銀色の光沢のある台座に鮮やかな緑。僕にとってはかなり派手に見えます。なるほど。華やかにお送りするという意味なのか。
続いて鹿児島県。
黒と白のモノトーン。なるほど、これなら僕もわかります。落ち着いた配置。
九州地方を一気に北上しまして北九州市。こちらもシルバーベース。
少し移動しまして福岡県小倉市。
派手ですね、、。ゴールドが多めにあしらわれています。しかし、宮型の霊柩車やお仏壇がゴールドなのを考えると何もタブーな色ではないですね。
また南下しまして大分県宇佐市。こちらも派手!まるで向日葵じゃないか。
南国の太陽を受けて、、。そんな事ないか。
大分県でも由布市のあるメーカーさんの逸品。謹んでお悔やみ申し、、のフォントがヤンキーっぽいな。
まるで花火みたいにも見えます。
今度は本州より鳥取市。グラデーションのブルーが鮮やかです。かなりシックな色味。
そして同じく日本海側であります、京都府竹野郡丹後地方。グリーンからブルーにかけてのグラデーションは何か関連あるのでしょうか。
遥か昔の日本海航路によって色味まで運ばれたのかな、なんて勝手に想像してしまいます。
関西地区ではあまり見られない花輪の文化。
一気に飛んで静岡県です。折り枝があしらわれた花輪。色味はこれまた寒色系の抑えた色ではないですか。
と思いきや川崎市。なかなか派手な、というかオリジナリティ溢れる色ですこと。上京して早16年、首都圏では花輪を見たことがないんだけど。
真ん中が祝って書いてあってもそのまま使えそうな派手さ。
関東からは埼玉県の業者さん。黒いリボン入りでしかもビニールコーティングされています。
さらに北に移動しまして茨城県。
ついに今回一番の関心事であります缶詰花輪!!
昔、どこかの地方出身の友人に「うちの実家のお葬式の花輪、真ん中に缶詰が詰まってるんだよ」と、俄かに信じがたい証言を頂いておりました。
今回、調べるにあたりましてその事を思い出しました。ああ、なぜ缶詰なんだろうか。
もちろん、見た事ありません。
見事に真ん中に詰まっています。式の後にこれを取り出して分けられるそうです、、。何というアイディア。
アップです。ミートソースとかってあるけど平気なのかな、、。
花輪に缶詰を詰めるという荒技。調べるとバリエーションも中々豊富です。
うーん、不思議。せめて果物とか、、。
と思ったらありました。
まだ果物の方が相性良さそうですよね。花が咲いて果物が実る自然の摂理。
籠盛りも。垂直に埋め込まれ、なぜかバナナが立ってます。こういう盛り付けってどこかセンスが謎。妙にパンチが効いている。
調べていましたら、米もありました。選べるなんて、、、。ううう、、。
地域によっては茶壺まで。お香典返しで玉露を頂く事も多いので、お茶はありかと思うんですが、この絵だと骨壷にしか見えないじゃんか。
ご高齢の婆さまなんかが間違えて拝んだりしないかな、、。しないよね。
まあ、沢山の御供物がありまして驚きました。まだまだあります。蓮の花の凄いのとか、鳳凰が飛んでるスタンドのやつとか、想像を絶するバリエーションの数々。
花輪やスタンドはまた調べよう。
書くのは憚られますが天皇陛下がご葬儀に届けられる御供物ってご存知ですか?
天皇陛下は人の葬儀には出席されません。ご兄弟であってもそうなのです。古来からのしきたりで、天皇たる身分によるものだそうです。
(皇后陛下はお忍びだったりでお参りされる映像を何度も見ますが、、)
その代わり勅使を遣わせて、祭粢料(さいしりょう)というものをお届けになります。一般で言う香典にあたり、木の箱に入っていまして金額は非公開。
そして、別のケースとしてこのようなものを下賜なさる場合もあります。
落雁でしょうか。うむむ、渋い盛り付け。
僕はこれが一番好きです。