三途の川の手前?!
また変な夢を見ました。
日曜日、帰宅してからどうも体が怠くて耐えられない。激しい筋肉痛と、全身がゾクゾクする。
確かに涼しくなったとはいえ、凄く寒い。毛布を出して羽布団に重ねて掛けてもまだ寒いんで、とにかく寝ようって事で、無理やり眠る。
ここから夢です。
僕は半ズボンに懐かしいプリントのTシャツを着て、手ぶらで電車に乗っていた。夢の中の僕は小柄な小学生の頃の自分に戻っていた。
京都駅に向かおうと、東京からJR東海道線の鈍行に乗っていた。
電車は閑散としていて、眠りこけたサラリーマンのお父さんや、お婆さんなど2、3人しか乗っていない。
電車の中の僕も体が怠くて、誰もいない四人掛けの向かいの座席に足を伸ばして悪寒を我慢しながら何とかやり過ごす。
窓に映る真っ暗な田んぼや、時折大都市を通過するときのネオンなんかを見ながら、生唾を飲み込んで吐き気を我慢していた。電車酔いだと思っていたんだろう。
時折、懐かしいミッフィーの絵の描いた緑と黄色の水筒に入った麦茶を飲む。
滋賀県に差し掛かり、何とかって名前の中くらいの規模の駅に停車する。
流石に体力も限界で気分が悪く、ここで電車を降りようと思ったんだけれど、ポケットには財布に、小さく畳まれた千円札が二枚。お母さんが入れてくれたんだろう。ここで降りるともう今夜中には京都駅には着けない。どうしようか。
その時、男が乗り込んで来て、僕の向かいにドカッと座った。
その人の顔を見て、唖然とした。
僕には亡くなった弟が居るのだけれど、ちょうど生きていればその位の年齢の、ガッシリした体格のその人は、紛れもなく僕の兄弟だと直感で分かった。
僕は小学生で、その人は30代後半なのだから年齢的には逆さまで、変な話なんだけど。
彼は僕の方を何度も見ては目を逸らす。僕は、何だか怖いので寝たふりをして目を合わさないようにしていた。スキを見てチラッと見るんだけど、鼻の形やヒゲの生え方なんかで、やはり兄弟だともう一度確信した。全くそっくりで、向こうの方がかなり見た目の出来が良かった(笑)
彼は紺色のポロシャツを来て、日に焼けた二の腕がガッシリと太い。きっと僕とは全然違う人生を歩んで、何かスポーツにでも打ち込んでいたんだろうか、人格って兄弟でも色々なんだなぁ、不公平だなぁ、なんて変に納得していたら、急に彼が話しかけてきた。
「あのさぁ、二枚あるんだけど、乗る?」
彼が差し出したのは電車のチケット。台紙は普通の水色なんだけど、文字が金色で印字されていて光っていて、行き先の所だけ黒くなっていた。黒いというよりは穴が開いているような、暗い井戸の底のような不思議なチケットだった。
小さな字で京都駅0番線乗り場にて乗り換え、という事も書いてあった。
手渡されたチケットのその穴の部分を覗くと、ちょうど暗い部屋の鍵穴から明るい外を覗いたような具合で、向こう側には眩しい草原のような広場が見えていた。
草原の奥には湖があり、畔りには石造りの東屋が建っていて、ベンチがある。無邪気な鳥の鳴き声が聞こえる。
それは誰しもが行ってみたいと思うような幸福な風景で、思わず僕は見惚れてしまった。
彼は頭をポリポリ掻きながら、何か気が引けるような、少し気まずそうな表情だった。そして僕にこう言った。
「全然無理しなくて良いよ。ただ、もう少し話したいなって、、、」
僕こそ、本当に兄弟なのか、もう少し話してみたかったので、何も言わずに軽く頷いた。
その後、また沈黙が続いた。窓に映る自分はいつの間にか今の大人の自分に戻っていて、髭面に戻っていた。
向かいを見ると、彼は「やっぱ似てるよなぁ」と笑ってガハハっと言った。
「いやいや、確かにそうだけど、、、」
僕は、物凄く懐かしい、幸せな気分になったのと同時に、とても悪いことをしているような罪悪感に襲われた。これって、所謂あの世行きのやつでしょ、、?それは困るよ。明日お店だし、、。
車窓から見える景色がどんどん賑やかになり、一本調子の車掌のアナウンスと共に、電車は一際明るいホームに滑り込んだ。京都駅に着いたのだ。
僕は、今更断るのが彼に何だか申し訳ないので、一緒に降りて0番線ホームに向かって歩き出した。
あー、僕の人生っていつもこうなんだ。誰かの機嫌を損ねたら悪いな、ってこうやって合わせてしまう、、。今更断ったら悪いよなぁ。
プラットホームに向かう階段を上がると、そこには僕の両親と姉が立っていた。親父は黙っていて、母親はいつもの調子で笑っている。姉は僕の分のリュックサックと虫捕り網を持って「人に持たせやがって」と不機嫌そうに立っていた。
僕は、家族でキャンプに行くことになっていて、京都駅で集合だったのを今頃思い出した。
あれ?
振り返ると誰も居ない。貰ったチケットもポケットに入っていない。
母親が僕を急かす。「シンスケ早よ行くで!電車行ってしまうやん、保津川行きのやつ、ほら!」
そこで目が覚めた。
僕の体は汗でぐっしょり濡れていて、熱を測ったら39.2度。書かなくても良いのに見た夢を慌ててメモに取る。(俺は作家かw)
もう一度眠り、さっき昼過ぎに起きて熱を測ると平熱に戻っていました。あー、よかった。
あの湖の景色は、もしかして、、。行かなくて良かった。
さー、今夜も元気にキヌギヌ頑張ろうっと!あの世より楽しいお店にしなきゃね(何のこっちゃ)
おしまい
- 2016.08.30 Tuesday
- 妄想系
- 15:44
- -
- trackbacks(0)
- -
- -
- by シンスケ