金魚照明、危機一髪!!



昨日立ち上げた金魚、どうしてる?っとご機嫌で出勤ました。


よしよし、元気そうに泳いでます。


でも水が濁っているような気が、、。
蓋の具合は、、っと。


ギャッ!!






気泡が跳ねてサビが出て、その汚水が水槽の中に垂れ流し。


このままでは死んでしまう!!


慌てて水を変え、ナスのヘタにビニールを切って挟む。




うーん、困ったな。やっぱ素人仕事は甘かった。タニシが1匹亡くなっていました、、。



ポンプの泡が跳ねてサビを起こしているので、早急に何かガラスかアクリルを挟んで遮断してやらないと。困った時の東急ハンズ。


円形で、直径16.2センチ。そんな都合のいい透明なパーツがあるわけないよね、、、


って、ありました!!





また、サイズの神様が微笑んでくれました。



UFOみたいな、レンズみたいな形の丸い板。窪みが15センチ、リムまで17センチ。なんと理想的なこと。


これに穴を開けて、と。




よしよし、これで行こう。明日ナスのヘタ部分としっかり固定しよっと。


そして、熱帯魚屋さんへ。


ウィローモスというのがありまして、初夏の芝生みたいにモサモサに増える藻があります。こんなの。





これをどうしても敷き詰めたくて、買いに行きました。


そして、コメットさんが寂しそうなので、相棒を1匹。





ウィローモスは刻んで流木に固定し、時が過ぎるのを待ちます。



1から3ヶ月でモシャモシャになるらしい。

ほんまかいな。


って、YouTubeに凄い映像が、、。











これは素晴らしい!!モフモフではないですか。フカフカのモジャモジャ。


ここまで来たら流石にカットしないといけないけど、頼もしい映像です。


冬場はどうしてもベランダの緑が少ないですから、これは期待できます。

ここに金魚がフワフワ漂う、そんな姿を見ながらボーッと過ごして頂けたら。

まさにオアシスです。


南米ウィローモスと言います。今後の成長にもご期待ください。手前の流木がそれです。




2匹のコメットさん、仲が良さそうです。良かったよかった。




右の頭の白い子が新入りさん。




全部の席をラッキーな席に



まだまだ続きます、お店の修正。


カウンターと連なるピアノの席。この二席が、いまいち人気がありません、、。

ベランダも見えるしピアノ弾いてる所も見えるし、タバコ吸う方ならベランダも近いし、、




昔と違って膝も入るし、、、




何となく敬遠されがちなこの席。


ならば、お楽しみを作ろうではないか、と思うのであります。


金魚鉢をピアノの上に移動してみて、金魚を観察しながら飲める席にしたらどうかな?と。


ただ置いただけでは真っ暗なので、何も見えません。





大抵、水槽の上には照明を付けるんだけど、ダサいのしか売っていないのです。

こんなの付けたくないよ。





とはいえ、ただのフタだと電球が水に浸かってしまいます。少し高さがあり、かといってモッコリしても不自然だし、、。

サラダボウルでも買って載せようかしら。




サラダボウルって結構高いんですよね。なんか、穴開けるの勿体無いし、すぐにでも取り掛かりたい。今夜もお客さんは来るのだ。



んで、自宅を物色しますと電気の傘を吊るす金具を発見。こーいう所に付いてるやつです。




これをどうやって照明にするか。取り敢えずソケット買ってこよう。




イメージでは、ソケットがこのように付けば用をなすのではないかと。


何か台座に付けてから、本体に取り付けましょう。



僕は作業するとき、必ずガムを食べる癖があるんですが、おっと、これは使えるじゃん!



フタをこのように、、




で、2箇所穴を開けてエアーと電線を通して。細かな仕事が今後の使い勝手に影響しますのでかなり大事。





ツマミも付けちゃおう。





てなわけで完成しました!京都の賀茂茄子そっくりです。






これからは、コメットさん1匹とタニシ4匹を観察しながら飲んで頂けます。特にコメットさんには接客もお願いしまーす。

バーって、目の前に動くものがあると1人でも居心地良いですよね。テレビ画面は雰囲気ではないし、本読んでもらう訳にもいかないし、金魚鉢とかが、雰囲気的に一番良いのではないかな。



暇だとか嘆いておりましたが、冬に差し掛かって、ここへ来て死ぬほど忙しいのです。(週末だけですけが)


多くの方が、改装してるって聞いて来たよ、と仰います。


ただ見せ方を変えるだけでは、一度いらしたお客さまもリピートしないでしょう。そんなに甘くはないのです。


毎日、開店前に全部の席に座って、それぞれにどういう性格があるのか、僅かな差ですが、ずっと考えています。


今回の金魚鉢のは、我ながらかなりヒットでした
d(^_^o)


そしてチェンバロ、アクリルケースが届きました。こちらもドリンク置いてもオッケーです。ドリンク置かれるのが嫌ならしまっとけ、って話ですもの。




ソファの各席にもドリンクを置けるように配慮しました。手元灯もありますよん。





そして、クリスマスツリーも設置。





深い時間に、イルミネーションが眩しい、と仰る方がいらしたので、レースのカーテンを発注。カーテンレールも付けました。





もう、言いなりです。何でもします。(笑)

お店って、突き詰めるとお家みたいですよね。居心地と雰囲気と、人の性格とが表れるおもてなし。


もっと研究しよう。



キヌギヌは、独自の客層の生態系を維持するために会員制となっております。

ゲイの方をメインに営業しておりますが、初めての方は大変お手数ですが、既にいらしている方を捕まえて連れて来て貰って下さいませ。

どうぞよろしくお願いします。






帰省その3 ミキモト真珠島



バスで伊勢神宮を後にして、目指すのは鳥羽のミキモト真珠島。元々は相変わら島という島だったのが、ミキモト創業者が島を買って真珠養殖の拠点にしたという、真珠にまつわる島。



真珠はそもそも、様々な貝の外套膜(ヒモ)の部分に異物が入り込み、体を守る為に異物を真珠層で取り巻いたもの。

養殖技術が開発されるまでは天然真珠しかなく、4万個に一つの確率だったんですって。

真珠取り、というダイバーが命を賭け、一攫千金を狙って貝を採っていて、真珠の供給源はこの方法しかない。バーレーンなどは最大の輸出品が真珠だったとか。


今のものとは違い、不揃いで形も色も様々でした。


そんな中で御木本幸吉が養殖真珠の開発に成功する。


1890年にこの島で実験を始め、1916年に特許を取得、1919年には世界に向けて大量供給を始め、莫大な富を築いております。


そのスタートとなったこの島では、真珠博物館、真珠神社、海女ショー、アコヤ貝の貝柱を使ったレストラン、真珠のショップが2件と、真珠パラダイス。
島の形といい、まるで竜宮城ではないか。見逃せない!!


バスを降りると、如何にも寂れた感じの真珠屋さんが軒を連ねる。日本中どこの街にもある、高度成長期に全ての発展が止まってしまっているような、見慣れた街並みが続きます。




鳥羽から英虞湾にかけて、昔ほど真珠養殖は盛んではないようです。母貝の伝染病や、湾の富栄養化などがその理由だそうです。


近鉄鳥羽駅から歩いて2分程で到着。






小さな江ノ島みたいな可愛い島。これを個人が買うなんて凄いな、、。


中は、かなり整備されています。


記念碑や銅像が立ち並ぶ敷地。等間隔にポツポツ並んでいて、なんだか墓場みたいでもあります。


先ずは真珠神社にお参り。


写真を撮るのを忘れましたが、ほんの小さな神社。御木本幸吉さんはここに熱心にお参りをしたそうです。僕もお祈りをする。今回、何度お参りしたんだろうか。


そして、腹ごしらえ。もうメニューは決まっているんだもの、フフフ。


アコヤ貝柱入りシーフードピラフと、アコヤ貝柱のフライを食べると東京で決めてきました。

アコヤ貝ってどんな味なんだろうか。やっぱ牡蠣に近いのかな、それとももっとコリコリしてるのか、、。


とても見晴らしのいいレストランは海沿いの二階にあります。



はい、来ました!!アコヤピラフ!!





お皿も高級感あるな。さすが銀座のミキモトビルで、レカンって伝説のレストランやってただけある。

コンビニと和食続きだったから、こーいう味に飢えてたので、かぶりつく。



あれ、んー、、、。変な味。それにご飯がね、変に硬いんですよ。

正直言うと、、まずい!食えたもんじゃねぇよ!!

チャーハンを作り置きして、乾燥した部屋にラップを掛けずに8時間くらい放置して、直前に電子レンジで温めたような。

どうやったらこんな味になるのか。

まあ、食えなくはないけど、1200円取るならちょっと不満かな。ワシの数少ない旅先の外食チャンスを返して欲しい。


貝柱は、っと。




こちらも硬い。まあ硬いのは良いとして、貝柱独自の肉汁も味もあまりない。味付けでどうにでもなる感じ。

ゴムのかたまり食ってるような感じですかね。余りリピートしたくなるような味ではなかったです。そりゃホタテや小柱の方が美味い。

ネットで調べたら、「毎年1月の寒い時期のみに真珠の収穫があり、その際に副産物として貝柱が採れる」との事。

なんだ、一年前のか。

フライも頂いた。





うん、こちらは美味しいです。弾力があり、旨味もありました。


にしてもあのピラフ、、。


僕は割と外食のハードル低い方なんですよ。
けど、手抜きみたいな気配を感じると、無性に腹が立つのです。あれは多分、作り置きに違いない。

もー、ざる蕎麦にすれば良かった。(怒)


さっ、気を取り直して真珠の見学に行こうっと。


すぐ隣の真珠博物館。


真珠の生産のようすや





何とか万博に出品した真珠のオブジェや





組み合わせで帯留めやブローチ、簪や指輪になるアクセサリーなど。



そして、沢山の真珠の王冠。(ミスコンのスポンサーをなさっていたそうです)





なるほど、真珠、真珠、真珠。


あらゆる展示の場所で、アクリルケースに割と綺麗な真珠が大量に敷き詰めてあり、ちょっもうんざりする。

どんなにパネルで「真珠養殖には大変な労力が」と書いてあっても、説得力が無いのだ。

段々とゲシュタルト崩壊してきて、真珠って一体何だろうか、と頭がぼーっとしてきました。積み上げられたパチンコ球のケースにも見えてきた。


後半、希少な16ミリの巨大な花珠とか言われても、あまり感動がない。



真珠なんてモノはあまり一度に沢山見るものじゃないのかもね。

そろそろ東京に帰らないといけない。

歩いて駅に向かい、今回の帰省を振り返る。やはり、食事が満足いかなかった。詰め込みすぎて忙しかったのと、伊勢市のあまりの過疎化と悪天候もあったのだけれど、、


今回僕が三日間で口にしたものは、


駅弁
コンビニ
母の手料理
コンビニ
コンビニ
コンビニ
串焼きのあわびとスルメ
真珠ピラフ
駅弁


でした。それだけに真珠ピラフへの期待は大きいものでした。むしろ、伊勢市到着以降は「いつも心に真珠ピラフを!!」をスローガンに、心の拠り所にてくてく歩いて来ましたが、、、。



関係各位の方、どうか、ピラフのレシピに早急な改善を求めます!!



おしまい(>_<)




シャンデリア復活!



ミキモト真珠島レポートのその前に。



チェンバロの上あたり、もう少しボリュームが欲しかったのです。

部屋を探してみたら、2007年から2010年くらいまで使ってた、ちょっと派手めのシャンデリアがあったことを思い出す、、。





お店を初めて2年目くらいにやっと旅行に行けるようになり、パリのクリニャンクールに乗り込み、ノリと気合いで買ったものです。


かなり高かったのですが、僕の好みが渋好みに変わってからはマッシュルーム電傘に取って代わり、ずっとベランダに放置してありました。


面倒だけど、ちょっとやってみるか!


タクシーにて運び入れる。





先ずはこのシャンデリアをどうやって吊るすか。天井材はスチロールみたいなフワフワなので全く重みを受け止めてくれない。

この穴を覗いて、15分考える。





結局、天井裏の鉄骨に穴を開けて、そこから鎖と結束バンドで固定することにしました。


地味なので割愛します。というか、必死すぎて写真撮る余裕が有りませんでした、、。


そして電源。えー、面倒臭い、、。(笑)
既存の調光器付きの電源から引っ張って来て取り付けてみよう。



この人からお裾分けして貰います。





材料は、まだ前のが残ってました。


2芯ケーブルを1メートル。これをシャンデリアに取り付けて延長する。ブレーカーを全て落として、並列に繋いでみる。





で、運命の瞬間。爆弾の解除する人の気持ちがよく分かります。繋ぎ間違えて爆発したり、ビルの電気を落としたことも有ります(笑)


今回はキチンとシュミレートしたから平気だもんね!


ほい!





わーい!爆発しなかったよ!!任務完了。


植木を戻して、と。





伯爵の居城みたいになりました。自分で選んでるので、五丁目の店にもよく合いますね。(自画自賛)



そして、京都で買ってきたダイヤガラスの門灯。グリーンが優しいのです。




チェンバロの上のスタンドをやめてこちらに交換。

とはいえ、コンセント付いてないのですよ、、。コンセントあったかしら、、。

コンセント、、、。


はい!





壊れた掃除機も、新たな命を吹き込まれ、ここにて生き続けます。





こんな感じかな?少し本が読めるくらい。(読む人居ないけど)


明日もなんやかんや付けたりします。


ゴチャゴチャしたの嫌いですか?


僕は大好きです。モノが多いと落ち着きます。統一された雰囲気のものに限りますけど、包まれたような安堵感を感じますね。

品の良いゴチャゴチャした古道具屋とか、 うっかり住みたくなります。





帰省その2 お伊勢参り




伊勢市の夜は早い。コンビニ以外何にもありません。ちょっとラーメン、と思っても、凄く歩かないといけない。かなり強めの雨で、動きがとれない。


仕方なく、コンビニ弁当を食べる。何でこんなに不便なのか。東京が異常と言われればそれまでなんだけど。


風呂に入って酒を飲むと、もう何もやる事が無い。胃も満腹だし、テレビは付けたくない。


不貞腐れて寝ることに。(笑)


翌朝、旅館の素晴らしさに感動しつつ、庭を囲む建物をクルクル回る。











本当に好みの建物。中庭は昨日の雨でしっとり濡れていて、箱庭みたいだ。



玄関で御礼を伝え、お会計。柱時計もランプも良いなぁ。




外は快晴。神宮を目指します!



神宮外宮、つまりは豊受大神宮は歩いて20分くらいかな。てくてく歩くと機織の音とか聞こえて、平和な祈りの街といった風情です。



到着!



しっかりお参りをし、バスで内宮へ。内宮までは30分ほど。



有名な橋を渡り、先ずは一番奥の天照大御神さまにお参り。





そして、お神楽をお願いしてきました。神楽殿は正宮の手前にあります。




今回2度目なんですけど、バンド4名にダンサー6名、司会の方に祝詞の方を含む12名体制で、かなり豪華でした。演奏と舞いだけでも、かなりの価値があると思います。

紙袋に一杯の神饌を頂いたのですが、中はバスの中のお楽しみ。


お参りの後はおかげ横丁に行ってきました。赤福の社長が私財140億を投資して、10年で返済を済ませた驚きのビジネスプラン。




こんなに良い天気なのに、今回は12分しか滞在出来ません(汗)

実は事前に地図を手に入れておりまして、入念にコースを計画していました。後は走るだけ。


その1 白鷹酒造に行って、一合を一気で飲む。500円。





その2 手前のあわび串焼きで、バター醤油味の串を買う。1300円。



その3 更に手前の、怪しい屋台でイカのゲソを食べる。350円。





わーい!7分で戻って来ました。使った額は2150円。安いのか高いのか、、。

日本酒は間違いなく美味いのですが、魚介の味は微妙です。フニャフニャに柔らかくて温度もぬるい。お年寄りが多いからなのか、、。

空いているバスに乗り込むも、完全に飲酒モードになってしまいました。これから真珠島に行かなきゃいけないのに。

酒はともかく、何となく何かを摘みたいので、さっきの神饌を失礼して、、と。





中には塩と鰹節、スルメと昆布に塩、日本酒。







完全に酒とツマミですな。バスの中でちょっと一杯始まってしまいました。






あーこりゃこりゃ。大人って楽しいなぁ。


この後、鳥羽へバスで向かいます。



今夜は予定通り、20時よりオープン致します。よろしくです。





帰省その1 実家の味




昨日、日曜日は本当にすみませんでした。てっきりアルバイト様をお願いしたつもりが、僕の勘違いでありまして、、。来てくださったかたも少なくいらっしゃったようです。申し訳ないです。


京都への帰省には二つの目的がありました。勿論の事ながら両親に逢いに行くのと、最近ゴソゴソやっておりす、あるミッションの買い付けの為です。


両親に逢うのは2年振り。去年の大阪フェスティバルホールのMISIAさんの前座の時に、8秒くらい目が合いましたが、それは帰省とは言わない。

やはり、一緒に食べて飲んでゆっくり話して、一夜を過ごしてこそ帰省だと考えます。


お待ちかねの新幹線。今日は少し張り込んで、1900円の弁当を。(その分シウマイは我慢ね)






車窓を見ながら、一口酒を飲み、景色を見て、弁当を頬張る。


これこれ。ここで旅は半分終わったと言っても過言では無いのです。

さすがクソ高い駅弁、大きな松茸が入っていました、、。お土産に持って帰ってあげようかな。(汗)


さて、お酒を、、ともう無いじゃんか。
そして、品川を過ぎた時点で弁当も無くなってしまった。サービス業の方はわかると思いますが、早食いが体に染み付いてしまっているのであります。どうやったって掻き込む癖が治らない。


変なワゴンのソーセージを食べながら酎ハイ3本目。いつもの事です。


京都に着いたらまず、いつも喫茶店に飛び込みます。築地、ソワレ、フランソワの三つのどれか。

今回は築地さんに。昭和9年創業。






京都に来て築地に行く、なんて変ですけど、僕は今でも「築地」というと市場の方ではなくて、京都の喫茶店と連想してしまいます。三つ子の魂百まで、恐ろし。





ここはとにかく、ありとあらゆるモノがゴチャゴチャ置かれています。蓄音機から置物から額に鏡、陶器の皿やら、装飾と言う名の物置きです。


やはり、落ち着く。ゴチャ好き。

キヌギヌにもあるロシアンティーの薬罐、サルモワールもあります。





今回、何かが違うなっとよく観察していたら、店員さんが居酒屋みたいに大声で「らっしゃいませー!」「ませー!」と連呼してました。


アホか。



混んでるのは仕方ないとして、この内装に合わないでしょ。特にひどいのはあまり美しいとは言えない表情の、メガネの女性店員。

エレガントのカケラもない。あーあ。


2年間隔で帰省していますが、街は加速度的に移り変わります。定点観測だから尚更よく判るのですが、どんどん安く能率よく、雑になってきている。それは老舗も関係ない。


こうなりゃ街にエレガントを探しに行こう。

寺町通りを北上します。懐かしくて倒れそう。




小学校の頃にシタールを買って欲しいと半狂乱でダダをこねたコイズミ楽器店も




30年前から変わらず、ずっと俊敏なお爺さんがご主人の(多分どこかで息子さんとすり替わってる)素晴らしいセンスの内装のテーラー。



今にもカンカン帽のモダンボーイが入ってきそうでしょ?




テーラーに後ろ髪を引かれながらも、更にブラブラ散策する。色々のぞいたり振り返ったり、まるで子供です。


18時、二条城近くの両親と待ち合わせでいつものボロ寿司屋。


有る事無い事ベラベラ話して、フグのひれ酒をガブガブ飲み干す。

そういやずっと飲んでますって。


酔った勢いで、、、。肩を抱いてしまいましたw





この夜は大人しく帰り、即睡眠。

翌朝は早めに起床して母の手料理を頂きました。


おお、西京漬け。大根の煮物もあるぞ。



あと何回食べられ、、、。やめとこ。

余計なことは考えない。それが中年の実家の過ごし方です。





ここを読んでる若い子達、お母さんのカレーをあと何回食べられるか数えた事あるかな?

親孝行って、するのは中々難しいんだけど、電話だけでもいいし、何かしてあげよう。僕らが子供の頃、たくさんして貰ったように。
なーんて。


翌朝は10時に起きまして岡崎エリアの方へ。京都の北東に位置し、美術館や動物園のある文教地区ですな。方角的にも上野エリアとよく似ています。


紅葉も少しばかり見られました。




電灯の傘ばかりを扱う商店にお邪魔しました。

どこをどう探してもガラスの傘しか置いてありません。何という思い切った商店。





またそのうちアップしますが、選び抜いたものを9点、購入。キヌギヌちゃんにも緑のを一つ、買いました。どこに付けようかね。





そういや、先日こんなのを買いました。衝立なんですけど、イギリスの1890年頃のもの。明治の遊郭みたいでしょ?




これも、上の電灯と合わせます。自分のバー以外にも色々やってるんですよ、、。ご飯食べるのは中々大変でねぇ、。


完成はそのうちに。お楽しみに〜。


そして、一気に京都南部へ移動。


京都駅のさらに南側、東寺です。ゴーン。





毎月21日はマーケットがあり、ここを開いた弘法大師にちなんで「弘法さん」と呼ばれています。

とにかくあらゆるモノが売っています。よくあるのテキ屋の屋台から、



生鮭の切り身とか(平気なのか??)




基本的には骨董市なのですが、干した潤目鰯にお供え用の高野槙の葉っぱ、お寺らしく仏具に、変なデザインのパジャマ、御線香やら古道具、包丁に下着にちりめんじゃこ、ペルシャ絨毯やら古着はもちろん着物。手作りのずっと漬物にあられや煎餅、獲れたての果物。何故かゴミのような車の部品も売っています。


お婆さんが煎餅を売っていました。すっごく元気で、ここだけ人集りが。






この市には小さい頃、よくよく連れてきて貰いました。昔はもっと変な人がたくさんいて、見回りのヤクザ者とか、ハブとマングースを闘わせているおじさんとか、ガマの油を売ってて腕を包丁で切った後に塗ったり、拾い食いしている老婆に追い掛けられたり、そりゃもう大騒ぎ。


怖くて行きたくないと泣いた記憶もあります。今では普通になっちゃったけど。


薬師如来さまにお参りして、またお散歩。


この辺りの街は、エリアは僕を形成したモノで詰まっています。


ふとした洋風の喫茶店にパリの街の面影を見たり、鉄道の引き込み線の高架に登って、大冒険の末の夕日を眺めたり、、、。


今のようにお金も情報も無いけど、とても鮮やかな日々でした。子供の頃ってそんなものかな?



旧図書館。こちらはアール・デコの美しすぎる三階建の建物を用いた図書館なんです。




楕円形を歪めたような贅沢なデザインの螺旋のような階段には大理石と真鍮金具がふんだんに使われており、恐ろしくリッチな作りでした。

他の施設も同じく、地元の成功者が寄付を募って建てたんでしょうか。エレガントな空間でした。

何でか知りませんが、いきなり閉館しました。(汗)


僕はというとですね、ほぼここに居りました。三島由紀夫の仮面の告白を文字通り立ち読みしたのもここだし、楽器の構造や演奏方法、世界の文明を追った毎日かどっかの豪華本の、ウィーンのケーキ屋さんやらパリのカフェの写真を見て、1人悦に入ったりしていました。


当然、今と違いネットなんてありません。ウィキペディアもグーグル画像検索もない。全部手で調べて、コピーなんて取るお金無かったので次回探さなくてもいいよう本の位置を覚え、目に焼き付けてました。

今の子にしたら笑われてしまいますけどね。


そんなこんなでおじさんは今に至ります。現代も中々悪くは無いのですよ。


そして伊勢に向かう電車に乗ります。京都から2時間で伊勢に着く、近鉄特急。誰も乗っていませんので、歌なぞ大声で歌ってみました。





歌うのに飽きて、買っておいたゆで卵を2つ。ゆっくり食べているうちに着きました。(笑)





大正時代創業の古い旅館です、星出館さん。
明るい写真は明日お届けします。





中庭を取り囲むようにロの字型に部屋があります。朱塗りの太鼓橋まであります。

古いけど清潔で、すっごく懐かしい雰囲気。


今、ちょうどその旅館のお風呂でこのブログを書いています。(笑)



明日は早起きしてお伊勢参り。下宮と内宮、猿田彦神社を回ってから、電車で御木本の真珠島に行って、名古屋まで出てひつまぶし、そのままキヌギヌなんだけど祝前日なので朝まで。


体が持つかな、、。持つよね。




まだまだ続きまーす。




本日、休業となりますm(__)m



昼過ぎに京都に着きまして、なんやかんや用事を済ま済ませていましたら、、

僕のミスで、スタッフさまのシフトを勘違いしておりまして、今日は誰もおりませんでしたm(__)m

大変申し訳ないのですが、本日日曜日は休業とさせて頂きます。もしもいらした方がありました、大変申し訳ないです、、。

明日は定休日で、火曜日から通常通り再開致します!


シンスケ



実家とお伊勢参りに行ってきます!



旅に行きたい、、と書いていましたが、日曜日と月曜日、二泊三日で実家の京都市とお伊勢参りに行こうと思います!

なので日曜日と月曜日はお休みですがそれ以外は開いておりますので、どうぞよろしくお願い致します。



11/18 金 27時まで
11/19 土 27時まで
11/20 日 臨時休業
11/21 月 定休日
11/22 火 祝前日なので27時まで


新幹線乗れる!嬉しいなぁ(*^_^*)


荷物バケツとラベル




また改装の続きです。


もう飽きられたかも知れませんが、まだモガきます。

荷物を入れるバケツが届きました。フランスの40リットル入りのバケツ。

最初は藤の編んだやつとかがいいと思ってたんだけど、丈夫で長く使えて洗えて、という条件だとどうしてもプラスティック素材になる。

僕は大のプラスティック嫌いなんだけど、ここは一つ心を決めて。




大容量の4つで160リットル。何でも入れて下さい!


そしてステッカー。世界中の古いホテルのステッカーの復刻版なのですが、今はインターネットから買えます。

カウンター上の吊り棚に貼ろうと思って用意したのがこの90枚。





いいな。素敵な地名ばかり。行ってみたいな。



張り切って貼りすぎて、隙間が無くなった。





3割くらい減らしたのがこちら。この方がいいかも。





余白がないと、ね。今日また、もっと減らしましょう。


フランスのカフェによくある、当日のメニューを掛ける棒も付けました。





まあ、こんなもんだろ。少しはゴチャゴチャ感が出たかな?


すごく酔ってるのでこの辺にしておきます。



古いホテルのステッカーを見てたら変な気分に。



あー、無性に飛行機乗りたい。国際線の、出来ればゆったりしたシートにもたれて行き先も決めずに窓を眺めながらバニラアイスを食べる。

映画を観ながら、どこに行くともなく地図を拡げて行き先を考える。

暖かいところもいいし、古い街並みも見たいし、美味いものも食いたい。




結局は旅先で新宿の店のことを考えるんだけど、ね。



行き先を考えてる時と飛行機に乗ってる時、それが一番楽しいのかも。

お店を飛行機の座席みたいにしたら楽しいのかな。ワゴンサービスとかしながら。


なら、豪華客船もいいな。ソファとピアノがあって、麻の制服着たりして。


、、、、今と変わんないじゃんか。


まあ、明日も自分のお城で旅をします。それが一番の一期一会なのだから。



ちょっと酔ってるので変な文章になりました。明日起きたら修正します、、。


鰻パラダイス「カブト」



西新宿ガード下食い物ネタが続きます。

今日はお客さまのYさんとカーテン生地を探しに待ち合わせ。買い物だけでなく、わざわざ縫って下さるのです!!


この10日程の植木やら楽器を置いたり、ソファやピアノをズラしたりしているのは、狭くする事と、「お店に死角が少ない」事の解決なのですよね。


死角、つまりは隅っこ。僕は隅っこの席が好きです。落ち着くから。


全席を隅っこにするのは不可能だけど、それぞれのコーナーが、まるでシェルターのように包まれているような仕掛けを探っています。

その一つがカーテン。オープン時から欲しかったのですが、ベランダを少し隠したい時に使います。


色は深いグリーンの生地にしました。ソファの反対色です。どうぞお楽しみに!




そして、カウンター上のボックスにステッカーを貼りました。パリとニューヨークの古いホテルのシールです。ちょっとアイデアがあり、エイジングします。




三丁目の店舗の頃のように、ステッカーは今後も増えます。お酒のラベルも貼ります。今までも少しづつ壁に貼ってきましたが、古いヨーロッパの酒場みたいで好きなのです。






さて、生地を買った後に鰻を食べましょう、という事になりました。


ただ、知っているうなぎ屋さんは少し遠い。ならば、と近くの行ってみたかった思い出横丁にある、カブトさんへ。






勇気を出して暖簾をくぐってみる。


もの凄く年季の入った店内は脂でドロドロ。僕はこういうのが大好きなんだけど、苦手な人は無理かも。

チャキチャキの店員さん3名が立つ、コントのセットのような店内にはお客さんが満員。





座るとお酒の種類を訊かれて、そして「一通りでいい?」との事。

一通り、とは串を7本のお任せで1,400円くらいのセットの事らしい。


はい!と答える。単品で頼むと怒られそうだから、迷う暇はない(泣)



お通しに物凄くシンプルなキャベツ。写真左下です。



何を取っても全く無駄が無い。メニュー構成、オーダーの取り方、このキャベツにしてもすぐに出てくる。



目の前にはタレ。68年継ぎ足して使っているらしい。




Yさんとビールを酌み交わしながら、目の前にあるド迫力のタレ壺を眺める。地獄の底なし沼みたいな色をしている。

串を載せて汁気を切る滑り台みたいのが好きで、見ていて落ち着く。一滴残らず回収され、何と無駄が無いんだろうか。


鰻の脂や肉汁がタレに落ちてはまた鰻にまぶされ、濃度を上げながらグルグル循環している。それが68年も続いているとのこと。

この壺の中に68年前のタレは一体どのくらい残っているんだろうか?なんて考える。


ふと、クレオパトラのワイングラスの話を思い出しました。ご存知ですかね?

クレオパトラがグラス一杯のワインを飲む。それは排泄され、やがて地にしみて海に注ぎ、循環して世界に拡散されます。

現代、一杯の水をグラスに汲んだとして、クレオパトラの分子がそのグラスに何個入っているか、という水の分子量を示すエピソード。



グラス一杯の水の分子量は10の24乗とかで、そもそもピンと来ないんだけど。

グラス一杯に、分子が10個入っているそうなのです。計算上。多いんだか少ないんだか。 壺に浮かんだど迫力の泡を眺めながら、ふとそんな事を思い出す。

68年前の原液どころか、色んな予想外の物質が相当入っているんではないかと、、。






10の24乗くらいの鰻の霊が溶け込んでそう。



途方も無い事を考えていると、鰻の串焼き、一便が来たよ。あっという間です。



お待たせでーす、と部位をシンプルに説明して小皿に置かれる。置くというよりは優しめに投げるようなワイルドな力加減。

昨日の寿司屋の生意気な小娘だったら間違いなく泣き出すに違いない。これぞ大人のグルメ!



香ばしくて本当に美味しい。小骨もあれば焦げ目もあるし、かなりワイルドだけれど鰻の脂を考えるとこのくらいが丁度いい。それに、タレの濃厚な事!


部位は頭とヒレ、肝に蒲焼き。これが確か7本位付いて1,400円くらい。あまり美味しいので追加して12本くらい頂きました。

(写真は全部似ているので割愛します)

暖簾から振り返ると、陽気な通行人の声が聞こえる。



映画のセットの中そのもののこのお店。昼の2時からやってるらしいです。


ここで一通りを頼んで一杯引っ掛けてから、向かいの回転寿司屋で寿司を摘むってのもいいな。



皆様是非一度ご利用下さいませ。




思い出横丁とはこんな感じ。拾い物の写真ですみません。

汚さを通り越して、寧ろ整然として美しい。


















ちょっと違いはあるにせよ、僕の目指すキヌギヌもこんな感じなのかも。

ごちゃ混ぜで、決してスッキリはしていないのに懐かしく落ち着く感じ。

魅せる為のインテリアではなく、働く僕自身そのものであったり、人を楽しませるひとつの装置としてだったり。




ああ、僕はどうしても、使い込まれたものが溢れる、ゴミゴミした所が大好きなのです。整然とした所はあまり落ち着かないw



Yさま、素敵なカーテンをどうぞよろしくお願い致します!





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