博多より。



思い立ったが吉日、急に博多行きを決めてしまいました。本日は火曜日ですがお休みを頂きますね。申し訳ありません。

三月に入りましたらお休みが取れなくなりますので今のうちにというわけです。

早速、羽田空港行きのバスを寝過ごしてしまい、1時間遅刻するという旅の幕開け。

タクシーだと勿体無いのでバスで羽田に向かい空港を走り抜け、飛行機のドアが閉まる1分前に機内に滑り込みます。間に合った!!


他にも何かミスしてそうな予感が、、。


今回博多にお邪魔した理由に、行って見たかったバーがあるのです。明治時代に建てられた木造家屋を改装して、会員制のバーをなさっているお客様がおられ、一度おいでよ、との事でしたが中々お邪魔する機会がなく、7年ほど過ぎてしまっていました。

飛行機のマイルが消えちゃうのもあり、重い腰を上げて一路博多へ。


僕の横の席がスカスカに空いております。これはラッキー。





1時間半程で到着。博多湾に沈む夕日が素敵です。




バーのご主人が空港に迎えの車を回して下さり、一路お店へ。



駅から離れた住宅地の一軒家は、中が水炊き屋さんとバーが隣同士になっており、先に水炊きを頂きました。

一軒家に個室が三部屋。最大3組しか入れないないらしい。そんな事でどうやって採算取るんだろうか。しかも水炊きは一人前6,000円だそうで、全く謎だらけ。どういう仕掛けだろうか。




そして、水炊きなのに目の前に鍋がありません。横のテーブルで煮たものを係りの人が取り分けてこちらに持って来られる。うむむ、貴族的な水炊き、、。


と、この方式は今ではよくあるとのこと。へー、そうなんだ。凄いな。


一通り頂いてからバーへ移動。


桃が活けられている反対側にはガラス越しに日本庭園が見えます。家具もグラスも、とんでもない逸品だらけ。


細かい部分を書くとキリがないのですが、こだわり過ぎてて凄いのです。背面には冷蔵庫くらいの巨大スピーカーが6台あり、物凄いボリュームでジャズやクラシックが流れる中、お酒は超一流のカクテル。
そこでオーナーさんの繰り広げるアホっぽい会話(失礼)



おこがましいけれど、僕と似たやり方でいらっしゃるように思う。

作って、自分で壊すという流儀。同じことを考えてらっしゃるのかもしれない。





自分も自分の得意なやり方で頑張ろう。それしかないですよね。


他にも素敵なバーに数軒お邪魔して、ベロンベロンになりました。

タクシーに乗って地名を間違えて伝えていたようで、博多中をぐるぐる回ってしまいました。博多には全く土地勘がありません。


そして!


予約していたホテルが僕の予約ミスで1日間違えて予約していたらしく、、。システム上動かせないとの事で泣く泣くキャンセル料を払い、違うホテルに異動。

あー、こんなんばっかり、、。




特にオチもありませんが2日目に続きます。




本日水曜日は終日貸切となります



タイトル通り、本日水曜日は終日貸切となります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

そして、、、


来週火曜日は博多に行くことになりました。前日の定休月曜日から飛行機にてビューっと。


今週の貸切と、二週間に渡り臨時休業が重なりますが、何卒ご容赦下さいませ。
どうしても見ておきたいお店が、偶然博多に三軒あります。春になるともう年末までお休みを取りづらくなってしまいます。取るなら今しかないかと。

定休日で一泊でも帰って来られるのですが、流石に博多では勿体無いです。二泊させて頂いて、英気を養って戻ろうと思います。

3月からはノンストップで頑張ります!どうぞ宜しくお願い申し上げます。





お店を閉めるのは心苦しいのですが、どうぞご理解を賜りますよう、よろしくお願い致します。






あと1ミリなんだけど、、


先ずはご案内から。


来週の2/22(水)は、終日貸切となりまして、通常営業はお休みとさせて頂きます。

ご来店の予定でした方には申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い申し上げます。




二月のキヌギヌちゃん、週末はかつてない賑わいを見せております。昨日もずっとベランダまで満員で、通勤電車のような営業をさせて頂いておりました。本当にありがとうございます。

そして平日は、、別の店かと思うくらいの静かさで、喫茶店のマスターの気分でやっております。(笑)


ゆっくりお話になりたい方はどうぞ、平日にお運び頂ければと思います。一匹オオカミのような男達が何やらボソボソ話しています。中々の心地よさですよ。


少し前のブログ以降、いちげんさんの看板を乗り越えて来てくださるかたもどんどん増えて来ました。皆さん思慮深い物静かな方ばかり。こりゃ嬉しいです。


誤解を恐れずに言えば、近隣に多いタイプのカラオケやら内輪ノリトークの騒がしいバーに辟易している方が多いようです。

はい、その通り。そのニーズ応えるべくこの店を始めました。


一度いらしてくださればすぐに分かりますが、一言で言えば大人の方が多いですね。同じアンテナの方同士は似た方に敏感ですのですぐに集まります。


初めていらした方の前で、まさか常連の誰ちゃんが誰と寝たとか、お店の常連の新年会の話とか、そーいうクソみたいな会話はしません。(過去、新年会をやろうとか誰1人として言い出さないのも寂しくもある)


お天気や食べ物、旅や生き方の話なんかをしてます。それで十分だと思いませんか?


いつでも入れていつでも出られる、大縄跳びみたいなノリとでも言いますか、、、。



大人の男の秘密基地。入るの怖いなんて仰らず、一度お気楽にどーぞ。






さて、カウンターとピアノの境目の部分。まだしつこく取り組んでいます。

はい、執念深い性格なのです、、。


最初はこんな感じ。置いただけなので完全にセパレートしていました。そもそもピアノがカウンターより低いのです。




カウンターは動かないのでピアノを上下左右に動かしてそこに寄せ、継ぎ目を削ります。


ピアノを9ミリ上げて彫り込みました。僕としてはグラスをスッと滑らせたいんだけどまだ全然甘い。カーブも隙間があるし、ピアノを上げすぎなのです。





段差のあるまましばらく使っていましたが、どうにも我慢がならなく、昨日また修正する事に。さらに削りまくり、ピアノを3ミリ下げます。





そして昨夜、ほぼ水平になりました!!






とはいえ、あと1ミリ隙間があるのです。そのうちホコリとかナッツのクズとか入ったりするのか、嫌だな。許せない。


どうしてピッタリハマってくれないのか!!(´・_・`)




僕なんかの素人仕事では、どうしても密に仕上がらない。手前を少し削ると奥が少し浮くので仕方なくまた削ると全体がおかしくなって、また全部を2ミリくらい削って、、。みたいな感じ。



こんな事やってるとそのうちカウンターが無くなっちゃう、、、。



木工の難しさ、特に曲線の仕上げは本当に難しいと思います。



ロシアのエルミタージュに、寄木細工の床があるのですが、どういう技術なのか、16種類の木をカットして全てを合わせてはめ込んでいるとの事。



ちょっと、頭がおかしいんじゃないかと思うくらいの精度なのです。








ここの修復のオジさんが、ウチのカウンターもちょこっと直してくれないかなぁ、、。

もしもここを読んでいるエルミタージュの方がいらしたら、どうかお願いします。ウォッカ好きなだけご馳走致します。




本当に頭が下がります。。



今日も早く行って削ろっと。




トランクルームを借りたよ!



お店が広くなりまして、比例して夢も膨らみます。

ベランダでは過去にバーベキュー、芋煮会、床屋、流し素麺、チェンバロお茶会など色んな事に挑戦して参りましたが、その度にモノが増える始末。

僕としては年に一度だけど、なるべく長く続けていきたいと思っております。が、今まで置かせて頂いていた階段部分にNGが入りました。(というか今までもダメだったんだけど)



そこで、ネットを検索しておりますと、、

トランクルームというのが近所に見つかりました。

キヌギヌちゃんのベランダからすぐ向かいのグレーのビル。





ここの地下が、そっくりそのままトランクルームなんだとか。


そのままネットで契約できちゃいまして、翌朝鍵か送られて来ました。思い付いて15時間。なんて早いんだろう。


早速そのビルに向かいます。セブンイレブンの地下。





こんな具合です。



蝶々型をしたちょうど真ん中の0.6帖のお部屋。月に5000円でした。




電子ロックを開けて入りますと、、、





あー、テレビなんかで見たやつだ。






はい、早速搬入です。4往復しまして、すべてのものが入りました!!







僕も悲しいことがあったらここに篭ろう。ポットとコタツとミカン持ち込んだら楽しそう(笑)3日くらいはいけるな。



これで先ずは一安心。階段も空っぽになりました。(階段部分は立ち入り禁止となります。イチャイチャも禁止ですよ!)







まだまだ買い物出来そうです。おでんの屋台とか、メリーゴーランドとか、螺旋階段とか、、、。


いえ、暫く買い物はやめましょう。ね。






さてさて、4/4でキヌギヌも12周年となります。

こんなにブレてる店主を見離さない皆様に感謝の気持ちを込めて、4/29辺りに12周年パーティーを開催しようかと思います。


夕方からベランダ全開で、いつもの弦楽四重奏に歌に紙芝居、食べ物の屋台なんかをゾロゾロ出して、懐かしいバザーのようなパーティーになるかと思います。

もちろん、階段も使って何かやろうと思います。何ができるかな?


またその準備などもこちらにアップして参りたいと思います。どうぞよろしくお願い致します!




伊豆大島その2



さて、島内一周。お腹が減って仕方がないのですが、食事までまだ3時間もあります。


島は甲子園球場2362個分という、広いのか狭いのかわからない面積の比較。島に着いてみるとかなり広い印象(笑)



海を右手に見ながら反時計回りに島を進みました。



大島は三月末まで椿まつりというのをやっているのですが、もう殆ど散ってしまっていました。

僅かに残ったお花が少しだけ。






島の旅館では、椿油を使ったフォンデュ料理が流行っているとの事。椿油はサラッとしてて美味いに違いない。




食べてみたいけど、僕らの泊まる旅館にはそんな小洒落たものは無さそうなので、次回に期待。


途中、こんな断層を発見。




歪んでます。凄い力が加わったんでしょうか。



無性にミルフィーユが食べたくなりました。あー、何を見ても食い物の事ばかり。嫌になります、、。



三原山を横切る登山口の道路に入り、お山を見物します。火山室の黒い土に雪が積もり、とにかく寒い。



若い子は知らないと思いますが、僕が子供の頃に大噴火を起こして大騒ぎになりました。毎晩ニュースで中継され、大変な被害でした。





山の表情は刻々と変わります。山頂付近で日没を迎えました。これは美しかった。



水平線に陽が沈んで行きます。夕日なんて滅多に見ないので必死で目に焼き付ける。

どんどん赤くなって行きます。夕日なんてゆっくり見るの久しぶりだな。




雲も赤く染まります。雄大な景色ですこと。





キリが無いのと、寒くて死にそうなので宿に戻る。気のいいご夫婦が営まれる宿には暖かいご飯が!

金目鯛とタイ、アジ、カンパチなど5種盛りのお刺身と金目鯛の一夜干し、ヒジキにサザエの壺焼き。磯のメニュー盛りだくさんです。




そして、電話で無理やり頼んでおいた、ながらみの煮付け。これで1キロありまして、たったの1300円!!





熱燗をやりながら刺身を頬張り、ながらみをくるっと外して食べる。また一口やり、金目鯛の一夜干しに箸を伸ばして、、、。こんなことやってるうちにベロンベロンに。幸せ。


このお料理で一泊7800円。しかも今なら、災害復興支援とかで一泊3000円が戻って来ます!

と言うことはですね、

船代 往復が3000円、一泊が4800円で、電車代やお酒も入れて10,000円でお釣りが来てしまいます。


こんなお得な料金でいいのかな。来週も行こうかなぁ、、。(T ^ T)



夜はにわか雨にて、残念ながら星空は見られませんでした。また次回だな。



そろそろ帰りの時間。そうなのです、激安周遊券は朝10:40発の便しか使えないのです。まあええわ、店でポトフの仕込みあるし。


海はこんなに晴れて、まるでシチリア島のようです。




久々の太陽が眩しい。いつぶりの直射日光だろうか。







時間つぶしに隣の魚市場に。昨日の海の幸が余りに美味しかったので買って帰ることにしました。

僕は心から魚介類、特に貝類が好きです。肉がなくなってもいいから魚介類が好き。





生け簀に大きなアワビにさざえ、昨日のながらみ、トコブシなどが並んでます。



しったかとサザエを1キロずつと、トコブシを8個購入。




島に別れを告げて、また船に揺られて帰りましたとさ。




そして3時間後。自宅での昼ごはん。さっきあんなに魚介を食べたのに!!


サザエの刺身と壺焼きにトコブシの煮付け、しったかの塩茹でに島のりと塩辛でビール飲んでます。


どんだけ好きやねん。

















すぐそばにある、食材と自然の宝庫。また遠くに行きたくなったらこの島がある。

海外旅行に行けなくても、南国のリゾートでなくても、都内で充分旅気分が味わえる。(大島は都下なのです)



いつも心に大島を。


オススメです!






勢いで初の伊豆大島へ!





ふと、船に乗りたくなりました。無性に船に乗りたいのです。


理由はないんだけれど、船で遠くまで行けたら素敵じゃないですか。こんな冬の晴れ間に海の上なんてとても贅沢です。

電車でも飛行機でもバスでもなく、船に乗りたいのです。


調べますと、東海汽船という会社から出ている伊豆大島行きの高速船が、今なら往復3000円でとの事。これはお得!


片道1,500円なんですよ、奥さん!!1,500円でこんなアミューズメント、他にはございません。


早速予約をしてみる。電話をして予約番号を貰うだけの簡単さ。


加えて、伊豆大島の宿全般で一泊3000円のキャッシュバックをやってるんですよ。数年前の台風の土砂崩れの復興支援ということで。こちらも書類を書けばオッケー。

一泊7800円の民宿を予約したのですが、この宿もキャッシュバック適応との事。そうすると今回の予算は8000円を切り、その他交通費を入れても1万円で足りる位の激安プランです。都内で一万円で何ができるかを考えればそれはもう、、。

どこまでお値打ち価格なのか調べるために、行って参りました!!



昼前に竹芝桟橋へ到着です。平日の昼間、ビジネスマンとオバちゃんの観光団しかいません。そりゃそうだ。





本当にいい天気です。島とうがらしのホットドッグやらビールやらを買い、いざ船内へ。


こんな船です。水を吸い込んみ、ジェットで噴射して、その勢いで時速80キロで進むらしい。


水面近くのトビウオなんかが巻き込まれると、一体どうなるんだろう。そのままスポンと出てくるのか、はたまたミンチになるのか、、。

構造がすごく気になる所だけど、楽しい旅の始まり。細かく考えない事にする。






船内は、飛行機のようになっております。割とゆったり目。トイレも自販機もあります。



窓側の席に着き、お酒をセッティング。何も特別ではなく、普段の湘南新宿ラインでもやってますけど。




もうですね、素晴らしく気分がいいんですよ、このジェット船。とにかく景色がいいし、速度が速い!

全然揺れないし、東京湾は見所が多い。レインボーブリッジやら川崎を抜けて羽田の飛行場やら、そして横須賀に館山までを横切って。



下から見上げるレインボーブリッジもいいもんです。


目指すは大島。向こうにぼんやり見えております。1時間40分の船旅です。




最近、九世方位学のアプリを教えていただきまして、たまに開いては縁起のいい方向を探してみたりします。僕の星は七赤金星、暇なので開いてみると、、、。

真南が吉報位とあります。




おお、吉報位の網の目にギリギリ!島の右半分だけが吉報位と出ています。泊めて頂く宿のエリアは並みの方位。どういう事だ(笑)

何かいいことあればいいなぁ。


遊んでるうちに到着です。船着場から指定の駐車場に向かいます、、。





伴侶のお知り合いから車を借りられましたので、島を一周する事にしました。

上手くいけば夕日を三原山山頂から見られれば、と。



続く。

爽快な夢を見た



人の夢の話ほど不毛な文章は無いのですが、忘備録として書いてみます。


もちろん夢の中の話。


大通りにて、自転車にまたがってたまにバイトをしてくれているけんいちくんと立ち話をしていた。

どういう経緯かはわからないんだけど、僕の腰の後ろのお尻の辺りに拳銃を隠していて、それを隠すように鮮やかな白と青のストライプのシャツを裾を垂らして着ていた。

風が吹いて、けんちゃんに拳銃を見られてしまう。

けんちゃんが大きな声で「しんちゃん、カッコいいピストルだね!お店で使うんでしょ?」と大声で言う。

えっ、けんちゃんそんな事大きな声で言わないでよ!と制したが遅かった。

近くにいた警察官が僕に近づいてきて、ちょっと見せなさいと話しかける。

僕にはお店の開店準備があるので、関わると遅刻になり、告知なんかで面倒なのでいっそ自転車のペダルを漕いで逃げようと思ったのです。けんちゃんさよなら!と叫ぶ。


「待ちなさい!!こらー!」と追いかける警察官、僕は必死に逃げ切ろうと裏道をすり抜けます。


その間にもどんどん警察官が増え、総勢200人はいるだろうか、物凄い大群に追われますが、僕は着ているものをどんどん脱いで気付かれないように変装していきます。


シャツを脱ぐと、赤いジャケットに。そんな服持ってないんだけど夢だからまあ良い。商店街の帽子屋さんのテンガロンハットを自転車ですり抜けて奪って被る。

赤いジャケットを脱いだら今度はお寿司屋さんの白い白衣、小道具に出前の桶。そんな具合。

自転車を漕ぎながら変身ショーを繰り返してるうちに、お腹が減ってきた。と思うと横に並走してきたイケメンのレゲエのお兄ちゃんが大阪弁で話しかけてくる。

「兄さん、大阪へようこそ!たこ焼き食べへんか?」

と、美味しそうな焼きたてのたこ焼きを爪楊枝に刺したのを差し出して食べさせてくれる。熱くて火傷して上顎の皮がめくれた。

見上げると頭の上に通天閣が見えた。オレンジ色の夕焼けにそびえ立つ立派な塔にネオンが浮かび上がる。街の人々が色んな食べ物を一口サイズに小さく切って僕に食べさせてくれる。


鯖寿司やら小さな稲荷寿司、海老の天ぷらもあるぞ。お腹が一杯になったのは良いんだけど、警察官はすぐ後ろに迫ってくる。

目の前に商店街の方と思しきおじいさんが8人ぐらい、マラソンのゴールのように横断幕を掲げている。

「この先を右に曲がれ!」


右側には道なんて何もない。うどん屋さんの暖簾があるだけ。だけどおじいさんが指を指すので、猛スピードの自転車で暖簾を潜ると、中は1キロくらい続く広大な縦長のうどん屋さんになっていた。

長いテーブルの上を自転車で走りぬける。家族連れの子供が手を叩いてはしゃぐ。

丼がバリバリ割れる音、豊かなお出汁が飛び散る。ネギのみじん切りが顔にかかる。

夢ながら、汗まみれになって自転車を漕いでいるんだけど、もうすぐ前に壁が迫っている。壁には大きく


「お疲れさんでした!行き止まり」



と書いてある。頑張ったがここまでか、、。

仕方なく自転車を停めると、警察官がアリの群れのように追いつき、僕はあっけなく確保される。

うつ伏せに押し付けられ、ボコボコに頭や背中を踏まれる。これだけ逃げ切ったから仕方ないな、なんて納得していると警察官の1人が声を上げた。


「あれ、拳銃だと思いましたがバナナだったようです!!」


僕の腰の後ろ側には真っ黒な柔らかいバナナが刺さっていて、既に柔らかく潰れていた。




警察官が「全員退去!」の号令が聞こえた。


***

そこで目が覚めました。バケツの水でも被ったみたいに沢山の汗をかいているんですが、物凄い爽快感。


というか、20分前なのですが、、これから仕事行かなきゃです。

あー、無性に鯖と海老天の乗ったうどんが無性に食べたくなった。





詰まらないブログでゴメンなさい、、。

藤村俊二さん、ありがとう



2/5(日)は、横浜にて用事がありまして、オープン時間が22:00頃になってしまいます。

あまり遅くなるようでしたらクローズしてしまうかもですが、なるべく開けたいと思っております。もしいらっしゃる場合にはお電話を頂ければ有り難いです。

申し訳ありません、、。




藤村俊二さん。お亡くなりになりました。

僕には一方的に思い出がありまして、今から20年くらい前の事、22歳位の頃に青山の藤村さんのワインバーに連れていって頂いた事があります。

広いアンティーク調の店内はシックな内装で統一され、西洋のお屋敷のようでした。

そのフロアを所狭しと凄いエンターテイナーなオール男性のスタッフさんが7.8人いらして、各テーブルを文字通り沸かせていました。

色んなタイプのスタッフがいらして、若いのからお年を召した方、どう見てもモデルのような美男子から、ポッチャリしたパヴァロッティ似の日本人離れした陽気な方など、まるで舞台の上のバーのシーンのようでした。

各テーブルは、ワインを嗜みながら、どちらかというとスタッフが繰り広げるエンターテインに夢中という感じで、しかもそれがさり気なく、粋な感じ。

家に暖かくお迎えしているような自然な雰囲気なんですよね。

当時、大阪は心斎橋のど真ん中で馬車馬のようにカフェで働いていた僕は完全にノックアウトされ、藤村さんのお店に一瞬で魅了されてしまいました。


お客様は、余裕のありそうな穏やかな大人ばかり。テレビで見たことのある芸能人が15人位いらして、ミーハーな僕は東京の凄さに圧倒されてしまいました。


確か、店の奥にアンティークのアップライトピアノかあり、世界で二台だけのモデルかなにかで、一台は皇室にあり、ここのは黒澤明さんから譲り受けたとか何とか。


完全にビビってお漏らし寸前のその時、藤村俊二さんが現れました。


イギリス紳士のような渋いジャケットに身を包み、白いひげを蓄えた彼はすべてのテーブルをまわり、挨拶をなさいます。

もう、格好いいのなんの!!


遂に僕のテーブルまでいらっしゃり、僕の目をじっと見つめて「素敵なお髭ですね。とてもお似合いですよ。今晩はどうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。」と丁寧に、笑顔で仰る。


ギャー!!



店内は元々、大人な空気というか、エレガントな雰囲気この上ないんだけれど、藤村さんが通り過ぎた後には、さらに優雅な空気に満たされ、まるで魔法がかかったみたいだったのです。



その後、お客様がテーブルを跨いでお話を始める。いわゆるサロンのような素敵なノリに。


いい人が集まる空間には、素敵な空気が漂います。


その中を颯爽と走り回るギャルソン達。藤村さんはいつの間にか居なくなっていました。

おもてなしってこういう事なのか、と心から関心してしまいました。



当時の僕の心斎橋のカフェは、ほぼ全員が女性のお客様で、とにかく混んでて忙しかった。

ただ走り回って飲み物とデザートを提供するだけの毎日を過ごしていた僕に、本物のサービス、心意気を教えて下さったお店でした。


その後半年くらいして上京することになり、奇しくも藤村さんのバーから歩いて10分位の場所のお店のマネージャーになるのですが、経済的に激貧だったのでなかなか再訪する事が出来ず、ずっと気になっていました。



そうしたある日、青山墓地の辺りを自転車で走っていた所、黒塗りのオースティンが信号で止まりました。

ロンドンで走っているタクシーの、あの車です。

中を覗くと、忘れもしない後部座席のベージュのソファの真ん中に、藤村さんが座っていました。


素晴らしいデザインのジャケットにシャツで、その色が薄い桃色。どう見ても英国紳士のようでした。


目が合いまして(こちらがガン見してただけなんだけど)会釈して下さいました。


ギャー!ギャー!!!





お店自体は2010年に閉められたとの事でしたが、やはりもう一度、無理してでも行くべきだったのか。それとも一度きりにして心の奥に閉まっておいたから良かったのか。

今でもわかりません。



ともあれ、クソガキの僕に、大人な遊びとは、おもてなしとはを僕に教えて下さった大切な方でした。



ググったらお店のお写真が出てきました。





あー、懐かしい。素敵な場所は人が作るんだな。


オヒョイさん、ありがとうございました!









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社長 島耕作(8) (モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
弘兼 憲史
言わずと知れた島耕作シリーズ単行本。長い経緯はさておき、弊店が表紙になっております。店主もタキシードでモデルを致しました。
是非お買い求めくださいw

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梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
小田部 雄次
佐賀藩主鍋島家令嬢伊都子。彼女はのちに梨本宮に嫁ぐが、明治から昭和に渡って77年間日記を残していて、その様相は「書き魔」と言わんばかり。初の洋行先のパリで買い物の様子や婚礼、即位式などの華やかな思い出を経て、戦中戦後の倹約の様子や時代に対する落胆ぶりなど。往時の匂いが漂ってくるかのような生々しさ。著者、小田部雄次の解説が当時の世情をわかりやすく補ってくれる。

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写真集 酒井美意子 華族の肖像
写真集 酒井美意子 華族の肖像 (JUGEMレビュー »)
酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

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極楽商売―聞き書き戦後性相史
極楽商売―聞き書き戦後性相史 (JUGEMレビュー »)
下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

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京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

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芝桜〈上〉 (新潮文庫)
芝桜〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

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書いた記事数:1517 最後に更新した日:2024/03/25

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