ソファーにも手を入れよう




カウンター工事から早2ヶ月。余りのやり易さが自然過ぎて、もはや工事したことを忘れてます。



しかし、未だに納得いかないのがソファー周り。足を切って奥に突っ込んだので位置はいいんだけど、あともう少しなんです。



どうも、低いのです。



カウンターに立つ僕とカウンターに座るお客さんの目線はほぼ同じです。


でも、ソファーのお客さんは
10センチ位低いのです。どうなるかというと、惑星直列みたいに全くお顔が見えない。






立ち飲みスタイルになった時にはもう、人の垣根が出来てしまって、まるで山の向こうの村みたいに全く何も見えないのです。

向こうの村で祭りでも始まって盛り上がったら、そりゃ気になったりもする。たった1メートルなのに、混んだ時の音量といったら、まるで別世界。

まあ立ち飲みの時はソファーの方の顔を見ようったって無理がある。ここは長い時間を過ごす平日に照準を合わせよう。


そもそも、このソファーは一年前に無理やり高さを出したんですけど、適当に高くしたから人の体に基づいてない気がするのです。

深く座るには高すぎるし、もたれるように浅く腰掛けるには低すぎる。

ステップがないのに背もたれがあって、見た目的に深く座りたくなるってのが落ち着かない大体の原因。なんせ中途半端な椅子なんです。



高いなら高いで、ちゃんもステップを付けたい。荷物も沢山置けるようにしたい。
んで、最初の目標である目線を合わせて、且つ座ってラクな椅子にしたい。




そこで。こんなものを考えてみました。





カラーボックスみたいなものを曲線で作ってもらって、その上にソファーを載せる。






足を置く所にはこんなん付けちゃう!





メリットたくさん!

*僕とカウンターと、目線が合う

*足が乗せられてラクラク

*収納が増えて、取りやすい

*コントラバスを取り出しやすくなる

*分割して動かせて、イベント時にはラクラク移動

*ベランダに出して日焼けが出来る


これが最高に気持ちいいのだ。





そんな訳で、また大工さんに作ってもらいまーす!


曲線カラーボックス。


荷物を取るときに見えやすいような照明とか、スムーズに動くような隠し車輪とか、色々こだわりたい。


気にしすぎなだけでは?なんて言われそうですけど、毎日働いてて「ここがこうなら楽なのに」が多過ぎます。早く楽になりたい。


僕は多分空間に対してかなり潔癖な傾向があるんだと思います。照明の方向とか色とか、収納の使いやすさとか、動線とかお客さんとの目線とか、すごく気になる。


研ぎ澄ませて行くほど自然な仕上がりが理想。ちょこちょこ修正しなら「あれ、前回より落ち着くな」って言ってもらえるような、ベストな位置を探ってます。


いつか、全アイテムのピントが合った日には素敵な事が起こるんじゃないか。

前の店で一度体験しているので、いつかは絶対にあると思います。




土曜日打ち合わせ。





キヌギヌの住所、電話番号、会員制について




検索によりこちらのページにたどり着かれたお客さまへ。この度は閲覧、誠にありがとうございます。

新宿5丁目のピアノバー、キヌギヌのシンスケと申します。


ご来店を目的でいらっしゃる方に向けて、いくつかのインフォメイションがごさいます。是非ご一読下さいませ。



その1

初めてのお客さまは、既にいらしているご友人とご同伴にてお願い致します。

申し訳ありませんが、どちらかの店舗さまより「ご紹介」を頂かれた場合でも、同伴でないとご入店頂けません。



※昨年冬ごろに「いちげんさんお断り」システムを見合わせましたが、この所、過度に混み合いまして通常営業の維持が難しくなりました。勝手ながら元に戻させて頂きます。



その2

女性のお客さまはゲイのお客さまと同伴にて入店頂けます。


二回目くらいのご来店でドヤドヤっと女性をお連れになる賑やかな方が見受けられますが、あまり本意ではありません。

お手数ですが、お電話にてのご確認をお願い致します。


03-3358-0899まで。




その3

1グループにつき4名以内でのご来店にて承っております。

開店より特に、お一人でお越しのお客さまを大切にしております。ご了承頂けますようお願い致します。


場所を忘れて辿り着けない方へ、住所はこちらになります。(道が分かりにくくてすみません)


東京都新宿区新宿5-10-5 プログレス新宿5階


定休日は月曜日となります

火曜、水曜、木曜 20:00〜26:00

金曜、土曜日 20:00〜27:00

日曜日 20:00〜24:00


日曜日が祝日の場合は月曜日は24:00まで営業となり、火曜を休業させて頂きます。

毎月の営業日はこのブログに月初に掲載しております。どうぞご参照下さいませ。








***


最近とても沢山のお客さまにいらして頂けて、楽しくてあっという間に時間が過ぎていきます。本当に感謝せねばならない所ですが、お店が開かれた今、中にはいちげんさんの騒がしいグループもいらっしゃいます。




楽しそうなのは良いんですけどね、何より前からいらしている他のお客さんの迷惑になってはいけない。自分が作りたい空間が何なのか、考える日々でもあります。


船の操縦のように、沖に流されたらその都度タイミングを見ては舵を切る、その繰り返ししかないのです。




元々、一匹オオカミのような男性客(少数のビアンと友人女性)の秘密基地みたいなお店を目指してやっとります。



ワンサカ人が集う流行りのお店は賑やかで儲かるでしょうが、元々好きではない上に、週末以外は私1人で営業しており、体力的に持ちません、、、。




趣旨を理解して頂ける方と、ホッと出来るようなお店にしたいと思っております。



週末も、その日の様子を見て満員の基準を少し下げますね。ベランダあるので何人でも入れちゃうのですが、あんまり混むと流石にしんどいです。



本気で体力的に辛くなってきています。あと3年限定で、とかならまだ出来るかもですけど、リアルジジイになるまで続けるために、そして僕も常にカウンターに立っていたいので、今来ている既存のお客さま方を優先させて頂きます。m(__)m



どうぞ、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。



追記



カレンダー関係のブログ、急にアクセスが増えまして怖いので消しました。どっかに貼られたのかな(笑)

特にトラブルなどではありませんのでご心配なく。



クリスマス準備(毎年早いよね)



クリスマス、、毎年迷います。何となくピタッとこないのです。つまりは僕の技術が足りないから、イメージ通りに飾り付け出来ない。





19歳の時のクリスマス頃、ロンドンに行ったのです。ハロッズの前を通りかかった時に、ガラスのショーウィンドウの中が遊園地みたいになってました。


もう、息が止まるくらい美しかったんです。言語も文化も超えて、暖かさとか夢とかが伝わってきた。マジでヤバかった。

今もクリスマスになると、あれが頭にこびり付いて離れません。




さてさて。今年も自分なりにやろうっと。


いつもの気球のオモチャから





クリスマスらしく、サンタのそりとトナカイの人形を吊るしてみました。





ドイツ製の、石膏で出来た人形です。かなり重い。

照明を点けないと、単に黒い物体が左右に動いてるだけなので、いつもの乾電池照明を点けてみたんだけど、気に入らなくて修正したくなった。

指摘されるまでは可愛いな、なんて思っていたんだけど、なんせ五丁目弦楽四重奏団のコンマスにイカ釣り漁船みたいだと言われてから、それにしか見えなくなっちゃった。(笑)




ちなみにイカはスルメイカの刺身が好物です。









イカは置いておいて、ちょっと頭を切り替えてみよう。


サンタさんを照らす照明は欲しい、でも電球は見せたくない。そこは間違いない。


ならばシェードみたいなものを付ければ良いんだけど、そりの上に傘が付いてるなんて聞いたことない。空を飛んでプレゼントを良い子に届けるんでしょ、サンタさん。

空にあるもの、、雲しかない。


雲を作ったことないんだけど、綿だよね。で、近所の薬局に行く。






今まで使ったことない、シートタイプ(汗)





頑張ってほぐすこと10分。ほぐれたら丸いのを作って、ホッチキスで留める作戦。





イカ釣り漁船の電球キャップも外しちゃう!





雲のモコモコをイメージしながら、1つづつ留める。





凄く不自然に見える。あのモコモコ、どんなだっけ、、。


あのヒーローの顔が浮かぶ。





中華料理的なあれとか





えー、雲ってどんなだっけ?!ゲシュタルト崩壊、、。





あれとか、、








歯ブラシで毛羽立ててモコモコしてみる。



とりあえず完成!!





まあ、こんなもんかね。また明日やろっと。




ツリーも飾りました。眩しいので明日改良します。






本日はここまで!





追記



ふと音楽をかけたんです。そうしたらシェルブールの雨傘。



!!!






慌てて雲を取り払い、カクテル用の傘を6本挿してみました。







真ん中にクルッと電球を集めて1つにして、ピンクの傘で覆ってみた。

チンドン屋みたいだけど、うちらしいじゃないか。この間の花園神社の見世物小屋のディレクターだったら、絶対こっちって言うと思う!


あー、ミシェルルグラン先輩にに感謝。










湯河原二日目





二日目は、徹底的に食って寝ようと決めていたので、買い出し以外はなーんにもしない予定です。(初日も何もしてないけど)


朝ごはんを頂いたのが朝8時、食後に憧れの昼寝をする。


普段ならチェックアウトの時間なんだけど、布団を敷きっぱなしでグズグズ過ごす贅沢コース。たまに起きてはテレビに目をやったりして。



というか、湯河原でも奥湯河原はかなり芦ノ湖寄りの内陸。





近所にはコンビニはおろか、飲食店もなーんにもありません。川沿いにポツポツと木造の温泉宿が並んでるだけ。




強制的に寝たり起きたりを繰り返すのみです。あゝ素晴らしきクズ人間生活。



付き合う人に何を求めるかと聞かれたならば、こういうダラダラした時の過ごし方が似ているかどうか?がポイントではないでしょうか。

趣味やライフスタイルも大切ですが、リラックスした時にお互いが自分の懐にどれだけ他人を入れられるか、ココはすごく重要だと思います。

こんな時に行動派の相手だったら無理。「せっかく晴れてるから芦ノ湖行こうよ!!寝るなんて信じられない」なんて言われたら、、、。無理でしょ。




そんなこんなでずっとゴロゴロ。こんなにゆっくりテレビを観るのは久しぶりだけど、気付くと日馬富士の事件ばっかり。





この手のニュース、段々と登場人物が多くなるのは必須なんだけど、そうなるとあんまり把握出来なくなる。貴乃岩も貴乃花も怪しいし、朝青龍とか旭鷲山辺りがゾロゾロ出て来る辺り、見ていて嫌気が差してくる。




テレビを消して迷路のような館内へ。分かりにくい場所に、お庭に出られるドアを発見。


池があって錦鯉が泳いでいます。






迷路の訳が分かりました。斜面に面した土地の真ん中に庭があり、そこをぐるぐる取り囲むように旅館が建っていました。

デコボコの土地を造成せずにどんどん建物を継ぎ足し、今のような迷路になったんだろうか。



庭に隣接して木造の部屋がありました。この棟が最初に建ったんだろうか。後で調べたら部屋に庭付きだと2人で一泊75,000円。僕らのプランの三倍もする。





今の部屋でいいですわ。。。






車を出して湯河原市内に買い出しに出ます。

駅近くにて目を付けていた鮮魚店に寄ります。魚辰さんというところ。来るときに気になっていました。









普通の魚屋さんに見えるんだけど、中は小さな魚河岸みたいになってる。魚を目方で買うとお刺身にさばいてくれるそうです。


せっかく海沿いの温泉地に来ているのに、出て来るお刺身はマグロ、イカ、甘エビ。

こいつら絶対に北極海辺りで獲れたやつに違いない。どうしても地の物を食べたくなりますよね。

揚がったばかりだというイカを一杯と、





赤貝(280円)のを3つほど。




凄いスピードでお刺身にして下さって、1,000円ちょい。(写真撮り忘れ)


銀座で赤貝3つを刺身にしたら、一体幾らするんだろう。
旅館には申し訳ないんだけど、すごく安くて美味しいのです。


旅館の追加できるお刺身は恐ろしく高いのです、、。





どうして一人前が3,240円もするのか。


この鮮魚店のマグロでさえ、1,500円でこんなに入ってるのに!






舟盛りに至っては2万以上もする!松の木も刺さってないのに(笑)





宿に帰って日本酒をやりながら、刺身をつまむ。夕食の時間になり、一旦全てを隠します。


配膳されて驚いたのが、2泊目になって食事が恐ろしく派手になってます、、。





昨日はメインというメインはマロニー入りの鍋位だったのに、今日になって金目鯛の煮付けやら鯛しゃぶ、アワビの踊り焼きが付いてる、、(;´д`)





個人的には初日に派手な感じにして欲しかったです、、、。やはり着いた時にこそ、誰しも期待値マックスな訳じゃないですか。


何とか平らげて、また飲酒。

オジサン御用達、ワンカップに貝柱を沈めて飲む。これが堪らない。


最近は食事の最初にビールを少し飲むくらいで、後は日本酒党になってしまいました。焼肉屋でも熱燗を飲む始末。




昔は親父が飲む日本酒の匂いが嫌いだったのに、行動が全て父親似に変わってきています。


遺伝子の仕業か、単なる同化現象なのか。。理由はともかく日本酒大好きです。


冬場には自分の店でも日本酒やりますよ。お楽しみに!



さて、この後少し眠ったら朝ごはん。布団を敷いたままの上げ膳据え膳は部屋食プランの醍醐味。最近の旅館はお食事処での飲食、下手したらバイキングが主流になってますが、僕は部屋食にこそ、グズグズ過ごせる大前提だと考えています


やっぱり連休は良いなぁ。一日ゆっくりした後にもう1日もある。月に一度だけ、連休を貰えたらとても有り難いです。


火曜日、まあまあ混む日が多いので心苦しいのですが、また月曜〜火曜日で連休を頂いて、色んなところに出掛けたいと思っております。今は長期の海外はいいや。


今度は山形、雪の銀山温泉なんか行ってみたいな。





春は桜の城崎温泉に決まり。





夏は新緑の湯布院!





秋は那須で紅葉を見ながら、、





日本人に生まれて良かった!!




昼にはお店に戻ります。またいつも通り働くとしよう。




湯河原温泉を行く



今日から二泊三日で湯河原です。

高くて贅沢な宿はそりゃいいけど、何となくレトロで突っ込みどころが多い、個性的な宿が好きなので毎回そのような感じのところを狙って予約しております。

予算はいつも、1人一泊で12,000円前後。今回は2人で二泊三日で総計5万円。大体予算内でした。


湯河原の奥、奥湯河原温泉という所の、青巒荘さんにお邪魔しました。


中々渋いお宿は創業90年くらいだとか。今回はあまり写真を撮っていないので、拾いもんで参ります。




高度成長期に建て替えたような外観。川沿いにへばりつくように建てられて居まして、期待が高まります!


お庭を囲むように沢山の部屋が連なっており、ほぼ満室。月曜から凄いですねぇ。

先ずはお風呂に、と言うことで向かったのですが、まあ遠い(笑)

具合の悪い婆さまなら途中で行き倒れになってしまうくらい遠いのです。

長い廊下をひたすら歩きます。



階段を降りまして、また長い廊下。



途中、鋭角に分かれるような所もあり




さらに歩くと今度は地下道。上がったり下がったり、まさにダンジョン。




館内は、団体客利用で景気が良かったであろう高度成長期にバンバン建て増しした感じの内装なんだけど、とてもお掃除が行き届いていて、みすぼらしい感じは全くありません。

随所に杉がたっぷり使われていて、割とシンプルに統一されています。


階段を上がって行くと外に出ます。この日の気温は3度!



ジブリのあの映画のような橋を渡ると遂に、、



滝壺のある温泉に到着!




38メートルだかの滝を横に見ながら入る温泉。鳥が歌い、川のせせらぎが聞こえます。

空を覆う楓は紅葉してないんですよ。温泉の熱のせいか、良く分かんないけど秋なのに新緑の中にいるようで。




いやー、ここの露天風呂は大当たりの予感。本当に行き倒れたのか、お客さんが全然来ないんですよ。客室はあんなに満員なのに不思議で仕方がない。




そしてお楽しみは御飯。




まあ、普通。


予算が予算ですもの、文句言ったら怒られますよ。こうなる事とあらかじめ湯河原のスーパーにて鯵のたたきとかイカ刺しを買っておいたので、合わせて盛り付ける。

イカ刺しには北海道って書いてあるけど、特に気にしない。海は繋がってます。



こんな事なら家のカニも持って来たら良かった。寒い夜に温泉でカニなんて、最高の取り合わせなんだけどなぁ。

とか思ってたら、無性にカニが食べたくなる。今度は日本海側の旅館も行ってみたいな。山形とか秋田、それに山陰地方。



なーんて、お風呂に入ってゴロゴロして、素敵な時間を過ごさせて頂いております。これが水曜の朝まで続くなんて、、。ああ幸せだ。







そうそう、来る途中の湯河原の市街地にて、リサイクルショップの前を通りががりました。

信楽焼のタヌキとか扇風機とかを売ってるような何でもないお店なんだけど、何となく気になって寄ってみたのです。


そうしたら大収穫!!





ゴルフのミニチュアを入れた幅1メートルくらいあるガラスケースを発見。2000円(笑)


旅館に持ち込んだら、部屋の係のお母さんがお給仕の度にチラ見なさる。そりゃそうだよね。


普段からガラスケースに緑のフェルトを貼ってる僕にとって、これ以上の大当たりはない。そして、再び壁に穴を開けて工事が出来る喜び、、。

1号機を偶然代々木上原で見つけてからもう10年。これでショーケースは5つ目になります。アホか。





湯河原よ、ありがとう!


でももう取り付ける壁のスペースが無いんですよ。あるとしたらここか、、、






後ろの壁か、、、。








次は何を入れれば良いのかな。自分の好きなもの入れるのが一番。






まさかね、、、σ(^_^;)




飛び出す収納を考える




温泉に向かう電車の中でも、お店のことを考えております。

花園神社の酉の市、見世物小屋の充実感が抜けないのです。

色んなところからパッとものが出て来て、お客さんを驚かせる。小道具のチープさ、色のチョイス。狙って出来るデザインじゃない。そこには「用の美」が溢れていました。

二階のバルコニーのカーテンが開いた時に澄まし顔のバンドが並んでいた、あの悔しさはかなりでした。僕だってやりたい。


意外なアプローチと、生演奏の持つ贅沢さ、そして漂うチープさ。これこそ僕の三大大好物なのです。



限られたキヌギヌちゃんのスペース、何ができるか。


撮影禁止の時に頭を過ぎった、前から欲しかった仕掛けがあります。


キッチンの、昇降式のラックなんですが、、、。





取っ手を下げると






こうなります。
うーん、これは素敵だ。



例えばカウンターの上の棚の中に取り付けて、、




頭上にピョコンと出てきたら可愛いなぁ、と。





ラックの中にはその日のオススメのお酒とかウィスキーが並んでたり、おつまみが瓶入りで数種類あったりとか。

紙芝居の枠がそのまま入ったら素敵だろうな。iPadとかモニターを入れて何か映像を見たり、カラオケ、、はやめておこう。


笛や楽器を10本くらい並べたり、オモチャのトイピアノを置いてオルゴールみたいに弾いて気球を動かして、、とか、何でも使えそう。


その昇降棚、ネットで調べても中々ヒットしないの。各キッチンメーカーがそれぞれの名前をつけてる様子。

プルダウンラック、昇降式釣棚、オートアップキャビネット、アイレベル昇降キャビネット、、、。

一体どれやねん。検索する時に一番厄介なパターン。





で、トクラスというメーカーさん(旧ヤマハと思われる)に、素敵なのがありました。




ウェブカタログには値段表記もないし、よく分からないので お電話してみた。



そうしたら、何と1つで14万もするらしい!!それに、セットでの販売のみで、キッチンのフルセットにオプションで付けるものらしくて、それも施工業者にしか売ってくれないとか。



全然無理でした、、。


諦めきれないので、せめて構造だけでも知りたいとネットを調べてたら、


楽天ショップで10万ちょいで売ってました(笑)




ほぼ同じ作りっぽい。



でもね、流石にこんなものに10万も払いたくない(笑)

ラックの白いメラミン吹き付け塗装みたいな見た目も嫌いだし、レトロなフレームでないと浮いてしまう(気にしすぎ?)

自分で作れるのかしら。


バネは巻き取り式の、メジャーみたいなやつだと思うのです。無段階ストップで、好きなところで止まるっていう。





サイドにレール、ローラー入りな予感。





要はスクリーン式のブラインドの、すごくガッチリしたようなバージョンなんでしょうね。あれはヒモを引けば好きな位置で止まるけど、こっちは物を載せないといけない。


自分で作れないかな?


枠は何かの古い木枠を転用するとして、バネと棚自体の重量の関係が分からない。もしバネが強かったら、凄い勢いで棚が引き上げられるでしょ。それはそれで見て見たい気もするけど。

かなり危険ですよ。危ない危ない。やめとこう。



とはいえ10万も払いたくない、、。カウンターの上から飛び出す収納の仕掛け、何かいいアイデアありましたらご教授下さいませ。



温泉に着きそうなのでここで失礼をば。





酉の市というカオス




小学生の頃に、近所の広大な空き地が再開発されるまでの土地を利用した、鬼市場、という謎のイベントがありました。

ただの空き地だったのが、ほんの10日ほどで足場が組まれて、背の高い櫓や円形劇場、そして入り組んだ屋台村が忽然と出現し、毎晩アングラ劇団の公演や、ハッピーで怪しい人々による屋台村、個性的な謎のパフォーマンスが繰り広げていました。


本当に、映画のような、いや、浅い夢で見たような景色でした。


飴を煮るおばさんやら、干した怪しげなハーブを売る兄ちゃん、道の真ん中で何かの台詞を読み上げる貞子みたいな髪の長い女優さん、、。ヤクザ風の露天商は一切なし。

まるで、サーカスのような退廃的な世界でした。いや、サーカスなんてエレガントなもんじゃない、最早そこは各戦争後の未来都市さながら。人が食い物を獲る為の原始時代の物々交換社会なのか、自己表現なのかも分からないくらいにエネルギーがほとばしっていました。

真ん中の円形劇場は鉄骨で組んだ、すり鉢型の観客席で、これまた意味のわからないシュールな舞台を演じていました。

多分今見ても理解できないと思うけど、、、。


僕はその後アングラ演劇には傾倒する機会はありませんでしたが、何かを表現する自由さ、そこに派生する食とお酒による快楽の文化、つまりは異常な活気の産み出すマンパワーに圧倒されて、呆然と数日を過ごした記憶があります。



つまりは、祭りなんでしょうね。大いなるものに対する畏敬の念と憂さ晴らし。芸能と食とお酒、万民共通にある何かしらの打ち上がったあの 感じ。






***



今日は25時辺りでお客さんが引いてしまったので、残った8人で花園神社の酉の市に行こうという話になりました。


バラバラの8人で、ごった返す神社に突入しました。





そして、、。僕がどうしても見たかった見世物小屋。8人でお邪魔致しました!





もう、大好物です!!





以下は拾い画像。









もうね、全てが格好いいの!!!


中で何があるかはお楽しみとして、とても洗練されていました。メイクもフレンチポップみたいな可愛い感じで、テンポよく奇天烈な人魚女のパフォーマンスやら、奇術やら何でもあり。


人魚のお姉さん、痛いのを我慢して自ら引き抜いた鱗を、僕にプレゼントしてくれました。(笑)






油で揚げたらお煎餅になるそうです(笑)


後ろは僕の寝室の本棚です。花園神社とは関係ありません。





で、ネタバレになるのですが、後半は大スペクタクルな展開に!!


舞台の上段、後方の幕が開いたら生バンドが鎮座していて、サラリと生演奏が始まるのです!!!


あー、悔しい。僕の憧れる事全てやられた。


古臭いアレンジのお芝居にレトロなダンスに間の伸びた歌に軽妙な口上、そして隠しバルコニーにて生バンドまで、、、。


こちらも拾い画像。バンドの方と思われる。







赤坂の迎賓館の羽衣の間のオーケストラ専用バルコニー。僕にはこのくらいの衝撃でした。下ではダンスに歌にを繰り広げ、一段上で音曲を奏でる。なんて優雅なんだろう。








呆然としつつ、迎賓館、じゃないや、見世物小屋を後にする。


日本で見世物小屋はこの一軒だけだそうです。皆さんも是非とも。


もう少しお酒を飲みたくて、誕生日を迎えたばかりの伴侶と掘っ建て小屋の酒場に入る。熱燗にモツ煮、煮貝にホタテ。






あー、こりゃディナーショーだな。行き交うクソみたいなホストもギャルも最早気になりません。






ここでも、またヤられる。後ろの酔ったギャルをふと見ると、天然の樹の下で飲んでるではないか!!





もー!!わざわざ僕が作って、全然気に入ってない未完成の樹の下の席が、こんなにさりげなく、自然に完成されている。






恐るべし花園神社酉の市。


今一度、ショックを受けました。僕が何がしたいか、どんなものに憧れてるのか、マザマザと見せつけられた気がしました。



そして、子供の日にショックを受けた鬼市場を急に思い出しました。



場末な雰囲気の中で、遊びのように純粋芸術を散りばめつつも、上品も下品も混ざってのどーでもいいカオス感。これこそが僕のしたい一夜の演出なのです。


あと、木が生えてる下で飲むとか一々生演奏とか、非日常の空間で淡々と仕事してる様とか、僕にとっての贅沢な雰囲気。


それが、全てここにありました。



一からやり直します。ありがとうございます、酉の市さま。




数時間前に伊勢丹でハンドソープを買い漁っていた自分が恥ずかしい、、。





まあ、これはこれでおもてなしではあるんだけど、僕が再現したいのはこんな浅いアプローチじゃないんです。



子供が、大人がしばし呆然とするようなカオスな快感の坩堝を再現できたら、、僕はそれで生きていけます。

それには僕のアイディアだけでなく、照れを捨てることや、それとマンパワーがどうしても必要になるんだけど。引き出すのも僕の力量なわけで。

明日も頑張ります。




月曜火曜は湯河原の激安温泉につきお休みとなります。水曜日にまたお会いしましょう。





【濃厚】カニの殻と向き合う




昔も記事に書きましたが、蟹の殻を使っての独自ノウハウによるカニだしの取り方です。

というか、カニの殻に残った細かな身をどこまで回収できるかが命題であります。


カニ愛好家の自慢の食べ方は種々あるでしょうが、量を沢山食べられる、などといった自慢は噴飯もの。

僕としては如何に身ひとつ残さず味わい尽くすかの愛情にこそ、カニ好きの本懐があると考えます。


普段食べ終わった殻に、普段どれだけお楽しみを残したまま捨てているか。これを是非とも出汁を取っていただき、カニ飯にでもして召し上がっていただけたらと思います。


先ずはカニ。今回は非加熱冷凍のものを7肩取り寄せました。13,000円もしたよ。





年末年始を乗り切る先行投資です。秋のカニ祭りは毎年秋の行事と化しております。

これを茹でる。茹でた側から色が変わります。うーん、いい色だこと。





茹で上がり。4肩茹でたのですが、結構な量です。









こちらを全て、剥いて殻から外していきます。剥いた身は少しは食べつつも、タッパーに取っておいて明日のお楽しみにします。(結局食べちゃって、写真撮り忘れ)



そうとうゲンナリする位の量があります。カニをフルで二杯食べて、普通なら「世は満足じゃ!」となる所です、、。


僕のカニ祭り、主役はこの剥き終わった殻にあります。





先ほどの茹でた汁を取っておいて、もう一度煮かえします。そして、よく揺すってカニの細かな身を剥がす。剥がれない身は少し冷ました茹で汁の中で割箸や指を使ってこそぎ落とす。


イライラしたら負け。砂の中の砂金を取り出すような気持ちで、根気よくこそぎ落とします。

出汁を静かに置いておき、身が沈殿したところで網で掬い取り、またカニ殻を茹でて、さっきと同じ事を繰り返す。

三回くらいやった所で今度は汁を切って、殻を木べらにてよく炒める。鍋肌に旨味がくっ付いて焦げる手前、そこへ日本酒とさっきの上澄み出汁を戻し、また煮る。そうするとカニの風味がまた出てきて、出汁に移る。


またもカニの身がユラユラと出てくるので、心を静かに保って、繰り返し沈殿させて網で掬う。



そんな事を2時間くらい繰り返し、こちらが最終的な上澄み液となります、、、





そして、捨てるはずの殻からこんなにも身が!!





カニ缶で言うところの、小さめのだったら5から6缶分はあります。


これをカニご飯にします。先ほどのペットボトルの煮汁に鰹、昆布の出汁と醤油、味醂を加えて炊き込みご飯に致します。


まあ、カニのエキスがこれでもか!というくらいに溶け出して、濃厚なカニ飯が出来上がるのですが、、。


この出汁は味噌汁にしても美味しいのです。西洋風ならブイヤベースか。それにパスタ。オイルベースで、白ワインと共に乳化させるとあっという間に魚介のパスタ。

乳化したパスタソース愛を語り出すとまた長いので、また今度にします。ああ、幸せ。




つい、カニの身を外すときに口でチュパチュパやりたくなるんだけど、それはいけません。自分は汚いのは割と平気なのですが、此ればかりは流石に食欲が無くなります。

そして何より、痛むのが早くなるので避けた方が良い。

むしろ、カニのを豪快に大きなところだけ食べ、細かな身を残す位の気持ちで取り組むのが良し。


これだけ濯ぐと、殻には少しの身も残っていません。これでカニも成仏できるかと。そうです、細かな身からエキスから、食べ尽くす事が何より供養ですわな。


カニさん、僕がこの後目覚めたら、炊きたてのカニご飯の姿で再会しましょう。




早く逢いたいよ、、、。





神様、あと15センチ!!




カウンターか迫り出しから早1ヶ月半。僕にとっては死ぬほどやりやすく、とても良いんだけど、客席からすると狭いというご意見を頂きました。確かに、一部圧迫感がある。


入り口から見た図。奥に行くにつれ狭くなっております。




手前から4つ目の席とソファの間が、劇的に狭い。狭い。狭い!!





カウンターとソファの間隔は目標90センチで設定してるんですけど、ここだけは75センチしかない。


計測をミスったのでした!!

バー、特に僕にとってのおもてなしの空間は多少の触れ合い、イコールアットホームだとここにも何度も書いているんだけど、狭すぎるのは逆にマイナス。通りにくさが苦痛に感じたら、その時点でダメなのです、、。


張り切ってカウンターを前に出し過ぎました。カウンターを引っ込める事は不可能なので、ソファを後ろに下げよう。さて、どうしようか。



ソファの足を四角く切ったらどうなるかな、、?と考える暇もなく、16センチカット。




えいっ!!





カットしてからソファを再度押し込んでみた。










あー、気持ちいい。テトリスやってるみたいだ。一番広いカウンターピッチの90センチを同じく確保出来ました。



テーブルの板も、偶然折りたためるタイプだったので、1/3折り込んだ所が丁度いいサイズ。





通路を通る時には、微妙に膝をかすめながらお通り頂けます。うーん、、我ながら理想のピッチに。







一番奥の三席プラス、横向きに座ると4人で話せるよう、少し隙間を開ける。

ここに足が載せられます。こーいうのも大切。





お店にいらしたことのない方には全然意味のわからない文章で申し訳ないです。

が、この少しの隙間の積み重ねがとても大切だと思うのです。少し変えるだけで景色が変わる。


それぞれの好きな席を見つけてもらえるよう、各席に個性を付けたい。


少しでも、ほんの15センチでもかなり居心地が変わる。切って何とかなるんだったら、何でも切っちゃう!


いつかくる、この店の閉店のラストの瞬間まで切り刻んででも居心地のいい空間を目指したいと思ってます。






触れば触るほど、店はどんどん手に馴染むと信じております。



あー、もっと色んなところを切ったり貼ったりしたい。もっと店と仲良しになりたい。


他にどっか無いかね、、、。先にクリスマスの準備しないとなんですけど。






CM粗探し




「テレビを見ない」「そもそもテレビがない」という方が最近増えてます。

僕は、テレビ世代なので常に付けっ放しで生活しています。正確にいうと、付けてて見ていないというやつです。

で、たまに見ては常に文句を言ってます。

テロップが多い、CM跨ぎが多い、客の歓声の特効が多い、など、、。


まあそんな事は今に始まった事ではないので良いんだけど、ボルボのXC60のコマーシャル。


リンクはこちら


カッコいい車体からスタート。





ビアンっぽい短髪の女性のカット。





いきなり、ボブの女性の運転カット。




男と海に向かって走り出す。有りがち(笑)





画面が引いて、北欧のダイナミズムというナレーション。





ここで、突然デコを寄せ合う男性カップル登場!!






そして、また男女カップルのカット。結ばれたようだ。





めでたしめでたし。





男性カップルのシーンは0.5秒くらいかな、もう少し長いかも。

これが脈略なく登場するのはなぜか。最初のカットのソロ女性は、三回見てやっと別人だとわかったレベル。沢山の人がジャンジャン出てくる手の演出にしては、男女カップルの比率が高い。

サブリミナル効果とは言わないけど、ゲイ層の目を引く目的でやってると思ってしまう。


僕なんかは、高校生くらいからフルフェイスの髭が好きだったので、街中を歩いていていて、黒いマスクを付けた女の子とすれ違ってもピントが合ってしまいます(笑)





パッと見、髭に見えてしまうので髭レーダーが反応してしまうのです。病気です(笑)





ボルボのハニートラップにはしっかり嵌ってしまった訳で、こーいうのは一定の効果があるかも知れない。

でも、新車を真剣に購入したいゲイが居たとして、このカットを挿入したからといってこの車に親近感が湧くんだろうか、、。

僕はあんまり湧かないなぁ。そこに絡むストーリーがあれば、また別だろうけど。


というか、ゲイがCMに出たからと言って、ゲイが欲しがるほどマーケットは甘くない。


たいていのゲイは子供の頃から映画やドラマ、日常会話の中での「男女」のストーリーを即時「男男」に翻訳する技術が備わっているし、男性カップルが何かを演じたところで、ゲイの中での趣味性が多様化しすぎてていて、感動に直結しづらいところもある。

(例えば、ジャニーズ系のカップルが見つめ合っていても、デブ専や熊系視聴者にはピントが合わない)


良いものを作って、セクシャリティ関係なく手に取りたくなるようなCMが、一番良いんじゃないかな。



何が言いたいかと言いますと、最近のブームで、何かにつけ「オマケ」的にゲイカットが挿入されたような広告が増えるんじゃないかな、と。


物を売りたいが為に、急にその手のが増えたら凄く気持ちが悪い。



車も商品も、内容さえ良かったら評価されるのでは?なんて思ってしまいます。



因みに僕は無免許です。27の時にスピード違反で、お国に返上しました。


僕の人生はチャリで充分です。チーン。







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