無事に出勤!


昨日は山盛りのお客さんを追い返していたようで、ゴメンなさい、、。

「今日はやってるかな?」なんて不安がよぎったら、ここをご覧ください。死んでいない限り、お休みなり遅刻なりをお伝えしております。


今夜はマスクですが、お許し下さい、、。






1月のシフト



クリスマスも終わりました。僕は今年も抜け殻のようです。まだ続きます。


年末は皆さん酔って来られるので中々手強いです(笑)


運悪く風邪もひき始めました。軽いですけど。今日中に治します。



お正月営業ですが、若干の変更があります。



12/30通常営業

12/31 紅白放送終了後の24:30より適当に(1人につき限定メニュー)
1/1 お休み
1/2 お休み
1/3 21:00より通常営業
1/4 通常営業
1/7 20:00〜27:00
1/8 20:00〜24:00

1/9より帰省
1/12 (金曜)通常営業再開


となります。1月の2日から開けるつもりでしたが、今の時点で既にものすごーく疲れてしまっており、冷静に考えるとそんな無理する事もないなと思いまして、お休みにさせて頂きます。


ゆっくりやりますね(汗)


シフトですが



5(金)いのくん
6(土)タケ
7(日)タケ
12(金)あも
13(土)タケ
19(金)タケ
20(土)あも
26(金)タケ
27(土)あも



となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。 シンスケ

ワクワクホテル選び



少しご無沙汰してしまいました。年末は輪をかけて忙しくさせて頂いてます。

大宮の鉄道博物館に行った日からチャンネルが切り替わったようで、毎日起床10時の1日7時間睡眠という健康的な生活を送っています!(以前は1日平均13時間寝てたよ)


年末年始を乗り切った後には、1年ぶりの帰省。毎回ホテルを取って帰省するという勿体無いプランで臨むのですが、僕みたいな自宅と店の往復ばかりの人間にとっては、たまにホテルに泊まる事がどれだけ気分転換になるか!!


出張族の方の話を聞くと、「えー、代わってほしい」と、真剣に思ってしまいます。実際やったら疲れるんだろうけど、、。


京都に2泊して、そのままお伊勢詣りに行き、お札を納めてから名古屋。名古屋で一泊して金曜夕方にお店に戻る計画です。


ああ、ホテルに3泊も出来てしまう、、。憧れのホテル暮らしの四日間。


京都では、駅のそばの新阪急ホテルを取りました。駅から徒歩2分。実家まで歩いて15分位か。


京都タワーのすぐ横にあります、何の変哲もないホテル。





ビジネスホテルでもなければ、大型ホテルでもない。もちろん新しくもない。

どうしてここを選んだか、というと、遥か昔の僕が19か20歳の頃に、ここの一階の喫茶店にお邪魔したある日のこと。

デートの前だか何かだったかな。あんまり覚えてないんだけど。

まあ、若いから結構頑張って、勇気を出して入ったんですよ。ホテルのロビーの喫茶店なんて1人で入った事なかったけど、背伸びしたかったのかな。


このガラスの部分が喫茶店になります。





入店してしばらくして、ホテルの人に「シッシッ」ってされたの。本当に野良犬にやるみたいに。今でもなんでかわからないんだけど(笑)

なんかもう、悔しくて恥ずかしくて、今ならお茶飲みにきたって伝えたらいい話なんだけど、その時は「ああ、泊まってないからダメだよね」と慌てて謝って逃げ帰って来たの。


今回は22年ぶりにリベンジして来ます。


今でこそ、帝国だろうがパークハイアットだろうがお茶くらいなら出来るようになりました。

けど、この新阪急ホテルの喫茶店だけは今でも世界一敷居が高い喫茶店なのです。ここを乗り越えないと前に進めない。

トラウマを克服する為に、それも2連泊もして堂々と入り、コーヒーに腹の膨れないサンドウィッチなんかを頼んだりして、しかも大人だからサクランボを残したりしちゃう。

何て大人な振る舞いなんだろうか!




お会計はもちろん部屋付け。サインをサラサラっとして、ごちそうさま。美味しかったです。


ああ、考えただけでも大人な佇まい。これでやっと前に進めます。

でも、、、もし出て来たらサクランボ食べたいなぁ。食べるんだろうなぁ。






まあ、そんなこんなで実家とホテルを行き来しながら一頻り京都で過ごしたら、そのままお伊勢さんに行きます。大好きに誰も乗っていない近鉄特急で、お供は駅弁、そしてゆで卵と缶のウーロンハイ。これも決まってます。








去年と全て同じ行動パターン。いや、それで良いのです。変に冒険して万が一、外しでもしたら困る。


僕は一軒のご飯屋さんにつき、ほぼ同じメニューしか頼みません。同じがいい。



さて、お伊勢さんからのルートがいつも悩みます。京都に戻ると距離的に遠回りなのでイマイチ。大阪も時間なし。伊勢志摩に一泊も良いけど、何もない(汗)

とはいえ憧れの志摩観光ホテルはまだ20年早い。風格も、お値段的にも。






いつか、万俵家のあの人達みたいにラメールクラシックで伊勢海老のアメリケーヌ、伊勢海老のスープとアワビのバターソースとを、3食連続して食べるのが夢なんだけど。痛風なんて怖くない。





伊勢海老のクリームスープ 3,000円




伊勢海老のアメリケーヌ 10,000円




鮑のステーキ 12,000円




多分、本当に三食食べてお酒飲んだら宿泊込みで20万くらいすると思う。


いつかの日、に取っておこう。



そこで、今回はそのまま名古屋に入ることにしました。近鉄特急で一本です。


名古屋のホテル、また迷います。なんせ、安いのから高いのから、旅館にボロ宿まで沢山ある。

今回はホテルライフなので、旅館は除外。安くて風情のあるホテルがいい。

僕の好みは少し変わってまして、旅館ならボロ宿にしてツッコミながら楽しむのがすきなんですが、都市部のホテルに関してはちょっとした基準があります。



名付けて「独立系ちょいレトロ大型ホテル」


昔は土地では一流と言われたけど、今では外資のホテルが参入、すっかりブームが過ぎ去ったと思いきや、きちんとご贔屓さんに愛されつつ重厚な雰囲気を提供している、大規模ホテル、です。


*地方の大都市に位置する、独立系非チェーンホテル。

*どうやって取得したんだろうと思うくらいの一等地、角地に鎮座する

*大層なネーミングを冠する。「グランド」「キャッスル」「国際」「観光」など。

*親や祖父母の世代が繰り返し思い出を語る程の威厳を備えている(例 私の姉のお式は**国際ホテルで、その時の市長さんもいらしてねぇ 等)

*チャラチャラした若者が寄り付かない、威圧的な雰囲気

*高度成長期に乱立した、ぬりかべのような建物


ぬりかべ、水木しげる先生のあの妖怪です。




例としては、札幌グランドホテル




ホテルキャッスル山形



仙台国際ホテル




東京だと京王プラザホテルもここに入ると思います。オークラ、ニューオータニは敷居が高すぎるので僕にはまだまだ。もう少しくたびれた方が好みか。

プリンス系の古い施設のまま(村野藤吾など)未だにやってる所もそれに当たるのかな。







そして、それらを踏まえて、今回の名古屋でいうと、こちら。



ウェスティンナゴヤキャッスルさま!





元の名前を「国際観光ホテルニューナゴヤ」と言ったそうで、、。僕のルールで言うところのワードが2つも入ってる(笑)


こちらもぬりかべ度は高め。






そして、部屋からは信じられない城の景色が楽しめます。





ここに決めようかと思ったんだけど、一泊17,000円くらいする。予算オーバーなのです。どんなに城を眺めても元を取れる自信がない。ウェスティン、と冠しているので、ウェスティン料金なんでしょうか。僕にしては迷惑な話。(笑)


早く元の国際観光なんとかホテルに戻してほしい。


、、と思ったら、来年ウェスティンと契約が切れるそうです。ありゃりゃ、、次回に期待。


そして、もう一軒の名古屋の雄がこちら、名古屋観光ホテルさま。


こちらに一泊取らせて頂きました。驚きの一泊9,800円。




そしてこの外観。他の追随を許さない、圧倒的なまでの、ぬりかべ感。

ロビーも重厚です。





メインダイニングも重厚。ウッドパネルを多用したデザインが、時代遅れのグランメゾン堅気を伝えています。





(ちょっとうちの店と色合いが似てる)



ここ行ってみようっと。有塩バター、生クリームに飾り切りの野菜。コテコテのエスカルゴなんかが出てくるのを期待してます。


こちらのホテル、過去に何度も両陛下がお泊りになっているとのこと。



古くは名古屋ヒルトンや、近年ではマリオットが新たに進出し、乱立する中で、今も両陛下がお泊りになるのはこちら名古屋観光ホテル。

やはり何か理由があるんでしょうか。松坂屋創業家の伊藤財閥が建てたこのホテル。僕が好きなのはこういう重厚なのに比較的リーズナブルなホテルです。


最近はこういう高度成長期に建てられたちょいオールドホテル、名前だけが変わり、安っぽい内装に間接照明の同じようなデザインに変更され、値段が高くなってしまっています。

それこそ京都なんて古ぼけたホテルの宝庫でした。京都グランドホテル(現リーガロイヤル)、ホテルフジタ(現リッツカールトン)、都ホテル(現ウェスティン)、、。どんどん資本注入が行われています。


リニューアルでいえば星野リゾートなんてのもありますし、新築だとアパホテルが破竹の勢い。

でも、でもですよ。このまま全て上書きされていいものなのだろうか。無難で似たようなのばっかりなんて寂しいじゃないすですか。


個性あるホテルがよりどりみどりだと、個人的には嬉しく思うのです。だからなるべく泊まるようにしています。



渋いホテルありましたらお教えください。





本日は貸切となります。



月初のご案内で告知致しました通り、本日日曜日は終日貸切となります。

来て下さった方には申し訳ありませんが、また火曜日以降に是非とも来訪頂きますよう、よろしくお願いします。

年内は月曜日定休のまま、年始も3日から営業しております。

どうぞフラッとお越し下さいませ。


12月26〜28日には三日間だけ、新たなスタッフさんもお手伝い下さいます!


どうかお楽しみに!






昭和レトロ探訪 鉄道博物館




久々の昭和レトロ探訪。今日は満を持して大宮にあります、鉄道博物館へ。


夏が終わる頃から出不精になり、遂にはお休みの日にはよっぽど理由がない限り家から出なくなる始末。
大体は寝過ごして、デリバリーのピザやら釜飯を食らってまた寝る。夜中に起きて寝なきゃいけないと思い、酒を飲んでまた眠る。


月曜から火曜の夕方までに、平均24時間位眠っている計算になります。いいえ、働いてる日も12時間近く寝てますので同じか。ということは、僕の人生半分は睡眠じゃないか。寝るために生まれてきたのか。

休みの度に自分を責める日々。行動を起こしたい。でも、また寝てしまう。


4ヶ月かかって、やっと出掛けられました。実は夏からここ大宮の鉄道博物館に行きたいと思っていたのです。


今日は吸い込まれそうな澄んだ青空の東京地方。


youtubeで見繕った、ヘンデル作曲の王様がどうしたとかって祝祭感この上ない曲を爆音にて景気付け。


こういうバカみたいな曲を聴きながらサラリーマンが多い真面目な路線に乗るのは違和感があるんだけど、ギャップが強調されて、何となく気持ちいい。


埼京線の車窓からは富士山が見えます。写真は撮れなかったけど、こんなに近くに見えるとは。

東京も昔はあちこちから富士山が見えたんですってね。浮世絵で富士山の絵が多かったり、富士の名の付く地名が多いのも頷けます。



しかし、なんて気持ちいいんだろう。日も浴びず、穴熊みたいな生活が長かったから余計に空に吸い込まれそうになります。



そして、到着。初めての大宮、意外と遠かった。






重要文化財の機関車とかあります。かっこええな!





僕のお目当は3つ。1つ目は大正時代から昭和の終わりまで活躍した、オハ31という車両。そして御料車に、食堂車のカレー。



まずはオハ31と参ります。かつてロングヒットといっても過言ではない車体はまだまだ重厚なデザイン。全国で活躍した三等車両です。
多分ですけど、テレビ小説おしんの小林綾子やら大河ドラマ「いのち」の三田佳子先生やら、火垂るの墓の清太さんやら、皆さんこの電車の筈です。(資料なし)





元々、国鉄の更に前の鉄道省時代に出来た車両なんですけど、これ以前は全て木製だったんですって。
大きな事故で多数の死傷者を出した木製車両は危ないという事で、この鋼鉄車両が誕生したという訳。






1980年前半まで使用された、とありますが、どうやら沢山の私鉄に払い下げられての事らしい。そういや大井川鉄道なんかで、似た車両見た事あったな。






鋼鉄車両とはいえ内装はウッドパネルで、三等車両だから狭いながらもかなり優美なもんです。

どうして今の時代はこういうデザインが廃れてしまったのか。僕の乗ってきた埼京線なんて、まるで鉄くずみたいた。

冬はストーブ列車になります。でしょ、そうじゃないと。





窓と網棚のバランスの美しさといったら!!








こんな美しい列車、何時間でも乗りたいわな。しかし、それがここでは叶ってしまう。そう、何時間でも座って良いのです!
それくらいは事前に調べていたので、一番重いヘッドホンを持って来た。



次のBGMはブラームスのインテルメッツォ。

まじでヤバいです。

木のニスの匂いや油の匂い。子連れの家族の叫び声は重いヘッドホンで遮断されて聞こえない。
僕の一番好きな時代、第一次世界大戦の後のほんの一瞬だけ訪れるロマンティックで優雅な時代。
目を閉じると、あの時代に軽く旅立てます。

そして目を開けると、なんとも可愛いグリーンのクロス張りソファー。





側にはボタンもあります。押し放題(キュン死)!!




持って帰りたいけど、いやいや、ダメですよ!


結局、1時間も座っていました(笑)


僕にとってのこの車両は、まるでperfumeファンにとってのオープニングのプロジェクションマッピングであり、バラ愛好家にとっての5月の1週目の晴れた暖かな日曜日であり、初恋の人と初デートの木漏れ日のようでもあり。


今の所、僕にとってこの世で一番癒されるシチュエーションです。


心の片隅にオハ31型を!


気持ち良すぎて泣きそうになっています。






また、必ず来るからね。




この後は皇室専用車両、つまりはお召し列車です。





保存のためか、ガラスケース越しだし暗いし、、。よく見えないよ。


天井のクロス張りは少し見えたけど。




万が一座れたとしても、音楽聴いたり目を瞑ったり出来たとしても。僕にとっては豪華すぎて落ち着かないかもな。三等車両くらいが色んなイメージが沸いてちょうど良い。

皇室専用車両ではなく、こんな車両もありました。外国人観光客に向けた、超豪華な桃山風の車両。


マイテ39型、1912年から始動した一等車両です。



これも、ね、。少し違うよね。落ち着きません。(中には入れません)




そのほかも時代を下ると沢山の車両が。

ひばり、東北本線の特急です。何となく覚えてるかなぁ。




後は新幹線。これも懐かしい。





これも中で座ってみる。もはや今のとあんまり変わらないような。





そんなことをしてると腹が減って来たので、腹ごしらえ。



日本食堂が運営する、食堂車のメニューを出しているレストランが併設されております。そりゃここで決まりでしょう。






車両風のデザイン。





メニュー。大体1500円から2500円位の構成。





僕はこういう場合は必ずカレーにします。レトロに於いて、例えば富士屋ホテルでも三越でも明治村でもホテルオークラでも資生堂パーラーでも、必ずカレーを頼む。

メニューを1つに絞る事で比較がしやすく、体型的に各特徴を捉えられます。(何のために?)



1600円のカレー、期待が高まります。僕はもう発車寸前です!!






あれ、、、まんまレトルトの味!


(´ω`)






いつかの、伊勢のミキモト真珠島のアコヤ貝ピラフ並みの外れでした。

食堂車なら1600円でもいいけど、、考えてみたら埼玉の真ん中でしょ、ちょっと納得いかない。レトルト臭があんまり得意ではないので、残念でした。

どんな高級ホテルのレトルトよりも、鍋で煮た有り合わせのカレーの方が美味しいと思うのは僕だけでしょうか、、。(帝国の缶詰めは別)




気を取り直して二階のパネル展示を拝見する。これだけで一日中掛かりそうなボリューム。





もう一度、オハ31に戻る。やっぱり素敵な車両だな。






僕の店も、いつかご縁があったらこの車両でやってみたい。黒柳徹子さんのトモエ学園みたいに、運転席があって窓から森が見えて、そこでキャアキャア言いながら歌ったり酒飲んだり、、。


コンパクトなサイズもちょうどいいかもね。まだ今の店は広いのです。



うちのお店、実は電車のサロンカーをイメージしてたりします。気付いている人も居るかもですけど、赤いソファーやら網棚やら、少し意識しています。ベランダが最後尾のつもり。






今はガラクタしか載ってないけど網棚もありますよ。





オリエント急行ってのがロンドンからヴェネチアまで走っておりまして、中の一両にはグランドピアノが搭載されております。





料金は意外と高くなくていちばんやすいクラスで35万。って、高いよね(笑)


今日の鉄道博物館が1000円。ちょうど一年間通って同じ値段って事か。



それよりも要らなくなったオハ31、どこかに余ってないかなー。内装だけでもバラして壁に貼り付けてバーにしたい。




鉄道博物館、かなりおすすめです!冬のデートに如何でしょうか。



帰り道、何となく気分が良かったのでまた伊勢丹にてハンドソープを買いました(笑)


これで8本目です。アヴェダのローズマリーのとニールズヤードのシトラス。横並びであと2本はイケるかな。






例の海外ドラマ、、




例の海外ドラマ。夏にロケーションをしましたが、来年の2/16に公開みたいです。




タイトルを書くと検索されるので、画像参照という事で。この上のがタイトルです。新作のシーズン4、第7話に出演します、、。


このドラマ、僕も知りませんでしたが、エミー賞とかゴールデングローブ賞も取っているらしいです。オーケストラの話なのですが、セックスやドラッグが出てきたり、砕けてて中々面白いですよ。(笑)


アマゾンプライムに入らないと見られないのが申し訳ないです。




僕はというと、いつものあれやって





女優さんが驚いて





マエストロが登場(時計仕掛けのオレンジに出てた方)少し絡んでから、2人が話し始めるので僕はピアノ弾く、といった内容です。短くはないかも。





また公開されたらアップします〜。


予告編はこちら。1分9秒あたりかな。




オンナの値段




鈴木涼美著
「オンナの値段」講談社より





かつて文春砲の餌食となった、慶應大学を卒業後、東大大学院を経て産経新聞記者退社後エッセイストとなった元AV女優の筆者の(彼女の言い回しを借りると)とても忙しい女のエッセイ。


元々、極端な生き方をする女に異常に興味がある僕ですが、事あるごとにその手の本を読んできました。

お女郎さんから大女優、芸者にやんごとなき方々まで。大抵の舞台は戦前から戦後すぐ辺り。バブル期以降は殆どなくって、飛田新地の売春のお姐さんくらいでした。




今読み終えました「オンナの値段」には、現代の暴走気味のオンナ達が、それもワンサカと出て参ります。


大学教授の父を持つ著者が高校時代から始めたブルセラでの小遣い稼ぎに始まり、進学する中で副業として始めたAV女優の経験などを通して聞き集めた数々のエピソード。




筆者は、若いうちから様々な機会を経て、女としての自分の値段を知るようになります。それは同様に多くの女性も経験するように、分かりやすいものから複雑なものまで。


例えばブルセラ。色白で脚の長い女は価値が高く、貧乳のブスは安い。それも女子校の制服を脱ぐと、また価値が下がる、とそんな調子。


登場する女達は自らの価値を値踏みしつつ、様々な事情からそれぞれの稼げる額を稼ぎ、使い、それぞれの日々を生きます。

高校在学中にブルセラで500万を稼いだ女子高生、風俗で稼いだ8000万をホストクラブで使い切った女子大生、子供に存分な愛情を掛けたいと、妊娠中から妊婦専門風俗や母乳風俗(そんなのあるんだ)にて月収80万を稼ぐシングルマザー。高級ソープで働きながら美容整形に3000万使った女、、、、


高収入と高支出の繰り返し。もはや何が手段で目的でなのか、、、。


でも、荒稼ぎや浪費だけが異端なのだろうか。


別の項目では、5歳から始まった強度の貯金癖に支配され、月毎に年齢プラス1万円の貯蓄を自らに強いて、そのノルマを達成する為に昼間の仕事に加えて銀座のラウンジを数件掛け持ちして、節約を続け数千万を貯める貯蓄魔の話。


筆者に言わせれば、彼女にとっての貯蓄は、他人の消費と同じように見えるとのこと。


個人の範疇の中で経済が回っていて、他人に迷惑を掛けさえしなければ、それは完結していると言えましょう。

僕の感想から言えば、強度に溜め込んでる人も浪費家と同じくらい極端なパターンが多々。


30名を超えるエピソードを通して感じたのは、多様なお金の稼ぎ方、使い方のバリエーションに関心しきりでした。どれも狂ったエピソードばかり(笑)


そして、お金って一体何だろうかと。



僕みたいなケチな凡人は、月々の収入に対して必要なものを支払い、少しだけ自分のために使い、残りをそのまま貯金する。

そして、少しだけ使ったお小遣いに対して「いい使い道」「無駄遣い」をチェックして、ため息を吐く。




いいお金の使い道って何だろうか?




雨が降ってきた時、すぐ無くすであろうビニール傘と、タクシー初乗り運賃なら?


タクシー初乗り運賃と、ダッシュして濡ながら駅まで行くのは?


走って駅まで行ったご褒美に食べた手捏ね100%ビーフのハンバーグは?






僕のような平凡で詰まらない読者をよそに、このユニークな女達は、とにかく稼いでは使いまくる。体も売ればプライドも捨てる。一体何が目的なのか分からなくなる。(笑)


ただ使う為に稼ぎ、稼ぐ為に使う。メビウスの輪の中で追いかけっこをしているみたいだ。


それでも女達は楽しみ、生き、延いては世の中の経済も回り続ける。




愛すべき極端でタフな女達は、皆シンプルでパワフル。あっけらかんとしてらっしゃいます。

結局のところ8000万使える女は自ら8000万を稼げるのだ。どっこい前を向いて生きている。


誰が彼女達を咎める事が出来ようか!






本編に入り、筆者の半生と各エピソードがブッ飛びすぎてて少しだけ違和感を感じましたが、後半はグイグイ共感してしまいました。


数々のテーマの中には、ブルセラや風俗の細かなのシステムや、美醜だけでは語れない女の性産業の奥深さも描かれています。

最終章ではホストクラブの高額な料金設定が成立するカラクリまで網羅。



テンポ良くエグい逸話を書き連ねる筆者の持つ、そこはかとない明るさが、全く悲壮感を感じさせません。

そして、さりげない謙遜と明晰な言葉選びに、深い知性を感じました。



ああ、極端な女達に感情移入してしまうのは何故だろう。




面白く読み終えました。お金にまつわる新たなアプローチに溢れた新書「オンナの値段」

講談社より千五百円也。





12月のシフト




早いもので12月!ラストスパート、師走でございます。

今月のシフトですが、以下のようになります。



1(金)タケ
2(土)ケン
8(金)いの
9(土)タケ
15(金)あも
16(土)ケン
22(金)タケ
23(土)あも
24(日)タケ
29(金)あも


12月の休業日は毎月曜日に加えまして、17日(日)は貸切のため休業とさせて頂きます。


25日(月曜)は、クリスマスイブですが定休日ですのでお休みとさせて頂きます。



12/31の大晦日は、深夜25時(紅白歌合戦終了後)から、3時間ほど営業させて頂きます。1人で開けますのでメニューを絞らせて頂きます!

メニュー

赤白ワイン
生ビール
ウーロンハイ
烏龍茶
オレンジジュース
ノーチャージ、プラカップ使用につきオール500円、キャッシュオンデリバリーとなります。





2018年


1/1(月)お休み
1/9(月)よりお休み


今年の年末年始は、1/1のみ休業となります。


1/9より長めにお休みを頂きます。





今年のお正月は、初の試みとして年末年始を重点的に営業してみようと思います。

年始の連休についてはまた改めて告知致します。(少し長めにお休み頂くかも、です)


どうぞよろしくお願い致します!





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千代田の森の奥深く、宮中賢所に57年お住まいの神職の女性の半生を描いた作品。下界と分断された森の中で祈りを捧げる日々。厳格な穢れの区別(下界のものに触れると潔斎しなければいけない)、四足のものは食べてはならない、毎朝数時間かけて髪おすべらかしに結うなど驚愕の生活と共に、日本古来の自然に寄り添った質素な習慣を紹介する。

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朝香宮家に生まれて
朝香宮家に生まれて (JUGEMレビュー »)
北風 倚子
渋谷・松濤の鍋島公園一帯は戦前、広大な鍋島侯爵邸であり、著者の住まいであった。大空襲で火の海になった屋敷を逃れ、昭和という時代を生き抜いた、旧華族のお姫様の生涯。

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社長 島耕作(8) (モーニングKC)
社長 島耕作(8) (モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
弘兼 憲史
言わずと知れた島耕作シリーズ単行本。長い経緯はさておき、弊店が表紙になっております。店主もタキシードでモデルを致しました。
是非お買い求めくださいw

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梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
小田部 雄次
佐賀藩主鍋島家令嬢伊都子。彼女はのちに梨本宮に嫁ぐが、明治から昭和に渡って77年間日記を残していて、その様相は「書き魔」と言わんばかり。初の洋行先のパリで買い物の様子や婚礼、即位式などの華やかな思い出を経て、戦中戦後の倹約の様子や時代に対する落胆ぶりなど。往時の匂いが漂ってくるかのような生々しさ。著者、小田部雄次の解説が当時の世情をわかりやすく補ってくれる。

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写真集 酒井美意子 華族の肖像
写真集 酒井美意子 華族の肖像 (JUGEMレビュー »)
酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

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極楽商売―聞き書き戦後性相史
極楽商売―聞き書き戦後性相史 (JUGEMレビュー »)
下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

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 (JUGEMレビュー »)

京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

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芝桜〈上〉 (新潮文庫)
芝桜〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

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書いた記事数:1517 最後に更新した日:2024/03/25

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