3月のシフト



カレンダーが見にくいという事で、全日程書き出すことにしました。


3月のシフトです。


1(金)ハタくん(中野フリーカーオーナー)
2(土)あもちゃん
3(日)〜24:00
4(月)定休日
5(火)
6(水)
7(木)
8(金)いのくん
9(土)あもちゃん
10(日)〜24:00
11(月)定休日
12(火)
13(水)
14(木)
15(金)ケンジ
16(土)タケ
17(日)〜24:00
18(月)定休日
19(火)オープンします!
20(水)ケンジ
21(木 祝日)晋輔一人でやります
22(金)ケンジ
23(土)あもちゃん
24(日)〜24:00
25(月)定休日
26(火)
27(水)
28(木)
29(金)あもちゃん
30(土)タケ
31(日)〜24:00



どうぞよろしくお願いします。





シフトカレンダー。毎月1日が月曜で始まる月のから、日曜始まりの月まで7種類のテンプレートを用意しました。

メモ帳に貼り付けておいて、任意のバリエーションをコピペするだけ!





このブログ、実は未だにコマンド入力なのです。色分けなんて出来たらさらに読みやすいんだろうけど、ちょっと手間がかかりすぎます。

例えば、たった4行のテキスト。こんな色分けをすると、表示はこうなのですが、

3月

1(金)あもちゃん
2(土)未定
3(日)
4(月)定休日


僕側にはこう表示されてます。




面倒臭いっ!!(この文字ももちろんコマンド付き)


なので、モノクロ表示のみでお願いします。毎月キチンとアップしますので宜しくお願いします。









京都は素敵な街だった




新幹線に乗り、京都駅に滑り込む。そこから普段あまり乗らない地下鉄を乗り継いで、宿に向かいました。



例の古い旅館です!



想像通りの素敵な坪庭には2月でも植物が青々。いいなー、いいなー。



そして、さらに奥にも坪庭が。




ここには池もありました。この奥が僕の部屋となります。




新しい畳に、雪見障子。その奥にはまた小さなお庭がありました。まるで料亭の個室のようです。


一泊8000円でいいのか?!いいんだよ!


縁側に出て、冷たい風を浴びる。懐かしい実家のような匂いと優しい設え。


レトロ好き、植物好きの僕にとって究極の宿は京都の町家だと再認識。



僕のお店も実は京町家をイメージしております。細長い店内の奥には坪庭。ドアを開けると風が吹き抜ける。




実際には喫煙コーナーとして使っているので風が吹き抜けると煙たくて困るんだけど、たまーの春先、タバコを吸わない人ばかりの日だと奥のベランダと非常階段までを開け放って営業したりします。


本当に気持ちが良いのです。




そんな坪庭がこの宿には3つもある。単に見た目が美しいだけではなく、クーラーの役割もあります。湿度を纏った坪庭の空気は温度を下げ、それぞれの部屋へ伝わりまして、常に風が流れます。


夏場、また来ないと。






宿に気を良くした僕は、友達が務める日本料理の店に向かいます。糖質制限のコースをわざわざ作って下さって、日本酒が進むわけです。(日本酒の糖質量は一合辺り6グラム程度)







 気が付いたら6時間も飲んでしまった !!







酔いすぎて腰が抜け、もうなんだかへべれけになってしまっている。


タクシー呼びますよ、とのご親切も断り、歩いて帰りました。つまり、夜風に当たりたかったのです。


しかし、それがいけなかった。京都の区割りは四角い似たような形で、建物もビルも大体が似ている。大きめの道にしか道路表示が付いていないので、自分がどこにいるのか解らない!



巨大なダンジョンに迷い込んだ私。同じ道を行ったり来たり。


携帯の電源なんてとっくに切れてる。それで、急遽コンビニで電池を買おうとしてコンビニに入ったのですが、それが悪かった。


先に借りたコンビニトイレに、携帯をポチャンと落としてしまう。



画面がみるみる暗くなって、ああ、終わった、という感じ。


最終的に携帯は死んでしまい、半泣きでまた徘徊を始めます。



3時間くらい迷い、たまたま旅館を見つけられたんですが、一体どこを歩いてたのか。翌朝コンビニのレシートを見たら500メートルほど離れたコンビニに行っていたらしい。


教訓として、旅先で飲みに行くときは宿のカードを数枚頂いて財布やポッケに入れておく。速やかにタクシーに乗る。携帯は電池が切れるので信用しない。




翌朝、二日酔いの中で朝ごはんをいただく。正しい、和食の見本のような朝食。なかでも若狭鰈の一夜干しの美味しいこと!






ぺろっと平らげたところで、雨の中ソフトバンクのショップへ。携帯の買い替えをする、、。水に落として買い換えるなんて初めて。



結局iPhoneXrとかいう、思い切り未来的なのを充てがわれる。旅先でデータの入っていない携帯を持つというのはこの上なく不安な事です。


はやく復旧したい気持ちを抑えて母の手料理を頂きに。



僕のレトロ好きはどこから遺伝したのか、というくらい賑やかなキッチンで、カキフライやレンコンのミートボール、白和え、サラダなど。こちらも糖質制限メニュー。本当にすみません、皆さま。




母とキーキー笑いあって、久しぶりに手料理を食べました。



母、前より少し若くなっていた気がする。まだまだお婆ちゃんにはならないでほしい。






もう一人、元東京住まいでお客さんでもある友人とお酒を飲む。洒落たイタリアンで、お洒落で頭の良い彼と語り合う。


とても素敵な会話をする人で、まるで胸の奥底の乾いた砂地に水が染み込むようだった。


昔はよく遊んだ旧友と沢山の話をして、町家の旅館に戻る。不思議なまでに落ち着いた、充実した夜。





いやー、やっぱり京都好きですわ。




カバンの中は心の中と同じですってよ





カバンの中は心の中と同じ、ネットにてそんな名言を読みました。


半年ほど前から、持ち歩くトートバッグの中を整理して、今では整然とした佇まいを見せておりますが、それまではハリケーンが通り過ぎた後の街のようなバッグの中でした。

支払いバーコードと充電ケーブルとティッシュと小銭とお弁当の紙おしぼりとがぐちゃぐちゃに混ざり合い、松前漬けみたいな見た目になっておりました。


今ではポーチを沢山多用して、分類して使っております。スッキリ幕の内弁当(^ ^)



最近、アイコスに変えてからと言うもの、更にポーチが増えました。

僕は1日に30本くらい吸うので、アイコス充電器二台が必要となります。そしてスティックと呼ばれる吸い口三本、それにカートリッジ5箱程度と掃除のグッズ。

増える一方です、、。


これらのごちゃごちゃしたものを仕舞うのに、エルメスのポーチを引っ張り出しました。




なんの変哲も無いポーチ。生理用品だかファンデーションだか入ってそうなデザインなんですが、シンプルで気に入っておりました。

酷使したお陰で縁が全部破れてて、しばらく放置してました。


そこで、自分で縫うことに!





100円ショップで買った糸と針で縫う。二周づつループさせて、次の穴に。

皮を縫うなんてやったことないけど、穴がそもそも空いているのでそこを縫えば良い。



と、思いきやそんなに甘くはなかった!!縫い糸が通っていた穴はボロくなっていて、緩くなっていた。なので、穴を避けながら穴のないところを攻める。


何となく出来た!!




時間さえかけたら丁寧に出来るもんねー。自分でやった方が愛着が湧くと言うもの。


縫い目を茶色のマジックで塗って、完成。




正規店に出したら数ヶ月かかるとかで、それは困る。自分でやった方が早いし、愛着も湧く。

何よりタダって素敵。タダ、ああタダ。タダという言葉が大好きです。


そして、中に仕切りを付けて、更に使いやすく。




二日ほど旅行に行っても何の問題もないボリューム。(しかも別ポーチに充電器もある)

しょうもない工夫だけど、どこにあるか探さずサッと取り出せて、パパッと組み立てられて、在庫(笑)が一目で把握できて。


毎日腕を突っ込むバッグだからこそ、究極に使いやすくしておきたいのです。


いつも使っているトートバッグ。小汚いのが気に入っています。





中は嫌味なブランドのポーチが詰まっています。昔買ったやつを有効活用なのと、何より丈夫なのです。(汗)





左上から時計回りに

充電器、ケーブル各種、イヤホンなど電気関係

通帳、保険証、会員証類、支払い関係の書類をブチ込む専用

例のiQOSセット

iQOSサブ

財布

ペンケース

名刺

頭痛薬、胃腸薬、ハゲ薬、メジャー、綿棒、ソーイングセット、ティッシュなど



詰めるとこんな感じ。





まあ、、、重いんですよ、かなりw

軽いバージョンもありまして、iQOSと財布だけという軽装備。

しかし、そんな日に限ってボタンが取れたり、充電器が刺さってなくて残り4%だったり、たまたま待ち時間が出来て音楽聴きたかったり、という具合になります。

だからこその備えのポーチ。殆ど毎日思いセッティングにて出掛けております。

重くても、備えあれば憂なし!!





重いといえば僕の体重。1/9時点で85キロだったのが、本日2/14の時点で78.9キロに。6キロほど落ちました。


とはいえ、2週間に一度は僕のお墓に持って行きたいグルメ、ココイチのカレーとか王将で餃子とかを食べる、チートデイも取り入れてます。





不思議なんだけど糖質を沢山摂った翌日、グーンと痩せるんですよね。身体が騙されて燃えるんだとか何とからしいんですけど。

この後は月3キロペースくらい、ゆっくりコースでダイエットしたいと思います。前みたいにリバウンドしたくないのです。

ゴールデンウィークには目標の18キロダウンの67キロ、そこから2年計画くらいで体を慣らして維持、もう一生身軽な体型を維持出来たら、、、。


そんなにうまく行かないのは分かってるんだけど。


もうオッサンですし、色々と身軽に整えて、シンプルで丁寧な暮らしがしたい、そう願う日々であります。







ワクワク旅館選び



以前、ワクワクホテル選びという下らないブログを書きましたが、今回は更にくだらない旅館バージョンであります。


2月の18.19の連休は京都市の実家に帰り、両親に逢いに行ってこようと思っております。実家にも泊まれるのですが、気楽な方が良いので毎度ホテルなんかを利用しているんですが、流石に普通のホテルは飽きた。

だいたいどこも同じで、何の代わり映えもない。要するに詰まらんのですわ。

こんなんとか



少し気が利いてててもこんな程度。興味がない上に僕には予算オーバー。




僕は、美しくないホテルで寝るだけの予算なら安けりゃ安いほどいい。繁忙期でも最高に出せて12,000〜13000円。

京都でこのレベルだと駅前の近鉄、東急辺りになる。アパはかろうじてオッケー。新阪急や全日空なんかは値上がりしてて、もう手が出ません。


止まる価値があるなら、頑張って倍でも出すんだけど。 折角だから、レトロでキュンとするような宿に泊まりたい!!


和風旅館も、この予算だと外国人旅行者を騙すようなちゃちい所しかないのです。自ずとネーミングも辛め。「miyako別邸」とか「なごみ庵」とか「京舞妓」だいたい想像がつく。痛い。

ブッキングドットコムで流し読みしつつ、たまに古い外観そのままでいいじゃん!と思っても内装がヤバかったりする。




何で余計な手を加えたがるのか。



こんなところ、、泊まりたくないですよねえ。



もうね、数寄屋造で古くて渋いとこでいいの。老舗の。

地面師の問題で取り上げられてた五反田のボロ旅館みたいなのに泊まりたい。






耳の遠いばあさんが一人でやってて、柱時計がコチコチ鳴ってて、黒電話がジリリリって鳴って、煎茶は薄め、朝ごはんは柔らかめ。塩シャケは辛めがいい。

Wi-Fiなんて以ての外。ホテルサイトに載せてないような静かで古い、小さな坪庭が見えるところ。



あっ、、、、ホテルサイト載せてないか、、、そういう宿は。



なんで今まで気づかなかったんだろう。そこで作戦を変えて検索ワードに「ネット予約不可」と追加してみる。




そうしたら一瞬でまとめてどっさり載ってる某サイトを見つけました。今まで手の届かなかった渋い旅館の数々が雪崩の如く。ヨダレが止まりません。(まだ人に教えたくないです、ゴメンね)















こういう宿は京都中に沢山あり、その前を通り掛かるたび、一見さんお断りで一定の顧客だけが泊まってんだろうな、などと諦めてました。(祇園などには沢山あるんだろうけど)




そんな想いに反してこのサイト。とにかく大抵の宿が安い。二人で朝食付いて12,000円前後というリーズナブルさ。

しかし、部屋数が少ないのと必死で埋めようとしていらっしゃらない所が多いのと、固定のファンがいらっしゃるなどで大抵埋まっているらしい。(その後のネット調べ)

予約方法は全て電話。電話予約のみなので一般の外国人は殆どいないらしい。今時の京都でこんなの珍しいんじゃないかな。


中でも気に入ったのは、四条烏丸から徒歩7分の、100年前の呉服屋を旅館にしたという僕の好きなサイズの「某」旅館。絶対ここにする!!


ホームページは見つけたものの、書いてあるのは電話予約のみ。白地にシンプルなページには住所など最小限のことしか書いてない。


「気安う予約してもらわはってもウチら困りまっさかい」とでも言わんばかりの素っ気ない意匠。考えすぎか。


屋号から検索をかけ、段々と実態が明らかになってくる。内装は想像通り圧巻の、正しい町家建築。こりゃ大好物だ!!




壺庭に面してタイル張りの流し台がある。なんだこれ。琴線にビシビシ来るじゃんかよ。マジ惚れた。






今回もし予約できたら、むしろこの流し台を見に行く旅でも良いくらい。僕の店もベランダに流し台を付けたけど、グリーンと水回りが共存するというする絶対美。

これは好きな人にしか分からない。一方的にご縁を感じてます。












30分くらい悩んで、思い切って電話をしてみる。とても優しい口調の、懐かしい京都弁の男性の方がご対応下さって、あっさり「二泊ですね、はい空いてますよ」との事。

こちらの宿も中々予約が取れないらしく、本当にツイている私。(その後のネット調べ)

何とラッキーなのか。もう浮気しません。


お値段、一人だと割高になるから13,000円ですと。二人だと14,000円でお安いんですけど、、との事。


京都駅前アパと同じ値段!!

全然構いませんよ。クレジット決済出来るそうで、お庭を眺めながらの朝食付き。この満足度、アパに出来るか、、。


僕の部屋はこの写真の部屋だそう。部屋から流しが見える。ううう、、。








難を言えば門限は午後11:00というところから。まあええわ、オカンと会うのは夕方からだし、帰って本でも読もう。


もー、どうしましょう。憧れの老舗旅館の予約方法を手にしてしまった。しかも安い。再来週が楽しみで仕方ない。これからは東急なんとかとか新阪急なんちゃらはやめて、全てこのシリーズで行く。


初夏にお庭眺めながらクラシックをヘッドホンで聴いて本を読んだり、夜には馴染みのお店をご紹介頂いて少し、お酒を頂いたり。


空いていればいつか連泊して長逗留してもいいな。二人で5泊しても一人35,000円。海外行ったらこれじゃ済まない。

今回泊まった時に次の予約しちゃおうかしら。



心から日本人で良かった、そんな旅になりますよう。




追記


その後調べておりましたら全館でたった二部屋しか稼働してないとか、五社英雄監督の定宿だったとか、大女優が出たり入ったりしてたとか、とんでもない情報がワンサカ。

勢いで選んだものの、我ながら鼻が効くと呆気にとられております。




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