7月のシフト




早いもので2019年も半分が終わりました、、。ユーミンとサザンが紅白で歌っていたのがもう遥か昔の事のようです、、。

って、そんな事言っても仕方ないですね。後ろばかり見ず、前を向いて歩いて行きましょう(キリッ)



7月のシフトです。空欄の日はシンスケ一人でのんびりやっております。そして 7/14は初のスタッフ途中入れ替わり、花びら大回転でございます。



1(月)定休日
2(火)
3(水)
4(木)
5(金)とも
6(土)ケンジ
7(日)〜24:00
8(月)定休日
9(火) リフレッシュ休暇頂きます!
10(水)
11(木)
12(金)いの
13(土)タケシ(臨時の新人さま)
14(日)タケシ〜25:00(臨時の新人さま)ハタくん(中野の服屋オーナー)〜終わりまで
15(月)〜24:00
16(火)繰越にてお休みとなります
17 (水)
18(木)
19(金)とも
20(土)ケンジ
21(日)〜24:00
22(月)定休日
23(火)
24(水)
25(木)
26(金)タケシ(ベテランのほう)
27(土)とも
28(日)〜24:00
29(月)定休日
30(火)
31(水)


どうぞよろしくお願い致します。まさかの急なお休みに備えて、キヌギヌに向かう前にはブログチェックも宜しくお願い申し上げます(お休みする場合は夜七時頃ににアップしてます)






石垣島と小浜島(扁桃炎の脅威)




今年の夏の旅行は、前々から計画していました、石垣島と小浜島。八重山列島の真ん中にあります。





「旅行先でゆっくりすればいいや!それまで予定詰められるだけ詰めちゃう!!」というノリで、出発ギリギリまでスケジュールを詰めるだけ詰めました。

ひどい時には一日2時間睡眠で3日くらい、、。

と、いつもの扁桃腺の痛みが現れます。

いいもん、椰子の木下で眠るし!




ついに出発となりましたが、喉が痛くて痛くて、全然眠れない。機内の乾燥が喉を直撃し、痛み止めが効かなくなってきている。


保険証は東京の自宅に置いてきてしました。こんな時に限って、、。

そんな状況でも、予定通り行動しないといけない。


石垣空港から高速船で小浜島に移動。雨だし揺れるし、地獄行きの船じゃあるまいか、、。




この辺りから喉が痛すぎて、色んなどーでもよくなる。缶ビールをガブガブ飲み、つまみを食う。

酔えば必ず眠れるし、ひょっとして起きたら治ってるかも、と淡い期待を抱く。


そのままちょいセクシーな垢抜けたお姉さんの経営する居酒屋で泡盛とハブ酒をしこたま飲んで、南国の酒に身をまかせる。




豆腐の漬けたやつが好きなのです。お代わりをする。あと島らっきょは美味かったなぁ。





しこたま飲んだ後はホテルに帰って気を失うように眠る。14時間くらい眠って起きると外は雨。


喉は、、かつてないほど腫れており(笑)


何とか海に這い出して、旅行的な写真を撮ろうと思うが、遠浅で泳げない、、。


あ、この手があった!ヨガの戦士のポーズ。






その後、具合が悪くなってまた寝る。4時間昼寝をして、また起き上がりしゃぶしゃぶを食べる。動けなそうってことで、予めホテル内のレストランを予約しておきました。


このしゃぶしゃぶというのが肉が少なくて、どうにもならない。これで2人前。普通の一人前だってこれよりは嵩がある。





仕方ないのでネギを山盛り取ってきて、肉と思い込む。

僕は、どんなに具合が悪くても食欲が減退しない、同情されにくい体質なのです。モリモリ食って、泡盛を飲み、また12時間ほど眠る。




翌日は移動日。石垣島に移動ってんだけど、もう動けないんですよ。

お願いだから小浜島の静かな所に埋めていって下さい、俺に構うな!早く行け!という気分のところを、必死で船に乗る。


港に行く途中、薬局にてリングルアイビーという痛み止めを買えました。これは本当によく効くんです。


これさえあれば、もう何も怖くない!!


ほら、こんなに効くんですよ。





島に来て、お楽しみのインターコンチネンタルホテル。今まで、レトロだとかボロだこかってんで、こんないいところ泊まったことないです。


チェックインまで3時間もあるので、プールと海で日焼けをすることに。

今までずっと雨だったのに、恐ろしく快晴。2時間で真っ黒けになってしまう程の日差しの強さ!




パラソルの下でまた3時間程眠ると、うっかりチェックインのお時間。
お楽しみの何とかコンチネンタル。さてさて、どんな景色なのかと部屋の窓に目をやると、、





ヒー!!盛大に工事中!



カンカン、凄い音がします。こりゃたまらん。




なんか、たくさんお金払ったのに悲しくなってきて、腹が立ってきて。


痛み止めで誤魔化しているだけの僕の扁桃腺はついに爆発。爆発するわけないんだけど、なにかパチンと音がして、風船のように晴れ上がりました。

伴侶には悪いんだけど、もうこの島の何にも興味がない。

とにかく寝させて下さい。

その後は7時間くらい寝て、バーコーナーのお菓子をバリバリ食べて、また12時間くらい寝て、お菓子食べて、また寝て、というのを出発ギリギリまで繰り返す。

こんなに眠れるのか、というくらいに眠くて仕方がない。とうとう、寝ている夢の中で眠くて舟を漕ぐシーンまでみる始末。



結局、4泊5日の間に起きている時間は12時間もなかったかも、、。

まあよくもこれだけ眠れるな、赤ちゃんみたいだな、と思う側からまた眠い。


帰りの飛行機も爆睡しまして、今やっと近所の耳鼻科へ。





こんなになるまで放っておいて、、とかなり叱られました。痛み止めだけじゃ、治らないんですよね。きちんと抗生物質飲んで安静にしないと、それは分かってるんだけど。



皆さん、旅行前こそ、体調を整えましょうね。旅先での体調不良は、お金も時間ももったいないし、罪悪感で疲れが全く取れません。そして何より、同行者を確実に不幸にさせます、、。




またリベンジしたいな、、石垣島。それと、真剣に扁桃を取る手術を検討しないといけない。最近、扁桃炎率が上がってきています。でも取るのかなり痛いんでしょ?それもやだなぁ。





ま、今夜からお仕事です。無理せずゆっくりやりまーす。



梅雨休みで木曜までお休み頂きます!



梅雨休み(夏休みパート1)というのを頂いております、、。


沖縄の石垣島と西表島の間にある、小浜島というところに来ております。





日曜辺りから扁桃腺が痛み出し、騙し騙しやっておったのです。

島には昨日着いて泡盛など呑んでたのですが、どんどん体調が悪化。

今朝、遂に熱が出てしまいました、、。

朝からずっと部屋で寝てます。外は雨。




ゆっくりしに来たので、目的としてはそれはそれで良いかな、と。


明日から石垣島に移動します。

お店は金曜の夜から再開致します。どうぞ宜しくお願いします。




椅子の皮を張り替えました。



椅子の張り替えの件。


店舗を移転してからもうすぐ四年。その頃に買った椅子がですね、、ビニールレザーでして、見るも無残にボロボロになってしまいました。




鎌倉から家具職人さんに来てもらい、店内8脚とベランダの2脚の座面を総取り替え。





そして、今回は牛の皮を一頭分仕入れて丸々使って下さいました。10脚ともなると皮を沢山使うんですね、、。




お値段はビニールレザーの8倍!!


僕はこういう贅沢が大好きなので、全然惜しくないです。お鮨は回転してても平気だし、雨の日に電車とバスで通うのも平気。だけど、椅子の革くらいは贅沢しなきゃ。

楽器や小道具も大切だけど、お客さんが物理的に最も接する部分といえば、お尻。






僕もドリルや金槌を使ってお手伝いしました(笑)



ついでに、ベランダ側の破れていたソファーも縫ったりして。





お陰様で、こんなに素敵になりました。




もうですね、全然座り心地が違います。丁度いい抵抗感。全然疲れません。というのも、低反発のウレタンクッションをガッツリ入れて貰いました。


接着部分の乾燥の関係で、明日火曜日はお休みを頂きます。

ゴールデンウィークから伊勢丹まで、かなり走り続けました。休養も兼ねて明日はゆっくり致します。申し訳ありませんが、また水曜日夜より再開しますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。



レインボー旗と顧客選別の矛盾



伊勢丹イベントも終わり、通常運転に移行します。あー、長い1週間でした。






さて、大先輩のレズピアンバー、老舗某店さんのトランス女性排除問題。


事のあらましはというと、いわゆるレズビアンイベントにですね、オッさんが女装をして入り込み、ちょっかいをかける事例に苦慮していたオーナーさんの対応に関してです。

苦情を受けてトランス女性(MtoF)をお断りする張り紙を掲げて、海外などから叩かれてしまったのです。




「会員制で女性来店はゲイ同伴」という欧米LGBTから攻撃間違いなしのスタンスを掲げるキヌギヌにとってはかなり近い問題であります。なんたって、ある西欧の国の発展場には女性がいる事すらあるとか無いとか、、。

そんなの振りかざされると面倒なのでオリンピック期間も全部閉めちゃうつもりです。

そしてこのレズビアン問題。前から書こうと思ってたのですが、何となくまとまりませんでした。


さっき、ふとしたきっかけでストンと閃いたので、忘備録として書いておきます。自分の店のスタンスとしても大切な事ですし。



某オーナーさんは仲もいい先輩なので、あんまり書くのは憚られるんですが、、、。



まずは某レズビアンバーに掲げているレインボーフラッグ。あれは泣く子も黙る「ゲイ、レズビアン、トランスセクシャル、バイセクシャル」4部門連帯の象徴。つまりバイセクシャルの主婦もレズビアンカップルも、トランスあべこべ夫婦も全員ウェルカム、という意思表示になる。


レインボーフラッグを掲げると、顧客層が一気に広がるのは想像に難くないです。売り上げアップにも大きな効果だと思います。

当然、掲げたなりのリスクも取らないといけない。なんせ、見た目で分からないのが性自認や性思考、性趣向。

仮に、4人のスケベ親父が女欲しさに一計を案じて女装をし、二丁目に繰り出す。

入り口で「私たちトランスのバイなのよ。たまに女欲しくなるの」なんて言われても、店としては確かめようがない。なんせその頭上には例のフラッグがハタめいているのだから。



とはいえ、痴女が短髪につけ髭を装着してゲイナイトに乗り込んで、ゲイの下半身触ってたら、何となくワクワクしてしまう自分がいますけど(失礼)


キヌギヌちゃんは、ジェンダー選別だと判断基準が曖昧すぎて面倒臭いのでフラッグとは真逆の「会員制」をモットーとしています。

そうすると、お断りした方が仮に「ジェンダー差別された!」と息巻いても回避できます。いやいや、ゲイでもストレートでもおなべホモでもトランスセックスワーカーでも、気が合う人なら断りませんよ、とお伝えすれば良い。


そうしないと、経営なんてとても続きません。僕は激しく神経質でして、ノリが合わない方に頭を下げて来てもらうような営業が出来ないのです。

たまに、誰にでも入れる権利があると思ってドアを突破しようとしてくる方がいますが、僕は自分の好きな人しかお招きしたくないのです。

どちらかというと自宅でのホームパーティに近いスタンスでやってます。狭いマーケット、それはリスク以外の何者でもありません。


という訳で、僕的には大きなリスクを取ってる自負があるので、トラブルが起きても「何か?」という強さは持ってます。





レインボーフラッグの横にジェンダーを一括りにした断り書きを貼って一網打尽にお断り、こりゃダメな手ですよ。矛盾してるもの。

だけど、店を経営している側は思わず掲示したくなる、よく効く魔除けのお札なんですよ。

「あなたダメなのよ、だって入り口に書いてあるじゃん」で、済むんだもの。



今回の問題、正当に対処するなら張り紙ではなく、個別対応がベスト。


例えばクラブなら、監視員を置いて苦情を受け付ける。レズビアン客が女装のオッさんに言い寄られて困ってるなら、オッさんを一本釣りで聞き取りして常識を軸に判断、場合によりお帰り頂く。

ジェンダーを持ち出さずに解決する、これが一番スマートですよね。。

いや、、警備員なんて居なくとも強権的に「オーナーと合わない人はウチはお断りなの」でアリかと。

まあ、断る方も精神的にすり減る訳で、何にせよリスクは伴いますけどねぇ、、。




ウチは、唯でさえ狭いゲイに対しても「会員制」という、針の穴のような狭いマーケットでやっとりますが、大抵顧客が似たレベルの方を連れて来るので素敵な方ばかり。ここを読む方は大体ご存知の通りだと思います。

最初さえ乗り切って安定経営にさえすれば、後は夢の日々です。

もしも経営不安な日々が来たら、バイトに行くか、お店廃業すりゃいいんです。

そなくらい、顧客さまの選別は大切。お店の良し悪しの9割はそこで決まるくらい大切だと僕は見てます。



大昔の僕の経験談ですが、会社帰りに疲れたのでご褒美に遠回りして、何となくホッとしたいと二丁目に来て一杯飲もうと店のドアを開けたら先客でオバハンが4人座っており、1時間くらいゲイについて質問された、という経験。

そういう店だとわかって入るのなら否定などしないですが、知らずにそうだと僕は次は行かない。僕にとってゲイで居られるオアシス、せめてお店の方が気を遣ってくれてたら違う印象だったろうけど。

オバハンからしっかり儲けて、そして僕にホステスさせて二重に儲けよう、なんざ下衆の極みですわな。



そんな思い出から、あくまで「気の合うゲイと一部のレズビアン、トランス」と、その少数のノリを理解した非ゲイの友人がゴソゴソ楽しむ秘密基地でありたいのです。



ちなみに僕の経験値で言うと「非ゲイ」の顧客比率は3から4パーセントがベストです。25〜33人にお一人の計算。


それ以上だと隠花植物の育つ湿った空気が乾くし、少ないとスパイス不足で退屈してしまいます。


因みにどんなスパイス(ストレート女性)が好きかと言うとですね、、。もちろんゲイ会員と同伴前提ですが。

*めちゃ美人なんだけど話すと天然ボケで汚れキャラ

*声が低い、夏木マリさんや桃井かおりさんタイプのお姉さん。そもそもゲイに関心がないタイプ

のような、独立した、二丁目依存度の低いいい女に限ります。



嫌いなタイプはですね、ゲイ理解を過剰にアピールする、特徴に欠けるBL好き主婦タイプ。

「ゲイってイケメンで素敵な人多いよね、私は認めるけどなぁ」みたいな浅いヨイショで共感を求めてくる。一度、クソみたいなゲイを沢山並べて見せてやりたい(笑)

非日常を求めるなら浦安のテーマパークに行って下さい。

後は、入り口で「私もオカマだから」とアピールをするおコゲ女。


勝手にオカマを名乗らないで下さい。しかもそういうタイプに限って、立場が窮すると女を出したりします。突然泣いたりもする。



まあ、素敵な方が連続で当たったとしても決して3〜4パーセントを超える事は無いので、本当に一握りですが、、。


ノリが合う方のみ、僕からこそっと「良かったらまたいらして」とお伝えします。リスクとって経営してんだから、好き勝手して何が悪い。





先のレズビアンバーの先輩。顧客間のトラブルなど、お気持ちは痛いほどよくわかります。ここはひとつ堪えて、しっかり頑張ってください。



失礼しました。(汗)




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