その5 先ずは大きいものから


今日は朝からコントラバスを五丁目に運びます。

※今後現店舗を「3丁目」、新店舗を「5丁目」と表記します。どうぞよろしく。


電車と徒歩で運べるのだけど、タクシーを使います。背中がツルと怖いので念のため。


僕のサイズは少し小さいので、タクシーの小型にスッポリ入るのですよ。あまり使いませんけど。





【コントラバスの積み方】

1.助手席を倒してベッドクッションを取り去る

2.お尻を先に入れ、縦に起こす

3.頭を入れて元に戻す


これだけなんですけど、運転手さんによったら乗車拒否されたりします。汚れると思われるもんね、、。

今回の方はジャズの元バンドマンだと言うことで楽勝。むしろ、エレキベースとの違いを熱く語られてしんどい(汗)

タクシー会社の中でバンドを組んでいて、元オーケストラのパーカッションをクビになったかたとかいらして、かなり上手なんですって(汗)

相槌打ちづらい話が続きます、、。


そして、五丁目に設置。




なぜ解体も終わらない先に運ぶかと言いますとですね、明日から設計用の採寸が始まりますが、楽器も大型なのはキチンと採寸をして、どこにはめ込むかを先に僕が目安を付けてスムーズに運ぶようにと思うのです。

設計士さんにサイズを元に盛り込んだセッティングを伝えて、隙間のないお店にしようと考えています。

大太鼓、シロフォンも同様。壁や棚の中に収納して、或いは壁に埋め込まれていて、必要な時にサッと弾けるようにする。




大きい順にはハープ、チェンバロ、そして吊るしもの関係。こちら有りきでお店を組んで行こうと思います。



ここからが楽しい、本当に楽しい作業。今まで使いにくかった部分を洗い出し、最低限の移動で済む動線を徹底的に洗い出します。

電気関係のスイッチも同じく。今回は少しカウンターの幅が広くなるので、主要スイッチを両端に2系統セットしてもらい、僕としょうじくんの手が空いている方が照明操作を出来るように考えています。


最終的にこんな風になれば、毎日出勤が楽しいのになぁ、、。




劇場の舞台の袖なんかにある、ああいう操作盤。それが手元にあったら何て楽しいんだろう。


だって、酒場は劇場なんですから!!


( ;´Д`)



最近、インスタグラムにハマっていましたが、ブログに集中する事にしました。読み返してみて、文字数に制約があるのでもしかして誤解を招いているかも、と。

僕の中で長年の夢やストーリーがあり、結果的に買い物をバンバンしているのですが、写真でそれを上げるとただの自慢に見えてしまうかもしれない。

今までどれだけ節約してこの日の為にお金を貯めてきたかなんて、無論、書くつもりも無いんだけど。

つまりは客商売として、誤解されると非常にやり辛くなるので、インスタグラムには軽めの小ネタを、ブログには粘っこい心の叫びを書きたいと思うのです。

ブログはご自身の意思で読みにいらしてる訳だから、多少自己顕示欲が強くてもいいかなと。(笑)

この調子で2ヶ月間、続きます。どうぞよろしくお付き合い下さいませ。

忘備録兼、皆さんの通勤電車の中の暇つぶしにでもなれればと思っております。




その4 マイクといえばコレなのだ!



今後、移転系のブログカテゴリーを「開店日記」としました。ご興味のある奇特な方は遡ってお読みください。(笑)

今度のお店は少しだけ広くなるのと、グランドピアノを入れるので、やはりマイクが必要になると思うのです。

オペラだと生声でいけますけど、ジャズバラードやポップスはどうしてもマイクで採らないと、歌う方が喉を痛めてしまいます。

というわけで、マイクを選定する事に。


僕の思うマイクは、カラオケボックスのアレでもなく、かといってレトロなガイコツマイク(ロカビリーなんかの)でもありません。


SONYのC38-B、通称サンパチマイクというコンデンサーマイクです。

NHKとSONYが共同開発し、45年間モデルチェンジ無し、今でも全国の放送局や劇場で使われる、文字通り日本歌謡史を支えるこのマイク。


古くはザ・ピーナッツ様から



お嬢はもちろん




橋幸夫、吉永小百合さまも




そして漫才にも最適。指向性が広いので3人くらい並んでもしっかり取れるのです。別名「漫才マイク」。

やすきよ師匠はもちろん




人生幸朗、生恵幸子師匠、、





みーんな、このマイクです!!


紅白歌合戦ものど自慢も、レコード大賞も落語も朗読も。邦楽の録音は、特に三味線はこのマイクがベストなんだそうです。


これは欲しい!!


ヤフオクで見つけたんですが、あっさり負けてしまいました。忙しい時期だったので、ロクにチェックも出来ない中、入札できなかった。

悔しくて、新品を買う事に(汗)




でも、新品で良かったみたいです。中古のマイクは数十年分の唾とホコリにまみれ、使い物にならないそう。精密機械はオークションだと不安ですしね、、。

値段を言うのは下品だけれど、これから皆さんに大切に使って欲しいので言いますと、19万くらいしました。ネット情報よると、年間200本しか作ってないそうです。納入先の殆どは放送局か劇場だそう。そりゃそうだ。

まあ、夢が買えると思えば高くはないよな。


スタンドも今のチャチいのではバランス取れません。当時のオリジナルを見つけたので取り寄せました。高砂製作所という所の昇降マイクです。サビててかなりレトロ。(笑)逆にいいじゃん。



片手で高さが調節出来るタイプ。よく昔の歌番組で、歌手がマイクの高さを変えるシーンがありましたけど、あれが好きなんです!

例えば石原裕次郎の後の美空ひばりとか。

高いマイク位置をお嬢は慣れた手つきでスッと下げる。
正面を見据えて空気を切り替え、屹と発生なさいます。あれこそ歌番組。


本当はエレベーターマイク、というのが良かったんだけど、、。


エレベーターマイクの動画



コンピューター制御で、6秒間で立ち上がるそう。設置に2メートル掘り下げてお値段300万だそうです(汗)


いつか下の階が空いたら、、、。いやいや。




のど自慢なんかもこのマイクでした。ああ、生伴奏でのど自慢大会やりたいなぁ。

審査員席はカウンターの中、講評とかあったりして、、。


のど自慢、、。アレも欲しくなってきた。




チューブラベル、49万。100キロもあるの。こりゃ無しですね、、。

とはいえ、バラ売りのチューブが一本25,000円でYAMAHAから出てるんですよ。
壁に埋め込んであったら格好いいなぁ。


はぁ。


また、改装プランを練る時に組み込めたら入れます。


僕の飛び出す絵本の新店舗、中々分厚く重たい絵本になりそうです。イメージばっかり膨らんで始末が悪い。

明日はコントラバス引き取りと太鼓の皮を張り替えに浅草へ行ってきます。


しばしお付き合い下さいませ。









その3 新宿お遍路の旅



あー、役所と金融機関って、イマイチ好きになれない。


夢が無いんですもの、雰囲気が。(お勤めの方ゴメンなさい)

これが例えば、歌舞伎座で芝居観て、上野の公園に散歩に行って、銀座の骨董屋さんを覗いて、神田のレトロな喫茶店でお茶して楽器屋さんを覗いて、、、とかなら何時間でも平気なんだけど。


そうも言ってられない。



今日は雨の中、ひたすら駆けずり回っておりました。銀行が3時に閉まるまでにメインとサブの2行に。法務局と区役所で必要な書類を集めて併せて提出、ハンコもらって印紙貼っては郵送。んで、また銀行に戻って、、。

お遍路さんかい、ワシは、、。




しかも、こんなモノを持ち歩きながら。





(みんな大好物の食パンが一斤入っています 汗)


昨日までの夢のような日々はなんだったんだろう、なんてボンヤリ考えながら。


「♪What a wonderful world...」


!!!



淡い妄想を切り裂くように、電話が鳴る。聞きなれないオジさんからの電話。誰?




エアコンの修理だった!!忘れてた。


何が悲しくて引っ越す前に古い店のエアコンが壊れるのか。これはきっと、エアコン君の最後の悲鳴に違いない。


エアコン君:
「どうして僕を置いていくの?みんなで新しいお家に引っ越すんでしょ?淋しいな、、、(ノ_<)」


あー、書いてて泣けてくる、、。


シンスケ:
「平気だよ、エアコン君。ここはみんなの楽しいレンタルバーになるからね。頭のおかしいお友達が更に沢山増えるよ!」


エアコン君:
「本当?!わぁ僕、なんだか楽しくなって来ちゃった!!(≧∇≦)頑張って冷やすぞぉー!」



わー、、エアコン君も喜んでるといいな。


博士、後は頼みましたよ、、、。




まあ、そんなこんなで明日の契約は無事済みそうです。

大安吉日です。



また報告します。


今夜はメロンのプレゼント、お裾分けです。先着20名さまくらいまで。8時からでーす!







お楽しみに!






その2 妄想写真館



さてさて、今日は二度目の五丁目物件の内見です。前の持ち主さまの代表者と不動産屋さん、僕としょうじく。

かなり事務的なやり取りをするのですが、僕はそんな事より内装プランが気になって仕方がない。最近膨らみまくったイメージをどう萎ませるか。膨らんで萎む、常にこの繰り返しです。

昔からやってみたかった内装やアイディアのイメージが沢山ありまして、どうしても場所が限られるので困っています。

かといって広いところに何でも好きなだけブチ込めればいいというものでもない。

バランスよく収まっていて、機能的であることが大事ですよねぇ。





今回の壁紙は緑色。ソファーの赤とウッドパネルのこげ茶、天井のベージュ、少しの真鍮の金色でまとめます。

色味はかなり渋い感じなんだけど、敢えてアンティークのオモチャなんかをブラブラ吊るしたりとか、古い日焼けしたヨーロッパのステッカーもバンバン貼りたい。

大人になり切れない大人の子供部屋みたいな感じかな。(汗)僕にとっては楽器も玩具の一つ、今回もさらに増やして、壁にビッシリ飾ります。

奥の壁は駆体と繋がっていないので外します。間口3600の4枚サッシが現れます。キヌギヌの窓と同じ、しかも縦に長いサイズ。

「あーあ、緑が無くなったね」なんて、誰にも言わせません。

ベランダはジャングルにして、ライトアップしようと決めています。京都の町家の坪庭みたいに、入り口を入ると薄暗い店内の先に、緑に輝く森が見える筈です。常緑樹に落葉樹、それに桃とかレモンとかの果樹も植えよう。

手動で開けるテント屋根はウィーンのケーキ屋さんみたいな赤と白のストライプ。うーん、かなり可愛い。

中央から少しズラして噴水付きの池みたいなのも造作しよう。余裕があったら白鳥かフラミンゴを飼いたかったんだけどな。(喫煙場所要らなかったら絶対飼ってたな)

BARの棚も、使えるところだけ残して手を入れよう。老博士の研究室みたいに古い瓶を並べて、金魚鉢もそこに入れ込んじゃう。

そして、カウンターはグランドピアノを組み込みます。お酒がこぼれてもいいから、ピアノの蓋の上で飲んで欲しかったの。ちゃんと防水します。

カウンター内側は、出し物をする時舞台になる。ステージ照明と、カーテンは電動レールにしてフットスイッチで開閉、スポットライトも増設して、ブザーなんかのスイッチも集約する。バースデーのドロップもそのまま持っていきます。

天井の箱からミラーボールが降りてくるプランも何とか入れ込みたいな。チークタイム&ディスコタイム用。

ヴォーカルマイクもレトロなやつを一つスタンド付きで。ピアノにもたれて歌おうが、上に乗ってもいいと思う。そんな事気にしてたら酒場なんて出来ない。

ピアノのトイメンにはハープ、出来ればコントラバスも置きたい。ベースを使う時はベランダ側がステージですね。


大きい編成だと、ベランダ側にピアノトリオのジャズ、カウンターの内側にストリングスが入るなんてのも出来るな。クリスマスとかいいかも。


手押し車におつまみを乗せて売って歩いたり、生ハムを切り出して売ってもいい。うんとレトロなハムホルダーとナイフ、銀のお皿にオリーブもモリモリ盛って。



ああ、今が楽しいピークかも知れない、、。せいぜい楽しもう。



というわけで、好きなイメージをバンバン貼り付けていきます。

僕の「琴線に触れる何か」フォルダーより。










































































































そして、去年の移転騒ぎの時に買いまくった照明、テーブル、グランドピアノなど。

新しく、コントラバス、チェンバロもある、、。せっかく倍の広さなのに、全然客席が増えません(笑)













どうやったらまとまるのか、、、


( ;´Д`)





つづく。



その1 新物件、決まりました!!



発表致します。

新宿五丁目の新物件、入居が確定しました!!

水面下でずっとゴソゴソしてましたが、ようやく実りました。ああ、疲れた、、、。

( ;´Д`)


これから本契約を経て、内装デザイン、施工、引っ越し、役所の検査を経まして晴れて移転、と相成ります。

キヌギヌらしい、音に溢れる暖かくてバカバカしい、古き良き飛び出す絵本のようなBARになるように頑張ります!


勿論、今まで通りのルールである会員制で四人以下、お一人でいらっしゃるお客様を大切にする方針は変えません。ボトルキープもカラオケも無し。隣の知らない人と会話が弾む装置も研究中。どうかご安心下さい。


今後このブログに、内装工事の連載も開始します。そちらも併せてお楽しみ下さい。部屋にいながら埃だらけ、汗だくの僕らを高見の見物して下さいね。

8月終わりにさよならパーティー、9月上旬にオープニングの予定をしております。またこちらでUPします。

あと、今の物件の使い方も、譲り先も含めて考えないといけない。そちらも、また改めましてこちらにて。


オマケで新物件の写真をUPします。ビフォーアフターをご想像下さいませ。


玄関



入り口から奥に向かって


カウンター


カウンター内側



ソファー席



ソファー席背面


キッチン入り口


キッチン内部



ベランダ


ベランダ2


ベランダより北側を望む


ベランダより店内





続く。




不定期連載〜開店日記その6


8か月振りの更新となります、開店日記。

前回はカウンターが仕上がった所まででしたかね・・。(もう忘れたよ・・)



入口右側にヒューズボックスがあって、そこが恰好悪いというので手持ちの棚をくりぬいて付ける事にしました。収納力も上がるし一石二鳥、のはず。


ヒューズボックス.JPG


ここに棚を破壊したものを付けます。僕が22歳の頃に京都のブルーパロットで値切って買ったケヤキの安物の本棚!!


カポッ!

本棚取り付け.JPG

おお、それらしくなりました。その後、オーディオと缶詰ストックが収納される事になります。


酒棚の左側、窓の部分も塞ぎます。コンパネをカットしたものをはめ込んで、そこにホームセンターで買ってきた換気扇をはめ込みます。

そう、ここは窓だったんですね。今でも外せば窓が開きます。当初は「スイッチを押すと電動で酒の棚がスライドして、窓が開いて魚の水槽か鳥小屋が現れる」というプランを目論んでいたんですけど、予算の都合で即、却下。

仮の配線で換気扇が勢いよく回っています。この頃は配線が整っていなかったので、天井のスポットライトに分配機を付けて電動ドリルを充電したり、換気扇を回したりしてかなり賑やかな光景でした。


まさにタコ足配線。


換気扇装着.JPG

あれれ、どこかで見た光景だな・・?

戦後の二股ソケット、下町のお茶の間を彷彿とさせる光景でした・・。

(映画・キューポラのある街 より)
b8f3c2d54aa2fcb3b6ed729373cf65d5.jpg






カウンターはオイルステインを塗って古色を出して、サンドペーパーで磨きました。


カウンターオイルステイン塗装.JPG


そこに光沢のある油性ニスを塗ります。


ニス.JPG

塗るとこんな感じ。

カウンターニス塗装.JPG


内側から。

ピアノ7.JPG


塗っては乾かし、また塗っては乾かす。


そしてピアノを弾く。

演奏ノ図5.JPG


この頃は嬉しくてピアノ弾いたり、一人シュミレーションしたり、なんせ自分の写真ばっかり撮っていましたね・・。

無邪気ですこと。しかも細くて若い。




もしタイムマシンがあって、この頃の彼に一言掛けられるとしたら

「オマエ、この後ねぇ、ストレスで激太りするからな。ま、せいぜい楽しんでおけよー」

とでも言ってやりたい。





カウンターの中に配線を取ります。

カウンター配線.JPG

今は更に増えて、コンセントが18箇所くらいに分かれていますが、ブレーカーが落ちないのはこの頃に電圧計算して、容量をたっぷり取っておいてくれた友人のお陰です。本当に感謝。

冷蔵庫
ビールサーバー保冷機
クレジット端末
オーディオアンプ
蓄音器手元灯り

果汁絞り器
IPHONE充電器
IPAD充電器
カメラ充電器
WI-HI
ブルートゥース
ブザー 
ベル
バンカーズライト×3
クリスマス用イルミネーション×2

カウンターの中でもこれだけあります。
昔は電子レンジやわけのわからない小道具もありました・・。



さてさて。そんなこんなでかなりお店っぽく仕上がりました。




シャンデリア9.JPG


いや、本当は僕もこのくらいシンプルなのが好きなんですけどね・・。でも有りがちな店とも言える。

脱サラして高円寺あたりで始めました、本棚のBRUTUSを読みながら、エスプレッソもどうぞー、みたいな。

まあ、それもアリだけど。

僕にはもっと毒と猥雑さがないとダメです。あと、子供の頃に憧れた大人の秘め事のような情緒、古き良き含蓄。



因みに昨日の店内。

DSC00079.JPG



・・・。壁が見えない。モノが増えただけじゃん。

含蓄も情緒もそんなにはないような・・・。




まあ、今後に期待、という事でいいでしょう。


次回の連載は未定ですが、食器を買いに行ったり、アンティークを競り落とすような話が続く予定です。
この頃は迷走気味だったので、今振り返るとダサすぎて捨ててしまったものばかりです。あんまり書きたくないんですけど、また忘れた頃に書きます。



そして、今年からツイッターを極力連絡事項くらいに留めて、書きたい事はこちらのブログに書き殴って参ろうと思います。

ツイッターで書くと、ブログを書いた気になるので筆不精に拍車がかかります。遡っても見られないので日記的にもこちらの方が有効ですし。

あと、去年頂いた言葉なんですが、日本中はもとより、世界中にいらっしゃるお客さんがたまに覗いて下さっているそうです。本当に嬉しい限り。

更新する事によって少しでも新宿の香りをお伝えできれば、なんて思っています。

回数が増える事によって、馱ネタや雑記的な事柄が増えます、多少はお許しくださいね。



***


馱ネタはこんな感じです。





昨日はご褒美にたらば蟹を買って来て、例のアルミ鍋で一人しゃぶしゃぶをしました。御供には自作の紅葉おろしも添えて。

たらばは高くて沢山買えなかったんで案の定食べ足りず、また冷蔵庫を探ってたら「かにかま」が出て来ました。

食べ終えた殻に詰めて、義足タラバにして食べてみました。

DSC00395.JPG





















まずかった。


多分、一事が万事、こんな調子です。

失礼しました。




不定期更新〜開店日記その5

 一年振りの更新になります、開店日記。

自分なりに思い入れがあるので、あんまり筆が進まないのが本当の所なんです。

今年はもうちょいペース上げて書きますね。今のところ「レトロ探訪」とともに、最も人気があるネタのようです。
レトロ・廃屋・雑居ビルのお好きな方が多いようです。嬉しい。


さてさて、前回はカウンターの木材をクレーンで釣り上げた所まででした。

木を床に並べて仮組をしてゆきます。そう、設計図がないので床にチョークで線を引いて、沢山ある什器の配置を決めてゆきます。

ピアノや冷蔵庫、お酒の棚などがどういう風に入るのかはこの時点で全然決まっていませんでした。


仮組み.JPG


まあ、こんなものかな、と。ピアノの上に載せて、高さも見ます。


仮組み4.JPG

こんなものかな。今思えばもうすこし客席を広く取ればよかったとも。でも、そうするとピアノが引き出せなくなるので、調律するときに大変になるし・・・。と動かしながら間のラインで確定。

窓の棚はあらかじめ採寸して組み立てておいたものをはめ込む。窓を潰すのは忍びないのだけれど。窓の左側30センチは残してコンパネをはめ込み、換気扇をつける予定。

ここでちょっくら一人、缶ビールを飲む。ほろ酔いで、一人カウンターの中に立ち、

「いらっしゃいませ!」「おひとりですか?」

起業する人が全員するであろう、工事中シュミレーション。


はっきり言ってこの頃が一番楽しい。もう、はやく開店したくて仕方がない。
自分を評価して欲しいとか、現金収入が欲しいとか、いろんな思いがあったんだけれど。




・・・あれからもう八年目、間違っても夜中に「いらっしゃいませ!」などということは無くなった。

(というか、独り、店でそんな事やってたらかなり危ない。)



カウンター土台。


カウンター基礎2.JPG

H字に基礎を組む。床のコンクリートにアンカーを打ちこんでコンパネと木材を臍で繋いで組んでゆく。



カウンター基礎.JPG


反対側から。



りキュール棚を塗装後、コンパネで窓を塞ぐ。

パテで埋めてから白塗装仕上げの予定なのでパフかけをする。この後、三年後にはド派手な赤い布が貼られ、七年後に楽器ケースが付く。予想もつかない。

棚にヘルメットが見える。そうそう、この頃はバイクに乗っていました。この二年後に免許取り消しになる。

人生、何が起こるか本当に予想もつかない。


換気扇口.JPG


カウンターに天版を載せる。

カウンター.JPG


側面は当初、大理石を貼る予定だったのが予算オーバーの為に一番安いフローリング材に。今思えばそれでよかった。

カウンター化粧板.JPG


窓側ベンチの作成。

まず腰壁にフレームを付ける。

ベンチ基礎.JPG

はめ込んで、はい、終了。杉材で柔らかかったのでこの年の夏前に真鍮で市中を立てました。
こちらも当初は電車の補助椅子みたいに跳ね上げ式ししようかとか、皮張りのクッションにしようとかいろいろ思案したものの、予算と機能性の兼ね合いで一番シンプルな形で結着を迎える。


ベンチ固定.JPG




オイルステインで塗装しました。

色素を混ぜたオイルをしみ込ませる。こうすると耐久性が増すのに加え、万が一削れて木材を欠いても色の欠損が抑えられる。

これも完成後、三回にわたって塗り替えることになります。因みに今のカウンターは一年前に全部削りなおしてニスの薄塗りを5回重ねています。

スッキリするのでもう一回削り直したい。まるでアカスリ感覚。

カウンター8.JPG



お店で最大の難関だったカウンター(というか、カウンターくらいしか造作がないんだけれど)が一通り終わって大満足。

この後、独り残って

「はい、シャンパンですね!ありがとうございます!!」
「はい、チーズ少々お時間頂きます」

なんてのをやったのを今でも覚えてます。ああ、あの頃の無垢な心に戻りたい。戻れない。

ちなみにこの頃はまだピアノは弾けません。調律を終えて、厳重に養生してカウンターの下に鎮座しております。はやくピアノ弾きたい。


次回、あっという間にお店らしくなります。


はい、今日はここまで!


不定期連載〜開店日記その4



またも御無沙汰してしまいました。



と、その前にお知らせ!!

6月6日(月)から9日(木)まで、実家の京都に帰ります。四日間の休業ということになります。どうぞよろしくお願い申し上げます。


***


気がつけば開店日記も去年の八月以来です・・。すいません。


前回はクレーン車をチャーターして、ピアノを四階まで釣り上げた所まででしたね。

で、無事ピアノは搬入されました。この頃は嬉しくって弾きまくっていました。店内にモノが無いのでやたら響いていたのを覚えています。

外はまだ新緑には程遠いです。三月の一週目か。




で、ピアノを入って左側に寄せたまま、工事再開です。





もとからあった水回りを撤去。配管もいちからやり直しです。ジョイフル本田で塩ビパイプとジョイントを大量に買って来て、一メートル離れた場所へとバイパス工事。間にガスの線や上水道があるので傷つけないように・・。まるで外科手術みたいです。めんどくさかった記憶が。





外したらセメントで塗り固めます。塗り塗り。





こうしながら二手に分かれて、西側の窓を塞ぐ形でバー棚を作りつけます。これはもう取れないようになっています。右の部分は換気扇を付ける場所として取っておきます。

シマシマのニットキャップ糸井先生の後ろにある水色の塊はピアノです。





カウンターの木材です。京都で良い松の一本の材料があったのですが、車がバンだった為に乗らず、涙の切断。本当はケヤキやオーク、せめてブビンガがよかったのですが、ゼロが一個違いました。。。


っと、今回はここまで!!!


今度はもっと早く書きますね。お楽しみに。

不定期連載〜開店日記その3

 まずは、昨日はクローズしてしまってすいませんでした。お腹を下してしまい、寝ていました。きちんと告知しないといけないんだけれど。

今日はきちんと開けます。

いやー、このお盆は異常な忙しさでした。来て下さった皆さん、どうもありがとうございます。

毎年のお盆は割に閑散としているのだけれど、今年はGW並みでした。毎年より気温は高いのに、いつもの事ながらまったく数字が読めません。本当にありがたい事ですけど。

九月はですね、1日から8日までバリ島に行ってきます。で、なるべく全ての日をアルバイトしていただいて開けようと、今調整中です。お二人ともお仕事なさっている方なので、シフトがランダムになりそうなのです。なのでなるべくお電話いただいてからお越しくださいますよう、勝手ですがそちらもどうぞよろしくお願いいたします。

いつもの守護神ケンちゃんに加えまして、タケくんというアラブ顔の青年です。顔は中東風味だけれど、原理主義思想ではありません。



***

えーっと、開店日記です。三か月もほったらかしですいません。ここから面白くなりますので続けて書きます。

まずは塗装が終わったところまででしたね。重ねて三回は塗りました。まず白を塗ってから、淵は焦げ茶で塗ります。





そうして、木材とピアノをまとめてクレーンで搬入します。朝の6時、誰もいない歩道を勝手に通行止めにして、窓から入れます。

木材はカウンター材、お酒の棚の場所の窓を塞ぐコンパネ材、ベンチ用の板なの。やはりクレーンだとあっという間ですな。









計画では、運び入れたピアノと材木を一旦壁に寄せ、店の南側(入り口側)からカウンター、奥の順に作って最後にピアノをはめ込もうという寸法です。

この頃の事は今でもよく覚えています。すでに塗装が終わって白い店内で工事用のライトを照らして工事の仲間とピアノをカウンターがわりに缶ビールで乾杯したりしていました。

ピアノ弾きながら、夢が叶っていく実感が物凄く込み上げるんですよ。ああ、こうやって毎晩歌ったりおしゃべりしながら収入を得られるんだな、って。

たまに、この工事現場に戻してピアノと赤ワインだけで、ツナギ着て営業しても面白いんじゃないかな、くらい思ったりします。初心に戻るつもりで、そのうちそーしようかしら。

むしろ、その方が受ける気さえしますが・・。

次回はカウンター造作編なんですけど、ますます酒の量が増えます(笑)


次はさっさと書きますね〜



おしまい

不定期連載〜開店日記その2

その2です。

まず、天井を一気に抜きました。こういうのは人生であんまり何度も経験するものではないと思うのですが、僕は2回も抜く機会に恵まれてしまいました.

真ん中に穴をあけてL字型の工具を突っ込んで思い切り引き抜きますと、バリバリっといきます。口で説明するのが難しいのだけれど、何とも言えない爽快感があります。

抜いたらひたすらお掃除。細かいゴミが大量に出ますので、掃除機かけまくりです。電線、ガス管なんかが出てきました。お、キレイキレイ。このまま使えそう。





キッチンの撤去。もう、無理やり外します。外れないのはグラインダでカット。おっと、水道管だけは慎重に、です。

水道はこの後、壁の右側に沿って延長して新たに置いたシンクと連結させて、上部に湯沸かし器もつないで、しかも排水も延長して元の場所に戻す、という大工事を控えていました。

女性器を男性器に作り替えるような途方もない計画に、僕は当初、「このまんまでいいじゃん?」と諦め気味だったのですが、保健所の許認可がシンク2個でないと通らないというお役所の世知辛い通達を知って、あっさり断念。二個の根拠がいまだにわからない。

ちなみに、写真の二人は京都時代の友人。週休1日の一カ月拘束で契約して、工事を頼みました。絵描きとグラフィックデザイナーという本業を持つ、やたらイケメンで多彩な友人です。

なんだか彼らとは短い青春を過ごした旅の仲間のような気分です。僕のめちゃくちゃな理想をきちんと形にしてくれ、さらに開業後もたくさんの機能が追加できるように、店のあらゆるポイントにコンセントの差し込み口や、ケーブルのホルダー、フックなどいろいろなものを造作してくれました。

あとで知った時には涙が出ました。なんて素敵なお土産なんでしょうかね。職人ならではの粋な心配りを感じました、畜生。

しかし、彼らは毎晩よく食ってよく飲みました。他で節約しても、そっちで完全に予算オーバーでした。

ザ・職人。








要らないものがなくなったら、次は塗装です。

色も作りました。オフホワイトのマットと光沢のを7:3だったかに混ぜて、そこにベージュを混ぜます。
こうすると売っているのにはない、光沢とマットな間で、しかもくすんだ色になります。それをひたすら4回は塗り重ねました。






不思議なもので、白に塗ると明るくなるのと同時に、急にお店っぽくなります。もう、それだけでうれしくて、二人が帰った後も缶ビール飲みながら、ここに何を置くとか、ああだこうだやっていました。図面もプランもなにもないまま工事したのですから、考えなくちゃいけないのはあたりまえなんだけれど。

その場の話し合いと、機材のサイズによってモノの配置が毎日変わります。今考えると安直だったけど、よく完成したなと。世の中全ては結果オーライです。


そう、この頃が一番楽しいのです。気分はおままごとを始めた少女のような。

「はい、ここがカウンターですよー!   ちょっとお客さん、起きて。飲み過ぎですよぉ、しっかりしてよもう。そんなんじゃモテないからね!」



空っぽの店で朝までそんなことばっかやってました。(今は毎日やってんのに、トホホ・・・。)



てなわけで、次回はピアノ搬入編です。先にクレーン車で搬入、カウンターを造作してから、そこにスッポリはめ込むというなんとも乱暴な作戦でございます。


***


結構読んでくださってる人が多いのにびっくりです。コメントは0の大行進なんだけれど、毎日200カウントくらい回っています。密かに、開店日記まとめてアップしてよ、みたいなせっかちなご意見も頂きますが、ここはひとつ、のんびりと。


開店日記が20号くらいで終わりそうなので、その次は僕が今までに見た、ユニーク(変態)な大人たちを日々の日記の合間に連載します。



おたのしみに。



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グロテスク〈上〉 (文春文庫) (JUGEMレビュー »)
桐野 夏生
悪気もなく、ただ人の不幸を喜びに生きる「私」と、類い稀な美貌を持ち、出会う人々を皆驚嘆させてしまう実の「妹」、人に勝利する事でしか自分の存在意義を見いだせない、容姿に恵まれない和恵。その三人を中心に描かれるQ女子高(私立慶應女子高校がモデルになっている)の超閉鎖的階級社会を舞台に、途中入学組に対しての、富裕層からなる内部進学者からの壮絶ないじめを軸とした数々のエピソードは圧巻。物語全体は東電OL事件を主軸にして描かれており、後半は生生しい売春婦の日常が詳細に描かれている。店主がここ最近の著書で、久々に気骨を感じた作品。

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一の糸 (新潮文庫)
一の糸 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
何不自由ない造り酒屋の娘茜は幼き日に目を患い、その時連れられて聞いた文楽、露澤清太郎が奏でる三味線の音に恋をしてしまう。大正から太平洋戦争後にかけた女の一大抒情詩。乗馬を好む娘、宝石や宿屋を惜しげもなく買い与えるおおらかな母、その後の茜の命を賭けた壮絶な苛めとの戦い、本物の芸に賭ける壮絶なエンディングと、読みどころが随所に散りばめられた文句なしの女流文芸娯楽作品。

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悪女について (新潮文庫 (あ-5-19))
悪女について (新潮文庫 (あ-5-19)) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
公子という一人の貧しい女が中華屋の仲居からスタートして何百、何千という嘘を重ねて戦後の混乱期にのし上がる様を描いた作品。嘘を重ねると言っても、無論、それだけでは決して成功はしない。夜学に通って簿記の試験をパスし、自らの美貌を磨いて出会う男を翻弄し、汗まみれになり生き抜くさまは寧ろ潔い。とある事件後の週刊誌記者による聞き取り調査と云う一風変わった文体で綴られる全編は、時を忘れ、あっという間に読めてしまう。中でも、登場スr数々の大粒の宝石の描写は秀逸。「取材魔」の異名を取る有吉文学の中でも比較的軽めな現代もの。特に初心者にお勧めの一品。

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女系家族〈上〉 (新潮文庫)
女系家族〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
山崎 豊子
船場に続く大商家の物語。入り婿の父が突然亡くなり、残された三姉妹が遺産相続を期に豹変を始める。狡猾な大番頭、突然現れる妾の存在に、三姉妹は関係を結んだ男の入れ知恵や様々な駆け引きを繰り返し、遺産を減らさぬよう奔走する。団結した三姉妹と叔母が妊娠したと思しき妾を抑えつけ、懇意の医師が器具を用いて検査を始める妾宅での描写は、昭和女流文芸史に残る陰惨な情景と云えるだろう。

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昭和初期の船場に三代続く女系の老舗足袋屋に生まれた男の半生を描く。女親に反発するかのように愛人を4人も囲いながらも商売に精を出す主人公。迎え入れた新妻の妊娠を探るために肥溜めを棒で掻き回す姑と大姑の陰惨な嫌がらせ、襲名披露の配り物がたった足袋一足だと聞いてケチだと馬鹿にする参加者を尻目に、実は踵の留め金具が純金製で帰宅した一同を仰天させるエピソードなど、船場の粋と意地が詰まった珠玉の作品。

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針女 (新潮文庫)
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有吉 佐和子
出征した帝大出の弘一が残した青春の遺書を胸に、パンパンや闇成金の持ち込む針仕事に打ち込む孤児の清子。彼女は過去に踏んだ針が体を周り運悪く跛(びっこ)になるというハンディキャップを持つ。復員した夫は戦争のせいで性格が豹変しており・・。パンパンや気違いといった現代では禁止用語の登場人物が行き交い、戦後の混乱期をそのまま原稿用紙の上に広げたような生々しい作品となっている。

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連舞 (集英社文庫)
連舞 (集英社文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
昭和初期の日本舞踏の一大流派、梶川流の栄枯盛衰を描く。先代家元の妾の子に生まれながらも伸び悩む自分の踊りの才能、踊りの天才と謳われる性格の悪い妹、妹しか愛さない母に悩まされる青春時代。しかし、GHQ接収後のアーニーパイル劇場での歌舞伎ショーにてストリップを強要され、大逆転の末成功となり、家元夫人にまで上り詰めてしまう。忌わしい過去と出自に翻弄されつつも、過去をねじ伏せるかのように踊りに邁進し、遂に芸の道に境地を見出す主人公、月の直向な横顔が涙を誘う。

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明治のお嬢さま (角川選書)
明治のお嬢さま (角川選書) (JUGEMレビュー »)
黒岩 比佐子
明治期の令嬢の実態を探る。たしなみ、学力、美醜の葛藤、結婚生活まで多岐にわたる。面白いのは多くの令嬢は今と変わらず贅沢品に執着したらしく、友人の持ち物を嫉む生々しい手紙なども解説入りで紹介されている。その他、当時の流行の髪型や美人術、痩せる薬などの広告資料も収録。

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宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして
宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして (JUGEMレビュー »)
高谷 朝子,明石 伸子,太田 さとし
千代田の森の奥深く、宮中賢所に57年お住まいの神職の女性の半生を描いた作品。下界と分断された森の中で祈りを捧げる日々。厳格な穢れの区別(下界のものに触れると潔斎しなければいけない)、四足のものは食べてはならない、毎朝数時間かけて髪おすべらかしに結うなど驚愕の生活と共に、日本古来の自然に寄り添った質素な習慣を紹介する。

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朝香宮家に生まれて
朝香宮家に生まれて (JUGEMレビュー »)
北風 倚子
渋谷・松濤の鍋島公園一帯は戦前、広大な鍋島侯爵邸であり、著者の住まいであった。大空襲で火の海になった屋敷を逃れ、昭和という時代を生き抜いた、旧華族のお姫様の生涯。

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社長 島耕作(8) (モーニングKC)
社長 島耕作(8) (モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
弘兼 憲史
言わずと知れた島耕作シリーズ単行本。長い経緯はさておき、弊店が表紙になっております。店主もタキシードでモデルを致しました。
是非お買い求めくださいw

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梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
小田部 雄次
佐賀藩主鍋島家令嬢伊都子。彼女はのちに梨本宮に嫁ぐが、明治から昭和に渡って77年間日記を残していて、その様相は「書き魔」と言わんばかり。初の洋行先のパリで買い物の様子や婚礼、即位式などの華やかな思い出を経て、戦中戦後の倹約の様子や時代に対する落胆ぶりなど。往時の匂いが漂ってくるかのような生々しさ。著者、小田部雄次の解説が当時の世情をわかりやすく補ってくれる。

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写真集 酒井美意子 華族の肖像
写真集 酒井美意子 華族の肖像 (JUGEMレビュー »)
酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

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極楽商売―聞き書き戦後性相史
極楽商売―聞き書き戦後性相史 (JUGEMレビュー »)
下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

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 (JUGEMレビュー »)

京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

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芝桜〈上〉 (新潮文庫)
芝桜〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

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書いた記事数:1517 最後に更新した日:2024/03/25

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