【9年目の決意】三味線始めます



まずは引越し騒ぎ、その後のお知らせ。

ガーン!!

 
実は。お向かいさんの引越し計画、延期になりました。今の借主さんから時期未定をいう話を頂いてしまいました・・・。でも。割とこちらに好意的な姿勢でいらっしゃるようです。そこは感じました。うんうん。

一昨日の朝、電話を頂きました。トホホ。

繊細な内容なので経緯について、ここでは差し控えますが、次にその話が持ち上がった時には最優先で御紹介下さる、という内容の返答でした。

まあ、こういうこともあるもんですよね。まだタイミングじゃなかったって、事かな。

ただ、家賃は僕が聞いていたものとは違って破格の安さのようです。むしろ今の物件とほとんど変わらない。これは引き続きウォッチしながら貯金しよう。

みなさま、一人で盛り上がって、大変お騒がせしました、、、。まだ暫くは密着系の営業が続きます。精一杯、努力して楽しませますので・・。



***

ほっ、と一息つく・・・



わけないでしょ。



このパワーを何処かに向けないとエンジンが焼けついてしまう!!!


そう、今、僕はちょっと躁状態なのです。



毎年、新緑の頃になると明らかにおかしくなります。祭囃子が聞こえたら表に飛び出しちゃう江戸っ子の爺さんのようになります。


ただ、新緑が好きなのです。申し訳ないけど満開の桜の20倍くらい嬉しいかも。ヘンですかねぇ。

引越しの期待をよそに反らす作戦に出ました。ああ、小学校の頃から変わらない、この「すり替え」の作業。ふん、いいんだもん。


昨日は11時前に家を出て、てくてく歩きます。途中、大久保にある隠れ家に。

自宅より北側に出向くときは、ここのもりそばを啜ってから向かいます。

長寿庵(蕎麦屋さん)

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ほんと、何でもない、正しい街のお蕎麦屋さん。


ほら、ウィンドウも。

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中はこんな感じです。時間が止まっています。ここで、段取りを練ります。
お向かいではファミリーが早いランチ中。

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はい、来ました!500円。東京に上京して、蕎麦、寿司、鰻はお江戸のもんですなぁ。ほんま、溜りまへんでぇ。


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失礼なんだけど、この「何でもない」が大切なんですよね。奇抜さも、新しい試みも、何も必要ない。
「日常に潜む古典性」がこの店にあります。




そうそう、「御馳走様でした!」と、僕はいつも、ごちそうさまは大きい声で言うことにしている。

ちょっと真剣な話ね、世の中が良い方向に変わればいいな、と思うのだけれど、それは革命や政変だけではないと思うの。

登山の途中に山道ですれ違う時みたいに、行き交う人が「こんにちは」とか、「いいお天気ですね」ってみんなが声を掛けあったら、それだけで半分くらいは既に良い方向に変わっているんじゃないかな、なんて。

日常生活の中で一番言いやすいのはむしろ「ご馳走様です」だと思うの。今の子はゆとりだの・・言われていますが、むしろ牛丼屋さんなんかで今時のナリをした若い子のほうが、大声で「ご馳走さま!」って張りあげてるのを見ます。凄く嬉しくなる。

毎回、「ご馳走様」の発音に変化を付けて研究してます。お、この節回しは良かったな、とか、空間の広さによって声の張りをかえてみたり。中々気に入ることが少ないんだけど。(どーでもいい)




そうそう、何処へ向かうかというとですね、、、



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高田馬場の三味線屋なんですね。皮を張り替えて貰います。「ケン」と「よつ」とあり、それぞれ犬と猫ちゃん。ごめんね。僕は犬にします。猫は倍以上するのね。


そう、三味線を始めたい、と思うのです。

そして、前回の歌舞伎座で一緒に写真を撮った七重姐さんに、三味線の弟子にしてもらえることになりました!!!(たった今メールで決まったんですよ)

もともと、お座敷芸のような粋で洒脱、時に賑やかなのをやりたかったので、芸者さんに習うのはすごくピッタリだとも思います。

一節、唄えるようになったら次の冬には着物を着つけて襷掛け、おでん煮ながら端歌でも歌えればいいなぁ。


またやりたい事リスト増えた。


僕は音楽好きだけれど、どちらかというと机上のウンチクを語る人が好かんのです。(特にクラシックおたくのは顕著。たいてい見た目も気持ちわるかったりする)

楽しんで、しかもそこに空間や味もプラスして愉しみたい。

ピアノ3重奏に英国式アフタヌーンティーとか、ホンキートンクピアノにバーボンのロックとか、端歌、小唄におでんと熱燗、とか。

ステージの上で演奏して拍手を貰う音楽もあるけど、僕は空間も匂いも温度も雰囲気も、それこそ空気ごと作りだしてから楽しみたい、楽しませたいな、と思うのです。

気長に始めますので、ちょっと待ってて下さいね。また報告します。




***



それで、その姐さんが今度、「東おどり」に出られるんですけど、ご興味がある方がいらしたら御一緒しませんか?
(キヌブログ史上、初の営業行為)


はい、正直に言いますと、僕がチケットを手伝って姐さんに協力したい、というのもあります。

でも、何より僕はこういう世界が好きで、同時に「興味はあるけど一人じゃ行けないよ」って方がいらしたら、、

そりゃもう、素敵な話なわけで。




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東おどり、とは新橋の芸者さんの発表会です。普段は見ることの難しい踊りや唄を、ゆっくり堪能する事が出来ます。ロビーではお寿司やお酒が売っていて、客席で頂けます。日本ならではの劇場形エンタメ。和のお楽しみです。

リンクはこちら

5月17日から20日、一日3回公演の全12回です。僕は日曜の最終時間に行こうと思いますが、もし
行かれる方がいましたら良席、お取りします。


***


東おどりツアーのお誘い


(最少催行人数 1名・ガイドなし)

5月19日 午後3時 新橋演舞場前集合

前金でのお支払い、キャンセル不可、現地集合、現地解散と身勝手なツアーになっております。

僕のメールをご存じの方はそちらに、もしくはここのコメント欄にフルネーム、電話番号、希望日程と金額、希望枚数を明記の上、お申込み下さい。

切符の受け渡しはお店で現金と引き換えのみとなります。

受付締切、4月10日(水曜)
店主は6500円の席をお願いするつもりです、まさかお隣で御覧になりたいという奇特な方は必然的にその値段になります。もちろん別の席も取れますし、2500円の席でも音は一緒、十分楽しめると思いますよ。

その他の日程、時間帯の切符も同様に承ります。


服装はキレイ目であればこだわる必要はないと思いますよ。僕は一応、スーツ着ますが・・。


***




なんか宣伝ブログになってしまいました・・・。協力おねがいします・・・。



おしまい。

新たなる歌舞伎座、こけら落とし。


銀座の歌舞伎座新装オープン、初日に早速行って参りました!

約三年振りの歌舞伎座。


サヨナラ公演にもお邪魔させて戴いたんですが、もうあれから三年。
本当に月日のたつのは早いですね。

石の上にも三年、といいますけれど、この三年は本当に早かった。石の上にちょいと腰かけているような感覚の早さ。

高校時代の三年間と比べると倍かそれ以上の感覚。
こんなペースだと、すぐにジイさんになってしまいます。それは非常に困る。


現に、その間に勘三郎さんや團十郎さんが鬼籍に入られた。サヨナラ公演で観たのが奇しくもこのお二人の助六。二人の掛け合いがつい最近の事のようです。

あの時は歌舞伎座なんて遠い将来に完成するくらいにしか思ってなかったし、ましてお亡くなりになるなんて思っても見なかった。

いつも思います。「強く、濃く生きたい」  ・・・トホホ。





勘三郎さん、最後に見た、「籠釣瓶花街酔醒」(かごつるべ さとのえいざめ)

享保年間の吉原、アバタ(顔にブツブツ)の人のよい地方の商人が絶世の美女の花魁に惚れてしまう悲恋の物語なんだけれど、このとき幸運にも一番前の中央で観させて頂いた。


これが、僕にとって一番印象深い観劇体験となります。


勘三郎が話の架橋、叶わぬ恋に泣きながら大立ち回りをする。

泣きながら凄い迫力で大暴れするのだが、本当に泣いていらっしゃる。それも鼻水大洪水の号泣。あまりに激しく、美しいので僕もつられてビービー泣いてしまっていた。

息子の勘太郎は、旦那の若番頭役なんだけれど、これが忠実な役柄で、これまたお父さんよりもっと泣いていた。全く凄い親子。役者ってこういう生き物なんだろうか。





・・・そのとき、舞台の泣いている勘三郎とバッチリ目が合ってしまった。



「目が合った気がした」なんてレベルじゃない。超高性能のライフルで打ち抜かれるように、ガツンと目があった。

動物の勘というのだろう。、人と真っ向から対峙して、まるで広い世の中に二人きりになるような違和感と動揺が、鳥肌と共に襲ってきた瞬間を今も忘れられない。

あの瞬間のあの感じは、何とも説明し難い。

「人たらし」、という言葉が当てはまるとしたらまさに彼だと思う。観客を物語の世界に引きずり込み、モノも云わずして人を酔わせ、惚れさせ、更には泣かせて熱狂させて。


僕が放心状態で硬直していると、数十秒後にまた目があった。今度は長く、さらに強かった。

泣きはらした目で恨みを込めて、睨みつけられたようでもあった。

ただ二人きり、はるか江戸の悲しい物語を共有しているように(少なくとも僕は)感じた。


木の音と共に定幕が閉った頃、腰が抜けてました。




終わった後、お隣の方が

「(勘三郎と)眼があってましたねw」と僕に仰った。


帰り道、また一人で泣いた。



***




普段、どんな芝居も客観視する癖が付いていて、ストーリーに100%入れることは稀だった。

、舞台と同じくらいに照明や演出、他の客の空気感(圧倒されて息を飲む感じ)が気になってしまう。映画、テレビ育ちの性なんだろうか。

良い舞台、といっても、「展開が奇抜で痛快」とか「演出が僕の大好きな雰囲気」程度の感想だった。


しかしこの籠釣瓶の時は100はおろか、一気に3000%くらい集中してしまった。もはや催眠術とか憑依の類い。

「役者と目があった、嬉しい!」ってことが云いたいんじゃない。生まれて初めて、ドップリと芝居に集中できた充実感なのだ。芝居不感症の僕が。

芝居狂いの気持ちが判った気がした。これが芝居の中に入り込む、ということなのか。


この体験が貴重すぎて、しかも初体験だったので、その後勘三郎さんの舞台に一度も行くことが出来なかった。最後の日まで。

なんで?と思われるかもしれないが、僕はそういう性格なのだ。



素敵な内装、大好物の味、全てが僕好みのレトロな洋食屋さんを見つけてしまい、行きたいのは山々、楽しみ過ぎていつかの御褒美に取っておいたんだけれど、不意に廃業のニュースを聞いた、そんな感じだろうか。

訃報を聞いて、後悔とともにこれからは御褒美は最初に頂こう、そんな決意をしました。





前置きはこんな感じにして。






今日に続き荒れ模様のお天気だったのですが、東銀座の駅から直結で、濡れずに入れるようです。
東銀座駅の歌舞伎座出口。

歌舞伎〇〇、といった同じ味の土産物ばっか。見もしなかった。

なんで最近のってこんな無難なデザインばっかりなんだろう。いま、日本中の新しい建造物がこういう味気ないデザインに統一されようとしている。

安くてよく見える典型なんだろう。

これなら歌舞伎座の使い古した御殿のセットでも組んで、販売員に矢絣でも着せた方がよっぽど名所になるのに。


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入口。ほんと変わってなくてよかった。

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中の写真はニュースでやっているとおり、天井が高くてとてもきれいです。音が拡散するのか、前より少し小さい気がしました。



画像はブレていたので割愛しますね。


一階席、今日はババさまのお着物の質が違う!それに皆さん薬指には大粒の石がはまっている。流石にいつもの雰囲気とは違った、なんとも華やかな感じです。

僕は、この言葉にならない華やいだ雰囲気が大好きです。




今日は桟敷に芸妓の総見がいらっしゃっていました。

写真右は、お客の新橋芸者、七重姐さんと。お店で三味線弾いて下さっているところを観た方もいるかもしれません。

たまたま昨日も盛り上がって夜中の2時まで喋ってましたw

しかし、後ろのお姐さん方、並んじゃってなんかCGみたいですよね・・。



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はい、失礼しました・・。



***


さてさて、本編は白波五人男と将門。

白波・・は歌舞伎的要素の詰まったこの上ない馴染みやすいお話。僕でもよく把握でき、笑えますw

今回は腹を切る場面があるんだけれど僕は初めてみました。菊五郎も気合十分、大道具も大転換で文句なしでした。

将門は、玉三郎演じる妖術使いの姫が、父の復讐の為に美しい花魁に化けて仇の元に現れ闘い、最後は本当の姿である蝦蟇に変身する話なんだけれど、格調高く美しい静寂の始まりから最後の屋台崩し(家が一軒壊れる)までまあ、圧巻。

みなさん、杮落しの初日って事もあって、華やいだ雰囲気と緊張感が綯交ぜに伝わってくるような、素晴らしく特別な舞台でした。




・・・すいません、前半に勘三郎の事を書いていたので、どうしても熱が入りません。書く順序が悪かった。

舞台の感想は他に譲りますね。


休憩中、今回僕を連れて行って下さった御仁と館内の喫茶店でコーヒーを御馳走になっていたら、妙齢の着物の女性逹が賑やかに入ってくる。一瞬怖いほどの貫録。


「アタシさぁ、席が悪くてよく舞台が見えないのよぉ、ちょっとぉー、参っちゃうわぁ」



・・・よく見たら波乃久里子さんだった・・・(勘三郎の姉)


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・・・ひたすら華やかな歌舞伎座でした。







そうそう、3階にテナントで入る吉兆でご飯を食べてきました。


ここに椀と、ごく柔らかく焚いて一文字に盛った白飯、蓋つきの椀に盛られた赤飯が付きます。
あとはサッポロの小瓶、〆て6600円。わー、散在です。いや、安いのか・・(汗)



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薄味で、旨みはしっかり。いい素材ならではの「季節の匂い」がする誠実なお味ですこと。


当たり前だけれど保存料や科学的な調味料の味がしない、なのに十分満足な旨みとコク。



僕の普段の食事、例えば一昨日に食ったミョウバンたっぷりのウニ丼とか、えらい違い。
これでなんと、1300円! @西新宿


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ミョウバン臭が凄い。それって染物の定着剤じゃんか。

この日、半日くらい、喉がザラザラした。でもまた行こうっとw




今日は東京地方、かなり荒れ模様のお天気ですが、みなさんお仕事頑張ってくださいね。

僕はお休みなんでゴロゴロします。



最近、お陰さまで日曜も平日もとっても混んでいて、狭い店なのに本当にありがとうございます。混むというか、入れるだけ人が入ってひたすらバタバタ、朝の満員電車という感じです。

混んでいるのは商売上、とってもいい事ですけれど、ドリンクの調製も音楽も会話も、全てがほとんど後手になってしまっていて凄いストレス。立ち飲みスタンドならいざ知らず、お話したり、当初思い描いた営業ができません。


なので終わりごろになるとかなりのスタミナ不足(ダイエットの弊害もあり)、眠気と疲労感が凄まじいです。


(ホント贅沢な悩みで殺されそうなんスけどね)



ちょっとこのままいくと倒れてしまう、その位最近忙しい。さらに広い所に移転でもしたら、益々混乱気味の手薄な営業になってしまいます。平日なんて絶対に回りません。

ちょっとその辺りを考えて行かないといけない時期に来ているのかも知れません。



まあ、キリの良い時期ですので色々仕切り直してさらに良い方向に進めたいと思います!


何がキリがいいかと申しますとですね・・

***


謹啓  時下ますますご清栄のこととお喜び申しあげます

平素は格別のお引立に預かり厚く御礼申しあげます

さて 当店におきましては 明日四月四日をもちまして八周年を迎えることとなります。

こうして開店八週年が迎えられましたのは ひとえにお得意様及び皆々様のお陰と深く感謝しております

この機会に 関係者一同心を新たにして 今まで以上に一生懸命努力する覚悟でございますので 何卒 倍旧のご支援 ご協力くださいますよう 心よりお願いして八周年のご挨拶といたします     敬 具



平成二十五年四月吉日   
店主シンスケ



どうぞ、今後ともよろしゅうに。





死ぬまでにしたい100の事(中編)

 

いつかの続きです・・・。


前篇はこちら。




51  携帯電話を持たず、丹沢湖の清流沿いのキャンプ場で真夏の一ヶ月間、全裸でテント生活をする。一夏だけ野性に還る。

52 新宿御苑の見えるビルの屋上にプール付きのバーを開店する。プールサイドは森になっていて、季節の果物が実っている。ハンモックで昼寝しているとグランドピアノから古いジャズが流れる。

53 マッシュルーム、エシャロットを炒めてブランデーでフランべ、そこにホワイトソースと最上級の生ウニを大量に投入してさっくり混ぜ、チーズをかけてバスタブ一杯に満たす。サラマンドルでうっすら焦げ目を付け、人肌に冷めたところで、頭から飛び込んで食らう

54 氷上にワカサギ釣り専用の数寄屋風の小屋を建てて、畳の部屋に炬燵とミカン、煎餅と日本茶を啜りながら、ひと冬籠る。デタラメな俳句を詠んだりモノ思いに耽りながら雪見をして過ごす。

55 上野動物園に忍び込んで、白熊の体に墨汁で模様を描いてパンダにして、翌日客にまぎれてこっそり覗く。

56フィレンツェのサンマルコ広場のカフェフロールに行って、キヌギヌの紙ナプキンをこっそりすり替えてくる(ここのデザインを大幅にパクったのでお礼に) 

57 資生堂パーラー本店の二階の席を予約し、一階の他所のテーブルの婆様が召し上がるコンソメスープを、ちょっとよそ見をした隙に長いストローで一気に飲み干す

58 能管を死ぬほど特訓して、歌舞伎座の連獅子、最後の白熱した場面で一回だけ飛び入りで吹かせて貰う

59 誂えの麻の三つ揃えを着て、パナマ帽を被り、神戸港から豪華客船ではるか洋行の旅に出かけたい。ニースに付いた瞬間Tシャツ・ジーパンに着替えてバックパッカーに変身。


61 新宿御苑の桜の花びらを全て掃除機で吸い取って、まだ桜の咲いていない弘前城に持って行ってヘリで上空から撒く。

62 ヤクルトの「ミルミル」をキンキンに冷やして、ジョッキで飲みたい

63 ハープを特訓する。ある年の雪の積もるクリスマスの夜、銀座四丁目の交差点にハープを置いて、咥え煙草に汚い革ジャン、無精ヒゲで世にも美しいアレンジのクリスマスソングを奏でる 

64 医学が発達して髪を増やして(そこまで無いわけではないが)若いころのような無茶な髪形を楽しみたい

65 冬のスキー場の頂上からタンクローリーでイチゴシロップと練乳を流し、スキー客に無料で振る舞う。

66 キヌギヌの入るビルにチャップリンの「街の灯」を映して、観客の笑顔を眺めながら一杯やる。

67 新宿「登亭」にて鯉の洗いを心行くまで食べる。(なぜか十中八九売り切れなので)

68 三越本店のオルガンでスーパーマリオブラザーズのテーマを壮大なアレンジで弾く

69 春雨の降る信濃路、背負った籠いっぱいに山菜を摘んで、濡れ新聞に包んでから竹で編んだ籠に詰めて、全国のお世話になった人に贈る

70 朝の超ラッシュ時、都電荒川線の一両を貸し切ってフルオーケストラを乗せ、「花のワルツ」を演奏しながら各駅を走り抜け、乗客と住民を癒す

71 明日から5月末まで九州から北海道に向けて自転車の旅をする。行く先々で田植えをしたり、漁を手伝ったりしながら、お礼に地元の一軒一軒で名物の郷土料理をご馳走になる。

72 新宿御苑の温室を貸し切って、声のよいカナリアやウグイスを大量に放して、一日だけのバーを営業する。

73 とりあえず体重をもう一回だけ60キロ台に落としたい

74 今は無き大好きなバー、「HIROKI」さんを借り戻して寸分違わなぬ同じ内装に戻して、役不足だけれど僕が年齢を重ねたら、毎週日曜だけ開ける。もちろん冬場にはロールキャベツ、シチューも用意して。


75 毎週末に固定で入れる元気があって気の効いた、そこそこ僕を立ててくれる従業員が欲しい (急募)



とりあえずここまで。

引越し騒ぎ、その後。



えー、お向かいに移転するようなしないような、というお話の続き。

 
その後、お向かいの方とお話をし、今、オーナーさんのところまでお話が上がっている状態です。

先方様の御事情が思ったより繊細な状況でもあり、(新たに契約更新となると長期的な話になるのでさすがに慎重)そうポンポンとは進まないのは予想しておりましたが・・。

のんびり構えることにいたします。


のんびり、とはいえ僕は火が付いてしまいました。もう居ても立ってもいられん。かといって今できることは、本当に限られる。

初恋に目覚めた高校生が夜中に、無意味に腕立て伏せやるように。




・・・二階のハンバーグ屋さんに潜入して隠し撮り。



客は僕一人。よっしゃ。

ハンバーグを頼んで、おじさんが焼いている間にひたすら隠し撮りをする。そう、このビルは縦で間取りが全て一緒なのだ。


おじさん、そうとう念入りに焼いているので持ち込んだメジャーで、、、窓枠とか測ったりする。もう、やりたい放題・・。

おじさんが振り返るとメジャーが「シュルシュル」と巻き取られる。「だるまさんが転んだ」やってるみたい。

おじさんも心配げな表情。うん、絶対怪しいよね。   ・・・許してね。



しかし、やっぱ広いな。


ドアからの奥行きは同じだ、と思っていましたが計測の結果、今の店より60センチほど長くなります。

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僕の店にもともと付いていた窓と、全く同じサイズ。

窓からキッチンまでの距離はおおよそ1・8倍ほど広がります。

今の店の坪数が4・5坪、この店は7・6坪ほどということが判りました。客席の面積が今の倍にできる。



はい、おじさん後ろを向いています。

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ハンバーグは美味しかったんだけれど、完全に怪しまれている様子。汗

でも、おじさんはとってもいい人っぽい。「お客さん、海外から来たでしょ」との問いかけに、はあ、まあそんなところです、とかなりトボけた様子で答える。

「お兄さん、目つきが鋭いもん。それに写真撮ってたでしょ、あ、いいんだよ、撮っても。」
「でも、やっぱり日本はいいでしょ〜」と勝手に話は進む。

・・・目つきが鋭いのは盗み撮りするためであって、、まさか上に引っ越すかもしれない、とは今更言えない。どうやらメジャーはバレていなかったらしい。

そして、

「ああ、従軍カメラマンでしょ、お仕事?」


いやいや、参りました。そんなヤバい顔してたかな。髭のせいかしら。帰りましょ。



そして店に戻り、記憶を辿って図面を書いて、今ある家具をはめ込んでゆく。(ここまでいくとルパン三世だかキャッツアイの気分)

カウンターは今のものに少し足して使うとしよう。L字が良いかな。入口にはクローゼット的なものを置いてコートを預かって、、、。と妄想は膨らむ。膨らみまくり。





で、問題は窓側のお席。今までの木のベンチというわけにはいかない、でも、一体感のある客席にしたい。お一人の人が座っても、自然に話がはずむような仕掛けにしたいのです。

カウンターなら僕がいるけど、窓側だとそうはいかない。ともあれ、お客さんはコミュニケーション能力が異常に高い方が多いので勝手にお話が始まるのが素敵なんだけれど。

そのコミュ能力を邪魔せず、自然な感じに引き出せるようなセッティングを考えないといけない。


今回のテーマは、「広くなって居心地いいのに 前のあの一体感!」

これが出来ないと、広くしても後悔すると思う。歌だって楽器だって、もう飛び入りしなくなると思う。

最初考えたのは、背もたれのあるアンティークの木の椅子。赤いクッション、可愛いのがまとまって売りに出ていたの。でも、結局却下。

グループで座ると動かして車座になり、居合わせた人と完全に遮断される。これは良くも悪くも。

次に考えたのが作りつけのベンチ、今までのより幅を取って、収納も付けて。

かといって木材では座り心地のいいものは難しいし、ヘンに安っぽいのも嫌だ。よくある3人掛けソファーも考えた。でも、肘掛があると効率が悪い。4人とお二人とか、3で割れない人数がいらした時に割り切れないから、遠慮を生む。

と、突然。


昔欲しかったミース・ファン・デル・ローエのソファーが頭を過った。あの頭のよさそうな、丈夫でシックなソファー。

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調べたら長さが1980ミリのベンチが出ていた。これを2本、4メートルにわたってズドンと置いたら恰好いいだろーなー。この色なら店の雰囲気に合うと思われる。


あー、ヤバい。お客さんの話の弾んだ笑顔が浮かぶ。

足はステンレス嫌いなので、後でウッドか真鍮のパイプに取り変えよう。

もう、これしかない!しかも、徹夜しても此処で眠れる。

図面を見たら、窓側にピッタリ!余りがたったの12センチ。はい、決定。


一応在庫確認だけしておきました。2本、すぐにあるってw





・・・・。


あー、虚しい・・・。


虚しいよぉ・・。早く引っ越せるなら引越ししたい。




物件も決まっていないのに、全く不毛です。おままごとの「はい、ここがキッチンですよ、お父さん」と変わらない。(おままごとも大抵、相手の話を聞いていない事が多い)


はやく、僕を楽にして下さい・・。このままじゃ桜吹雪も目に入りません。


ダメならすぐに諦めるから!




さらに続く。

大事件勃発、なんです!

 

しつこいですが、本日3/24はお休みを頂きます。申し訳ありません・・。


***



土曜の営業直前、いきなり飛び込んできたニュース。


僕のお店のお向かいに、謎のドアがあるのは御存じの方も多いと思いますが・・。


近いうちに退去なさるんだってよ!!


色んな事情が重なってそうなさるという事。その内情はここで書く事ではないので割愛しますが、
実は入居した8年前から、そうなればいいなと思っていました。

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ビルの上空からみた図です。うちは上の細い部分。お向かいさんは真ん中の正方形に近い形の所。
給水塔がそれぞれ階段の上部になります。

今のお店の作りでいうと、ドアから見て空間の奥行きはそのままで、横幅が倍くらいに広がるような形になります。つまり面積が今の倍に近くなります。


窓は4枚、その幅は変わりませんし、景色も変わりません。


これは2階、旧カレー屋さん。
カウンターもあり、写真も見切れていますがもう少し右に広がっています。今と比べると、本当に広い。

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いや、どーしよ。迷います。

迷うよりも無理を言って中を見せていただきました。




お向かいさんより弊店を望む。


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入口より奥を望む。
カーテンが邪魔ですが、ほぼ正方形の作りになっています。窓が全く同じ大きさなので、奥行きは現行の店と大差ないと思われます。

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さらに奥、上の写真の死角部分。今は作りつけのクローゼットとシャワーがあるので、空間はコの字に広がっています。まあ、全部ブッ壊せばいいんだけれど。


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えええー どうしよう・・・。

ここなら、今のギュウギュウ感、一体感もそこそこ維持しながらも、スムーズにすれ違ってもらえるようになると思う。トイレにもタバコにも、楽に行ってもらえるように出来る。
コートも荷物も預かれるし、家にあるコントラバスもアコーディオンも置ける。蓄音器も常設できる。

やりたかったサンドウィッチやおつまみのストックも置ける。
弦楽四重奏やちょっとしたダンス?もできるかもしれない。

窓側に折り畳み式、跳ね上がるテーブルを作って、木々を見ながら飲めるようにもしたい。
それなら立ち飲みでもグラスを手元に置ける。

こんなイメージ。

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内装も完全に今のインチキ臭い巴里の雰囲気を損なわずに移転できる自信は、割と、、、あります。

これは借りたい。いや、借りるような気がする。秋ぐらいにはここで営業している予感がする。
家賃もそこそこ払えるだけの余裕もいまは、ある。


でも問題が・・。


今の物件を手放したくないのです。かといって専任の人を置いて二件やるだけの余裕はないのです。
かといって倉庫には、、高すぎる。

「じゃあ、手放せよ」と身も蓋もない事云わないでくださいね。愛着以上に、そのそのあんなヘンテコな形のボロビルの景色のいい物件、そうそう出てこない。

皆さんもどうするか、この際ですから一緒に考えて下さい!!


***

そこで、今の店舗の活用アイディアその1

【個室営業】    

新店舗は今まで通り一組マックス4名設定。

団体のお客さまがいらしたらお伺いの上、こちらに誘導。いわゆる個室BARスペースにする。バーテンダーは常駐しない。
御用があれば、レトロな電話を引いてやりとり。オーダーは基本、個室専用メニューで、ワイン類のボトルのみに限定。

今でもまれにある満員時の「階段飲み」と同じような感じです。(常連さんしかわかんないか・・)

ポイントはピアノがあるという事、景色が良いというところ、内緒話が出来るという事。


ピアノ自慢のラブラブカップル、音楽関係の打ち合わせ、音楽会の打ち上げ的なのも需要があるだろうか。わかんないけど。

チャージは2時間、お一人1000円ってところかな。この値段設定がまったく判らない。利用価値があるかも判らない。
この際、家賃さえ出ればよしとしよう。

満員の時には緊急避難的にウェイティングバーとしても活用、もちろんチャージなしでお客さんを逃さない。



アイディアその2

【ハバナルーム】

いっそ、喫煙ルームにしてしまう。その名もハバナルーム。

空間は全撤去、革張りのソファーにローテーブル、壁に本棚を増設して本をビッシリならべて図書館風に。喫煙しながらも飲めるが、僕は広い方にいるので接客は基本なし。

これなら階段の占拠も人に見られる面倒さもない半面、特に利益を生まない。

禁煙側の椅子を陣取ったまま、喫煙室から帰ってこられないので満員空席、とかありそう。そうなったら面倒くさいなぁ。

(言葉わるくてごめんなさい)


アイディアその3

【音楽スタジオ】

一部屋のみで、ちょと変わったスタジオ経営に切り込む。9畳の平均相場が約2000円/1H。
どこまで稼げるかという一番の疑問と、鍵の受け渡しの問題も。(ナンバーが毎日変わる電子キーでもいいのかな)

うーん、厳しい。

アイディアその4

【また貸し】

誰かバーをやりたい、雑貨屋をやりたい、オフィスにしたい、そんな人に一年契約でまた貸し。

でも本音は誰にも貸したくない。なんて。


短期で借りたい人なんて、そもそもいないと思うけど・・・。


うー、ちょっと煮詰まってきました。もうちょっとゆっくり考えてみます。


(とはいえ、まだ現借主さんの退去予定も、立ち話程度です。全く決定ではありません。妄想としてお読みください)



おしまい、というか続く。



棚好きなんです。


***


先にお知らせです


3/24(日曜日)は都合によりお休みを頂きます。



***

 


タイトルそのまま。僕は棚が好きなんです。かなり好き。

特にアンティークの、ガラスの扉が付いたようなやつ。



街角のおばあさんが店番しているようなレトロな煙草屋さんの、お婆さんの奥にあるのとか、

坂の上の瀟洒な洋館の応接間にある、難しそうな本の詰まった本棚とか、

イタリアのマンマの焼いたビスコッティーが入った缶の置いてある使い古された食器棚とか。


もう、棚が好きなのです。理由はわからん。


小さな鍵が付いてたらもっと嬉しい。ちょっと格が上がり、秘密のアイテムも入れられる。艶のあるオークや、マホガニーだったら最高。


眠れない夜に画像検索していたら見つけてしまいました。マホガニーの鍵付き。

翌朝、出勤して壁を測ったら、入口から見て奥の壁にぴったりハマるではないか。これは何かの啓示に違いない。

そのまま広尾へ直行。




そもそも。



そうそう、奥の壁はかなりの変遷を経ています。いじり易いのもあったんだろうか。

オープン当時、そもそもウッディーアレンの映画のポスターが掛っていました。
(しかし変な内装だこと)


akajyuutan.JPG

喫煙時代、タバコの自販機が2年ほど設置されていました。これも自分で木目シールを張って、結構可愛かったんだけど。

ハープ初号機も可愛いなぁ。

jiahanki.JPG


さらに絵が加わりました。金子國義さんの絵です。


日光と人の手と時間のせいで今は絵がどんどん薄くなっています。
でも。僕としてはそれもバーぽくて良いのではないかと思うのです。

しかも、また書いて下さると仰っていたので余計に気にならなくなりました(笑)

P1050208.JPG

その後は今の状態に。

IMG_0242.JPG


で、何の躊躇もなく撤去。


DSC00671.JPG

歴代の額やら販売機、棚板のビスの跡が、まるで銃撃戦のあった戦場の城壁の様です。

で、毎度の事ながらドリルで穴を開ける。今回は特に慎重に、珍しくカナジャクで計測してのアンカー打ち。

椅子によじ登って棚を持ち上げ、膝で固定しながらえいっと螺旋をねじ込む。

まずは紅茶の缶を入れてみました。

DSC00677.JPG



でもイマイチ。なんかヴァイオリンが縦に入るので飾ってみました。
金具で上から吊って固定して、またLED入れて照らせばそれらしくみえるんだろう、けど。
もっとイマイチ。

DSC00672.JPG

結局元に戻しました。

DSC00674.JPG

うん、このほうがまだ良い。


まだしばらく中身が入れ替わるかもしれません。何入れようかな。

可能なら、その日に焼き上がったフランスパンを縦に入れて、パストラミなんかもぶら下げて、サンドウィッチのオーダーが入ったらそこにトレーを持って取りに行く、っていうのがしたい!

もしくは、ナッツのディスペンサーを入れて(ボタンを押すとザラザラっと出てくるオシャレな米びつのようなあれ)を4種類くらい入れて、お客さんに好きに取って貰う、みたいなのとか。

ちょっと考えてみよう・・。


そうそう、ついでにトイレの扉にフックを付けました。お荷物のままでも用を足せるようになりました。
棚はその日のうちに付くのに、たったフック一個に8年もかかってしまいました。いままでごめんなさい(あんまり思っていないけど 汗)


DSC00681.JPG


背の高い方、目を突かないように気を付けて下さいね。


ところで、もうすぐ桜の季節ですね。毎年ながら、なんだかウキウキしてきますね。


僕のDIYも、さらに続きます。



本日火曜日お休みします・・・。

 
急でスイマセン。

本日火曜日、お休み頂きます。

出がけに靴の紐を結ぶ時に「腰」をやってしまいました。



年明けからジムでスクワットとデッドリフトをやっているのですが、今週遂に110キロに到達しました。


それが原因です。



木曜日には出勤できるよう、治します。


色んな意味で痛いです。





昭和レトロ探訪 M越劇場〜M越特別食堂「日本橋」

 
さてさて、今日は日本橋のM越に行って参りました。
お客さんがM越劇場に出演中でして、その観劇に行ったわけですが。

僕は日本橋のM越が大好きです。入口にライオンのいる車寄せ、巨大仏像のある吹き抜けロビーにはパイプオルガン、何でもアリな姿勢はまさに「百貨の店」の名に恥じません。


その中でも、初めて入りました、M越劇場!!



昭和二年の建築だそうで、本館6〜7階をぶち抜いて作られているそうな。中は大理石だらけらしい。どんなのでしょうか・・。

IMG_3318.JPG

ロビーにて。今日の出し物は新派のお芝居と舞踊。お着物の方が目立ちます。

受付の方、中でジュースを売っている方も、みなさんデパートガールの局のさらに局といった感じのオバサマ。


妙齢の女性が集団でテキパキと働く、現代版大奥のようなめくるめく世界なのです。
大奥同様、めくるめく様式美の世界。丁寧な身のこなしと、エレガントな笑顔でおもてなしです。

ロビーにてシャンデリアがお出迎え。このロビーは比較的新しいようです。


天井を撮ろうとしたら、うっかり和装のババ様のお尻を撮ってしまいました。ゴメンね。(載せるけど)

IMG_3311.JPG


そして中へ。



ぎええ!


(都内にも、まだ人生の楽しみが残っていましたよ!!!)

大理石をくりぬいて金や赤とに着色してあります。
彫刻+彩色の和風西洋趣味というのか、とにかく豪華。冨士屋ホテルロビーや日光東照宮に通じるものがあります。

何という様式なのかわかりませんが、デパートでお芝居を見せるという、贅沢なお出掛けにふさわしい晴れの場所に違いありません。


ロビーにパイプオルガンと仏像を置くくらいのデパートですもの。あっぱれ。


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舞台上手。いちいち装飾が凄い。舞台に通じるであろうドアの上には丸い形状の開演ブザーの発音部分が見えます。僕の店と同じ音色。

ああ、正しい。全てが正しい・・。

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舞台後方。天井はステンドグラスで覆われています。二階席もあり。

幕間の休憩中に盗撮しました。お休みの所ごめんなさいねぇ。(載せるけど)

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舞台と緞帳。


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デティールが凄いんですよ。床にある送風口?の蓋がいちいち真鍮で出来ている。
外して持って帰って店の鍋敷きにしようかと一瞬悩んだ自分が悲しい。(ドライバー一本でいけそうだ)

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ピンクの絨毯にベージュの貼り地の椅子。
丁度いい、よすぎるくらいの温度と湿度。
優しい音響と照明。、適度な広さ。
掃除のゆき届いた使い込まれた設備。
清潔に磨けあげられたお手洗い。

長年のサーヴィスが練りに練られたものが大好物なのですが、ここも間違いなくそうですね。前回の喫茶もそうでしたが、洗練された使い勝手の良いものにはいつも心が踊ります。



それにお芝居も、いい意味で泥臭い、昭和全開の出し物でした。二部は曲芸とおめでたい舞踊があって、素晴らしいノスタルジー。


小説に出てくるような、華やいだ気分に浸りました。


***

次は腹ごしらえ。


エレベーターに乗ってお食事。そう、ここは夢のデパート。一つ屋根の下に何でもあるんです。


チーン。


IMG_3325.JPG



古いエレベーター、ずっと乗っていられるくらい好きです。



で、M越名物、特別食堂「日本橋」

もう20回くらい来ています・・・。はぁ。


偶然なのか、高島屋さんも特別食堂「日本橋」なんですね。こちらは2010年の記事

IMG_3319.JPG


平均年齢70歳は超えていますでしょうか。夢のように落ち着いています。

永遠にこのままでいてほしい。

隣では90歳くらいのおバア様が10分に一口くらいのスローペースでステーキを召し上がっている。普通の飲食店では絶対にあり得ない光景です。


また盗み撮り。


IMG_3320.JPG


最近までホテルオークラが入っていたのが東京會舘に変わったようです。僕的には嬉しいニュース。

舌平目のボンファム、という昭和の遺産的なフレンチの一品(バターまみれの多分2000キロカロリーくらいありそうな舌平目のムニエル)が何と3200円でしかもパンが付いて、なおかつカジュアルに食べられます。

ちなみに本店だと本体のみで4500円。


これは次回の御褒美に取っておく事にしよう。しかも今はダイエット中なのだ。

とはいえ、鮑御膳もある。すごく充実している。食べたい!でも高い。というわけで迷った結果、麒麟の小瓶と安いほうの和御膳を所望。

安い方といってもなんせ、高い。ビール合わせたら5000位する。


僕個人で設定している週末の売り上げ目標があって、滅多にないんだけれどそれを超えるとここか高島屋に来ていいという事にしています。(汗)

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普段はケチなんですけど、たまにはいいの。だって天下のM越デパートだもの。

天婦羅に胡麻豆腐、茶碗蒸しにお造り、煮物に炊き込みご飯、香のもの、赤出汁。

・・・やっぱ美味しい。しかも、赤出汁が上手い。普通の3倍くらい濃いお出汁で作っているような濃厚なお味。こちらはお替り無料ですので2杯も頂きました。

貧乏くさいですが何か。


いやー、幸せ。5000円も払った甲斐があるなぁ。と5000円を連呼しながらも満喫しているとお茶のサーヴィス。一人一つの急須で、煎茶が惜しみなく供される。

高島屋と同じ、おしぼりとお茶の差し替えタイミングは秀逸。

お盆で来る日本茶って、何だか嬉しいのはなぜ?

IMG_3322.JPG




僕が幸せそうに、残ったご飯をお茶漬けにしてダラダラ食べていると(下品)横のファミリーのテーブルから歓声が上がる。料理が運ばれてきたらしい。

三世代でお買いもの後にお食事、と思しき幸福そうなファミリー。中村メイコそっくりのショートの婆様が取り仕切っておられる。野球の落合夫人に似た嫁さんと、これまた落合Jrに似たデブのガキがうるさい。

テーブルに目をやると!な、何と!!ガキ、僕よりも高い「鮑御膳」を食うとるやんけ!!和御膳をベースに鮑の丸焼きが乗っているだけで、さらに高額なので僕が断念したあの鮑御膳・・・。




そうしたら、その小学生くらいだろうか、クソ生意気なガキが大声で一言。



「M越のアワビ、前より固くなったんじゃね?」


食堂内が一瞬、凍りつく。

その発言を受けて尚、楽しそうな御一家。「〇〇ちゃん、グルメだもんねぇ」くらいの勢い。笑顔を絶やさないスタッフの皆さん(というか苦笑い)


僕が安い方でこんなに満足して満喫しているのに、、、、。トホホ。




・・・横では婆様がまだステーキをスローに召し上がっています。ある意味自由さが共存した空間。



お買いものの際にはどうぞお試しくださいませ。





「飾る日も 飾らない日も M越と」





(※食べログにリンク貼られた経験より、商標名を伏字にしております。)





おしまい

昭和レトロ探訪 今はなき喫茶「ホワイトハウス」

 

僕が初めて一人暮らしを始めたのは22歳。周りが一人暮らしを始める中でどうしてもワンマンライフを実現してみたかっただけなんだけど。

選んだ場所は京都、北白川。京都大学のキャンパスの北側に広がる高級住宅地で、緩やかな坂道に並木の道路があったり、教会やケーキ屋さん、舶来のスーパーもある。

京大のグラウンドのすぐそばには森があって、琵琶湖の疏水が小川となって流れている。

いっぺんで気に入って、お家を探したんですけれども・・・。

なんせ、予算が・・・。


家賃12000円、アパート。その名も紫苑荘201号。3畳キッチンにリビング4,5畳。お風呂はなしです。

トイレが部屋にあるんだけれど、後でベランダに付けたらしく、空中に浮かんでいる。榎本の家の空中トイレといえば仲間内ではちょっと有名だったんですよね。w

でも、何だかとても気持ちの良い街だし、アパートもとても静かで日当たりが良い。南向きなんだけれど、自分の部屋の南側だけ建物が谷間になっていて、光が入ってくる。これは本当に気持ちがよかった。

自分でトラックを運転して友人と引越し完了。気持ちの良い秋の土曜日。

さて、引っ越しも終わって、飯も食わずに家具を並べる。最初に本棚。この日の為に無理をして買ったアンティークの小さな本棚に、頭のよさそうな順に小説を並べる。本棚の上には小さなスタンドと植木。ああ、なんて楽しいんだろうか。(その本棚は今、店の入り口の横に貼り付いています・・・)

初日はまあ、そんな感じ。朝まで家具を動かしたり、いろんな角度から部屋を観察して、肝心のライフラインの開栓とか、必需品の買い出しは置き去りだった。まあ、今でも毎回そうなんだけど。

翌日。茫然となる。何をするにも物がない。何にもない。

まず洗濯しようにも洗剤がない。っていうか物干し棹がない。洗濯機もない。洗濯機置き場がそもそもない。

万事がそんな調子。本棚なんてなくたって死なないけど、洗濯は困る。その前にお風呂もない・・。


ちょっと近所を探検しよう、といざ出かけました。

何と!!自分の家のワンブロックの中に定食屋さん、コインランドリー、床屋、銭湯、和菓子屋、うどん屋、喫茶店が2件もある。隣のブロックには元米屋と思しきかなりレトロなスーパーが・・。

さすがの学生街。しかも何だか活気がある。

ちょ、余裕じゃん!と一瞬でシングルライフはバラ色に。


しかも、奇妙な喫茶店があります。ホワイトハウス・・・。お化け屋敷みたい。

WH_1.jpg

家のちょうど裏です。そうそう、例の南向きの日が当たる、その窪みの部分。

当時はそこまで汚い飲食店や洋食に関心がなかったので、僕にとってはなんの感慨もありませんでした。

半年くらい忘れていたんですよね。しかしそれが僕の未来を変えるとは思っても見なかった。



***

ある日、どうにもこうにも自炊が面倒だったので、部屋着のままサンダル履いて近所に何か食べに行こうと思ったか、そんな失礼な理由だと思う。

この前を通ったらとてつもなくいい匂いがしたので、超、が付くほど勇気を出して入ってみたのさ。

写真撮らせてもらったのと、ネットで拾ったのがあるので、併せてご紹介します。

ドアを開けると・・・

white1.jpg


いきなりこれ。参ります。

WH_4-1.jpg




white4.jpg

店内。

white2.jpg

レジ。はい、うちが真似しました。

WH_4-3.jpg

WH_4-2.jpg


南向きのレースのカーテン越しに柔らかな午後の光が差しこんでいます。沢山の観葉植物と、大型スピーカーからは優しいヴォリュームで、クラシックの音楽。

バターと卵の焼ける匂い、ドミグラスソースの匂い。そういやうちのベランダからも香りがしていた。


反面、お客さんはたまにしか見た事ありませんでした。



入り口そばのテーブル。

WH_3-2.jpg


店内は昼間でも暗かったです。

white10.jpg


特に夏場は最高でした。風が中庭から気持ちいい。

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床のモザイクタイル。


WH_2-2.jpg

WH_5.jpg




かなりのカルチャーショック。家の裏に完璧な「安らぎ」があるんですもの。

おじいちゃんとおばあさんが真っ白な白衣を着て、お二人で営業なさっている。御想像通り、とてつもなく優しい良い人。

***


それからというもの。完全にハマりました。こんなに通ったお店はないくらい。

メニューはいわゆる洋食屋さん。オムライス、カレー、トルコライス、カツレツ・・。

どれも美味しい。誠実な味とでも言うのか。


当時、極貧でたしか給料が13万くらいだったか。携帯も持ち始めたのでとても優雅に洋食、というわけにはいかなかったけれど、それでもなんとか工面して通っていた。

500円の一番安いプレートで、お冷をお替りしながら長く居させてもらっていた。




店の奥には中庭があって、小さな池がありました。珍しい蘭とか、高山植物が寄せ植えしてありました。

時間が止まったような温かい日差し。


ここを天国と云わずして何というか。


余りに僕が通うので「跡継いでくれたらうれしいなぁ」と言われるまでに。僕もまんざら悪い気がしないでもなかった。

というのも、当時僕はアパレルに勤めていて、いわゆる販売員だったんだけれど、あまりの流行に対する学習量の多さと、店員が毎日着る洋服の見栄の張り合いに、半分おかしくなっていた。


どういう経緯かは忘れたけど、丸刈りに刈られて土下座したこともある。絶対的に従わないといけない、しかも辞められない。そんな生き地獄のような職場だった。


どうして辞められないか、というと、ある人の御紹介で入れて貰ったような成り行きだったので迷惑がかかる、どうやってでも3年は我慢しろと言われていた。


そんな中で、このカフェに来て自分を見つめ直すのが日課になっていたのかもしれない。流行や見栄とは無縁なこの空間と老夫婦に、心も体も預けていた。

家でもカフェの「安らぎ」を求めて真似してみた。


同じアンティークのシェードを探して買ったり。(これもまだ僕の寝室で使っています)
DSC00127.JPG


今の店のレジも。絶対に同じものにしようとこの頃から決めていたんですよね。




***


しかし、お店が忙しくなったせいで、中々カフェに来られない日が続いた。そのうち友人もどんどん増え、ライフスタイルも変わってしまったのかもしれない。

ううん、本当のところはですね、そのアパレルの見栄の張り合いがちょっと快感に変わった、とでも言うのか、お洒落して街に繰り出す事が多くなったんですね。

で、だんだん行かなくなってしまったんです。


程なく、仕事を変わることになって(目出度く三年の年季奉公明けです)今度は五条の宮川町という花柳界バリバリの、これまた渋い所に引っ越すことになって、バタバタのままこの街を去りました。



いつも「ホワイトハウス」の事は思い出すんだけれどね・・。


そこで働き始めて、東京に遊びに行くようになり、なんだか東京に熱病のように憧れるようになってしまった。若気の至りでちょっと人が変ったのかもしれない。

その後、お決まりの上京。結局最後まで「ホワイトハウス」へ挨拶に行けなかった。


***


上京して2年くらいたったある日、実家に帰ろうっていう事になり、やっと挨拶に行ける!!と、京都駅からタクシーを飛ばして向かいました。

タクシーに乗れるようになった自分。まるで錦を飾って凱旋パレードをしているような誇らしさと、あの苦しい時に頂いた味が食べたい、そんな気持ちで。


懐かしい並木を潜って高原通りから左折、到着。



しかしそこはすでに更地になっていました。



・・・。後悔ってこういうことなんでしょうか。あんなに近かったのに。

さすがに店の前で泣いてしまいました。トホホ・・・。




マスター。もう一目お会いしたかったな。継いでくれって言われて、本当に僕は生きた心地がしたんですよ。

なんせ、職場じゃ毎日ずーっと怒られていたから。


white3.jpg



更に今回の帰省では、家が建っていました。さすがにもう今後は行くことはないだろうけれど。

蜀咏悄~1.JPG



また、古い写真が出てきました。


もう、写真を見ても自分があの店にいたとは信じられないくらい、記憶が遠くにあります。
一回だけ行ったことのある料理屋さんとか、内装や椅子の記事の模様までよく覚えているのに、このカフェは思い出せない。

きっと、いつでも来られると思っていたから集中していなかったのか。

かけがえのない空気だったんだな、と今更思うわけで。

IMG_3116.JPG


しかしこの時も目が吊り上がっています。いやしかし頑張った、オレ!


(確かこの後このロングヘアが無残な丸刈りに・・・)







いつかこんな店がしたい。心から安らかな店でした。


いや、今は「安らかになれる店」が出来るように、かな。





おしまい

京都帰省とか色々。

 
少し間が開いてしまいました。ちょい忙しめでございました。

ご心配をおかけいたしましたが母も無事退院した模様です。本人も至極元気な様子で、一安心しております。



その間に僕のリフレッシュも!!!

母の病院の近くにある(交通至便)例のホテルで三泊。


お部屋は安いプランなので3階の景色がないお部屋。いつも同じ部屋です。

DSC00646.JPG



が、しかしこの部屋が好きなのです。大きな楠が繁っていて、ちょっと隠れ家っぽいのです。

窓から民家が見えるのも御愛嬌。

DSC00647.JPG



今回はずっと泳いで散歩していました。一日20キロ歩いた日もありました。

二条城から北大路、銀閣寺道を下って岡崎から清水坂、東福寺、東寺、丹波口を経て二条に戻るというロングコース。(膝を故障)


もちろん一人で。街歩きは断然一人がいい。すぐに予定変更できる、我儘コース。


手前味噌ですけど、京都のいい所は、知ってる施設、見どころが数珠つなぎに並んでいる所。歩いていて飽きないのとどんどん歩けます。それに聞きかじった名前なんて調べているとさらに興味が湧きます。

携帯でウィキペディア検索しながらのウォーキング。今度はレンタサイクルも試してみようっと。


コース中程。子供のころ以来の銀閣寺、やっぱ好きです。実際はかなり小さい。

IMG_3226.JPG


歩き疲れて辿り着いた、友人の経営する古い洋食屋さんでタンシチューを頂きました。

ここは知り合いなのでレトロ探訪に載せるわけにいかないが、下賀茂神社そばにある、レトロな素晴らしいお店です・・。ううう・・・・。

IMG_3211.JPG


と、今回は写真はここまで!!


日ごろの行いが悪いのか、写真のデータが飛んでしまいました。







今回も凄い面白いことあったんだけれどなぁ・・。


最終日の夜には島原の輪違屋さんに連れて行ってもらえることになって、ビビりながらお邪魔したところ、ベロベロ。御当主の10代目と意気投合。祇園に連れて行ってもらうと、そこには画家の金子國義氏とバッタリ!「あんた何やってんの?」なんて事も。


東京で暮らしていると、あたかも東京が日本の中心と思いきや、実はその1/20くらいの面積の京都のほうが、東京の色んな人と出逢えたりします。

物質的中心は東京に違いないのだけれど、文化的には絶対に京都。これはどうやっても叶わない。
独自の文化維持システムがあるんですね。そこが東京と決定的に違う。

僕は京都に帰るより、東京から京都に通うのが性に合っていますけどね。


いつかの日記の明治時代からあるバーにも行ってきました。結局飲んでばっかりかよ。

そうそう、京都に行かれたら帰りの駅弁はJRや新幹線ホームではなく、「萩の家」で試してみてください。ここは人気があるのにJRのオリジナルブランドを推進する方向から、駅から排除されてしまいました。許せん。

DSC00650.JPG

これでたったの500円。きちんとオール経木の折詰に入っていて、丁寧な作り。
ご飯は醒めてもモチモチ、おかずの味付けといったら!

しかも、経木の香りが全体に移っており、食欲をそそります。

DSC00651.JPG


これぞ京都の正しいお弁当です。リンクはこちら。京都駅の近くで買えます。

京都、また行きたくなってきた・・・。



***

自分でも諦めていた、店内の収納を増やす方法。もうスペースがないので、と諦めていた所

まだスペースがありました!!!

60×40のこの場所。

IMG_3259.JPG

イギリスの1940年代、ちょっとだけ古いものです。昨日お迎えに行って、唯一空いていた壁に取り付けてみました。

ゴチャゴチャした小物、文具、マッチやカトラリーも全てここに収納。見つけやすく、取り出しやすい、見せる収納。



もっと収納ほしい。




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社長 島耕作(8) (モーニングKC) (JUGEMレビュー »)
弘兼 憲史
言わずと知れた島耕作シリーズ単行本。長い経緯はさておき、弊店が表紙になっております。店主もタキシードでモデルを致しました。
是非お買い求めくださいw

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梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫)
梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和 (小学館文庫) (JUGEMレビュー »)
小田部 雄次
佐賀藩主鍋島家令嬢伊都子。彼女はのちに梨本宮に嫁ぐが、明治から昭和に渡って77年間日記を残していて、その様相は「書き魔」と言わんばかり。初の洋行先のパリで買い物の様子や婚礼、即位式などの華やかな思い出を経て、戦中戦後の倹約の様子や時代に対する落胆ぶりなど。往時の匂いが漂ってくるかのような生々しさ。著者、小田部雄次の解説が当時の世情をわかりやすく補ってくれる。

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写真集 酒井美意子 華族の肖像
写真集 酒井美意子 華族の肖像 (JUGEMレビュー »)
酒井 美意子
加賀藩前田家令嬢の酒井美意子。マナー講師として厚化粧キャラでメディアに登場した姿をご存じの方もいらっしゃるであろうが、彼女は戦前まで駒場の前田侯爵邸に居住していたことを知る人は少ない。莫大な財産と華麗な人脈を、膨大な写真とコメントで紐解く、いわば現代版歴史絵巻的な写真集。必読。

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極楽商売―聞き書き戦後性相史
極楽商売―聞き書き戦後性相史 (JUGEMレビュー »)
下川 耿史
戦後の性関連産業を裏側の視点から取材した戦後風俗史。進駐軍専門のパンパン宿や性具の販売店、愚連隊、ゲイバー、カストリ情報誌、個室喫茶・・・。戦後の性に携わった人々の汗や息遣いが聞こえそうな一冊。

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京セラ、auの創始者ににして仏門に入った稲森氏が、街の小さな碍子工場を一代にしていかに大企業へと成長させたかを描く。単なるサクセスストーリーに収まらない哲学や思想を散りばめた珠玉の一冊。

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芝桜〈上〉 (新潮文庫)
芝桜〈上〉 (新潮文庫) (JUGEMレビュー »)
有吉 佐和子
我らが有吉佐和子先生の長編。戦前の花柳界を舞台に、二人の女が艶やかに力強く生き抜く。温厚で情緒的な梅弥、狡猾で気ままな蔦代。共に授かった類い稀な美貌を武器に、ただひたすら戦前、戦後の花柳界を生きる。花柳界独特のお茶屋の仕組みや旦那制度、一本や水揚げなど、判りにくい独自の世界がこの一冊でよくわかる。ストーリを彩る、旦那からの贈り物の三越謹製三百円の帯や、大粒の翡翠の簪、英国土産の巨大ダイヤモンドなど、随所に登場する豪華絢爛な衣裳拵えと、それを取り巻く年増女将との丁々発止のやりとりの描写は必見。店主のバイブルと同時に、不動の一位たる女流文芸作品。

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書いた記事数:912 最後に更新した日:2018/05/16

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